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2010年6月

2010年6月29日 (火)

マーラー 交響曲「大地の歌」/ライナー、シカゴSO.

Scan10066これは、1959年録音のRCA Living Stereoによるステレオ初期の復刻SACD/CDハイブリッド盤である。

LP時代には、この演奏の世評はそれほど高いものではなく、ワルターやクレンペラー、バーンスタイン盤の後塵を拝する感じであったが、現時点で聴いてみて、演奏の質の高さはこれら定評ある名盤に決して劣らない。

ライナー、シカゴ交響楽団は極めて実直にマーラーの音楽を奏で、フォレスター(コントラルト)、ルイス(ソプラノ)の二人の歌手の歌も素晴らしいとうならざるを得ない。

ところで、このSACD/CD復刻盤のマスタリング作業で判明したことがあって、きちんと正常な状態に戻してリマスターされているらしい。

この録音時には、3チャンネルのマルチトラックレコーダーが使われていたが、録音時に、3チャンネルのうちの一つのチャンネルが、誤って逆の位相で録音されていたことが判明した。このミスは11月7日の初日のセッション後に発見されたようで、2日後に行われた2回目のセッションでは正しく修正されたらしい。詳しいことは、HMVのサイトを見て欲しい。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/2553033

ということは、過去に発売されたLPやCDは、逆位相のまま発売されていたわけで、きちんとしたのを聴くのには、これでなければならないということか?このSACD/CD復刻盤の音質は1959年の録音としては非常に素晴らしいものといえる。LP派の方もこの盤は入手しておいたほうがいい。

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2010年6月25日 (金)

ベートーベン ヴァイオリン協奏曲/フェラス、カラヤン、BPO

Scan10064これは、1967年の録音で、クリスチャン・フェラスというヴァイオリニストが一番輝いていた時代の名演奏である。

この演奏を聴いてみて思うのは、なぜこの時期にカラヤンが手兵のベルリンフィルを使って、ベートーベン、ブラームス、バッハ、シベリウス、チャイコフスキーなどのヴァイオリン協奏曲を録音するのに、クリスチャン・フェラスを選んだのか?である。フェラスはヴァイオリンの旋律を上手く歌わせ、いくぶん細身であるが艶やかで美しく聴かせ繊細さ、デリケートな感じも際立たせる。その芸風がカラヤンの音楽性と共通した部分もあり、このベートーベンはいつまでも輝きを失わないと思う。

クリスチャン・フェラスは、早熟の天才だった。10代でロン・ティボーコンクールで1位なしの2位となり、ベーム、ウィーンフィルとの共演しトップアーチストになる。1950年代~1960年代には、沢山の優れた録音が残っている。しかし、彼をダメにしたのは酒である。晩年はアル中で、1982年に50歳を前に自殺してこの世を去った。

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2010年6月22日 (火)

モーツァルト フィガロの結婚/E.クライバー ウィーンフィル

001これは、1960年ごろ発売されていた米ロンドンの4枚組LPのセットで、レコードのプレスは英DECCAで行なわれていたもの。

古いLPレコードだが、保存状態は非常に良く、演奏時のノイズはほとんどない。エーリッヒ・クライバーは、カルロス・クライバーの父親だが、カルロス・クライバーがなぜ「フィガロの結婚」を演奏したり録音に残さなかったのかは、この録音があって、親父と比較されるのを嫌がったからだろうと思う。

演奏は、勢いのあるフレッシュなもので、モーツァルトの音楽を活き活きと聴かせる。音楽性は、親子でとても似ているのだ。

フィガロ:チェーザレ・シエピ(Bs)
 アルマヴィーヴァ伯爵:アルフレード・ペル(Br)
 伯爵夫人:リーザ・デラ・カーザ(S)
 スザンナ:ヒルデ・ギューデン(S)
 ケルビーノ:スザンヌ・ダンコ(S)
 マルチェリーナ:ヒルデ・レッスル=マイダン(Ms)
 バルトロ:フェルナンド・コレナ(Bs)
これらのキャストも申し分ない。特にシエピとデラ・カーザには惚れ惚れする。

