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2012年12月

2012年12月28日 (金)

モーツァルト レクイエム、アヴェ・ヴェルム・コルプス/ムーティ、ベルリンフィル(Esoteric SACD/CD)

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これは、今月初めに発売された、Esoteric SACD/CDハイブリッド盤。SACDプレーヤーを持っていないので、CD層を聴いた感想である。

この演奏は、1987年のデジタル初期の録音。クラシックはCD化が早くこの初出盤もCDで出たと思うが、当時のCDは現在のものにくらべ音が良くないものが多かった。個人的には1980年代は、1970年代のアナログ末期の録音よりも劣るものも多く、音質的には進歩していたとは言いがたい。そんな時代にも名演奏は生まれるが、この盤もそんな1枚だと思う。

この演奏は、無駄な力みがなく一点の曇りも無い純粋な透明感のあるような集中力を保ったもので、とても素晴らしい。合唱の声のハーモニーが際立っている。レクイエムも素晴らしいが、個人的にはアヴェ・ヴェルム・コルプスは特に秀逸のように思える。ベルリンフィルのアンサンブルが優秀なのはもちろんだが、スウェーデン放送合唱団、ストックホルム室内合奏団がとても上手い。

音質的には、現在の最新録音のものには劣る。しかし、初期のCDにありがちだったデジタル的な高域の荒さはなく、高域が落ち着いて刺激的な感じが無く聴きやすい。リマスターは成功している。一部の方々の意見に、デジタル録音のものをリマスターしなおしてSACD/CDハイブリッド盤にしてもあまり意味はないというのがあるが、それは間違いだと思う。デジタルならば、マスターの音質がそのままCDになっているかと言えば、そうではなく、劣化してにぎやかな音質になってしまっているものが多いのだ。それが、この盤では大きく改善されている。

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2012年12月25日 (火)

ホルスト 惑星 /ボールト ニュー・フィルハーモニア管(Esoteric SACD/CDハイブリッド盤)

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これは、今月初めに発売されたEsoteric SACD/CDハイブリッド盤。今月は、これ以外にムーティのモツレク、オペラの9枚組のセットが発売になったが、全て手に入れている。例によってSACDプレーヤーを持っていないので、CD層を聴いた感想である。

ボールトの「惑星」は、他の指揮者のものとは違う特別な思い入れがあることが想像できる。作曲者ホルストを良く知り、またこの曲の作曲の様子などもかなり知っていた。そして、全部で5回も録音している。「惑星」は木星のスペクタクルな部分があるように、オーディオ的にも面白い曲であることは事実で、ボールトの5回の「惑星」の録音は、そのままオーディオの歴史と重なる。一番最初の録音はSPレコードの時代であった。次がモノラル時代、3回目以降ステレオになるがステレオ初期の59年、66年(本盤)、最後が78年の録音でアナログ録音の末期のもの。この最後のもののオリジナル盤を持っていた時期があった。ジャケットには、モニタースピーカーにKEF社のものが使われていて、KEFのロゴが付いていたのを覚えている。音もかなり良かった。5回目の録音はもっとゆったりした感じが強かった。

しかし、5回の録音の中で純音楽的に一番良いものならば、この4回目の本盤であろう。しなやかで、決してドライな演奏ではない。最後の海王星のピアニシモが続く合唱付きの部分は、ノイズを拾いがちなアナログLPでは楽しめる再生をしようとすると相当に大変なのであるが、CDはその点問題が無く、また冷たくならないのが良かった。

5回目のものと比べてオーディオ的には物足らない部分があるのは事実で、最新の録音のものと比較すれば明晰さに欠ける。しかし、しなやかで、1960年代のEMI録音としてはダイナミックレンジは大きい。

私の「惑星」の愛聴盤は、1994年録音のガーディナー/フィルハーモニア管によるものだが、今回のEsoteric SACD/CDハイブリッド盤はそれを覆すまでには至らなかった。

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2012年12月22日 (土)

ヴィヴァルディ 「四季」(管楽付きドレスデン版)/グリエルモ&ラルテ・デラルコ(180g重量盤LP)

