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2012年10月

2012年10月30日 (火)

KISSES ON THE BOTTOM/PAUL McCARTNEY(180g Analogue LPs)

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このブログで紹介する音楽は、ほとんどがクラシックで、例外的にジャズやフラメンコ、ポップスなどが少々ある。これもその例外のポップス/ジャズの音楽である。

このアルバムは、今年発売されたもので、メロディー・メーカーのポール・マッカートニーには珍しく、収録された曲はほとんどが昔のスタンダードのカヴァーで、自作曲は2曲のみ。そもそも、このLPを買った理由はジャズばかり聴く知人に良いよと薦められたからだ。ポール・マッカートニーのアルバムを私が最後に買ったのは、BACK TO THE EGGという1980年ごろのものなので、実に30年ぶり。

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このアルバムは当然ながらCDでも発売されている。なぜLPの方を買ったのかというと、180gの重量盤のプレス、しかも2枚組で、¥2500程度と高くないからだ。収録曲は全部で14曲、トータルで50分弱なので、普通ならばLP1枚に収まるのに、片面12分程度に抑え、盤の外周部のみ溝が切ってある贅沢なものである。当然ながら、音質はかなり良い。

肝心な音楽はどうか?これがまた贅沢だ。オーケストラはロンドン・シンフォニーを使い、ダイアナ・クラールのピアノ、ベースは曲によって3人の異なるミュージシャンがつとめていて、ジョン・クレイトン、クリスチャン・マックブライドという私も知っている有名なジャズ畑の人が居る。限られた曲だけだが、ギターをエリック・クラプトンが弾いていたり、最後の1曲にはスティービー・ワンダーがハーモニカを吹いていたりする。

アレンジはジャズっぽい感じはあるが、ポップス的で重くなっていない。ポールのヴォーカルは力はないが優しい。口当たりが良く、聴きやすい音楽である。

かつてのロックのミュージシャンでこのようなジャズのアルバムを出した人というと、ロッド・スチュワートやボズ・スキャッグスが居るが、これらはみなポップス的な感じが残っており、このポールのアルバムも例外ではない。曲がジャズだからポップス/ロックだけ聴く人人や、本格的なジャズのみ聴く人には受けないだろうが、何でも屋に近い私にはとても良いアルバムに思える。

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2012年10月29日 (月)

シューベルト アルペジョーネ・ソナタ他/ガスティネル

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これは、2005年に出た、ガスティネルのチェロによるアルペジョーネ・ソナタとシューベルトの歌曲を編曲し、声楽パートをチェロで弾いた曲が入っている。歌曲は、誰でも知っている有名なものばかり。

アルペジョーネ・ソナタは、古今に名盤が多くあるが、この盤もその仲間入りするものだと思う。美しくしなやかで慈しみを持った音色であり、それでいて節回しは個性的。録音も良く、残響も美しい。

アルペジョーネ・ソナタを聴きたくて買ったのだが、以外に良かったのは、歌曲を編曲してチェロで弾いている曲たちである。チェロが歌っているようで、全く違和感がなく、とても素晴らしい。チェロの可能性と素晴らしさを再認識させてくれたCDである。

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2012年10月23日 (火)

モーツァルト 交響曲25番、40番/ケルテス、ウィーンフィル

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これは、1972年の録音で1987年に発売された180g重量盤LPレコード。録音された1972年というと、ケルテスの死の前年である。1973年、ケルテスは、演奏旅行中のテルアビブの海岸で遊泳中、高波にさらわれて溺死した。実に惜しいことである。

ケルテス/ウィーンフィルのモーツァルトは、感情を表に出さず、禁欲的でしなやか、それでいて、モーツァルトの音楽の表情を淡々とかもし出す。それでいてエレガントである。25番と40番では、25番のほうによりマッチした資質の演奏スタイルだと思う。ウィーンフィルらしい響きを上手く活かした演奏で、しなやかで表情豊かな弦セクション、深くて渋みのある音色のホルンセクションが印象に残る。特に、LPレコードで聴くと、弦の美しさはたまらない。

ケルテスは、指揮者として老成する前に亡くなってしまった。しかし、DECCAに残された録音の多くは、いまだ輝きを失わない。特に、ウィーンフィルと入れたものの多くは、私の愛聴盤が多い。モーツアルト、シューベルト、ブラームス、ドヴォルザークなど。そういえば、宝物のシューベルトの交響曲全集のオリジナル盤を、紹介していなかった。これも素晴らしいので、近いうちに紹介しよう。

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2012年10月17日 (水)

FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO /スーパーギタートリオ(K2HD)

