2020年12月 4日 (金)

THIS DREAM OF YOU /ダイアナ・クラール(2枚組180g重量盤アナログLP)

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Disc 1

Side A
1 But Beautiful
2 That's All/Azure-Te
3 Autumn in NY

Side B
1 Almost Like Being in Love
2 More Than You Know
3 Just You, Just Me
4 There's No You

Disc 2

Side C
1 Don't Smoke in Bed
2 This Dream of You

Side D
1 I Wished on the Moon
2 How Deep Is the Ocean
3 Singing in the Rain

今年の秋に発売になった3年ぶりのダイアナ・クラールの新譜のLPレコード。もちろん、CDでも発売されているしハイレゾも入手出来る。ダイアナ・クラールのアルバムは出来る限りLPレコードでも買うようにしていて、アナログLPを見つける事ができないセカンド・アルバムの「ONLY TRUST YOUR HEART」以外は全て持っているので、今回発売されたものも自動的に購入したという感じだ。

聴いた印象は、しっとりとして温かいジャズ・ヴォーカルだという感じ。深夜に酒をちびちび呑みながらあまり大きくない音量で聴くというのに相応しい。にぎやかでパワー抜群のジャズとは異なるものだ。このアルバムは2017年に亡くなったトミー・リピューマとの最後の録音だったらしい。ダイアナ・クラールのアルバムでトミー・リピューマがプロデュースしたものとそうでないものはちょっと違っていて、私が気に入っているものは全てトミー・リピューマが関わったものだ。

このLPレコードのプレスはEUで行われていて、盤質、音質についてはまずまず良い。ジャケットも見開きで豪華だ。ただ、手持ちのダイアナ・クラールのLPレコードには、ジャケット裏にドイツ製と表記のあるものがあり、それらのアルバムの盤質よりは少し劣る感じがする。別にダイアナ・クラールのアルバムはCDでもハイレゾでも良い音で聴けるからLPレコードにこだわる必要は無いかも知れないが、豪華な見開きジャケットのLPレコードは、実体の無いハイレゾ・データや通常のCDと比べてしまうと、物としての存在感が全く違うのだ。


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2020年12月 1日 (火)

シューマン 交響的練習曲/コルトー(3枚組SP盤)

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交響的練習曲 

アルフレッド・コルトー - Alfred Cortot (ピアノ)
録音: 1929年

D.B.1325  Side 1
(a) Thema
(b) Variation I
(c) Variation I (from Op.Posth) Variation II

D.B.1325  Side 2
(a) Variation II
(b) Variations III & IV
(c) Variation IV (from Op.Posth)

D.B.1326  Side 3
(a) Variations V & VI
(b) Variations II & V (from Op.Posth)

D.B.1326  Side 4
(a) Variation VII
(b) Variation III (from Op.Posth)
(c) Variations VIII & IX

D.B 1327  Side 5 Side 6
Finale

コルトーはEMIの全録音集のCDボックスが出ていて、それを聴いてもかなり復刻状態が良く聴きやすいのだが、割と状態の良い英国のSP盤が入手出来たので聴いてみた。1929年というと1925年頃に電気録音が始まったばかりの頃だが、このSP盤のピアノの音は恐ろしく鮮度が高く、芯のある鋼鉄の弦の弾ける音や胴鳴りまで聴こえる。

私の持っている蓄音機HMV157は1930年頃に発売された電気録音のSP盤を聴くことも想定されたもので、蓄音機の会社とレコード会社が同じ会社だということもあってとても相性が良い。しかし、現代のレコードプレーヤーとSP用のカートリッジで電気再生された音質も鮮明で聴きやすくどちらでもかなり良い音で聴ける。

難点を言えば、LPレコードやCDならばそのまま通して聴けるものが、6面3枚に分かれているので、その都度盤をひっくり返したり交換しなければいけない事ぐらい。サーフェスノイズが常に乗るが気にならない。


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2020年11月27日 (金)

モーツァルト 弦楽四重奏曲 第19番「不協和音」、第17番「狩」/アウリン四重奏団(TACET SACD/CDハイブリッド盤)

