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2012年5月

2012年5月25日 (金)

マーラー 大地の歌 /バーンスタイン、ウィーンフィル、フィッシャー=ディスカウ、キング

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これは、バーンスタインがウィーンフィルを振り、DECCA/LONDONに1960年代後半、録音したもの。マーラーの大地の歌は、通常、テノールとアルトで歌われるのが普通だが、これは、アルトではなくバリトンのフィッシャー=ディスカウが歌っている。

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この録音は、マーラーを得意とし、初めてマーラーの交響曲全集を完成させたバーンスタインが、マーラーと縁の深いウィーンフィルを振っている事で当時話題になったものだが、歌手陣のジェームス・キング、ディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウの歌も非常に素晴らしい。特に、最終楽章でのフィッシャー=ディスカウの歌は、考え抜かれテクニックも優れた極めて素晴らしい芸術的な歌唱という他ない。数日前に彼の訃報を聴いて、膨大な録音の中からこの1枚を真っ先に選んで冥福をお祈りしながら聴いてみた。

当時、バーンスタインはCBS/コロムビア・レーベルと専属契約を結んでいた。DECCAは、米国で人気の高いバーンスタインを借りるのと引き換えに、当時専属契約を結んでいたウィーンフィルとDECCAの録音技術者を貸し出してCBS/コロムビアの録音をする交換契約を結んだ。DECCAで発売したのはこの盤とモーツアルトの録音が、CBS/コロムビアからはファルスタッフと薔薇の騎士のオペラ全曲盤が発売された。

この盤は米国のLONDON盤で、1960年代に当時発売されていたLPレコードである。

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2012年5月18日 (金)

ブラームス 交響曲4番 / ワルター、コロムビアSO

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これは、ステレオ初期の録音。フルトヴェングラーはモノラル録音しか残っていないが、ブルーノ・ワルターは最晩年のものがステレオで残っている。しかも、かなり良い音質で。

この演奏は、慈愛に満ちた暖かいブラームスで、このようなスタイルの4番はバルビローリのものしか知らない。バルビローリ/ウィーンフィルは、バルビローリがオーケストラにかなり細かい指示を与えて達成されたものだと感じるが、この演奏は、ある程度オーケストラに自由にやらせている感じがする。また、オーケストラが寄せ集めに近いので、微妙なアンサンブルの乱れもある。しかし、そのようなことは取るに足らないことだ。常に微笑みを忘れないようなワルターの演奏は、没後50年が過ぎても何ら色あせていない。

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このLPレコードは、1990年代半ばに発売された米国プレスの復刻重量盤だが、今聴いてもその音質の良さに驚く。テープ・ヒスノイズはそのまま残っていて、マスターテープの音質をあまり貪っていない感じである。通常のCDでこのくらいの音質で鳴ってくれたら嬉しいが、ききくらべると相当に差がある。

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2012年5月10日 (木)

モーツァルト フルート協奏曲 / ランパル、グルシュバウアー、ウィーン交響楽団

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これは、フランス・エラートレーベルが録音した、ランパルのモーツァルト フルート協奏曲1番、2番のカップリングされたLP。1980年代半ばごろ、一番最後に再発されて¥1200で売られていた国内盤。

下宿先から帰省してきた娘に、モーツァルトのフルート協奏曲2番のCDはあるか?と聞かれた。趣味でフルートをやっていて、今度新しい先生に教わり始めた。その先生からの課題がモーツァルトのフルート協奏曲2番だそうで、先生から与えられた楽譜を見ながらエマニュエル・パユやパトリック・ガロワなどのCDを数枚聴いたあと、LPレコードでしか手持ちがないものも聴きだした。

そして、このランパルのLPを聴いていているときに、「この演奏は、カデンツァも、もらった楽譜どおりだよ。」という。その楽譜を見せてもらったら、ランパルが監修している楽譜だった。そりゃあ、監修している人がフルートを吹いているレコードだから当然だと思った。

