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2007年12月18日 (火)

R・シュトラウス 影のない女/ショルティ ウィーンフィル

20071210100056 このCDは、オペラの録音史ならびにオペラのレコーディングに関して歴史に残る盤である。ショルティは、DECCA/LONDONの録音史において、「ニーベルングの指輪」をはじめとするワーグナーのオペラ全曲の録音をした指揮者であり、その得意とするものは大編成のものが多い。

この「影の無い女」もR・シュトラウスのオペラの中では大編成のもので、晩年のショルティへのDECCAの信頼が行わせた録音であった。まず、起用したオーケストラがウィーンフィルであったこと、当時のR・シュトラウスのオペラを得意とした最高の歌手をかき集めて録音したこと、などである。

しかし、逆にこれが仇になってしまった。歌手たちは世界中を飛び回っていて、スケジュールを合わせるのに苦労し、結果的に録音は足かけ3年の歳月を要した。また、それだけコストもかかった。このオペラを録音するのにかかった全ての費用は、当時の日本円にして、約2億円である。DECCAの経営が傾いて、UNIVERSAL MUSIC傘下に入らざるを得なくなった理由の一つが、このような金をかけすぎた録音にあると言われている。また、この「影のない女」の録音費用を回収するのに、このCDの販売だけでは50年以上かかるとも言われた。つまり、このオペラ録音は大赤字なCDなのである。日本ではクラシックの中でも、交響曲や管弦楽曲などよりオペラは数売れないのは目に見えている。交響曲や管弦楽曲でも1000セット売れればヒットだ、というのがクラシック音楽の実態である。発売されてから15年経つが、このCD、全世界でいったい何セット売れたのか?

この教訓があるため、現在のオペラ録音は、かつてのようにお金をかけなくなった。ライヴ録音やオペラの上演に便乗して1~2日だけで録音してしまうものだけになってしまったのだ。かつて、ジョン・カルショウが「ニーベルングの指輪」全曲録音に挑んだような壮大なプロジェクトは、予算的に現在の状況では不可能なのだ。

半世紀前とくらべて、歌手の水準の低下は覆いようが無く、また録音にも金や手間をかけなくなった。やっぱり昔の名盤は良いね、というのは以上の理由でいたし方ないのだと思う。

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