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1-4 弦楽四重奏曲 第19番「不協和音」KV.465
5-8 弦楽四重奏曲 第17番「狩」KV.458
アウリン四重奏団

録音:2017年

モーツァルト TACETレーベルから出ているSACDの「クラリネット作品集/アルトマン、鈴木優人&SWR交響楽団他」が思いの外良かったので、他のモーツァルトの曲のTACETのSACDを買ってみた。

モーツァルト クラリネット作品集/アルトマン、鈴木優人&SWR交響楽団他(SACD/CDハイブリッド盤)

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2020/11/post-d7cd1c.html

演奏は、緻密で気品のあるアンサンブルで全く淀みが無い。それでいて分析的に過ぎる事もなくモーツァルトらしい活き活きとした音楽が奏でられている。音質的にも非常によく、楽器の音が鮮明な上に残響も自然。これだけ良ければ、アウリン四重奏団のTACETのモーツァルトのSACDは全て欲しくなってしまう。

このSACDは5.1ch対応であるが再生環境が整っていないので、2chのSACD層と通常のCD層を聴いてみた。CD層を聴いただけでもInspiring Tube Soundというキャッチフレーズに相応しい美しい弦楽器が聴けるが、SACD層だとそれがさらにキメ細かく滑らかでより際立つ感じである。とても音質の良いソフトだと感じた。


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2020年11月24日 (火)

ブラームス チェロ・ソナタ第1番/ピアティゴルスキー、ルービンシュタイン(SP盤3枚組)

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ブラームス チェロ・ソナタ 第1番 ホ短調
グレゴール・ピアティゴルスキー(チェロ)アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)

録音:1936年 

第1楽章 D.B.2952 SIDE 1 SIDE 2 D.B.2953 SIDE 1

第2楽章 D.B.2953 SIDE 2

第3楽章 D.B.2954 SIDE 1 SEIDE 2

SP盤の3枚6面に収められたもの。

ピアティゴルスキーとルービンシュタインは1966年にもブラームスのチェロ・ソナタを録音している。チェロの演奏が正確で至極真っ当な感じに聴こえる。表現としてはオーソドックスで淀みがない。ルービンシュタインのピアノもチェロに負けず劣らずオーソドックスな感じで素晴らしい演奏である。

1936年というと昭和11年、戦前のこの時期には素晴らしい演奏家が数多くの名演をSP盤に残したがその1組という感じがする。電気録音が円熟してきた時期のもので、チェロもピアノもかなり良好な音質で捉えられている。常にシャーっというバックグラウンドノイズがある中で演奏が聴こえるが、慣れると全く気にならない。新しい優秀録音ばかり聴いている中で時折このような古い音源を当時のSP盤というメディアで聴くのも乙なものだと思う。要は、良い演奏良い音楽かどうかが重要なのだ。


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2020年11月20日 (金)

モーツァルト フルート四重奏曲集/ベネット、グリュミオートリオ

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SIDE 1
1. 第1番 ニ長調 K.285
2. 第4番 イ長調 K.298

SIDE 2
1. 第3番 ハ長調 K.Anh, 171(K.285b)
2. 第2番 ト長調 K.285a

ウィリアム・ベネット(フルート)
グリュミオー・トリオ
*アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)
*ジョルジュ・ヤンツェル(ヴィオラ)
*エヴァ・ツァコ(チェロ)
録音:1969年

当時、フランコ・ベルギー派の総帥のような存在だったアルテュール・グリュミオーは、グリュミオー・トリオを結成して室内楽の演奏にも熱心であったし、それ以外にもモーツァルトの曲の名演奏を沢山残した。

これは、英国のフルーティストのウィリアム・ベネットと組んで演奏したモーツァルトのフルート四重奏曲集である。ベネットのフルートは、若干、生真面目さを感じるが、グリュミオー・トリオはフルートに主役を譲り少し引いた感じでしなやかで美しいアンサンブルを聴かせてくれる。それが、全体として気品に満ちた演奏になっている。

