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2013年1月31日 (木)

バッハ ブランデンブルグ協奏曲/ボッセ、神戸市室内管弦楽団

Bosse2

これは、2011年3月10日、つまり東日本大震災の前日に行われた神戸文化ホールでのライヴ録音のCDである。このコンサートの後の3月12日には東京でもこのプログラムの演奏が行われるはずだったのが、流れてしまった。

こちらを見ていただくと、東日本大震災についてボッセの思いがつづられているが、それはこのCDのリブレットにも載っている。

http://www.hmv.co.jp/news/article/1202020062/

ボッセは、軽快なテンポで緻密に音楽を運び、しなやかで快活な演奏に仕上げている。1番から6番まで全て良い演奏であるが、4番、5番が、特に素晴らしいと感じた。客演した奏者が凄い。CDを聴けば腕っこき揃いだというのがいやというほどわかる。独奏部分では、各奏者が思いっきり聴かせてくれていて楽しい。例えば、4番でのヴァイオリン、ブロックフルーテ、5番でのチェンバロは特筆物で、非常に水準の高い演奏をしている。こんな演奏を生で聴いた人がうらやましい。

このCDは、ライヴ録音につきものの雑音は少なく自然で各楽器の質感が良くわかる音質に仕上がっていて、最新の優秀なスタジオ録音と同等のクオリティがあり、積極的に良い音質だと言える。非常に素直で作為的な感じがない録音なので、再生装置のクオリティが高ければ高いほど各演奏者がどんなふうに演奏しているのかがわかるので、より演奏の真価がわかりやすいCDであると思うし、オーディオチェックにも使えるだろう。

ゲルハルト・ボッセは、1980年代初めごろにライプチッヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団を指揮したブランデンブルグ協奏曲の録音があり、それもCDで発売されていて、名盤の誉れ高いものだ。だから、神戸市室内管弦楽団とのCDとどうしても比較してしまう。この30年前の演奏は、もっとテンポがゆっくりで、重厚な音楽になっていた。

Bosse
ライプチッヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団での演奏は、大戦前の時代を感じさせる古い伝統的なスタイルを残した演奏だと思うが、ボッセは、30年の歳月を経て、神戸市室内管弦楽団との演奏ではむしろ若返ったのではないかと思えるような感じを受けるのである。そして、現代的で先進的な感覚を持つ指揮者に変貌したと言える。

現代の感覚では、軽快な神戸市室内管弦楽団との演奏の方が良いのではないかと思うが、古い時代を懐かしみ重厚さを好むリスナーは、ライプチッヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団の方をとるかもしれない。いずれにしろ、この2つのCDは同じ指揮者のものとは思えないほど異なっているが、どちらも極めつけの名演奏だと思うので、ブランデンブルグ協奏曲が好きならば両方持つことをお勧めする。

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