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2009年7月

2009年7月31日 (金)

マルタ・アルゲリッチ・コレクション2(その3)

Scan10021 これは、1970年の録音で、当時は夫だったシャルル・デュトワの指揮でロイヤル・フィルハーモニーとのチャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番である。非常に情熱的で気力あふれる名演の誉れ高いものだ。さらにこのCDでは、1988年録音のメンデルスゾーンのヴァイオリン、ピアノと弦楽のための協奏曲がカップリングされている。ヴァイオリンはギドン・クレーメル、指揮なしのオルフェウス室内管とのものである。

Scan10014 これが1989年に発売されたそのCD。このCDでは、ギドン・クレーメルの独奏によるヴァイオリン協奏曲がカップリングされていた。デジタル初期録音のものであるが、これはLPでは見たことが無い。おそらくCDでしか発売されなかったのだと思う。

003 これは、チャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番のLPである。オリジナル盤ではないがドイツプレスの輸入盤である。やはりこれもCDよりは音質が良いので、まだ捨てられない。ただ、アルゲリッチには、1980年2月のキリル・コンドラシン、バイエルン放送交響楽団とのライヴ録音のものがあり、それもLPで持っている。

001 こちらの方がさらに白熱したスリリングな演奏で、アルゲリッチの良さが出た演奏だと思うし、キリル・コンドラシンとバイエルン放送響もアルゲリッチに一歩もひけをとらない演奏であるので、今となっては若干物足りない気がしないでもない。ドイチェ・グラモフォンもフィリップスも同じユニバーサル・ミュージック傘下なのだから、このライヴも今回のCDセットの中に入れて欲しかったというのは贅沢な要望であろうか。

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2009年7月29日 (水)

マルタ・アルゲリッチ・コレクション2(その2)

Scan10020 これは、1968年録音のショパンのピアノ協奏曲1番とリストのピアノ協奏曲1番のカップリングがオリジナルだが、さらに加えて1984年に録音されたラヴェルのピアノ協奏曲ト長調も収録されている。全てアバド指揮、ロンドン交響楽団との共演のものだ。

Scan10028 これがデジタル初期の録音のラヴェルの協奏曲集で1988年に発売されたもの。1967年にアバド、ベルリンフィルとの録音は情熱的な名演だった。17年後の大人びた演奏も味わいがある。このセットでは、この両方が収録されていて聴き比べができる。

Scan10014 これは、1990年代に単売されたオリジナルスの輸入盤で、こちらはLPと同じ2曲しか収録されていない。肝腎な音質であるが、リマスターされなおされたマルタ・アルゲリッチ・コレクション2(その2)に収録されているもののほうが、低域から高域までスッキリ伸びた音質で、こちらはややこもった感じがするが、厚みのある音がする。私は新しいリマスターの方がいいと思う。

004 これは、ドイツプレスの輸入LPである。オリジナルではないが、上記2種のCDよりも拙宅では良い音で聴けるので、まだ捨て去るわけにはいかない。CDよりもピアノの音色が濃く、オーケストラもぶ厚く響く。ショパンのピアノ協奏曲1番は、アルゲリッチがショパンコンクールで優勝した1965年のワルシャワでのライヴも持っており、このライヴの方がスリリングで魅力的であるが、音質は良くない。その点、このLPは音質、演奏両方とも満足できるものだと思う。

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2009年7月27日 (月)

マルタ・アルゲリッチ・コレクション2(その1)

Scan10026 これは、最近発売されたマルタ・アルゲリッチの弾くピアノ協奏曲を集めた7枚組のセットである。「コレクション1」として発売されたソロのピアノのセットが良くて次を待っていた。このセットは新しくリマスターし直されLP次代のオリジナルの紙ジャケットに収められているという凝り様だが、三千円台で買えるので非常にお買い得であった。

Scan10019 これは、その1枚目のプロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番とラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調のもので、LP時代と全く同じカップリングで収められているCDである。録音は1967年であるから、アルゲリッチがショパンコンクールで優勝して2年後のものである。

リマスターが良いためか復刻CDとしてはかなり良い音質である。情熱的なアルゲリッチと冷静なアバド/ベルリンフィルの対比として聴いても面白い。

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2009年7月24日 (金)

ビゼー 美しいパースの娘/プレートル、フランス放送新フィル、アンダーソン、クラウス

Scan10015 これは1985年に録音されたビゼーのオペラ「美しいパースの娘」全曲盤のCDで、リマスターされ2009年に発売されたばかりのものである。映像なしでこのオペラを聴くのには、この録音が唯一素晴らしいものだと思う。

