2009年7月10日 (金)

フライデイナイト・イン・サンフランシスコ/アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシア

004 これは、1980年代初頭のポピュラー、ジャズ系の名盤のひとつ。三人のジャンルも違う国籍も異なる名手が集まって繰り広げられたアコースティックギターによる音楽のバトルである。ポピュラー・ミュージックにおけるアコースティック・ギターの可能性を全世界に知らしめたような演奏。こちらは米国CBSコロムビアのLPだ。

005 これは、同じ音源の盤であるがスペイン・フィリップスのもの。アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンは、CBSコロムビア系のレコード会社の専属であったが、パコ・デ・ルシアだけはフィリップスの専属であったため、パコの国であるスペインではフィリップスから発売されたのであろう。どちらの盤も初出盤だが、米国CBSコロムビア盤の方がギターの音の切れが良く音質的に優れている。マスターもCBSコロムビアが持っているのだと思う。

Scan10024 これは10年以上前に出た、米コロムビアの高音質純金蒸着CDである。当時確か¥3800くらいしたはずである。当時は非常に優れた復刻だと思ったが、現在発売されている通常の米国CDの方が高域が綺麗に伸びて音質も良いように思う。

私は、パコ・デ・ルシアを良く聴くが、彼は、アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンと出会って彼らのポピュラー・ジャズ・フュージョンの音楽から多大なインスピレーションをもらい、その後のフラメンコ・ギターの音楽を大きく変えてしまった。その結果、フラメンコギターの音楽はより多くの人に聴かれるようになったが、フラメンコの伝統的な部分で捨て去られてしまったものがあることも否定できない。そのターニング・ポイントとなったアルバムがこれである。パコ・デ・ルシアのフラメンコのCDでお勧めなのは、この盤より前のものならば「二筋の川」、これ以後であれば「シロッコ~熱風」が良いと思う。

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2009年7月 8日 (水)

オペラ間奏曲集/カラヤン、ベルリンフィル

003 これは、1960年代後半の録音で、カラヤンのものすごく沢山のレコードの中で、5指の中に入るかもしれない名演である。演奏だけが良いのではなくて録音も非常に良く、カラヤンの1980年代のデジタル録音のものより優秀だと思う。これは、1970年代終わりごろの再発のドイツ盤LPだが、極めて良好な音質で楽しめる。私が思うのに、カラヤンが嫌いな人はこの演奏も嫌いなのか?と首を傾げてしまう。

Scan10023 これは、2007年に発売されたドイツプレスのリマスターCDである。このCDは、オリジナルLPと同じ曲だけが入っており、ジャケットデザインもオリジナルLPを彷彿させる紙製のデジパックジャケットに入っている。そして、かなり高音質でリマスターされており、国内盤のLPを聴くくらいなら、この輸入CDの方がはるかに音質が良いとまで言い切れる。演奏も録音も良いこの盤は強力にお勧めできる。10年以上前に買ったこの曲集+バレエ曲集のCDは音質がかなり劣るので中古盤屋に行ってしまった。

尚、この2枚のジャケットを良く見くらべてみると、CDのジャケットの方は、LPのジャケットの周囲を切り取ってあるのがわかるだろう。写真の譜面の写り方、右の弓、左のコントラバス奏者の顔よりもさらにLPでは広く写っている。CDはジャケットサイズが小さいから、不自然にならない程度にトリミングし、カラヤンをクローズアップさせていることがわかる。

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2009年7月 6日 (月)

ドヴォルザーク チェロ協奏曲/フルニエ、セル、ベルリンフィル

0011 これは、1960年代初めに録音されたピエール・フルニエ、ジョージ・セル、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による名演のLPで、西ドイツ初出盤である。このように、フルニエとセルの2枚の写真が入ったジャケットである。

盤はフラット盤(外周の無音溝から中央のレーベル部分までまっ平ら、後発のものは外周の無音溝と中央のレーベル部分だけが厚く音溝部分が少し薄くなり音溝を守るようになっているグルーヴ・ガード盤)だ。英国盤は1950年代半ば頃にフラット盤からグルーヴ・ガード盤に移行したが、ドイチェ・グラモフォンは1960年代初めまでフラット盤があった。

この演奏は、柔らかくしなやかで深みがあり、それでいて気品を備えたフルニエのチェロと、ジョージ・セルに徹底的に鍛えられた鋼鉄のような弦セクションをはじめとする鉄壁のオーケストラが渾然一体となって織り成す名演である。このオリジナル盤は、その柔と剛の対比がとてもよくわかる。

001 これは、同時に所有している再発盤のジャケット。現在発売されている復刻CDの国内盤のジャケットデザインは、この再発盤のジャケットが基調になっている。このジャケットに入ったドイツプレスでレーベル外周が花輪になっているものは、花輪のすぐ内側の著作権に関する注意がMade in Germany~と書いてある(1960年代後半頃のもの)が、1960年代前半の上記写真ジャケットのものは、ALLE~の文章で始まる。

