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2011年8月

2011年8月30日 (火)

ベートーベン ヴァイオリンソナタ集/パールマン、アシュケナージ

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これは、1970年代半ば頃に録音された、イツァーク・パールマンとウラディミール・アシュケナージによるベートーヴェンのヴァイオリンソナタ集で、5枚組の英国初出ボックスセット。当初は、SXL盤をバラで集めるつもりで2枚だけは持っていたが、20年近く前、とても状態のいい格安のこのセットを見つけたので、SXL盤は処分してこちらだけ持っている。クロイツェルソナタなどは、この全集盤でもバラで売られたSXL盤でも音質にあまり差はなかったのを覚えている。

この演奏は、この曲の名盤として現在もCDで入手できるが、パールマンの明るくて伸び伸びとしたヴァイオリンとアシュケナージの美しいピアノが印象的で、「春」など初期のソナタは一段と素晴らしい演奏だと思うし、音質もも鮮明で良い。久しぶりにこの5枚セットを一通り聴いてみて、若かった頃の二人の演奏は、やっぱり素晴らしいと思わざるを得なかった。

このセットを引っ張り出してきたのは、ドイチェ・グラモフォンのベートーヴェン生誕200年記念で録音された、メニューイン/ケンプ盤のLPの新品未開封を入手したので、演奏を比較しながら聴いたのだ。それは、この次に紹介しようと思う。

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2011年8月27日 (土)

ベートーヴェン ピアノソナタ集/バックハウス

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これは、ウィルヘルム・バックハウスのDECCA/LONDONでの1回目のモノラル録音による、「月光」「悲愴」「熱情」ソナタの入ったドイツ盤のLPレコード。録音は、1950年代の初め頃なのだが、ステレオ録音のものと比べて、音質に遜色は無い。1884年生まれのバックハウスは、この録音時、70歳くらいになっていたはず。重厚で風格あるそれでいて透明感のあるピアノが聴ける。SPレコードの時代の若いバックハウスは、鍵盤の獅子王と呼ばれていたが、もうこの頃になると重厚さを感じる老大家の演奏である。

バックハウスのベートーベンのピアノソナタは、「ハンマークラヴィーア」以外はステレオ録音があるので、この古いモノラル録音のものはあまり省みられないが、聴いてみて凄いと思った。

このLPレコードは、ベートーベンのソナタでも特に人気のある3曲を入れた編集盤である。さらに、1950年代半ばの初出ではなく1960年代後半ごろの再発盤である。カッティングもドイツで行なったものだから、コレクション的な価値はない。そんなこともあって、送料をふくめても千円以下で手に入れたもの。モノラルだから、音が左右に広がらないというだけで、音楽も音質もかなり良いと思う。

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2011年8月23日 (火)

レハール メリー・ウィドウ/カラヤン、ベルリンフィル

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今月、このLPセットを入手した。それも、中古ではなく、未開封の新品で。セロファンでシールされたのを破って開けるときのワクワク感は、昔、高価だったLPレコードを買い大事に家に持ち帰って聴いた、あの感覚である。それは、新品のCDを買って聴くときでも同じではないかと思われるかも知れないが、LPは溝を針でこすって音を出すものだから、初めて聴く時はより緊張と期待が大きいように思うのは私だけか。このセットはオリジナル盤ではないけれど、ボックスは赤い布張りで贅沢な装填である。1980年ごろのプレスであるから、30年間、未開封のまま眠っていたものだ。良くこんなものが残っていたものだと、改めて思う。

この音源は、1年半前にESOTERICがSACD/CDハイブリッド盤で発売したものと同じ。http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-dd2c.html

しかも、このSACD/CD盤は非常に音の良い復刻盤なので、あえてLPで聴く意味はあるのか?と自問する。私的には、あるのである。弦楽器や声のたたずまいはLPの方が良く、Fレンジの広さ、音場の広さはSACD/CD盤の方が優れる。それぞれ、そのときの気分によって両方のソフトを聴き分けるというのも、ちょっと贅沢ではあるが、楽しい。

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2011年8月20日 (土)

ブラームス 交響曲全集 /ケルテス、ウィーンフィル

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これは、イシュトヴァン・ケルテスが、1973年に、テル・アビブの海岸で遊泳中に高波にさらわれて溺死した後に発売された、ブラームスの交響曲全集の英国初出LPレコード。事故があった時期は、このブラームスの交響曲全集の録音が進行中で、交響曲2番は古い1964年の旧録音のものが使われ、「ハイドンの主題による変奏曲」のフィナーレ部分は、ウィーンフィルが追悼の意味をこめて指揮者無しで演奏したものだ。

