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2012年6月

2012年6月30日 (土)

シルフラ /ハーン、ハウシュカ

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これは、先月発売されたばかりの、ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)、ハウシュカ(プリペアド・ピアノ)のLPレコード。CDも併売されたが、限定発売の180g重量盤LPの方を買ってみた。ヒラリー・ハーンは、若手女流ヴァイオリニストとして、実力人気ともに第一級の演奏家だが、ハウシュカやプリペアドピアノは、いままで知らなかった。

プリペアドピアノは、検索するとウィキペディアに、《グランドピアノの弦に、ゴム、金属、木などを挟んだり乗せたりして(これを「プリペアする」「プリパレーションを施す」などという)音色を打楽器的な響きに変えたものをいう。》とある。実際にこのアルバムを聴くと、ノイジーな打楽器のような音がしている。そして、このアルバムの音楽は、全部インプロビゼーション(即興演奏)らしい。だから、前衛音楽に入ると思う。普通のクラシック音楽をイメージしてこのアルバムを買うとずっこけることになる。

1度や2度繰り返して聴いたくらいでは、この音楽を全て理解するのは難しいと思う。それでも、1度聴いたら2度と聴きたくないとか、とても難解な音楽というわけではない。ジャズピアノなら、全部インプロビゼーション(即興演奏)のものだと、キース・ジャレットのケルンコンサートなどがあるが、クラシックよりむしろこういう音楽に近いのかも知れない。

このアルバムにおさめられているものユーチューブにあったので貼り付けてみる。アルバムの2曲目に収められている。

全部の曲がこんな感じなわけではなく、静かに進行する曲もある。 こちらは6曲目におさめられている。

何回か聴くうちに、一部の現代のポピュラー音楽とあまり変わりないのではないかと思えるようになった。ポップスを中心に聴く人たちの方に受けるかもしれない。

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2012年6月28日 (木)

メンデルスゾーン 交響曲3番「スコットランド」 ドゥダメル/ウィーンフィル

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これは、2011年12月に録音されたグスターヴォ ドゥダメル指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団のもの。不思議なことに、CDやSACDでは発売されずに、LPレコードだけが先月発売された。したがって、このアルバムはLPレコードがかけられる環境の人しか聴く事ができない。

このLPレコードは、指揮者のドゥダメル、ウィーンフィル、レコード会社のドイチェグラモフォンが、チャリティのために製作したもの。ドゥダメルの故郷であるベネズエラの子供達に楽器を購入するための資金にするそうだ。ジャケットの裏側にはベネズエラの子供達の写真と、チャリティの趣旨が書かれている。

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さて、この演奏はライヴ録音というクレジットがあるが、拍手や咳などの雑音はなく、スタジオ録音同等のものであるし、LPレコードが180gの重量盤であることもあって、かなり音質は良い。さらに凄いのはその演奏である。ある場面では、軽やかにしなやかに、ある場面では怒涛の様に音楽が流れ、ウィーンフィルの美しさを活かした素晴らしいものだと感じた。ドゥダメルはまだ若干30歳くらいである。この若さでウィーンフィルを素晴らしくドライブし、活き活きとした推進力のある演奏を聴かせることに、並み並みならない才能を感じさせる。私がレコードで若い指揮者のこのような演奏を聴いたのは、1980年に20歳代後半だったリッカルド・シャイーがウィーンフィルを振ったチャイコフスキー 交響曲5番以来である。あの演奏も素晴らしいものだったが、このメンデルスゾーンはそれに匹敵するものだと思う。

素晴らしい演奏が便利なCDで聴けないので、CD-Rに焼いてみた。これで、CDプレーヤーでも気軽にこの演奏が聴けるようになった。

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2012年6月22日 (金)

マニタス・デ・プラタの芸術/フラメンコの素晴らしい世界

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これは、1960年代終りごろに発売された国内盤の2枚組LPレコード。マニタス・デ・プラタ(銀の手という意味である)というフラメンコのギタリストは、南フランスのアルルで生まれ育った人で、スペインのフラメンコとはまた違った素晴らしい音楽を奏で、まさに至芸である。

このLPは、マニタス・デ・プラタが南フランスから出たことがなく、飛行機や船が嫌いであったので、アメリカのコニサー協会が、苦労して彼の友人でありフランスのジプシーの生活を撮ったりした写真家のルシアン・グレルグを介して本人の承諾を取り付け、南フランスまで録音機材やテープを持ち込んで、地元の中世の寺院でのライヴ形式での録音を敢行した。

このLPレコードセットのライナー・ノーツによると、録音は、二晩に渡って行なわれ、演奏を自然なものにするために、聴衆として、ジプシーやグレルグの友人達を招いて、半ばライヴ形式で行なわれた。そして、レコードになった音楽は、このライヴさながらそのままで、全く後から編集や修正を加えられていない。