50年以上前の録音であるが、このLPレコードを聴く限りにおいては、音質的にそれほど古さを感じない。


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2020年11月17日 (火)

モーツァルト クラリネット作品集/アルトマン、鈴木優人&SWR交響楽団他(SACD/CDハイブリッド盤)

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Track 1-4
クラリネット五重奏曲 イ長調 K. 581
ディルク・アルトマン (クラリネット)
ルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズ

Track 5
夕べの想い K. 523 (クラリネットとピアノ編)
ディルク・アルトマン(クラリネット) 鈴木優人 (ピアノ)

Track 6
クローエに寄す K. 524 (クラリネットとピアノ編)
ディルク・アルトマン(クラリネット) 鈴木優人(ピアノ)

Track 7-9
クラリネット協奏曲 イ長調 K. 622
ディルク・アルトマン(クラリネット)
南ドイツ放送交響楽団のメンバー 鈴木優人(指揮)

録音:2018年

独奏クラリネットはモーツァルトが意図したとおりのバセット・クラリネットによって演奏されている。クラリネット五重奏曲のルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズは、第一ヴァイオリンが白井圭、チェロが横坂源という名手で、ソリストとしても有名な人達で構成されている。クラリネットと弦楽器が見事に溶け合ったとても素晴らしいアンサンブルである。

歌曲を編曲しクラリネットとピアノで演奏した2曲は、あたかもクラリネットが歌っているようで、またピアノがフォルテピアノだということもあり、クラリネットの渋い音色にピアノが寄り添うような伴奏である。

クラリネット協奏曲では、モーツァルトの時代のスタイルのように協奏曲の指揮をフォルテピアノを演奏しながら指揮している。オーケストラは古楽器ではないのにノンビブラートで弾かれていて、古楽器のようにも聴こえる。やはりピアノは現代ピアノではなくフォルテピアノが使われて指揮者が弾いている。こちらも素晴らしい演奏だ。

音質は自然で素晴らしい臨場感が味わえる。弦楽器や木管楽器の音色の再現性の良いソフトだ。CD層も高音質だがSACDはさらに素晴らしい。私は通常の2chステレオで聴いているが、SACDは5.1chでも聴ける仕様のディスクである。

TACETというレーベルの録音エンジニアはINTERCORDという今はないレーベルで録音をしていたエンジニアらしい。録音マイクにはノイマンのヴィンテージ真空管コンデンサ・マイクが使われているらしく、それも音色の再現に大きく寄与しているのだと思う。最先端のハイレゾ録音に60~70年前のマイクロフォンが使われているというのは興味深い。


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2020年11月13日 (金)

ロッシーニ スターバト・マーテル/ジュリーニ、フィルハーモニア管 他

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ロッシーニ:スターバト・マーテル

SIDE 1
 導入唱「悲しみに沈める聖母は涙にむせびて」
 アリア「嘆き憂い悲しめるその御魂は」
 二重唱「たれか涙を注がざる者あらん?」
 アリア「人々の罪のため」
 「慈しみの泉なる御母よ」

SIDE 2
 四重唱「ああ聖母よ」
 カヴァティーナ「その御傷を深くしのばしめ給え」
 アリアと合唱「審判の日にわれをまもり給え」
 四重唱「肉身は死して朽つるとも」
 終曲「アーメン,とこしえにわたり」

 カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ1)
 ルチア・ヴァレンティーニ・テッラーニ(ソプラノ2)
 ダルマシオ・ゴンザレス(テノール)
 ルッジェーロ・ライモンディ(バス)

 フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
 カルロ・マリア・ジュリーニ(指揮)
 録音:1981年 1982年(デジタル)

これは、ロッシーニのスターバト・マーテル(悲しみの聖母)の名盤の一つ。何よりもジュリーニのひたひたと迫りくるような指揮とオーケストラ、合唱、独唱歌手たちの歌いずれもが一級品である。特にリッチャレッリの歌は素晴らしいと思う。