ジューン・アンダーソンやアルフレート・クラウスの歌が素晴らしいし、他のキャストも穴がないし、プレートル、フランス放送新フィルもなかなか良い。

このオペラはマイナーであるが、ビゼーらしい美しいメロディが出てきて、終幕近くのセレナーデが「小さな木の実」の原曲であるし、ビゼーのアルルの女 第二組曲のメヌエットは、編曲者ギローがこのオペラの二重唱を転用したものだ。いずれも美しく誰でも知っているメロディであるし、後に作曲された「カルメン」を彷彿させるような作品であると思う。

私は、ヘンリー・スミス役のアルフレート・クラウスの歌が特にお気に入りである。しかし、この復刻CDのジャケットやリブレットに、アルフレート・クラウスの写真が全く無いのが残念である。

001 002 これは、1980年代に発売されたフランス盤のLPである。ジャケットの表はCDと同じであるが、裏側にはアルフレート・クラウスの写真が大きく載っているし、リブレットにも各配役の顔写真がある。

今年発売されたリマスターCDは音質が良く、LPは不要なのかもしれないが、資料としての価値はLPの方があるような気がしてならない。

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2009年7月22日 (水)

ホルスト 惑星/ショルティ、ロンドンフィル(モービルフィデリティLP)

004これもデッカ・ロンドンの録音のマスターテープを借りて、マスターテープの音質をなるべく落とさずにLPにして限定発売した、モービル・フィデリティのUHQR盤で、オリジナルは1978年の録音で1979年に発売されたもの。本LPは1982年のプレスのはずだ。録音の良さとLPの品質の良さが、30年前の録音で、LPが製造されてから25年以上経過していることを感じさせない。

演奏はショルティの統率が素晴らしく派手目、スペクタクルでスケールが大きい。惑星らしい正統的な演奏で、今日でも第一級のものだと思う。ショルティはこういったものは得意だった。

今日、モービルフィデリティのUHQR盤は中古でもあまり見かけない。この盤と一昨日のものは、知人からタダで頂いたもの。素晴らしい贈り物を有難う。

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2009年7月20日 (月)

レスピーギ ローマ三部作/マゼール、クリーヴランドo.(モービル・フィデリティLP)

001 002 これは、1977年のデッカ・ロンドンの録音のマスターテープを借りて、マスターテープの音質をなるべく落とさずにLPにして限定発売した、モービル・フィデリティのUHQR盤である。通常のモービル・フィデリティのLPよりもさらにハイ・クオリティで、厚い紙箱にジャケットが入って二重包装になっていた。

003 1982年ごろ製造されたLPで、プレスは日本ビクター横浜工場、180gの重量盤である。今聴いても、このLPの音質は素晴らしい。高域は癖が無くどこまでも伸び、エネルギーを保ちながら制動の効いた伸びきった低域が聴ける。それでいて、中域が薄いということがない。

当時の日本ビクター横浜工場は世界有数の高音質LPをプレスできた。モービル・フィデリティは、支配人のサインとプレスナンバーと一緒に、誇らしげに日本ビクター横浜工場プレスであることをクレジットしたペーパーを同封していた。

肝腎の演奏であるが、マゼールという指揮者は、こういった派手目の音楽はすこぶる上手く纏め上げる。クリーブランド・オーケストラの統率は見事で、かなり楽しめる演奏である。

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2009年7月17日 (金)

バット・ビューティフル/ボズ・スキャッグス

Scan10014 これは2003年に出たボズ・スキャッグスが歌う昔のジャズ・スタンダード・ナンバー集である。

声が重く渋いので、こういった歌に適していると思うし、歳を重ねて軽いAORなどよりも昔の名曲を歌いたくなったのではないかと思う。このアルバムを手に入れたとき、一昨日の「シルクデグリー」の歌手が、30年を経過してこんなアルバムを出すようになったんだ、という歳月の流れを個人的にはしみじみと感じた。

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2009年7月15日 (水)

シルクデグリーズ/ボズ・スギャックス(ハーフスピード・マスタリング盤)

001 これは1970年代の大ヒットAORのLPレコードだが、後から高音質でリマスターされた米国盤である。実際、オリジナルの米国盤LPと比べると、音質はこちらの方が良いと思う。

当時、We're All Alone なんか良く聴いた。しかし、もう30年以上前のことだ。ボズ・スキャッグス自身、もう60歳代の半ばになっているはずで、昔のジャズのスタンダードナンバーを渋く歌うほうが様になる。

