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2012年4月22日 (日)

ワレフスカ名演集/クリスティーヌ・ワレフスカ(TOWER RECOADS UNIVERSAL VINTAGE COLLECTION 5CD)

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ここのところ、LPレコードばかり紹介していたのだが、今回はCD。これは、タワーレコードの企画セットで、クリスティーヌ・ワレフスカという女流チェリストの1970年代のPHILIPSレーベルから出たLPの復刻で、2010年に発売になった5枚組で¥4200の国内盤である。半分以上が初CD化音源。このブログを書いている時点で、タワーレコードにはわずかだが在庫はあるようである。

クリスティーヌ・ワレフスカという名前を聞いてなつかしいと思う人はそう多くないだろう。2010年に30数年ぶりに来日公演を行なうまで、誰その人?という方が多かったのではないだろうか。

ジャクリーヌ・デュ・プレが好きなあなた、だまされたと思ってこのセットを聴いてみてください。解説の諸石幸生さんは、聴き終わったときアメリカのデュ・プレが居たと思うかも知れないと書いていたが、私はまさしくそういう感じを受けた。もちろん、デュ・プレとはかなり異なるタイプなのだが、この人のチェロの弾き方は一種独特の個性があって、男性に負けないゴリゴリしたエネルギッシュな感じがあるのに、同時に女性的なしなやかなフレージングを持ち、独特のリズム感があって個性的なテンポの変化がある。いずれも現在のチェリストには居ないタイプ。これら個性的な演奏は、音楽を活き活きとさせる方向には働くものの、決してマイナスにはなっていない。むしろ、現在では、このような演奏を聴くと、とても新鮮に感じる。

収録曲は以下の通りで、主要なチェロ協奏曲をかなり含んでいる。

ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
ブルッフ:コル・ニドライ 作品47
シューマン:チェロ協奏曲 イ短調 作品129
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 作品33
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
ハイドン:チェロ協奏曲第1番 Hob.VIIb-1
プロコフィエフ:チェロ協奏曲第1番 ホ短調 作品58
ハチャトゥリアン:チェロ協奏曲 (1946)
サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33
サン=サーンス:チェロ協奏曲第2番 ニ短調 作品119
サン=サーンス:チェロと管弦楽のための組曲 作品16
サン=サーンス:アレグロ・アパッショナート 作品43
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ト長調 RV414 P.118
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 イ短調 RV418 P.35
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 ト短調 RV417 P.369
ヴィヴァルディ:チェロ協奏曲 イ短調 RV420
ハイドン:チェロ協奏曲第2番 ニ長調 Hob.VIIb-2

収録曲で特に目をひいたのは、プロコフィエフの「協奏曲第1番」が収録され、第一番を改作した、より一般的に有名な「チェロと管弦楽のための交響的協奏曲」が収録されていないことである。これは、ワレフスカ自身が第一番の方が良いという判断で収録されたものらしい。現在のテクニック至上主義のようなチェリストではないかも知れないのだが、この曲は、高度なテクニックが必要であることと作曲者本人が失敗作としていたため、録音がそれほど多くないのであるが、聴いて良い曲であると思えた。それはワレフスカがこの曲を弾ききっているからに他ならないと思うし、佳演であると思う。

ドヴォルザークやシューマンはチェロが良く歌う。このチェリストは本当に歌うように弾く。それが好感が持てる第一の点である。録音が実演よりチェロをクローズアップするように録られているが、どれもバランスが良く音質的にも良い復刻だと思う。

Swscan00392

最近は、新規にCDを買ってきてもこれはというものはすくないのであるが、これは私のCDライブラリーに愛すべきセットが一つ増えたと、間違いなく言える。

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