チャイコフスキー、シベリウス ヴァイオリン協奏曲/オイストラフ、オーマンディ、フィラデルフィア管(Blu-spec CD2)
これは、昨年12月に発売されたBlu-spec CD2で復刻発売された、オイストラフの名盤。100枚発売されたクラシックのBlu-spec CD2では、オイストラフのはこの1枚だけ。この録音は古く1959年のものであるが、SONY CLASSICALのBEST CLASSICS 100の中にいまだに残っているのは至極当然だと思う。不朽の名盤である。
オイストラフの良さは、スケール大きく豪快な上に、アダージョのカンタービレはとても切なく歌わせるような表現が出来ることだ。また、協奏曲の指揮者としてもとても評価の高かったユージン・オーマンディとその手兵であったフィラデルフィア管弦楽団の上手さも忘れてはいけない。
ブルーノ・ワルターのBlu-spec CD2盤の音質が良いのと同様、この盤も相当に音質が良くなっている。豪快なスケールやカンタービレの歌わせ方などは、多少音質が悪くてもちゃんと聴き取れるのだが、ヴァイオリンの実在感や、透明感のある中に微細な表現がよくわかり、ヴァイオリンの毛羽立ったような美しい響きは今までのCDというメディアではマスキングされたようでなかなか聴くのが難しかった。Blu-spec CD2盤で驚いたのは、それがかなり上手く再生できる。この20世紀の大ヴァイオリニストの芸術がもっと楽しめるのである。SONYさん、是非、他のオイストラフの音源も丁寧にリマスターした上でBlu-spec CD2で出してください。
何枚か、Blu-spec CD2盤を聴いた感じは、CDの苦手だった弦楽器の鳴り方が大きく改善されているので、ヴァイオリンものを優先的に少しずつ購入しようと思う。ヒラリー・ハーンのメンデルスゾーンのように演奏そのものの評価も変わってしまうものもあるから。
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