LPレコードで聴くフルートやオーボエなどの木管楽器、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロなどの弦楽器は倍音が綺麗に聴こえ耳に優しく響く。久しぶりに聴いたランパルのフルートによるモーツァルトは、妙になつかしさと慈しさが感じられ、あらためて大変な名演奏だと感じてこのLPを廃棄しなくて良かったと思った。下宿先に戻る時に、CD-Rに焼いて渡してやった。

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2012年5月 5日 (土)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲/エリカ・モリーニ、ロジンスキー、ロンドンフィルハーモニー、

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これは、1956年録音のWestminsterレーベルのLPレコード。最近発売された復刻重量盤である。このオリジナルデザインのジャケットは、ナポレオン一世が2番目の妃に贈ったティアラの写真になっている。

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1956年の録音でしかも古い復刻盤なのでやや音がぼやけ気味だが、CDよりも高域がきつくならず聴きやすい。男性顔負けの雄大さとおっとりした感じの弾き方で、この個性は慣れるとすぐにエリカ・モリーニだとわかるくらいの個性がある。

また、カデンツァには、今日あまり弾かれることがないヘールマンのものが使用されている。このカデンツァの部分だけでも、今日のヴァイオリニストとは違う印象だ。ちなみに、良く使われるのはヨアヒムのものでクライスラーのものがたまにあるくらい。ミルシテインなどは自作のものを用いていた。

現代の演奏ばかりを聴いていて、たまにこれを聴くと、半世紀以上前の古きよき時代の個性的な演奏に驚くであろう。また、それでいて上手く聴かせてくれるので、私は、今聴いて逆に新鮮な感じも受けるのだが、人によっては古臭いだけのように感じられる場合もあろう。マイベストではないが、忘れ去られるのには惜しい演奏であることは間違いない。

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2012年5月 1日 (火)

ヴェルディ オテロ/バルビローリ、ニューフィルハーモニア管、マクラッケン、ジョーンズ、F=ディースカウ他

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これは、ジョン・バルビローリ晩年のスタジオ録音によるヴェルディ「オテロ」の全曲盤のLPレコードで英国初版盤。

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バルビローリは英国の指揮者だが、父はイタリア人で母はフランス人で英国で生まれた。英国人であるがラテン系の血をひいている人である。父と祖父はヴァイオリニストでありスカラ座のオーケストラに所属していた。そして、トスカニーニ/スカラ座による「オテロ」初演の時には、オーケストラピットでヴァイオリンを弾いていたのだそうである。

EMIの「オテロ」のこのLPレコードには、バルビローリ本人による解説が載っている。よほど、「オテロ」に対しての思い入れがあったのであろう。バルビローリは、「オテロ」の音楽の旋律を際立たせ、時には情熱的に音楽を作っているし、指揮とオーケストラはとても良いと思う。

この録音は、不当な冷遇を受けている。たぶん、オテロ役のマクラッケンが弱く感じられるからではないだろうか?オテロは、戦は上手な英雄だが、狡猾な副官に騙され破滅してしまう弱さを持っている。そういう弱さが前面に出ているという視点でマクラッケンの歌を聴けば、マクラッケンもそんなに悪くはない。ジョーンズのデズデモナはとても良い。オテロとの二重唱や柳の歌~アヴェマリアは美しい。

極めつけは、狡猾でずる賢いイヤーゴを歌っているフィッシャー=ディースカウ。この人のイタリアオペラの役は、イタリア的でなくあまり評価できないものが多い。しかし、計算されたイヤーゴという意味では凄いと思うし、そういうふうに聴けば、違和感はない。

このLPレコードは、20年くらい前に同じものを手に入れ、カラヤン/デル=モナコ盤の素晴らしさに遠く及ばないのですぐに手放してしまった。ところが、最近、3枚組¥1000で出ていたので、また買ってしまった。これだけ時が経てば、印象も変わるものだ。

やはり、サー・ジョンは素晴らしい指揮者だ。それが結論。

尚、この盤の音質はすこぶる良い。冒頭の嵐の部分を聴くだけで、それはわかる。CDの方が手軽に聴けるのだが、わざわざLPで聴くのはそういった理由からだ。

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