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2013年2月 2日 (土)

ブラームス ヴァイオリン協奏曲 / ミルシテイン (三つのスタジオ録音 :LP)

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このような英国初期LPレコードを入手した。1960年ごろのステレオ初期録音で、アナトゥール・フィストゥラーリ指揮、フィルハーモニア管のもの。この音源は、現行発売のEMIの8枚組CDボックスの中に入っている。ただし、音質はLPレコードと比べて完全には納得できるものではない。また、英国初期LPは高価なため、今までは、下の西ドイツ再発盤を聴いていた。

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この盤は再発盤にしては音質が良くて長年聴いてきたが、英初期盤を聴いてしまうと、その香気があるような美しい品性のある音質に劣っているのがわかってしまって、どうやらお払い箱になりそうだ。

ミルシテインは、ブラームスのスタジオ録音を3種残した。あと2つも載せてみよう。

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1953/4年ごろのモノラル時代のウィリアム・スタインバーグ指揮、ピッツバーグ交響楽団の上のものと、1970年代にドイチェ・グラモフォンに残したオイゲン・ヨッフム指揮ウィーンフィルの下のだ。

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これらは、録音した年代や、指揮者、オーケストラが違うので、相当に異なって聴こえる。同じ演奏家のものでも、音楽の解釈の変化はあって年齢と共に変わるので、録音順に聴いてみても面白い。いずれもカデンツァはミルシテインの自作のものが用いられている。昔の演奏家はカデンツァを自分で創っていた人が多かったが、今はそういう人は少なくなった。ブラームスのヴァイオリン協奏曲の場合には大半がヨアヒムのもので、あとはクライスラーのものがわずかに演奏されるのみであるが、名曲「パガニーニアーナ」を作曲したミルシテインのカデンツァは、これらに決して劣るものではない。

年齢からいうと、50歳ごろ、50歳代後半、70歳過ぎであるが、ミルシテインは70歳過ぎてもテクニックは衰えていない。どの演奏も過剰にテクニックをひけらかさず、過剰な感情移入も避けている。オーケストラのスケールの大きさ上手さではオイゲン・ヨッフム指揮ウィーンフィルが一頭ぬきんでていて、ミルシテインはそれに一歩も引かない素晴らしい独奏を繰り広げている。アナトゥール・フィストゥラーリ指揮フィルハーモニア管のは美しい品性のある独奏が一番際立っている感じがして好きだ。一番古いモノラル時代のスタインバーグ指揮ピッツバーグ交響楽団のものはキレ良くバリバリ弾いているが、やはりヴァイオリンの貴公子と呼ばれただけの気品がある。オリジナルに近いLPで聴く限りでは録音の古さは気にならない。音質は一番最後のものが一番良いのでCDで出来るだけ音質良く楽しむのならこれだが、オリジナルに近いLPで聴くと、その時代の音がして、どの演奏も棄てがたい魅力がある。

CDやLPなどのパッケージソフトで音楽を楽しむのは、本で文字を読み小説などを楽しむのとは違う。まず、再生してみて音になったものを耳で聴いてはじめて鑑賞できるわけだから、パッケージの音質や再生装置の違いなどで聴き手が受ける感銘まで変わってしまう。最近では、ヒラリー・ハーンのメンデルスゾーンのCDでそういった経験をしたので、ますますソフトや再生装置にこだわって名演奏を楽しみたいと思うようになった。

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