003_2 これは、1960年代にキングレコードから発売された日本盤で、こちらも4枚組である。1970年代になると3枚組のものが発売されたが、余裕をもってカットされているこの国内盤は、英DECCAの3枚組の再発盤よりも音質がいい。また拙宅では、この盤のほうが、DECCAレジェンドシリーズのCDよりも良好な音質で楽しむことが出来る。

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2010年6月18日 (金)

モーツァルト コシ・ファン・トゥッテ/ベーム、ウィーンフィル

001これは、先日ご紹介した、10枚組で¥1200のセットの中に入っていたのと同じ音源の「 コシ・ファン・トゥッテ」の3枚組LPセットで、30年くらい前に買ったものだ。

デラ・カーザ、ルートヴィッヒ、ローゼ、デルモータ、クンツ、シェフラーという往年の歌手が参加している録音。1950年代半ばまでは、現在のように一部の有名なオペラ歌手が世界中を飛び回って主役を勤めるのではなく、各歌劇場の専属歌手が主役をやるものが多かった。この録音はそういった古きよき時代の最後の時代のもので、「コシ・ファン・トゥッテ」というオペラのアンサンブルという面において独特の色合いを持っている録音であると思う。

個々の歌手の出来やオーケストラの緻密さを主として聴くなら、この録音は、1962年にベームがフィルハーモニア管と録音したEMI盤には及ばない。しかし、古き良きウィーンの香りのするこの1955年録音盤は、個人的に一番のお気に入りの「コシ」である。

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2010年6月15日 (火)

モーツァルト 四大オペラ集 10CD

Scan10061これは、「コシ・ファン・トゥッテ」 ベーム/ウィーンフィル、「フィガロの結婚」 E.クライバー/ウィーンフィル、「ドン・ジョヴァンニ」 クリップス/ウィーンフィル、「魔笛」 フリッチャイ/ベルリンRIAS.SOという4つのオペラをセットにしたもので、いずれも1950年代半ばの名演奏である。10枚組で¥1200でお釣りが来る安さである。

詳しい内容は下記のサイトをみてほしい。

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1249134

音源は、魔笛がドイチェ・グラモフォンでこれだけがモノラル録音、あとは、DECCA/LONDONのものだ。個人的に、このセットの中の「コシ・ファントゥッテ」と「フィガロの結婚」私の一番のお気に入りであるが、「コシ・ファントゥッテ」は持っていたのがLPだけでCDは無かったので、買ってみた。

Scan10062 フィガロの結婚 E.クライバー/ウィーンフィル

Scan10063 ドン・ジョヴァンニ クリップス/ウィーンフィル

これらは、DECCAから正規に発売された復刻CDのセットである。DOCUMENTSから出た格安盤よりは弦の音質に落ち着きがあるが、いかんせん、値段に差がありすぎる。著作権が切れたから、DOCUMENTSが出したのだが、こんな10枚組のセットがこんな格安で発売される現状をみると、クラシック音楽CD業界は終焉が近いと思わざるを得ない。

録音出版物は、録音発売後50年で著作権が切れる。となれば、今後10年で、1960年代の名演奏は著作権切れのために、このモーツァルト 四大オペラ集のように格安で発売されることが目に見えている。

ただし、ポピュラーの場合にはこうはならないだろう。例えばビートルズも今後10年で順次著作権が切れるが、作詞・作曲の著作権はこの後もずっと残るので、作詞・作曲の著作権者にはロイヤリティーを支払わねばならない。クラシックの場合には作詞・作曲の著作権はとっくに切れているので、録音発売後50年たつと全てがフリーになってしまう。

