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2009年6月

2009年6月29日 (月)

ストラヴィンスキー ペトルーシュカ/C.デイヴィス、アムステルダム・コンセルトヘボウo.

001 これは、1978年発売のコリン・デイヴィス/アムステルダム・コンセルトヘボウ・オーケストラによるもので、当時、録音と演奏共に良い録音としてオーディオ・ファンにも有名であった。今聴くとやや派手さがなく地味な感じがしないでもない。しかし、音が有機的でシンフォニックに響く名演であることに変わりは無いと思う。

003 手持ちにLPが2枚あって、両方とも輸入盤だが、ジャケットは、どちらもオランダで印刷されたもので片方にImported from Europeがあるか無いかの違いだけで、実際には同じものだ。しかし、プレス国が違う。

004_2005クリックして拡大すればわかるように、左が英国プレス、右がオランダプレスのもの。マトリックスは全く同一であるから、英国プレスの方はメタル原盤とジャケットが英国に送られてプレスだけを英国で行なったもののようだ。

この2枚のLPは、いずれも国内盤の同じ音源のLPより音が良い。国内盤も同じように輸入メタル原盤からプレスしているはずなのに、音が良くないのである。そして、オランダ盤と英国盤との比較では英国盤の方がオーケストラの音色が濃く聴こえる。オランダ盤は音に独特の柔らかさがある。どちらもしなやかな音でスッキリ伸びた良い音だが、国内盤は高域・低域の両端が無くなってフッというような空気感みたいなものが再現されにくく、何となく音が詰まったような感じがする。そういうことで、20年以上前に国内盤は処分した。

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2009年6月26日 (金)

バッハ:グノー アヴェ・マリア/メルバ、クーベリック

Melbaavemaria2_001 これは、バッハ作曲、グノー編曲の「アヴェ・マリア」で、ソプラノのネリー・メルバとヴァイオリンのヤン・クーベリックのコラボのSP盤である。

このSP盤が発売されたのは今から約90年前、日本で言えば大正時代のことだ。当時、この盤1枚の値段はアメリカで3ドル、日本では7円50銭だった。当時、月給が20円であれば、東京都心にアパートを借りて親子4人が生活できた。そんな時代の7円50銭であるから、いかにレコードの値段が高かったかわかるだろう。よほどのお大尽でなければ、レコードを多数コレクションすることなど不可能だったし、それを再生する蓄音機も1台何百円もして、とても庶民には無理だった。

Melbajacket1_002 Melbajacket1_003こんなふうに、音楽が入っているのは片面のみで、反対側には溝はない。両面に音楽が入るようになったのは、電気録音になった1925年頃以降になってからである。

ひょんなことから、このSP盤を引っ張り出してくることになったので、久しぶりにかけてみた。当時の録音方法は電気を使わないラッパ吹き込みというもので、音質はやはり貧しい。しかし、この時代の録音でも、歌ものやヴァイオリンだけはそれなりにちゃんと聴ける。管弦楽などの大編成のものは厳しい。20世紀初頭の大歌手の歌がちゃんと聴けて、しかも復刻CDや復刻LPよりも聴きやすいことに感謝したい。先にヴァイオリンが旋律をひととおり弾いた後でソプラノが登場する。

このSP盤は、アメリカ在住のコレクターから譲っていただいたものだが、1世紀前のものとなるとかなり貴重な文化遺産である。次の世代へきちんと譲り渡すまでの借り物だと思って大事にしたい。

ネリー・メルバ(1861年~1931年)は、オーストラリア生まれの20世紀初頭の名ソプラノ、ヤン・クーベリックは、指揮者のラファエル・クーベリックの父親で、当時の名ヴァイオリニストである。

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2009年6月24日 (水)

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」/カラヤン、ベルリンフィル(モービル・フィディリティLP)

010 これは、1971年録音のカラヤンの実に5度目の録音だった「悲愴」のLPレコードである。これは、オリジナルがEMI/エンジェルの録音であるが、モービル・フィディリティという高音質の限定生産のLPで、その音質は、英EMIのオリジナル盤よりも良い。非常にワイドレンジでバランスも良い。