再発盤と初出のフラット盤では音質が違う。帯域はフラット盤の方が狭いが、中域が厚く高域が硬くならず柔らかい音がして聴きやすい。

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2009年7月 3日 (金)

ベルリオーズ 幻想交響曲/マゼール、クリーヴランドSO.(モービルフィデリティLP)

009 これは、1970年年代録音の米CBSコロムビア音源のものだが、高音質、限定発売のモービル・フィデリティのLPである。

この幻想交響曲も、音質が良いと有利になる音源だが、ノーマルの国内盤のLPで聴いても演奏の良さは伝わってくる。少し派手目になるが、オーケストラをしっかりコントロールした知と情を兼ね備えた佳演である。

モービル・フィデリティのLPで聴くと、その演奏の良さがもっとわかりやすい。また、CBSコロンビアの音源にも、とても優秀なものがあることを確認できる。

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2009年7月 1日 (水)

サン・サーンス 交響曲3番「オルガン付き」/バーンスタイン、ニューヨークフィル(モービルフィデリティLP)

008これは、モービルフィデリティという高音質のLPである。CBSコロンビアのマスターテープを借りて、当時の技術で可能な限り良い音質でLPにしようとしたものだ。マスターテープをレコード会社から借り、期限付きの限定販売という手法はコストがかかりすぎて、会社が立ち行かなくなったと聞く。

サン・サーンス 交響曲3番「オルガン付き」という曲は、音質が良ければ良いほど、その真価を発揮すると思えるので高音質盤はメリットが大きいと思うが、この演奏はさほど印象に残るものではないので、今までずっと棚の肥やしだった。

LPやCDが増えすぎてしまったので、ほとんど聴かないものは中古屋さんに出そうと思い、棚を整理している。そんな作業の中で、こんなものもあったんだなというのを聴いてみて、感銘がないものはどんどん中古屋に出そうと思う。そうしないと減らないから。ここしばらくの間、LPの紹介が多いのもそういった事情がある。このLP、オーディオ・ファンの知人に差し上げるつもり。

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2009年6月29日 (月)

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ/C.デイヴィス、アムステルダム・コンセルトヘボウo.

001 これは、1978年発売のコリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラによるもので、当時、録音と演奏共に良い録音としてオーディオ・ファンにも有名であった。今聴くとやや派手さがなく地味な感じがしないでもない。しかし、音が有機的でシンフォニックに響く名演であることに変わりは無いと思う。

003 手持ちにLPが2枚あって、両方とも輸入盤だが、ジャケットは、どちらもオランダで印刷されたもので片方にImported from Europeがあるか無いかの違いだけで、実際には同じものだ。しかし、プレス国が違う。

004_2005クリックして拡大すればわかるように、左が英国プレス、右がオランダプレスのもの。マトリックスは全く同一であるから、英国プレスの方はメタル原盤とジャケットが英国に送られてプレスだけを英国で行なったもののようだ。

この2枚のLPは、いずれも国内盤の同じ音源のLPより音が良い。国内盤も同じように輸入メタル原盤からプレスしているはずなのに、音が良くないのである。そして、オランダ盤と英国盤との比較では英国盤の方がオーケストラの音色が濃く聴こえる。オランダ盤は音に独特の柔らかさがある。どちらもしなやかな音でスッキリ伸びた良い音だが、国内盤は高域・低域の両端が無くなってフッというような空気感みたいなものが再現されにくく、何となく音が詰まったような感じがする。そういうことで、20年以上前に国内盤は処分した。

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2009年6月26日 (金)

バッハ:グノー アヴェ・マリア/メルバ、クーベリック

Melbaavemaria2_001 これは、バッハ作曲、グノー編曲の「アヴェ・マリア」で、ソプラノのネリー・メルバとヴァイオリンのヤン・クーベリックのコラボのSP盤である。

このSP盤が発売されたのは今から約90年前、日本で言えば大正時代のことだ。当時、この盤1枚の値段はアメリカで3ドル、日本では7円50銭だった。当時、月給が20円であれば、東京都心にアパートを借りて親子4人が生活できた。そんな時代の7円50銭であるから、いかにレコードの値段が高かったかわかるだろう。よほどのお大尽でなければ、レコードを多数コレクションすることなど不可能だったし、それを再生する蓄音機も1台何百円もして、とても庶民には無理だった。

Melbajacket1_002 Melbajacket1_003こんなふうに、音楽が入っているのは片面のみで、反対側には溝はない。両面に音楽が入るようになったのは、電気録音になった1925年頃以降になってからである。

ひょんなことから、このSP盤を引っ張り出してくることになったので、久しぶりにかけてみた。当時の録音方法は電気を使わないラッパ吹き込みというもので、音質はやはり貧しい。しかし、この時代の録音でも、歌ものやヴァイオリンだけはそれなりにちゃんと聴ける。管弦楽などの大編成のものは厳しい。20世紀初頭の大歌手の歌がちゃんと聴けて、しかも復刻CDや復刻LPよりも聴きやすいことに感謝したい。先にヴァイオリンが旋律をひととおり弾いた後でソプラノが登場する。

