マイルス・デイヴィス / ザ・グレート・プレステージ・レコーディングス(180g重量盤5枚組)
これは、1990年代半ば頃AnalogueProductionsという高音質復刻盤専門のレーベルから発売された5枚組の重量盤のセットで、マラソン・セッション「クッキン」「ワーキン」「スティーミン」「リラキシン」の4枚+「マイルス」が入っている。当時、3万数千円と非常に高価であった。全世界2500セット限定発売で、2500セット中の何番目なのかが手書きで番号が書かれている。
JAZZに詳しい知人からの受け売りだが、以上の4枚がマラソンセッションと呼ばれているのは、マイルス・デイヴィスがプレステージというJAZZ専門のマイナーレーベルから、CBSコロムビアという米国屈指のメジャー・レーベルに移籍したかったのだが、契約が残っていた4枚分のLPレコードの録音を、わずか2日間で全て録り終えてしまったからだと言う。そして、その録音は全てワンテイクだったというのだ。そして、プレステージはこの4枚を1年ごとに発売していって、全てJAZZ史上に残る名盤となっているのである。ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー・ジョー・ジョーンズという他のメンバーも凄い。そして1956年のモノラル録音であることが信じられないほど音質が良い。つい昨日録音したんじゃないかと思うくらい。
このセットが発売された時、先に買って聴いたJAZZ好きの知人は、今まで聴いていた国内盤や再発輸入盤より音質が良いのにおったまげて、オーディオ好きならこのセットは絶対に買っておけ!とのたまわった。
普段はJAZZは正直あまり聴かないが、暑い時期になるとJAZZを聴くようになる。アナログLPは、暑すぎるとあまり良い音質で鳴らないので、少し前にこの5枚を全てCD-Rに焼いてみた。出来上がったCD-Rは普通の国内盤の市販CDよりも良い音なのだ。
この中で特に好きなのは「クッキン」で、これだけは、すでにAnalogueProductionsから単売された180gの重量盤を持っていた。A面1曲目のマイ・ファニー・バレンタインが流れ出すと、マイルスのトランペットが泣いているように聴こえる。レッド・ガーランドのピアノも渋くて良い。
ジャケットのデザインが異なる。5枚セットの方は、PRESTIGE 7094の表記があるが、このジャケットには無い。さらに下方にはAnalogueProductionのロゴとHQ-180のロゴがある。
単売の方の「クッキン」のレーベル面。オリジナルとは全く違うデザイン。
こちらが、5枚組セットの方のレーベル。深溝などはないがオリジナルのデザインである。
そして、この2枚はマトリックス(カッティング)が違う。音質も違いがあって、5枚組セットの方が、熱くシャープな感じで好ましい。高価だったが買って良かったというセットだ。
この音源では、21世紀になってから45回転で10枚組のセットが6万円近い価格で限定発売されたらしいが、それは持っていない。とんでもなく音が良いそうであるが・・・・。
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