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2013年3月25日 (月)

クリスティーヌ・ワレフスカの芸術

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これは、クリスティーヌ・ワレフスカがまだ20歳代だった1960年代に録音され、マイナーレーベルからLPレコードで発売された音源の復刻CD。マスターテープからでなく、LP盤からの起こしなので若干スクラッチノイズなどがあるが、古い割りに聴きやすい。先日ご紹介した2010年の日本公演のクリスティーヌ・ワレフスカ チェロリサイタルのCDと重複する曲もあるが、若い時代の貴重な記録として、充分な音質で楽しめるものだ。

実は、このCDは、昨日の神奈川県湯河原町 檜ホールでのクリスティーヌ・ワレフスカのコンサートの休憩時間に購入したもの。

記憶が鮮明なうちに、このコンサートの印象を書いておこう。

神奈川県湯河原町 檜ホールは、初めて訪れたホール。場所はJR真鶴駅から山側に徒歩で25分くらいの小高い岡の上にある。徒歩で行ったが、昇り坂を歩くので足に自信がない方はタクシーやバスで行ったほうが良い。ホールに着いたときは、かなり汗ばんで息が切れていた。

ホールに入るのに靴を脱いでというのも初めての経験だった。檜ホールと言われるだけあって、総檜造りの立派なホールだ。中に入ると檜の木の香りがした。

コンサートは、2部に別れ、プログラムは非常に渋い曲が多い。

前半

バッハ/シロティ編:アダージョ

ブラームス:チェロソナタ2番

シューマン:アダージョとアレグロ

バッハのアダージョは、緊張やナーバスになりすぎたのか、若干ぎこちない感じがあった。

ブラームスが始まって、状況は一変する。第一楽章が始まってチェロとピアノの絶妙なアンサンブルが聴けた。チェロは悠然と歌い、ピアノはそれにぴたりと付けていた。ピアノのチェロに対しての音量バランスも良く、ピアノの福原彰美も相当に良いピアニストだと感じた。第一楽章が終わり、拍手が起こった。曲を充分に知らない人が聴いているからというのもあるかも知れないが、第一楽章がこれだけ素晴らしければ、拍手があっても全く不自然ではなかった。ブラームスのチェロソナタは演奏するのは難しい曲だと思う。チェロとピアノが対等になって支えあわないと、わけのわからないただの退屈な音楽に成り下がる。それは見事に回避され、内面をえぐるような深みのあるチェロの表現力とチェロに対峙して時折美しく自己主張するピアノ、そんな演奏だった。ブラームスのチェロソナタ2番は食べ物で言えば、琵琶湖の名産の鮒寿司みたいなものだ。とっつきにくいが、いったん味わいを覚えると病みつきになる。

シューマンは、ほぼ完璧だった。この曲を聴いて、ワレフスカの凄さと福原彰美の柔軟性を思い知った。福原彰美は、私の中ではこれから要注目のピアニストである。

休憩時間には、無料でワインなどのドリンクが振舞われた。檜ホールはお寺が経営するホールだということもあって、観客の中に僧侶の姿もあった。何となくアットホーム的な雰囲気のホールであり、非常に好感が持てる。

後半

フォーレ:エレジー

ボロニーニ:アヴェ・マリア、バスクの祭り、チェロの祈り

フランク:ソナタ

フォーレのエレジーは、チェロが良く歌いなかなかの佳演。独特の憂いを伴う内面性を良く引き出していた。こんな演奏を生で聴けて幸せであった。

ボロニーニの曲は、ワレフスカしか演奏が許されていない。楽譜も未出版なので、生で聴くのは貴重な経験だ。3曲ともみんな良い曲だ。アヴェ・マリア、チェロの祈りはチェロが歌い、聴き手も敬虔な感情にさせるし、バスクの祭りは、弓で弦を叩いたりする独特のリズム感のある曲で、チェロの普通とは異なる可能性を秘めた曲だと思った。

フランクのソナタも渋い曲だが、深みのあるチェロの音色と美しいピアノの響きが印象に残った。

檜ホールは、低音が良く響き、刺激的な音がしない。アンコールはラヴェルの曲だったが、ワレフスカが舞台上で、このホールがとても気に入りましたと英語で語った。

終演後、ミニサイン会が行われたので、先日ご紹介した、2010年の日本公演のクリスティーヌ・ワレフスカ チェロリサイタルのCDにサインしてもらった。4月5日の紀尾井ホールではライブ録音されCDの発売が決まっている。このCDも発売されたら買うことにする。

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投稿: 木曽のあばら屋 | 2013年3月25日 (月) 21時18分

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