驚いたのは、このアルバムのLPが復刻されて現役盤として買えることだ。値段もかなり高い。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/3601553

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2009年7月13日 (月)

マーラー 大地の歌/クレンペラー、ニュー・フィルハーモニア管、ブンダーリッヒ、ルートビッヒ

010 これは、1964年、1966年に録音されたマーラーの大地の歌の名演奏のオリジナル盤(英国初版)である。この録音の途中で、フィルハーモニア管は、ニュー・フィルハーモニア管と名前が変わったので、ジャケットには両方のオーケストラの名前がある。厳しい中に寂寥さを感じる、大地の歌の中でマイ・ベスト盤である。

009 こちらも英国盤であるが1970年代のプレスで、第3版のもの。オリジナル盤はFレンジが狭くぶ厚い音だが、こちらはFレンジが伸びスッキリした細身の音質である。この盤でも音質はかなり良い。それにしても、LP時代、クレンペラーは日本ではあまり人気が無く、廃盤になったものも多かったが、その理由は東芝EMIのLPレコードの音質が悪く、クレンペラーの素晴らしさが聴き手に充分に伝わらなかったからと思えてならない。この録音をLPで聴くなら、是非ともこのあたりの盤を手に入れて聴いてみて欲しい。

Scan10025 これは、現行発売されている輸入盤のCDである。EMIの復刻CDはあまり良いものが多くないが、ARTシリーズの輸入盤には良い復刻が多く、この盤も例外ではない。この録音はクレンペラーの統率の素晴らしさだけでなく、フリッツ・ブンダーリッヒ(テノール)とクリスタ・ルートヴィッヒ(メゾ・ソプラノ)の二人の歌唱の素晴らしさ抜きには語れない。特に、ブンダーリッヒはこの録音の2年後、階段からの落下という事故によって亡くなってしまうので、なおさら貴重な記録である。

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2009年7月10日 (金)

フライデイナイト・イン・サンフランシスコ/アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシア

004 これは、1980年代初頭のポピュラー、ジャズ系の名盤のひとつ。三人のジャンルも違う国籍も異なる名手が集まって繰り広げられたアコースティックギターによる音楽のバトルである。ポピュラー・ミュージックにおけるアコースティック・ギターの可能性を全世界に知らしめたような演奏。こちらは米国CBSコロムビアのLPだ。

005 これは、同じ音源の盤であるがスペイン・フィリップスのもの。アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンは、CBSコロムビア系のレコード会社の専属であったが、パコ・デ・ルシアだけはフィリップスの専属であったため、パコの国であるスペインではフィリップスから発売されたのであろう。どちらの盤も初出盤だが、米国CBSコロムビア盤の方がギターの音の切れが良く音質的に優れている。マスターもCBSコロムビアが持っているのだと思う。

Scan10024 これは10年以上前に出た、米コロムビアの高音質純金蒸着CDである。当時確か¥3800くらいしたはずである。当時は非常に優れた復刻だと思ったが、現在発売されている通常の米国CDの方が高域が綺麗に伸びて音質も良いように思う。

私は、パコ・デ・ルシアを良く聴くが、彼は、アル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリンと出会って彼らのポピュラー・ジャズ・フュージョンの音楽から多大なインスピレーションをもらい、その後のフラメンコ・ギターの音楽を大きく変えてしまった。その結果、フラメンコギターの音楽はより多くの人に聴かれるようになったが、フラメンコの伝統的な部分で捨て去られてしまったものがあることも否定できない。そのターニング・ポイントとなったアルバムがこれである。パコ・デ・ルシアのフラメンコのCDでお勧めなのは、この盤より前のものならば「二筋の川」、これ以後であれば「シロッコ~熱風」が良いと思う。

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2009年7月 8日 (水)

オペラ間奏曲集/カラヤン、ベルリンフィル

003 これは、1960年代後半の録音で、カラヤンのものすごく沢山のレコードの中で、5指の中に入るかもしれない名演である。演奏だけが良いのではなくて録音も非常に良く、カラヤンの1980年代のデジタル録音のものより優秀だと思う。これは、1970年代終わりごろの再発のドイツ盤LPだが、極めて良好な音質で楽しめる。私が思うのに、カラヤンが嫌いな人はこの演奏も嫌いなのか?と首を傾げてしまう。