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これは、2004年にSACDで発売された音源であるが、今年180gのLPとなり発売された。実売価格が重量盤としては格安であったので、買ってみた。

ヴィヴァルディの「四季」は通常は管楽器なしのヴァージョンで演奏されるのだが、このLPは管楽器を加えた「ドレスデン版」で演奏されていて、管楽器により充実した音色を堪能できるようになっていて、聴きなれた「四季」とはかなり異なる。音質がかなり良いこともあって、とても楽しめる。キレの良さと音色の良さは最新のデジタルと伝統的なアナログLPの良いとこ取りのような感じだ。

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cpoというレーベルは、これまでSACDを中心に発売していたが、このようにLPも発売するようになった。クラシック音楽の分野でもここのところ、少しLPレコードが復活してきた感じがする。また、このLPはHMV通販のマルチバイで¥1385とお手ごろなのが良い。

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2012年12月18日 (火)

タイム アウト/ザ・デーヴ・ブリューベック・カルテット

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先日、リーザ・デラ・カーザの訃報を知ったが、今月、JAZZの巨人が逝った。デーヴ・ブリューベック。何回か来日公演をおこなっているが、1982年の来日時のオーレックス・ジャス・フェスティバルでの実況録音のFMエアチェックテープは、まだ持っている。

謹んでご冥福をお祈りします。

私は、JAZZリスナーとしてはいつまでも初心者だが、このアルバムに収録されているTAKE FIVEという曲は聴けば誰でも知っているものだろうと思う。ユーチューブの動画を貼り付けてみた。

この曲は、アリナミンVドリンクのCMでも使われた。5/4拍子の曲で、5/4拍子の他の曲というと、テレビで放映された「スパイ大作戦」のテーマ曲くらいしか思いつかない。

どちらも、20世紀の名曲だと思うのだが、どうだろうか。

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2012年12月14日 (金)

R.シュトラウス 歌曲集/リーザ・デラ・カーザ、アルパド・サンドール

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昨日、リーザ・デラ・カーザが亡くなったことを知った。彼女は1919年生まれで93歳だった。しかし、日本ではあまり話題にならないようだ。

デラ・カーザが歌うCDやLPで大好きなものがいくつかある。「アラベラ」のタイトルロール、モーツァルト生誕200年を記念してDECCAから発売された、「フィガロの結婚」の伯爵夫人、「コシ・ファン・トゥッテ」のフィオルディリージ、「ドン・ジョバンニ」のドンナ・エルヴィーラなど。

追悼ということで取り出して聴いたのが、このLPレコード。録音は1964年ごろ、R・シュトラウス生誕100年記念として録音されたものだ。このLPレコードを聴くと、彼女の美しくやや明るくそしてしなやか、出そうと思えばドラマチックな表現も出来る声が、R・シュトラウスにぴったりだということがよくわかる。

アラベラはライヴの映像が残っているはずで、これを発売してもらえないだろうか、と思う。

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2012年12月11日 (火)

Nathan Milstein /Majic & Brilliance(ナタン・ミルシテイン/魔法と輝き)Membran Wallet 10CD 

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これは、昨年発売されたナタン・ミルシテインの古い録音を集めた廉価な10枚組のセット、1200円しない。内容は、1942年から1960年までのものであるが、意外と聴きやすい音質であった。

チャイコフスキーやサンサーンスの協奏曲などEMIの8枚組のセットとダブっている音源もあるが、ブルーノ・ワルターとのメンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲(1945年)、1950年代に録音されたヴィターリのシャコンヌやジェミニアーニのソナタなど、ミルシテインが好きな人にはよだれが出るような内容であるし、まだミルシテインを聴いた事がない人にも強力にお奨めする。

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この価格は、録音発売後50年を経過してパブリックドメインとなり著作権フリーとなったから可能になったものだと思われるが、今後10年しないうちに、1960年代までに録音発売された名演奏のクラシック音源は、作曲家の著作権が切れていないものを除いてパブリックドメインとなり、このセットと同じように正規盤でない超廉価盤が次々に発売されるのが予想される。