演奏はとても良いが、音質はちょっといまいち。1980年頃からアナログ録音からデジタル録音に変わったばかりの頃のドイチェ・グラモフォンは、かなり調子を落としていた。今のデジタル録音の水準からはかなり落ちる。輸入盤のLPレコードだとそれがだいぶ緩和されて聴こえるが、それでも、1970年代終わり頃のアナログ録音のドイチェ・グラモフォンの平均的水準からは劣っている。


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2020年11月10日 (火)

モーツァルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク他/スイトナー、シュターツ・カペレ・ドレスデン

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side 1
アイネ・クライネ・ナハトムジーク
セレナータ・ノットゥルノ

Side 2
交響曲 第29番

シュターツカペレ・ドレスデン オトマール・スイトナー(指揮)

録音:1960年

このLPレコードは、東ドイツETERNAレーベルのもので、ジャケット裏にAg 511/01/70の表記があるので1970年頃発売された再発盤。初版はV字の緑色のデザインのレーベルのはずである。再発なので中古価格も安い。

1960年というステレオ初期の録音だが、ETERNAの音質は旧共産圏の中では一番良いと思う。残響が自然で、中低域がぶあつくしっかりしていて、高域はしなやかで弦や木管は地味ながら美しい音色である。実直でキチッとしたテンポなのに弦はしなやかで陰影感のある演奏でなかなかな佳演だ。


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2020年11月 6日 (金)

ヴェリズモ アリア集/パヴァロッティ

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side 1
1.ジョルダーノ 歌劇「フェドーラ」~ 愛さずにはいられぬこの思い
2.ボーイト 歌劇「メフィストフェーレ」~ 野から牧場から
3.ボーイト 歌劇「メフィストフェーレ」~ 世の果てに近づいた
4.チレア 歌劇「アドリアーナ・ルクブルール」~ あなたの中に母の優しさとほほえみを
5.チレア 歌劇「アドリアーナ・ルクブルール」~ 心身ともにくたくたで
6.マスカーニ 歌劇「イリス」~ 窓を開けよ
7.マイアベーア 歌劇「アフリカの女」~ おお、パラダイス
8.マスネ 歌劇「ウェルテル」~ 春風よ、なぜ私をめざめさせるのか

side 2
1.ジョルダーノ 歌劇「アンドレア・シェニエ」~ ある日、青空をながめて *
2.ジョルダーノ 歌劇「アンドレア・シェニエ」~ 五月の晴れた日のように *
3.ジョルダーノ 歌劇「アンドレア・シェニエ」~ 私は兵士だった *
4.プッチーニ 歌劇「西部の娘」~ やがて来る自由の日
5.プッチーニ 歌劇「マノン・レスコー」~ 美しい人たちの中で
6.プッチーニ 歌劇「マノン・レスコー」~ 何とすばらしい美人
7.プッチーニ 歌劇「マノン・レスコー」~ ご覧ください、狂った僕を

ルチアーノ・バヴァロッティ(テノール)
*3曲のみ リッカルド・シャイー(指揮)
それ以外 オリヴィエロ・デ・ファブリティス(指揮)
ナショナルフィルハーモニー管弦楽団

1979年(デジタル録音)

LPレコードは1980年に発売されたオランダプレスの英DECCA盤。1980年頃から英DECCAは英国でのLPレコードのプレスを止めてオランダでプレスするようになった。CDは2007年発売の厚紙デジパック装丁のもの。なお、LPレコードには「ヴェリズモ アリア集」というタイトルは無かった。CD時代になってから付けられた。

9月にドキュメンターリー映画「パヴァロッティ 太陽のテノール」というのが上映されたので観た人も多いと思う。この映画を観てパヴァロッティのオペラ・アリア集を聴いてみるなら、これも候補の1つに挙げて欲しい。LPレコードでもCDでも持っているが、どちらでも充分に楽しめる。

全盛期に録音されたこのLPレコードやCDを聴くと、やっぱりパヴァロッティはとてつもない歌手だったとうならざるを得ない。最初の「愛さずにはいられぬこの思い」を聴いただけで、まさに、ブラヴォー!だ。そして聴き始めたら止まらない、一気に最後まで聴きたくなる。

