カラヤン チャイコフスキー作品集(LP)
これは、カラヤンが1960年代に残したチャイコフスキーの作品集の7枚組LPレコードのボックス。1960年代後半に発売された西ドイツプレスのもの。
収録曲は、以下の通り
交響曲4番、交響曲5番、交響曲6番(悲愴)、ピアノ協奏曲(独奏ピアノ リヒテル)、ヴァイオリン協奏曲(独奏ヴァイオリン フェラス)、弦楽セレナーデ、胡桃割り人形組曲、序曲「1812年」、スラヴ行進曲
これらは、現在発売されている「カラヤン60」という82枚組のCDボックスに全て入っているのだが、当時のLPレコードで聴くのも良い。1960年代のドイチェグラモフォンのLPレコードは、ちゃんと鳴らすのが難しいが、鳴ったときにはCDなんてと思うくらい素晴らしい音質で鳴る。
3曲の交響曲は4番が一番良い様に思う。6番(悲愴)は、1970年初めにEMIに録音したものの方がダイナミックでカラヤンらしい感じがして好ましい。ピアノ協奏曲だけがオーケストラがベルリンフィルではなくウィーン交響楽団だが、良い演奏でなおかつ良い音質であることを改めて認識した。フェラス独奏のヴァイオリン協奏曲は、フェラスのヴァイオリンが弱く感じられるかもしれないが、やや細身で美しく聴かせるそのスタイルは、カラヤンの美学に合致するのだろう。弦楽セレナーデ、胡桃割り人形組曲は、少年の頃国内盤で何回も聴いたが、このような音楽こそ、大衆に受けたカラヤンの音楽性が最大限に活かされたものと言える。1812年スラヴ行進曲は、今はもっと音が良くてスペクタクルなものがあるが、それでもベルリンフィルの上手さがいやというほどわかる。
1960年代のオリジナルに近い輸入盤は高価なものが多いが、このセットは1枚あたり1000円しないもので、しかも新品同様のコンディションだった。カラヤンのドイチェ・グラモフォン盤は、当時かなり数売れたのでどこにでも転がっているから安い。でも、その芸術性は高いものだと思うし、それは、今後何十年経っても変わらないだろう。大切にしたいセットである。
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