このセットの中の「フィガロの結婚」は、私が学生時代に、昼飯代を節約して3枚組のLPを買った覚えのあるものであり、その音源がこんなに安くなってしまったことに、時の流れを感じざるを得ない。

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2010年6月11日 (金)

フルトヴェングラー 10CD BOX

Scan10060_2

これは、フルトヴェングラーの戦前~戦中にかけての名演集10枚組である。

録音は非常に貧しく、擬似ステレオのものも混じる。しかし、こんな貧しい録音なのになぜか胸をうつ演奏ばかりだ。

この10枚組CD、値段は¥1200を切る。著作権が切れているからなのだが、それにしてもこの安さは凄すぎ。

収録曲その他の情報はこちらにある。

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1249140

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2010年6月 8日 (火)

プッチーニ トゥーランドット:ラインスドルフ

001同じ、プッチーニ トゥーランドット:ラインスドルフなのだが、様々なパッケージソフトがある。

上左 SACD/CDハイブリッド盤

上中 CD(旧盤解説リブレット付き)

下左 LPレコード(三枚組ボックス、米国初出オリジナル盤ですぞ)、

下右 4トラック19cmオープンリールテープ

SACD/CDハイブリッド盤のCD層とCD(旧盤)では明らかにSACD/CDのCD層の方が音がいい。LPレコードやテープも音色やエネルギー感はCDに勝るが、レンジの広さやSNのよさはCDに分がある。再生装置が良くなってくると、それぞれのメディアの良さが再生音に反映されるようになる。

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2010年6月 4日 (金)

Beliebte Lieder Grosser Meister/ローテンベルガー、ヴァイゼンボルン

002

これは、邦訳すれば「巨匠たちの有名歌曲集」というのだろうか。ヴァイゼンボルン(ピアノ)伴奏で、ネーフェ、J.S.バッハ、モーツァルト、シューベルト、ブラームス、リスト、グリーグ、チャイコフスキーの良く知られた歌曲が1枚に収められたLPレコードで、1974年発売の西ドイツ盤である。

1926年生まれのアンネリーゼ・ローテンベルガーは、この頃すでに50歳近くになっており、本格的オペラではなくオペレッタや歌曲の録音が多くなる。さらにテレビの人気者になっており、年配のドイツ人で彼女を知らない人は居ないというほど有名で、昔、あるレコード屋の主人は、ローテンベルガーはドイツの美空ひばりみたいな歌手だ、と言っていた。

中身の歌も極上だが、このジャケット写真の笑顔が美しい。1960年代から1970年代にかけての西ドイツのLPレコードは、ジャケットが綺麗なものが多い。これもその1枚である。

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2010年6月 1日 (火)

ロマンティック・オペラアリア集/ローテンベルガー

001 5月24日、アンネリーゼ・ローテンベルガーの訃報が飛び込んできた。ネットで検索すると、あちこちでこの情報が出ていた。

CD販売のHMVでも報じていた。http://www.hmv.co.jp/news/article/1005260047/

このサイトの中のローテンベルガーの白黒写真は、このLPレコードの顔写真と同じである。

アンネリーゼ・ローテンベルガーは、私の好きなソプラノ歌手のひとりで、すでに2008年3月ごろには彼女のレコードを何枚かご紹介した。

このLPもお気に入りの1枚。モーツァルトの「魔笛」のパミーナ、「ドン・ジョバンニ」のツェルリーナ、ウェーバーの「魔弾の射手」のアガーテ、ビゼーの「カルメン」のミカエラ、ヴェルディの「オテロ」のデズデモナ、ドヴォルザークの「ルサルカ」からルサルカ、スメタナの「売られた花嫁」のマリーのアリアが入っており、1960年代の録音である。リリックな役をこれほどチャーミングに歌える人はなかなか居ないと思う。

謹んでご冥福をお祈りします。もう1枚、彼女の美しい顔写真のLPレコードがあるので、これもご紹介しようと思う。

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