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2013年1月23日 (水)

メンデルスゾーン、ブラームス ヴァイオリン協奏曲/ヒラリー・ハーン(Blu-spec CD2盤)

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これは、昨年12月に発売になったBlu-spec CD2盤で、通常盤とはカップリングが異なる。
メンデルスゾーンは、ヒュー・ウルフ/オスロフィル(2002年)、ブラームスは、ネヴィル・マリナー/アカデミー室内管弦楽団(2001年)との録音。

五嶋みどりの「アンコール!」のBlu-spec CD2盤の音質が手持ちのオリジナル盤よりもずっと高音質であったので、これも買ってみた。実は、メンデルスゾーンとショスタコービッチの組あわせの米初出盤は手持ちにあり、ブラームスは無かったのでブラームスを目当てに買ったのだ。

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メンデルスゾーンの方は同じ録音なので音質が違うのかどうか、違うならどの程度違うのか確認するために比較してみた。五嶋みどりの「アンコール!」の場合には手持ちの従来盤は20年近く前のやつだから、現在のBlu-spec CD2盤と比較してそれなりに高音質になっていて当然なのかも知れないが、2002年のメンデルスゾーンはDSDで録音されており、比較的まだ新しいし同じCD同士だしそんなに差は無いだろうとたかをくくっていたのだが・・・。

Blu-spec CD2盤の1楽章の冒頭を数秒間聴いただけで、これは全く違うとわかった。ヴァイオリンの音が透明感を伴って決してかさつかず、ほんのり潤いを持ったまま細かいニュアンスまで明瞭に聴き取れる。

正直に告白すると、いままでの米初出盤を聴いた印象は、ヒラリー・ハーンのメンデルスゾーンはテクニック抜群でクールでさわやか粘り気がなくさらっと聴かせるが音楽の内面が見えてこない演奏だと思い、いまいちだったのだ。

ところがどうだ、それがとんでもない間違いだったのを思い知った。Blu-spec CD2盤はヴァイオリンの細かいニュアンスと透明感のある美しい音色で聴かせてくれ、彼女がとても繊細な神経を使って楽器をコントロールしているのがわかるし、抑揚感まで聴こえてくるようだ。浸透力を持って聴き手にせまってくるのである。こちらの気分も高揚し、第一楽章を聴いている途中で感極まって涙が出てきてしまった。

私は、このメンデルスゾーンの演奏をというかヒラリー・ハーンという演奏家を誤解していた。この演奏はただテクニックが達者な演奏家が弾いているレベルではない本当に素晴らしいものだったのだ。ヴァイオリンの音色については、彼女の使用楽器は1864年製のヴィヨームという名器らしいが、名器としての美音は米初出盤ではざらついてしまい味わえない。比べると、従来盤は量産のヴァイオリンの音色になってしまう。

また、オーケストラの各楽器パートの音色が明瞭に出て、ヒュー・ウルフ/オスロフィルも相当に頑張っているのがわかる。今まで、アナログLPやSACDなら経験はあるが、CDでこのように聴こえたソフトを知らない。演奏の評価まで根本的に変わってしまうくらいの差があったことにとても驚いた。

続いてブラームス。ブラームスも確かなテクニックで弾いているが、美しく、甘いところは甘くしなやかに音楽が流れて、素晴らしい感銘を受けた。これは、大事件である。これだけ音が良いのなら、五嶋みどりのBlu-spec CD2盤は全て従来盤が手持ちにあるが全て買い換えなくてはならないし、ハイフェッツやオイストラフのも買わねばなるまい。

まるで通常のテレビとハイビジョンの違いみたいなものだと思う。それがSACDではなく従来のCDで達成されているので、普通のCD専用プレーヤーで出来るだけ良い音で聴きたい私のようなリスナーとしては、Blu-spec CD2盤は福音である。これだけの音質で聴けるのであれば、CDプレーヤーの性能が良ければ廉価なSACDプレーヤーでSACDをかけた音質よりもずっと上質になるのは間違いない。

Blu-spec CD、Blu-spec CD2に対して懐疑的な人も多いだろうと思う。ラジカセやミニコンポ、カーステレオで聴くのなら従来盤との音質差はあってもわずかだろうからあまり意味は無いかもしれない。パソコンにリッピングして聴くのでも恩恵はないだろう。また、一部のポピュラー音楽のように大きく音源を加工してあるものはその加工があらわになってむしろかえってみすぼらしく聴こえるだろうし、クラシックやジャズのような素直なアコースティック録音のものでも演奏家の技量が未熟だったり元の録音が良くないものは、それがそのまま音に出てしまうのでかえってガッカリすることになるかも知れない。

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