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ケルテスがDECCA/LONDONに残した録音は、駄演は一つもない。ドヴォルザークをはじめとして、モーツァルトもシューベルトも、活き活きとしてしっかりした造形のある音楽に仕上がっていた。このブラームスも、1番から4番まで満遍なく良い演奏であり、録音も良い。ケルテスは、ウィーンフィルを上手くドライブしている。今、この演奏を一通り聴いてみて、43歳で不慮の事故で亡くなってしまったのは惜しまれる。1929年生まれなので、現在も生きていれば81歳で、老巨匠になっていただろう。

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2011年8月16日 (火)

オルフ カルミナ・ブラーナ/ヨッフム、ベルリンドイツオペラ

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これは、カール・オルフの監修のもと、この曲を得意にしていたオイゲン・ヨッフムの2回目の録音のLPレコード。録音は1967年。

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重厚でダイナミックなコーラスや、ヤノヴィッツ、フィッシャー=ディスカウなどの独奏者も揃っていて、今でもこの曲のスタンダードな名盤だと思う。冒頭の『おお運命の女神よ!』を聴き出してすぐに、その音楽のリズム感、生命力に聴き手は屈する。もともとが、中世の世俗的な詩・歌集からとったもので庶民的で、覚えやすい単純なメロディー、活き活きとしたリズム感、緩急の変化があって、普段クラシックを聴かない人にも受け入れられやすい素地がある音楽だと思う。

音質は、彫りが深くて重厚な感じ。現行のCDもかなり良い復刻だと思うが、音の厚みやエネルギー感は、このアナログLPの方が上手だ。この時代のドイチェ・グラモフォンの音源には音質の良いものが多い。大きなレーベルだけに変な音のものもあるが、これは秀逸。

クラシック音楽をアナログLPで楽しむなら、このレーベルの音源がちゃんと鳴るようにしたい。尚、この続編である「カトゥーリ・カルミナ」を同じくヨッフムが1970年ごろ録音したものはさらに音が良い。ドイチェ・グラモフォンの音質が良くないという人は是非聴いてみると良いと思う。レーベルに関する印象が一変するだろう。

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2011年8月 8日 (月)

ドニゼッティ ランメルモールのルチア/セラフィン、スカラ座、カラス他

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これは、1959年録音のステレオ録音のマリア・カラスのルチア。このマリア・カラスのジャケットの顔写真は妖しい魅力があるが、音楽も同様だと思う。

このステレオ録音で聴けるカラスのルチアは、大人の妖しい魅力に満ちたもので、これを聴くと1953年のモノラル録音のルチアはやや少女っぽい。ルチアの設定は少女なのでモノラル録音の方が正しいように思えるのではあるが、最大の聴きどころである第三幕の狂乱の場は、このステレオ盤では熟成された大人のルチアであり、これはこれで見事だ。

カラスの声は1957年以後は重くなってしまい、1953年のモノラル録音の全曲盤を聴くと、若さと声の輝きが素晴らしく、この録音は劣化した感じが聴こえないわけではない。エドガルド役のタリアヴィーニも、モノラル録音のステファノと比べると分が悪いし、カップッチルリのエンリーコは若すぎて、モノラル録音のゴッビの方がどう聴いても貫禄がある。そんなわけで、ルチアに関しては、総合的にはモノラル録音の方が出来が良いと思うのだが。

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1953年と1959年の6年の差は録音技術の進歩はかなり大きかったといわざるを得ない。これは英国初版のLPのレーベルだが、パリっとした濃い音が詰まっているような感じで、音質はかなり良い。

2007年に「コンプリート・スタジオ・レコーディングス」というマリア・カラスの69枚組のCDセットを買ったが、このCDは普通に音楽を楽しむのには問題ないが、音質にこだわると、このLPで聴いたほうが楽しい。

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2011年8月 5日 (金)

ファリャ 「はかなき人生」全曲/フリューベック・デ・ブルゴス、スペイン国立O.他

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1965年に録音されたオペラ全曲盤のLPの英国初版盤。指揮者、オーケストラ、合唱団、配役に至るまで全てスペイン人で構成されている。録音はマドリードで行なわれたが、合唱団は、わざわざサン・セバスチャンから招き、全盛期のビクトリア・ロス・アンヘルスをはじめとする歌手も最高の陣容で、カスタネットにルセロ・テナ、ギターにビクトル・モンヘなどフラメンコ畑の人を起用するなど、現在では考えられない気合の入れ方で作られたレコードだと思う。

