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2013年12月10日 (火)

ドヴォルザーク チェロ協奏曲/フルニエ、セル、ベルリンフィル(Esoteric SACD/CDハイブリッド盤)

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これは、今月発売されたばかりのEsoteric SACD/CDハイブリッド盤で、ドヴォルザーク チェロ協奏曲と、フリードリッヒ・グルダがピアノを弾いているベートーヴェン チェロソナタ3番がカップリングされている。例によってCD層を聴いた印象を書いてみる。

ドヴォルザーク チェロ協奏曲は、柔らかくしなやかで深みがありそれでいて気品を備えた《チェロのプリンス》と言われていたフルニエのチェロと、ジョージ・セルに徹底的に鍛えられた鋼鉄のような引き締まった筋肉質のような弦セクションをはじめとする鉄壁のベルリンフィルが渾然一体となって織り成す、ピエール・フルニエの一世一代の名演奏である。この演奏を初めて聴いたのは、私が18歳か19歳の頃に¥500で見つけた中古レコードが最初だった。以来、LPやCDを何種類か買い替えながら30年以上愛聴してきた。

このオリジナル盤は、独奏者の柔とオーケストラの剛の対比がとてもよくわかる。今回、この音源がEsoteric SACD/CDハイブリッド盤として発売されることになり、とても嬉しい。

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SACD/CDハイブリッド盤の音質は、従来のCDよりもフルニエのチェロの音色がオリジナル盤のそれに近い。ただ、オリジナル盤で聴けた、バックのオーケストラのぴったり揃った鋼のようなソリッドに響く弦セクションも柔らかく緩く聴こえて若干違和感がある。それゆえに演奏そのものも若干緩く感じてしまう。繰り返すが、オリジナル盤だとオーケストラは彫りが深くピシっと締まったより剛直な感じがあって、独奏の柔らかいチェロと対照的なのだ。

SACD/CDハイブリッド盤では、オリジナル盤よりもFレンジが広く音場も横方向には大きく広がる。しかし、オリジナル盤ではフルニエの柔らかいチェロが前にあって、オーケストラは後方に展開する様がよりよく判るのである。ということで、オリジナル盤は絶対に手放せないという思いを強くした。

グルダとのベートーヴェンのチェロ・ソナタは、オリジナル盤は高価すぎて持っていない。全曲セットの通常CDと再発のLPがあるだけだ。LPと比較するとフルニエのチェロの音色は違和感無く、グルダのピアノは若干甘すぎる感じに聴こえる。ただし、通常CDの音質と比較すると驚くほど良くなっているのがわかる。いずれにしろ、かなり良い音に保たれた復刻盤であると言える。

気づいた事といえば、ドヴォルザーク チェロ協奏曲の録音データが間違っているのではないか? 1962年6月ではなく正確には1961年6月1~3日にベルリンのイエス・キリスト教会で録音されたものだ。これについて、状況証拠をお見せしよう。

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1960年代半ばまでのドイチェグラモフォンの西ドイツ盤のジャケット裏の右下には赤矢印のように、発行年月の表示がある。この部分を拡大してみよう。

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手持ちのオリジナル盤では、12/61と表示されているので1961年12月に発行されたLPレコードなのである。だから、このSACD/CDハイブリッド盤の1962年6月録音という表記はおかしい。

尚、このSACD/CDハイブリッド盤に付属されていた白黒で印刷された紙のチェロの絵のジャケットのLP盤も持っている。こちらは再発盤である。貼られているステッカーの種類や位置まで付属された写真のものと同じである。

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ジョージ・セル指揮のドイチェグラモフォン盤は他にあるかは知らない。私の知る限りジョージ・セルがベルリンフィルを振った唯一の録音である。

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