このSP盤は、アメリカ在住のコレクターから譲っていただいたものだが、1世紀前のものとなるとかなり貴重な文化遺産である。次の世代へきちんと譲り渡すまでの借り物だと思って大事にしたい。

ネリー・メルバ(1861年~1931年)は、オーストラリア生まれの20世紀初頭の名ソプラノ、ヤン・クーベリックは、指揮者のラファエル・クーベリックの父親で、当時の名ヴァイオリニストである。

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2009年6月24日 (水)

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」/カラヤン、ベルリンフィル(モービル・フィディリティLP)

010 これは、1971年録音のカラヤンの実に5度目の録音だった「悲愴」のLPレコードである。これは、オリジナルがEMI/エンジェルの録音であるが、モービル・フィディリティという高音質の限定生産のLPで、その音質は、英EMIのオリジナル盤よりも良い。非常にワイドレンジでバランスも良い。

カラヤンは、その生涯において7回、「悲愴」の録音がある。それだけ思い入れのあった曲なのであろう。それらは、1939年(ベルリンフィル)、1948~49年(ウィーンフィル)、1955年(フィルハーモニア管)、1966年(ベルリンフィル)、1971年(ベルリンフィル)、1976年(ベルリンフィル)、1984年(ウィーンフィル)のもので、録音年代によって音楽の傾向が異なる。若い頃のカラヤンはテンポを早くとって爽快な演奏をしていて、歳をとるにしたがって細部を磨き上げ、精密な演奏に変化してくる。それに加え晩年になるとテンポが遅くなり時に重い感じを受けるようにもなる。このように、1939年のSP録音と1984年のデジタル録音のものでは、テンポも音楽のつくりも全く違う。

カラヤンが好きな人、嫌いな人にあえて問いたい。「あなたの好きな(嫌いな)カラヤンは、いつの時代のカラヤンですか?」と。私は、精妙な表現をしまだ晩年のようなテンポが遅く重い感じのない60年代から70年代初めまでのカラヤンが一番好きだ。

1971年のこの録音はすでにかなり精密な感じであり、音質の良いこのモービル・フィデリティのLPだとカラヤンの意図が通常のLPやCDより良くわかる気がしてならないし、このLPを聴いてはじめて本当の凄さがわかった気がする。国内盤のLP、英国オリジナル盤(4,5,6番のセット)、同じ音源の様々なものを聴いたが、この音源で残してあるのはこのLPだけである。

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2009年6月22日 (月)

オペラアリア集/ルチア・ポップ

013 これは、1982年録音の西ドイツのマイナーレーベル、ACANTAのLPレコードで、ルチア・ポップの十八番だったオペラ・アリア集である。

初期のデジタル録音ではあるがなかなか楽しめるLPレコードで、「魔笛」「フィガロの結婚」~モーツァルト、「売られた花嫁」~スメタナ、「ルサルカ」~ドヴォルザーク、「マノン」~マスネ、「ルイーズ」~シャルパンティエ、「リゴレット」~ヴェルディ、「ジャンニ・スキッキ」~プッチーニ、「じゃじゃ馬馴らし」~ゲッツ、「魔弾の射手」~ウェーバーと、多彩なオペラから有名なアリアを歌っている。

この録音は、マイナーレーベルのもので、一般には目立たないが、私自身の隠れた愛聴盤というべきもの。

すでにご紹介済みの1983年録音のEMIの音源であるモーツァルト オペラアリア集/ルチア・ポップ、先週ご紹介したばかりのドイツの童謡と子守歌/ルチア・ポップ、ザイフリート、器楽アンサンブルなど、1980年代初め頃の彼女の活躍は素晴らしかった。

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2009年6月19日 (金)

モーツァルト ディベルティメント第17番ほか/マリナー、アカデミー室内管

006 これは、ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団によるモーツァルトのディベルティメント第17番ほかの英国オリジナル盤である。1972年発売。

マリナー、アカデミー室内管には、おびただしい数の録音があるが、その中でも名演中の名演だと思う。統率がしっかりしたしなやかなアンサンブルでややクールで切れ味のいい透明感がある演奏で、オリジナル盤で聴くと国内盤LPや現行のCDよりも、弦の音色の美しさが映える。

このLPレコードの英ARGOは、英DECCAの傘下にあったレーベルであるので、録音のスタッフもレコードのプレスも英DECCAがやっており、音質的クオリティも通常の英DECCA盤と同等である。この盤もオリジナル盤と国内盤の音質の差が大きい。

この盤は、すでにオリジナル盤を持っていて気に入って聴いていたが、千円という手ごろな価格で同じものを見つけたので捕獲した。すでに手元にあったもう1枚の方は、最近アナログLPに目覚めたオーディオ・ファンの方に差し上げた。弦の響きがとても美しい、と言ってとても喜んでくれたので、こちらも嬉しくなった。

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