ルチアーノ・パヴァロッティの全盛期は1970年代から1980年代の初め頃までで、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスらと3大テノールのコンサートをやっていた1990年代には、全盛期に比べてかなり衰えがあった。一番ごまかしがきかなかったのはソット・ヴォーチェで、そこそこ大きい声を張り上げる部分は良くても、弱音で歌う部分の美しさは全盛期と比べてしまうとかなり差がある。なので、パヴァロッティの真価を録音物で聴きたかったら、1970年代から1980年代の初め頃までに録音された歌劇全曲盤か、このようなオペラアリア集を聴いたほうが良い。


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2020年11月 3日 (火)

レオンカヴァッロ「道化師」~衣装をつけろ フロトウ「マルタ」~夢のように/カルーソー(電気合成吹き込みSP盤)

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エンリコ・カルーソー(Enrico Caruso, 1873年2月25日 - 1921年8月2日)は、オペラ史上では伝説的なテノールである。没年が1921年なので、来年で没後100年となる。レコード史上に於いて1904年に録音した レオンカヴァッロ「道化師」~衣装をつけろ は、史上初のミリオンセラーとなった。当時のSP盤1枚の値段はとても高価で、それでいて100万枚以上を売り上げたのだから、今の歌手が1000万枚売ったところで、実勢価格を考慮したならとてもかなうとは思えない。

1904年録音の レオンカヴァッロ「道化師」~衣装をつけろ は、ピアノ伴奏で歌われていたが、1916年録音のものは管弦楽をバックに歌われた。しかし、当時のアコースティック録音(らっぱ吹き込み)では、まともに聴こえるのは人の歌声とヴァイオリンくらいで、管弦楽はとてもみすぼらしい音質でしか記録されていないはずだ。ところが、このSP盤のバックの管弦楽はかなり豊潤な音質で1930年頃の電気録音のSP盤と比べて遜色ない。それだけではなくカルーソーの歌もかなり鮮明である。

昭和14年に発刊された「名曲決定盤」あらえびす著には、「カルーソーのレコードのうち、電気再生して、日本ビクターで売り出したのは、九枚十八面に及んでいる。これは完全にプレスされた旧吹込盤を蓄音機にかけ、伴奏だけを実演でダブらせて、電気に吹込み直しをしたものらしく、伴奏をダブらせる手加減と、その楽員の配置、マイクの距離などが、非常にむずかしいものだろうと思う。」とある。

つまり、このSP盤はカルーソーの死後1930年代になってから、カルーソーの声を再生しつつそれに合わせて管弦楽を演奏し電気録音しなおされた電気合成吹き込み盤なのだ。私は、この盤を最初に聴いた時、こんなに音質の良いカルーソーの録音が残っていたんだと半ば狂喜した。

古い時代の音源も聴くクラシック愛好家である知人は、ジーリやスキーパはわかるがカルーソーは音が古すぎてその良さが理解できないという。復刻CDだけで聴いたならさもありなんと思う。電気吹き込みの時代になればかなり音質も良くなるので復刻CDで楽しむことは出来ても、もっと古いアコースティック録音時代のものの復刻CDで上手く復刻できているものはあまりない。しかし、このSP盤を直接聴いたなら事情はかなり違ってくると思う。

なお、10年くらい前には、カルーソーの声と管弦楽をあわせてデジタル録音されたCDが発売されている。100年経つのに、このような復刻盤が出るなんて、やはりカルーソーは伝説の歌手だ。SP盤時代には、カルーソーは売れて盤が沢山残っているのでカルーソーに珍しいもの無しと言われていて特にプレミアムが付くような盤は無かったが、古いものが貴重になるこれからの時代はそういう盤も大切にしたいものだ。


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«マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」全曲 レオンカヴァッロ 歌劇「道化師」全曲/セラフィン、モリナーリ・プラデッリ、ローマ聖チェチーリア音楽院o.他 (米ロンドン3枚組LPレコード)