マニタス・デ・プラタがどれだけ素晴らしいのかは、聴けばわかる。ユーチューブに、この録音の後のコンサートのものがあるので貼り付けるが、このLPレコードの演奏は、このユーチューブのものよりも明らかに優れている。それは、このLPレコードの音楽が全く商業化される前の素朴な音楽だからだと思う。地元で有名な古老が歌う本物の民謡と、商業化された民謡歌手が歌う民謡との違いみたいなもので、数あるマニタス・デ・プラタの録音の中で、この2枚組LPセットと、もう1枚、このセッションのときに録音された続編のLPだけが特別な輝きを持っていると感じる。

彼は、画家のピカソとも親交があり、何度もピカソの要請でピカソの画廊へ行き、ギターを弾いたり、ピカソがマニタス・デ・プラタの演奏を聴きにアルルの町に訪れた。

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これは、ピカソが1964年にアルルに訪れてマニタス・デ・プラタの演奏を聴いて感動し、プラタのギターに闘牛士の絵を一気に描いたときの写真。(LPレコードのライナー・ノーツから引用)

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2012年6月15日 (金)

ロドリーゴ コンチェルト・セレナータ、ピエルネ ハープ 小協奏曲 竹松舞、飯森範親、日本フィル

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これは、竹松舞が、まだ大学生だった頃に録音したハープとオーケストラによる音楽。10年以上前に発売されたもののDENON CREST1000シリーズからの再発盤である。

セレナータ協奏曲は1952年の作品なのでまだ60年しか経っていないが、ギターによるアランフェス協奏曲と同じように、聴きやすく難解な部分はない。20世紀の音楽らしく明快なところはあるが、19世紀からの正統的なクラシック音楽の要素を引き継いでいる美しい曲である。ピエルネのハープ小協奏曲もふだんあまり耳にしない曲であるが、この曲もメロディーが流麗で美しい単一楽章の曲である。

同じ曲を他の演奏家のものと比較して聴いたわけではないが、優秀な音質であるということもあり、ハープとオーケストラの掛け合いが美しく空間に漂うように聴こえ、音楽をより素晴らしいものにしているようである。竹松舞のハープは立派な演奏で、曲の素晴らしさを充分に伝えている。アイドルっぽい彼女はその容姿で逆に音楽愛好家から正統に演奏を評価してもらえず損をしている気がしてならない。

このCDは、当時、日本プロ録音大賞を受賞するほどの優秀録音だった。現時点でこの再発盤を聴いても最新の優秀録音のCDと比較してもひけをとらない。

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2012年6月 8日 (金)

メンデルスゾーン 交響曲4番「イタリア」、5番「宗教改革」/ミュンシュ、ボストン交響楽団

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これは、米国RCAの初期LP盤。あまりにも安かったので買ってしまった。米国RCAの初期盤は一頃はかなり高かったが、最近は安くなっているものが多い。

その理由は、SACD/CDハイブリッド盤やXRCDなどの高音質のデジタルディスクが発売されているから。録音されて50年以上経つ音楽が新しいメディアで高音質で復刻されるというのは、この演奏が良く今も輝きを失わないからだと思う。実際、この演奏は、熱く推進力に満ちた情熱的なもので、録音の良さもあって、今でも充分に現役盤として通用する不朽の名盤だと思う。現時点で、下に挙げたディスクよりも勝る点は、びくともしない中域の音の厚みや陰影感、さらには蛇口全開のような勢いのある感じ。ただし、Fレンジが若干狭いこと、音場が狭いこと、ややスクラッチノイズが気になる(50年前のLPレコードであるので、物理的に仕方が無い)ことが気になる部分だ。

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これは日本ビクターが発売したXRCD。私が買ったときには、3465円だったが高価なだけはある高音質なCD。上の初期盤よりも特に低域の伸びが凄まじく、LPレコードに入っていないような超低音も感じられる。

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これは、900円しない価格で買ったSACD/CDハイブリッド輸入盤。まだSACDプレーヤーを持っていないので、CD層を聴くのだが、これだけ聴いておれば充分に高音質だと感じられる水準で、デジタル時代の録音に劣らない。

いずれのディスクでも、この音楽の良さは聴き手に伝わる。

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2012年6月 1日 (金)

mi camino con el flamenco/ラファエル フェイ

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これは、昨年発売されたフラメンコのCD。友人に勧められ、買ってみた。ラファエル・フェイというギタリストは、もともとは、マヌーシュ・ジャズをやっている人である。マヌーシュ・ジャズとは、ジャズとジプシー音楽を融合させたような音楽で、古くはジャンゴ・ラインハルトのようなギタリストが居た。使うギターはアコースティック・ギターだが、すぐに見てわかるほど大きめなギターを使う。そして、クラシック・ギターのような感じに弾くような場面もあるので、いつもクラシックを聴く人にも違和感は少ない。

この演奏は、インプロビゼーション(即興演奏)なのだそうだ。このジャンルのギタリストで、フラメンコも演奏する人はあまり居ない。実際、パコ・デ・ルシアやトマティートなどのフラメンコ専門のギターとは、弾き方がちょっと異なる。でも、このCDの演奏は素晴らしい。

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