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2013年9月17日 (火)

チャイコフスキー、ピアノ協奏曲1番 ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番/リヒテル、カラヤン、VSO他(Esoteric SACD/CDハイブリッド盤)

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これは、今月10日に発売になったばかりのEsoteric SACD/CDハイブリッド盤で、以下の曲が収録されている。

チャイコフスキー ピアノ協奏曲1番/リヒテル、カラヤン、ウィーン交響楽団

ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番/リヒテル、ヴィスロツキ ワルシャワ国立フィル

チャイコフスキーの方は1962年の録音、ラフマニノフの方は1959年の録音である。いずれもアナログLPの時代から評価の高い名演奏で、リヒテルのヴィルトゥオーゾ的な演奏が充分に発揮されたものだ。カラヤンの指揮したチャイコフスキーのLPのオリジナル盤のジャケットが、このハイブリッド盤のジャケット写真に使われている。

例によって、CD層を聴いた印象である。

通常のドイツプレスOIBP盤と比較すると、細かいところがぼやけず、ピアノの硬質な感じとオーケストラの広がりが自然なのが一聴してわかった。古い録音であるが、バランス良くとても鮮度を保っているので良い演奏がさらに魅力的に聴こえる。特にチャイコフスキーの方はより鮮度が高く聴こえる。この2曲では、カラヤンの指揮したチャイコフスキーの方がメインになりがちであるが、個人的に私が期待したのはラフマニノフの方である。手持ちのLPではワルシャワ国立フィルがいささか弱い感じがして弦がややかさつく感じがあるが、このハイブリッド盤でも同様に認められたので、元の録音がそうなのであろう。

この2曲の録音はわずか数年離れているだけであるが、実情は大きく違う。リヒテルは1960年まで鉄のカーテンを越えて西側に来ることは出来なかった。理由はソ連当局が認めなかったから。父親はドイツ系の人で、1940年代にスターリンの粛清によって銃殺刑になっている。ゆえに西側に行けば亡命してしまう恐れがあったからだ。

1960年に初めて西側での演奏が出来るようになり、同年アメリカに演奏旅行した。そして、その後にウィーンでカラヤンと録音したチャイコフスキー ピアノ協奏曲1番の名盤が登場する。個人的に、リヒテルは西側に出てくる前と後では違っているように思う。晩年になればさらに違うのであるが。

ところで、Esoteric SACD/CDハイブリッド盤での解説中、諸石幸生氏は、ヴィスロツキがプロコフィエフ ピアノ協奏曲5番の伴奏をしたと記述しているが、この曲はヴィトルド ロヴィツキが担当しているので何かの間違いだと思う。

1958年秋から1959年の春にかけて、ドイチェ・グラモフォンはワルシャワまで出かけて録音を敢行し、3枚のLPレコードを発売した。オリジナル盤ではないけれども、LPレコードで3枚とも所有しているのでジャケット写真を掲載しておこう。協奏曲では共演しているのはワルシャワ国立フィルだが、スタニスラフ ヴィスロツキとヴィトルド ロヴィツキという二人の指揮者が担当した。この二人は、ヤン・クレンツとともにポーランドの三羽烏と呼ばれた名指揮者達であった。

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モーツァルト ピアノ協奏曲20番/ヴィスロツキ ワルシャワ国立フィル 

プロコフィエフ ピアノ協奏曲5番/ロヴィツキ  ワルシャワ国立フィル

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ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番/リヒテル、ヴィスロツキ ワルシャワ国立フィル

ラフマニノフ 前奏曲 6曲

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シューマン ピアノ協奏曲/ロヴィツキ ワルシャワ国立フィル

序奏とアレグロ・アパッショナート/ ヴィスロツキ ワルシャワ国立フィル

ノヴェレッテ

トッカータ 

これら3枚はいずれも名演奏であるが、特にラフマニノフ ピアノ協奏曲2番と6曲の前奏曲は極めつけだ。今回のSACD/CDハイブリッド化で惜しいのは、ラフマニノフの6曲の前奏曲が無いことと、指揮者のスタニスラフ・ヴィスロツキの写真などデータが全く省かれていることや間違った記述があることが気に入らない。LPのジャケットから取ったヴィスロツキの写真を貼り付けておこう。

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不満はあるが、いずれにしろこの2曲はお気に入りの名演奏なので、今回発売されたリヒテルのSACD/CDハイブリッド盤は私の宝物になることは間違いない。

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