サルー役のビクトリア・ロス・アンヘルスは、まさに絶唱という感じで、彼女のオペラ録音の中でも優れたものといわざるを得ない。ファリャは、スペインのクラシックの中で一番重要な作曲家であることは間違いなく、一番有名なオペラが「はかなき人生」で、白人の男と良い仲になったジプシー娘が裏切られて絶望死し、その弟が裏切った男を刺し殺してしまうという物語である。音楽はスペインの風情にあふれ、フラメンコ的な感じのする場面も少なくない。

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こちらは、CDのセットで、いまだに現行盤として入手できることに感謝したい。英国初版盤は、さすがオリジナル盤という音質で、厚みがあり鮮度も高く歌手の声などの音色は香気があると思うほどなのだが、復刻CDもかなり優れたリマスターだと思う。

この音源は、過去にこのブログで紹介したことがあるが、ホームページのほうにこの録音に参加していたカスタネット奏者のLUCERO・TENA(ルセロ・テナ)のコンテンツを作ったので、その記念に再度載せてみた。こちらも是非ご覧頂きたい。

http://www.geocities.jp/asd2251sxl2001sax2251/lucerotena.htm

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2011年8月 3日 (水)

シューベルト 交響曲9番「ザ・グレート」/ケンペ・ミュンヘンフィル

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これは、先月、ベーム/ベルリンフィルのブラームス1番と同時に発売された、ESOTERICのSACD/CDハイブリッド盤である。このような、どちらかというとクラシックおたくが好みそうな音源まで発売したことに、少し驚いている。

ケンペは、堅実で職人肌の指揮者で派手なところは全く無いが、この音源では、ロマンチックで情熱的な演奏を繰り広げている。この録音で聴けるミュンヘンフィルは、管楽器の独奏が上手いと思う。下手な演奏だと、ただ長ったらしくなってしまうだけのこの曲が素晴らしく聴こえ、もっと長くても許容できてしまうような演奏だ。

さて、音質だが、CD層のみを聴いた感想である。元の録音は1968年にしては相当に良いと思われる。Fレンジも広く深みがあって雄大な低弦、深みのある管楽器、音色はかなり良い状態に保たれているし、音場も広い。

ケンペの残した録音で私的に気になるものは、ウィーンフィルと入れた「ローエングリン」、ドレスデン国立歌劇場といれた「ナクソス島のアリアドネ」、バンベルク交響楽団と入れた「売られた花嫁」などのオペラ物である。「ローエングリン」は、ドイツプレスの再発盤LPでもかなり高音質だし演奏も定評あるものなので、是非SACD化して欲しい。

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2011年8月 1日 (月)

ジョン・コルトレーン/ソウルトレーン(RVGリマスターCD)

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先月、某CD屋で半額セールで叩き売られていたこの盤を買った。2006年のRVGリマスターでEUプレスである。これが、¥800くらいだった。ジャズを聴く人なら、おそらく誰でも持っている説明不要の名盤なので、私もアナログLP2種と1990年代半ば頃発売さてていた高音質金蒸着CDを持っていたのだが、ある人から、輸入盤のRVGリマスター・シリーズの復刻CDは、同じ音源の1990年代の金蒸着CDなんかよりずっと音が良いよ、と言われていて気になっていた。おまけに、レコードプレーヤーの1台が故障したので、CDを聴く割合も多くなっていたのも購入した理由のひとつ。

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これは、1993年にリマスターされて発売されたDCCの金蒸着CD。当時¥3500くらいだった。

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この同じ音源の2種のCDを聞き比べると、上の¥800で買ったCDの方が音がいい。しかもその差はかなり大きく、仕事場にある8cmのフルレンジスピーカーの装置でも容易に判別できる。金蒸着のCDは音がぼやけている。

1993年と2006年では十数年のデジタルの技術の進歩もあるが、リマスターした技術者の差もあるだろう。金蒸着の方はマスタリング・エンジニアはスティーブ・ホフマンという人だが、2006年RVGリマスターは、この音源を録音したルディ・ヴァン・ゲルダーが担当しているのが大きいと思う。この録音はモノラルだが、モノラルをそのままCDにすると、2本のスピーカーからスリット状に音が出てくるので、若干広がりを持たせるようなリマスターをしているのが普通だが、実在感があるようなデフォルメをもたせて、ルディ・ヴァン・ゲルダーらしさが出ている。

しかし、このような有名盤も半額で叩き売られるようでは、CDというメディアは終焉が近いと思わざるを得ない。

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