カラヤンは、その生涯において7回、「悲愴」の録音がある。それだけ思い入れのあった曲なのであろう。それらは、1939年(ベルリンフィル)、1948~49年(ウィーンフィル)、1955年(フィルハーモニア管)、1966年(ベルリンフィル)、1971年(ベルリンフィル)、1976年(ベルリンフィル)、1984年(ウィーンフィル)のもので、録音年代によって音楽の傾向が異なる。若い頃のカラヤンはテンポを早くとって爽快な演奏をしていて、歳をとるにしたがって細部を磨き上げ、精密な演奏に変化してくる。それに加え晩年になるとテンポが遅くなり時に重い感じを受けるようにもなる。このように、1939年のSP録音と1984年のデジタル録音のものでは、テンポも音楽のつくりも全く違う。

カラヤンが好きな人、嫌いな人にあえて問いたい。「あなたの好きな(嫌いな)カラヤンは、いつの時代のカラヤンですか?」と。私は、精妙な表現をしまだ晩年のようなテンポが遅く重い感じのない60年代から70年代初めまでのカラヤンが一番好きだ。

1971年のこの録音はすでにかなり精密な感じであり、音質の良いこのモービル・フィデリティのLPだとカラヤンの意図が通常のLPやCDより良くわかる気がしてならないし、このLPを聴いてはじめて本当の凄さがわかった気がする。国内盤のLP、英国オリジナル盤(4,5,6番のセット)、同じ音源の様々なものを聴いたが、この音源で残してあるのはこのLPだけである。

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2009年6月22日 (月)

オペラアリア集/ルチア・ポップ

013 これは、1982年録音の西ドイツのマイナーレーベル、ACANTAのLPレコードで、ルチア・ポップの十八番だったオペラ・アリア集である。

初期のデジタル録音ではあるがなかなか楽しめるLPレコードで、「魔笛」「フィガロの結婚」~モーツァルト、「売られた花嫁」~スメタナ、「ルサルカ」~ドヴォルザーク、「マノン」~マスネ、「ルイーズ」~シャルパンティエ、「リゴレット」~ヴェルディ、「ジャンニ・スキッキ」~プッチーニ、「じゃじゃ馬馴らし」~ゲッツ、「魔弾の射手」~ウェーバーと、多彩なオペラから有名なアリアを歌っている。

この録音は、マイナーレーベルのもので、一般には目立たないが、私自身の隠れた愛聴盤というべきもの。

すでにご紹介済みの1983年録音のEMIの音源であるモーツァルト オペラアリア集/ルチア・ポップ、先週ご紹介したばかりのドイツの童謡と子守歌/ルチア・ポップ、ザイフリート、器楽アンサンブルなど、1980年代初め頃の彼女の活躍は素晴らしかった。

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2009年6月19日 (金)

モーツァルト ディベルティメント第17番ほか/マリナー、アカデミー室内管

006 これは、ネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団によるモーツァルトのディベルティメント第17番ほかの英国オリジナル盤である。1972年発売。

マリナー、アカデミー室内管には、おびただしい数の録音があるが、その中でも名演中の名演だと思う。統率がしっかりしたしなやかなアンサンブルでややクールで切れ味のいい透明感がある演奏で、オリジナル盤で聴くと国内盤LPや現行のCDよりも、弦の音色の美しさが映える。

このLPレコードの英ARGOは、英DECCAの傘下にあったレーベルであるので、録音のスタッフもレコードのプレスも英DECCAがやっており、音質的クオリティも通常の英DECCA盤と同等である。この盤もオリジナル盤と国内盤の音質の差が大きい。

この盤は、すでにオリジナル盤を持っていて気に入って聴いていたが、千円という手ごろな価格で同じものを見つけたので捕獲した。すでに手元にあったもう1枚の方は、最近アナログLPに目覚めたオーディオ・ファンの方に差し上げた。弦の響きがとても美しい、と言ってとても喜んでくれたので、こちらも嬉しくなった。

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2009年6月17日 (水)

ドイツの童謡と子守歌/ルチア・ポップ、ザイフリート、器楽アンサンブル

005 これは、1980年代半ばに発売された、ルチア・ポップによるドイツの子供の歌を集めたもの。当時はLPからCDに移り変わる過渡期で、CDとLPが併売され、CDは¥3600、LPが¥2800であった。どちらも西ドイツ輸入盤に国内の帯や解説書を付けたものである。

