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2013年8月 2日 (金)

ヴェルディ 椿姫 /チェッカート、ロイヤルフィル、シルズ、ゲッダ、パネライ他(3LP)

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これは、ビヴァリー・シルズがヴィオレッタを歌った椿姫全曲の3枚組のLPレコード。英EMIの初版盤である。録音は1971年で初出が1972年。

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ビヴァリー・シルズという名前はオペラ好きなら知っていると思うし、アメリカでは最も有名なオペラ歌手だった。ニューヨーク生まれで、教育もアメリカで受けアメリカの歌劇場で有名になった人だ。若い頃はベルカントオペラを中心としたレパートリーだったが、年をとってからは椿姫のヴィオレッタなども歌う歌手になっていた。

オペラを80作品ぐらい録音した人だが、アメリカ以外のメジャーレーベルへの登場は遅すぎた感じがある。EMIがビヴァリー・シルズの録音に乗り出すのがあと5年早かったら、ベルカントオペラをEMIの良いキャストで良い録音が沢山残っただろうなと思う。

この椿姫、現在、全曲盤は廃盤でハイライト盤しか無いようだ。椿姫は有名なオペラだから他に沢山録音があるけれど、このまま忘れ去られるのは惜しい録音である。

椿姫というオペラで一番大事な要素は何か?と聞かれたなら、主役のヴィオレッタの歌が良いかどうかという所に尽きる。その点では、この盤は合格どころか、持っている椿姫全曲盤の中でかなり上位に来る。この盤は、ビヴァリー・シルズのヴィオレッタやニコライ・ゲッダのアルフレード、ローランド・パネライのジェルモン、いずれも水準が高い。最も、パネライ以外はイタリア的な感じが稀白で国籍不明な感じはあるが。シルズの歌う1幕での「ああそはかの人か~花から花へ 」は、コロラチューラソプラノらしい装飾をきかせた歌い方で、とても好感が持て、聴き出すと3幕のお終いまで一気に行ってしまう。クライバーの椿姫はクライバーの音楽造りが魅力だが、この録音は“チェッカート”の椿姫ではなく間違いなく“シルズ”の椿姫だ。

アルド・チェッカートの指揮は、歌手が歌いやすいテンポ設定で、あまりにも細かすぎない往年のイタリアオペラの指揮者に通じるところがあって好ましい。イギリスのオーケストラだがイタリアオペラらしい感じが出ている。この人、奥さんはマリア・カラスのトスカを指揮したビクトル・デ・サバタというイタリアの名指揮者の娘さんで、セルジュ・チェリビダッケがお師匠さんらしい。

現在は廃盤だが、この録音はCDでも持っている。

Swscan01118

これは15年ほど前に手に入れたもので、英語の本に2枚の全曲盤のCDが付属しているようなもので、確か千円くらいだった。この付属CDよりはオリジナル盤で聴く方が音質は数段良い。オリジナル盤を聴く限り、最新のオペラ録音を聴いた後でも音質が劣っているという感じは微塵も無い。

ビヴァリー・シルズは、引退後ニューヨーク・シティ歌劇場のゼネラル・マネージャー、リンカーン・センターの会長を務めた。自分の子供が障がい者だったこともあって、慈善活動にも熱心だった。

また、このような様々な名言を残している。

You may be disappointed if you fail, but you are doomed if you don't try.
もし失敗したならがっかりするだろう。しかし、挑戦しないのは全く望み無しだ。

There are no shortcuts to any place worth going.
価値のある事を成すのに近道など無い。

In youth we run into difficulties. In old age difficulties run into us.
若いときには困難だらけの中を走っているが、年をとると困難の方からやって来る。

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