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これは、今年リマスターしなおされて発売されたCD。1980年のサンフランシスコでのアル・ディ・メオラ、ジョン・マクラフリン、パコ・デ・ルシアの3人のアコースティック・ギターによるライヴ録音である。発売は香港ソニーであるが、リマスター及び製盤は日本でおこなわれているので、日本製である。全世界1000枚限定発売で、ケースの裏側にはシリアル番号が打たれている。

このCDの音質は素晴らしい。

この録音のLPは、米国盤、スペイン盤を持っているし、1990年代に発売された金蒸着のリマスターCDも持っていて、このブログですでに紹介している。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-ff70.html

1990年代の金蒸着のCD、たしか3800円くらいしたものだが、この古いCDがものすごく音が悪く聴こえる。音が良いと、臨場感はあるし、3人の白熱した演奏が、もっと素晴らしく聴こえる。また、これらの演奏の早いパッセージや明解な響きは、エレキギターでは無理で、アコースティック・ギターを極限までに弾きこなさなければ、得られないと思う。

手間とコストをかければこのような優れたリマスターが出来るのに、やる気がないのか、クラシックだと、ブルーノ・ワルターなどはLPレコードと比べてしまうと悲惨な音質になってしまっている。その結果、演奏の良さまで聴き手に伝わり難くなっているような気がしてならない。

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2012年10月11日 (木)

ボベスコのフォーレ(LP)

Bobesco
これは、1980年3月のフィリップス録音で、アナログ最末期のもの。このすぐ後に、フィリップスは、全てデジタル録音に移行する。1980年代前半に購入したLPレコードで、この当時は輸入盤の方が音が良く、円高のため価格も安くなって、フィリップスのは輸入盤ばかりを買うようになり、国内盤で持っていたものも、順次輸入盤に買い替えていった。

このLPは、国内盤しか見つけることが出来ずいずれ輸入盤に買い替えようと思っていたが、結局LPでは国内盤しか出なかったみたいだ。この録音は、1980年1月にローラ・ボベスコとジャック・ジャンティが音楽事務所や新聞社などの手を通さず熱心なファンの運動で実現した来日公演を行い、大成功を収めたためおこなわれたものだからかもしれない。

ローラ・ボベスコは、大編成の協奏曲などよりも室内楽に適性のあるヴァイオリニストで、このLPレコードのヴァイオリン・ソナタ1番、2番、アンダンテ(ヴァイオリンとピアノのための)、こもり歌(ヴァイオリンとピアノのための)の4曲は、録音から30年以上経ても色あせない名演奏である。

このLPレコードにおさめられたフォーレの曲はどれも不思議な魅力がある。透明感となんともいえないメランコリックな感じが同居し、わずかに甘美で叙情的な響きを持っている。演奏は、曲の資質と演奏家の資質がぴったり合っている、そんな感じなのである。

ところで、このLPレコードを引っ張り出してきたのは、ヤフーオークションに出品されているこの国内盤のLPレコードにとても高値が付き、驚いたから。

http://page6.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/f120547843

なんと1万円以上。

ローラ・ボベスコは、ルーマニア出身(のちにベルギー国籍)のヴァイオリニスト、ジャック・ジャンティは、夫君。このLPは夫唱婦随ならぬ婦唱夫随の名演奏である。

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2012年10月 5日 (金)

パガニーニ 24のカプリース /マイケル・レビン(2LP)

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これは、今年、TESTAMENT CLASSICSから発売された2枚組の復刻重量盤LPのセット。マイケル・レビンの20歳代初めごろのもので、録音は1958年。1958年というと、DECCAやRCAは完全にステレオ録音になっていたと思うが、EMI系のCapitaolはステレオ化が遅れ、この録音もモノラルである。昔は、モノラル録音なんて音が古くてと思っていたが、今はモノラル、ステレオに関係なく聴くので、モノラルの音源のものもよく聴くようになった。

この録音のように、ヴァイオリン独奏のものは、ステレオでも音像が中央に定位するので、モノラル録音でもそれほど不利にはならない。この録音はモノラル時代末期の録音であためか、音質はかなり良い。また、かなり優れた復刻である。現在、この音源のCDならば、¥1000程度で輸入盤が買え、対して復刻LPは高価であるが、それだけの見返りは充分にある。

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セットの中に入っているリブレットもオリジナルと同様に復刻されており、ボックスも1960年代のEMIのボックスを思わせる高級感があるものだ。

パガニーニのカプリースは、そのどれもが超絶技巧を必要とする難曲であるが、美しい音色で、難しいパッセージも余裕をもってスムーズに聴かせていて、フレーズに癖が無く自然である。パガニーニの曲を普通に自然に美しく歌うように弾き聴かせることで、この人が稀に見るスーパー・テクニシャンだったことがわかる。この曲は、アナログLPなら、サルヴァトーレ・アッカルドのDG盤、CDなら五嶋みどりのSONY盤を愛聴していたが、そのいずれよりも優れた演奏ではないかと思う。

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