この音源は、娘が小さかった頃、良く一緒に聴いた。言葉はわからなくても、「霞か雲か」とか「こぎつね」とか「ちょうちょ」などが入っていて、小さい子供が聴いても楽しかったようだ。日本は子供向けの歌と大人向けの歌ははっきり区別されているようだが、ヨーロッパの国々では、子供の歌であってもこのような一流の歌手が歌うCDが沢山出ていて、大人も子供も一緒に聴いて楽しんでいる。今聴いても、この歌唱はとても素晴らしい。CDならまだ現役盤が買える。http://www.hmv.co.jp/product/detail/43818

現在発売されているCDはリマスターされてもっと音質は良くなっているだろうし、CDプレーヤーなども良くなっているので、当時のものほどの差にはならないだろうが、当時発売されていたこのCDとLPの比較ではLPの方がいい音で聴けた。音が良くて安いのにLPがどんどん無くなって、みんなCDに志向していくのが不思議でならなかった。やはり、LPは面倒くさいのが衰退の原因だったのだろう。

LPの方は、先日催された地元のオーディオショップでのアナログプレーヤーの試聴会に持参して聴かせてもらった。その時の印象でも、現時点でもかなり良い音がするLPだと感じた。

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2009年6月15日 (月)

ブラームス 交響曲2番 / バルビローリ、ウィーンフィル

014 これは、ジョン・バルビローリがウィーンフィルを振ったブラームスの交響曲チクルスの中の1枚であり、バルビローリのブラームスの4曲の中で、私が一番気に入っているもの。

4曲の交響曲ともにウィーンフィルらしさを充分に出した演奏であるが、彫りの深さとか厳しさとか激しさみたいなものは希薄で、おっとりと歌わせるような感じであり、ブラームスの田園交響曲と言われている2番が一番曲想に沿った演奏で違和感が無い。

このLPは英国初版である。各駅停車に乗って京都まで行って、ベルリンフィルを振ったマーラーの9番のオリジナルLPhttp://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_d66f.htmlを買った時に、「これもどうですか?」と奨められて一緒に買い求めたものだ。当時の金銭感覚でも非常に高いと感じたが、何れのLPもコンディションが良く、愛聴盤になっているので無駄使いではなかったと思っているし、今、買おうと思えば3倍以上の値段が付いているはずなので、安かったと言えるのかもしれない。

このLPを入手するまで国内セラフィムLP盤で聴いていたが、このオリジナル盤の音質は恐ろしく違った。オーケストラの音色、音の鮮度、厚みが国内セラフィム盤は削げ取れてしまったように聴こえたくらい。一言で言うと国内盤は音がボケボケだったのだ。これを聴いてしまって、さらに外盤嗜好、オリジナル盤嗜好(高価なので思うようにはならないが)が強まった。アナログLPを良い音で聴きたければ、ハード機器だけを良くするだけではダメだ、ソフトもこだわって選んで買わなければ、という思いを新たにしたのである。

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2009年6月12日 (金)

ベルリーニ 「ノルマ」全曲/セラフィン、スカラ座、カラス他

このブログの記事数が今日の書き込みでちょうど500になる。500コンテンツ記念は何が良いか考えたが、これを持ってきた。

003 004 これは、トゥリオ・セラフィン指揮、スカラ座によるステレオ初期録音のLPレコードで、マリア・カラスのタイトルロール、フランコ・コレルリのポリオーネ、クリスタ・ルートヴィッヒのアダルジーザなどキャストにも恵まれて、録音されて半世紀経つが、いまだにこのオペラの録音の中で特別な存在である。このセットは英国初出盤で、ボックスに少し傷みがあるが、盤のコンディションはとても良く非常に快適に音楽が楽しめる。

音楽的に問題点もないわけではない。マリア・カラスは最盛期を過ぎて声が重くなっていたりする。しかし、声が重くなり力で押すようになった歌い方が、ノルマという役柄を感情移入たっぷりの状況に、さらに凄みが加わって、もはや唯一無二の何者にも代え難い記録となっている。マリア・カラスは、やはり史上最強の「ノルマ歌い」であったのは間違いない。