Scan10023 これは、2007年に発売されたドイツプレスのリマスターCDである。このCDは、オリジナルLPと同じ曲だけが入っており、ジャケットデザインもオリジナルLPを彷彿させる紙製のデジパックジャケットに入っている。そして、かなり高音質でリマスターされており、国内盤のLPを聴くくらいなら、この輸入CDの方がはるかに音質が良いとまで言い切れる。演奏も録音も良いこの盤は強力にお勧めできる。10年以上前に買ったこの曲集+バレエ曲集のCDは音質がかなり劣るので中古盤屋に行ってしまった。

尚、この2枚のジャケットを良く見くらべてみると、CDのジャケットの方は、LPのジャケットの周囲を切り取ってあるのがわかるだろう。写真の譜面の写り方、右の弓、左のコントラバス奏者の顔よりもさらにLPでは広く写っている。CDはジャケットサイズが小さいから、不自然にならない程度にトリミングし、カラヤンをクローズアップさせていることがわかる。

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2009年7月 6日 (月)

ドヴォルザーク チェロ協奏曲/フルニエ、セル、ベルリンフィル

0011 これは、1960年代初めに録音されたピエール・フルニエ、ジョージ・セル、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による名演のLPで、西ドイツ初出盤である。このように、フルニエとセルの2枚の写真が入ったジャケットである。

盤はフラット盤(外周の無音溝から中央のレーベル部分までまっ平ら、後発のものは外周の無音溝と中央のレーベル部分だけが厚く音溝部分が少し薄くなり音溝を守るようになっているグルーヴ・ガード盤)だ。英国盤は1950年代半ば頃にフラット盤からグルーヴ・ガード盤に移行したが、ドイチェ・グラモフォンは1960年代初めまでフラット盤があった。

この演奏は、柔らかくしなやかで深みがあり、それでいて気品を備えたフルニエのチェロと、ジョージ・セルに徹底的に鍛えられた鋼鉄のような弦セクションをはじめとする鉄壁のオーケストラが渾然一体となって織り成す名演である。このオリジナル盤は、その柔と剛の対比がとてもよくわかる。

001 これは、同時に所有している再発盤のジャケット。現在発売されている復刻CDの国内盤のジャケットデザインは、この再発盤のジャケットが基調になっている。このジャケットに入ったドイツプレスでレーベル外周が花輪になっているものは、花輪のすぐ内側の著作権に関する注意がMade in Germany~と書いてある(1960年代後半頃のもの)が、1960年代前半の上記写真ジャケットのものは、ALLE~の文章で始まる。

再発盤と初出のフラット盤では音質が違う。帯域はフラット盤の方が狭いが、中域が厚く高域が硬くならず柔らかい音がして聴きやすい。

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2009年7月 3日 (金)

ベルリオーズ 幻想交響曲/マゼール、クリーヴランドSO.(モービルフィデリティLP)

009 これは、1970年年代録音の米CBSコロムビア音源のものだが、高音質、限定発売のモービル・フィデリティのLPである。

この幻想交響曲も、音質が良いと有利になる音源だが、ノーマルの国内盤のLPで聴いても演奏の良さは伝わってくる。少し派手目になるが、オーケストラをしっかりコントロールした知と情を兼ね備えた佳演である。

モービル・フィデリティのLPで聴くと、その演奏の良さがもっとわかりやすい。また、CBSコロンビアの音源にも、とても優秀なものがあることを確認できる。

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2009年7月 1日 (水)

サン・サーンス 交響曲3番「オルガン付き」/バーンスタイン、ニューヨークフィル(モービルフィデリティLP)

008これは、モービルフィデリティという高音質のLPである。CBSコロンビアのマスターテープを借りて、当時の技術で可能な限り良い音質でLPにしようとしたものだ。マスターテープをレコード会社から借り、期限付きの限定販売という手法はコストがかかりすぎて、会社が立ち行かなくなったと聞く。

サン・サーンス 交響曲3番「オルガン付き」という曲は、音質が良ければ良いほど、その真価を発揮すると思えるので高音質盤はメリットが大きいと思うが、この演奏はさほど印象に残るものではないので、今までずっと棚の肥やしだった。

LPやCDが増えすぎてしまったので、ほとんど聴かないものは中古屋さんに出そうと思い、棚を整理している。そんな作業の中で、こんなものもあったんだなというのを聴いてみて、感銘がないものはどんどん中古屋に出そうと思う。そうしないと減らないから。ここしばらくの間、LPの紹介が多いのもそういった事情がある。このLP、オーディオ・ファンの知人に差し上げるつもり。

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