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2012年12月 8日 (土)

ベートーベン 交響曲7番 他/クレンペラー、ニューフィルハーモニア管(180g復刻LP)

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先日、クレンペラーのベートーベン交響曲全集、管弦楽曲集という10枚組のCDセットについて書いたが、音質的に不満があるのと、もう一つの理由があって、この復刻LPを買ってみた。

クレンペラーによるベートーベン7番のEMIのスタジオ録音は3種ある。1955年のモノラル録音、1960年と1968年のステレオ録音である。前2つはフィルハーモニア管、後のはニュー・フィルハーモニア管との録音で、このLPはこの3つめのものである。クレンペラーは晩年になればなるほど、テンポが遅くなって重厚さが増すような演奏をする。この録音は、非常に遅いテンポで、そのテンポについていけるかが、好みを分けると思う。私は、この演奏は好きだ。一番クレンペラーらしいと思う。遅いテンポで緊張感を保ちながら破綻せずに演奏しきるのは非常に難しいと思うのだが、どっしりとした重厚なたたいてもびくともしないような造形をもって演奏しきっている。終楽章はアレグロ・コン・ブリオだが、こんなに遅いテンポな演奏はめったにお目にかからないと思う。

あと、忘れてはいけないのが、余白に入っているラモー作曲:クレンペラー編曲の 「ガボットと6つの変奏曲」がとても良いのだ。このLPを買ったもう一つの理由がこれだ。今はもう鬼籍に入られたオーディオ評論家の長島達夫氏と寿司を食べた時、クレンペラーのLPレコードが話題になって、ベト7の余白に入っているラモーの曲がとても良くて好きだという話をしていたのを思い出し、是非聴いてみたいと思ったのだ。

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レーベルはこんなデザインで、EMIのものとは全く異なる。

このLPの音質について書いてみる。まず、先日紹介したCDよりも重心の下がったより重厚な音質に圧倒される。各楽器の音色もLPの方が自然でCDだと金管楽器が細くて神経質に響く。CDだとヴァイオリンの音がざらつく感じがあるが、LPだと無い。ただし、マスターは古いので、オリジナルに近いLPと比較すればやや輪郭がぼけているかも知れない。また、新品ではあるが、若干ノイズが散発的に入る。

このLPをデジタル化してCD-Rに焼いて10枚組のCDセットの中の同一音源の交響曲7番とをCDプレーヤーで比較しながらかけても、このLPから盤おこししたCD-Rの方が音が良い。このLPレコードは、CDと同様、録音されてから40年以上を経たマスターから起こされているので、マスターに起因するアドバンテージは無いはずなのだが。

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2012年12月 4日 (火)

ベートーベン 管弦楽曲集(交響曲、序曲集) /クレンペラー、フィルハーモニア管、ニューフィルハーモニア管(10CD)

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先月、あまりにも安かったので、クレンペラーのベートーベン、交響曲、管弦楽曲集という10枚組のCDセットを買ってみた。EMIのヨーロッパプレスの正規盤。

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音楽は素晴らしい。重厚で遅めのテンポであるが、ギッチリ凝縮された密度の濃い音楽で、冷たい。が、非常に情熱的。LPの時代には、ベートーベンの交響曲全集として、最右翼のお勧め盤だったのだが、今聴いても、その優位性は保たれていると思う。

しかし、音質についてはガッカリした。弦がざらついて楽器の質感や音色の再現性が悪い。こんな粗悪な音質のCDを平気で出しているからEMIは潰れるのですよ。クレンペラーも昔の英国盤のLPを普段聴いていたら、このCDは聴いていられないと思う。

現行発売されている180gの復刻LPの中に、1968年の交響曲7番を見つけたので、オーダーした。LPだとこの1枚だけで¥3000、この10枚組CDボックスより高いのだが、それだけの見返りのある音質ならば良いのだが。

クレンペラーのボックスCDは、これから来年にかけて次々と廉価に発売されるようだが、買うのはやめることにした。

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