このLPレコードのセットは、英国の初版、2版、3版、4版まで、4つ同時に所有していた時があった。それほど溺愛していたし、それは今も変わりない。音質を比べると、やはり初版が一番音質が良かった。復刻CDしか聴いたことが無い人がこの初版LPセットを聴くと、その音質の良さにとても驚くと思う。次いで良かったのは3版だった。2版と4版は欲しい人に譲り、長く初版と3版を持っていたが、3版もどうしても欲しいという方に他の貴重盤と交換という条件でお譲りした。また、国内盤は、いずれもこの4種の英国盤と比べると色あせて聴こえてしまったので、20年以上前に中古盤屋さんに引き取ってもらった。LP派でもこのEMIの音源をいまだに国内盤で聴いているアナタ、がっかりするので英国盤は聴かない方がいい。その差は、ステレオ装置がどうのこうのという状況を超越しているのだから。

この英国初版のセットはオークションなどでもなかなか出てこない。たまに出てくると恐ろしいほど値段がつりあがるのでびっくりする。

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2009年6月10日 (水)

モーツァルト 交響曲第41番「ジュピター」他/ワルター、コロンビアS.O.

012 これは、ブルーノ・ワルター、コロンビア交響楽団によるモーツァルトの交響曲41番「ジュピター」と35番「ハフナー」の米国初出オリジナルLPである。

慈愛に満ちた、それでいて壮大な感じの演奏の41番は、寄せ集めのオーケストラを振ったものとはいえ、晩年のワルターの素晴らしい遺産であると思う。この演奏を愛するがゆえに20年ほど前にコンディションの良いオリジナル盤を手に入れた。

011 これは、40番と41番のカップリングの1980年代に入ってからデジタルリマスターされて発売された国内盤である。当時、この録音時のプロデューサーのジョン・マックルーアがオリジナル・マルチトラック・テープからリミックスしなおしたデジタルマスターを使って、鮮度が上がっている。

この2枚のLPレコードを聴き比べたとき、オリジナル盤はFレンジの狭さと経年変化や当時のプレス状況によるサーフェス・ノイズが多くあるのに対し、国内再発デジタルリマスター盤は、微少音は若干デジタル臭い感じがあるものの、特に低域でのFレンジが広く音のバランスが優れ情報量も多く、個人的には明らかにオリジナル盤の音質より良いと感じる。

両者の実勢価格は比較すべくも無い。デジタルリマスターの日本盤は、中古盤屋さんによっては100円~300円のエサ箱にも入っていることがある。音質上、オリジナル盤が良いとは限らない例である。

LPレコードは、CDよりも音質上の当たり外れが大きい。酷い音質のものは徹底的に酷く、素晴らしいものはCDの高音質のものよりずっと素晴らしい。中古レコードであれば、盤のコンディションの良否もあるので、ハズレをつかむ可能性も多々ある。しかし、それでも当たりを手に入れたときの喜びは、新品のCDを買うのとは全く次元の違うものがあるのだ。

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2009年6月 8日 (月)

モーツァルト 「フィガロの結婚」全曲/E.クライバー ウィーンフィル他

002 これは、1955年録音のステレオ初期のLPで、1966年発売、4枚組の国内盤セットである。豪華な解説書が入っており、ケースも厚手の革張りのようなもので出来ていて、当時のオペラのLPセットがこの時代の貨幣価値から考えていかに高いものだったのかわかる。盤の状態は非常に良いものであったが、こんなのがたったの千円で売られていたので、つい買ってしまった。マトリックスは国内でカットされたもので、輸入メタル原盤を使用したものではない。

我が家には、1960年ごろの英国初期プレスの4枚組輸入盤のセットがある。それはもっと音が鮮明でさらに良いのだが、3枚組になった英国プレスの再発輸入盤と比較するならば、この国内4枚組LPセットの方が音質で間違いなく勝ると思う。3枚に詰め込むのと4枚に入れるのでは1面あたりの余裕が違うのと、当時英国DECCAからキングレコードに配給されたマスターテープが良かったのと、レコード製造技術もかなり水準が高かったのであろう。

Scan10014 これは同じ音源の輸入CDのセット。これはCDだけ聴いておれば良い復刻だと思うが、実は我が家では、このCDは上記LPに音質でかなわない。音がややささくれ、ぼけて聴こえるのだ。

ということで、このLPを手に入れたことで、また、古い録音のものに対しては気になるものは格安LPを見つけたら手に入れて聴こうという気になっている。

この音源は、カルロス・クライバーの父親であるエーリッヒ・クライバーが残した唯一のステレオ録音盤で、チェザーレ・シエピのフィガロ、リーザ・デラ・カーザの伯爵夫人、ヒルデ・ギューテンのスザンナなど、当時のウィーン国立歌劇場の最高のキャストを集めて録音されたもので、録音されて半世紀以上経つのにいまだに輝きが褪せないものであり、私の一番好きな「フィガロ」である。

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2009年6月 5日 (金)

ドニゼッティ ルクレツィア・ボルジア

001 これは、以前ご紹介したもののLPである。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_5960.html

これは、モンセラート・カバリエのオペラの録音の中でも私が特に気に入っているもの。カバリエだけが素晴らしいのではなく、テノールのアルフレート・クラウスやメゾ・ソプラノのシャーリー・ヴァーレットも非常に素晴らしく、まさに歌の競演のオペラという感じである。

1966年の録音としては音質も良く、この米国RCA盤で聴くとCD以上にリスナーが熱くなれる感じがする。CDがあるからLPはもう要らないというふうにはならない。

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2009年6月 3日 (水)

オリジナル・ジャケット・コレクション/モンセラート・カバリエ その12

Scan10013これは、 1968年録音の R.シュトラウス:歌劇『サロメ』全曲LPの復刻CDである。

主なキャストは以下のとおり。

 モンセラート・カバリエ(ソプラノ)、シェリル・ミルンズ(バリトン)、リチャード・ルイス(テノール)、レオニー・リザネク(メゾ・ソプラノ)、ジェームズ・キング(テノール)、ユリア・ハマリ(ソプラノ)

 ロンドン交響楽団 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮) 

この録音は、少し前に録音、発売されていた評判の良いDECCAのショルティ/ニルソン盤に隠れてしまっていて、今まで聴くことはなかった。ラインスドルフは、オーケストラを上手く統率しているし、この録音でのカバリエは、ニルソンほどのドラマチックなテイストを利かせた歌唱ではないものの、ベーム盤におけるギネス・ジョーンズよりははるかに「サロメ」に適した声で歌っている。他のキャストではレオニー・リザネクが良いと思った。

正直言ってしまうと、私は初期以外のワーグナーのオペラとR.シュトラウスの「サロメ」と「エレクトラ」は苦手な演目であるので、上記感想もいい加減なものであるから、参考にはしないで欲しい。

これで、15枚組「オリジナル・ジャケット・コレクション/モンセラート・カバリエ」が全部終わった。

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2009年6月 1日 (月)

オリジナル・ジャケット・コレクション/モンセラート・カバリエ その11

Scan10012 これは、1972年録音のベルリーニ:歌劇『ノルマ』全曲盤の復刻CDである。

主なキャストは、以下のとおり。
 モンセラート・カバリエ(ソプラノ)  プラシド・ドミンゴ(テノール) フィオレンツァ・コッソット(メゾ・ソプラノ) ルッジェーロ・ランモンディ(バス) 

アンブロジアン・オペラ・コーラス ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 カルロ・フェリーチェ・チラーリオ(指揮)

この録音は、ステレオアナログ録音時代の名盤のひとつである。しかし、私のお気に入りは、セラフィン/カラスのステレオ盤であるので、ここでのカバリエをどうしてもカラスと比べてしまう。ドラマチックな感情移入という点では、到底カバリエはカラスにかなわない。というかカラス以上の歌い手は居ない。しかし、声の美しさという点で聴いたならば、カバリエの方がずっと美しい歌声である。場合によってはカラスの声が汚く聴こえるほどかもしれない。

さらに、周囲のキャストが素晴らしい。特に、何といってもアダルジーザ役のコッソット。この役に関してはセラフィン/カラス盤でのクリスタ・ルートビッヒなんかよりずっと良い。コッソットが素晴らしすぎて、ノルマとアダルジーザの二重唱は少しノルマに大人びた感じが足りず、若干違和感を覚えるほどだ。

オペラは、全てにおいて完璧なレコードというのはまず無い。だから、好きな演目のものは複数所有して聴いてみると面白い。そうすることで歌手の個性が浮き彫りになる。ステレオ録音のカラスの歌うノルマは凄いけれど、いくぶん全盛期を過ぎて声が重くなっているな、などは様々な同曲異盤を聴いてはっきりすることであるから。

最後に、この復刻盤は音質も含めなかなかいい復刻である。CDならば詰め込めば2枚組でおさまるところをLP時代と同じ3枚にしたのも、当時の雰囲気が残って良いと思う。

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