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2014年9月

2014年9月30日 (火)

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 / シェリング、シュミット=イッセルシュテット、ロンドン交響楽団

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これは、ヘンリック・シェリングが1965年に、ハンス・シュミット=イッセルシュテット、ロンドン交響楽団と録音したベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲のLPレコードである。

さて、このベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲の演奏は、ハンス・シュミット=イッセルシュテットの指揮の力が大きいことを改めて感じた。ドイツ的などっしりとした造形の上にしなやかさを内包し、スケール大きく雄大なオーケストラをバックに、極めて正統的で癖が無く、そしてテクニックが確かで、深い音楽性を感じさせる美しいヴァイオリンが奏でる名演奏、という感じだ。ハイティンク/コンセルトヘボウのEsotericSACD/CDハイブリッド盤の方も間違いなく名演で音質も良いのだが、輸入盤のLPで聴くハンス・シュミット=イッセルシュテット盤は、音質でも全く負けていないどころか、ヴァイオリンの美しさは、拙宅ではこの盤の方がより良く聴ける。

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先日ご紹介したハイティンク、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のブログ・コンテンツで、ウィーンフィルと誤ってしまった理由は、この8枚組のCDボックスの表側だけ見ると、ロンドン交響楽団の表記が無いからで、ウィーンフィルなんだと勘違いしていました。

ちなみに、このCDボックスは安かったけれど、音質はLPには遥かに及ばないので音質だけで言うとまさに安かろう悪かろうだ。ただし、演奏はどれも素晴らしいものであることは間違いない。ベートーヴェンの交響曲全集は、手持ちに英DECCAプレスのLPボックスがあるけれど、そのLPを使って自分でCD-Rに落としたものと、このCDを聴き比べると、自前のCD-Rの方が音が良い。そのくらい音質が違う。だから、音質良く楽しむには、CDでは、Esotericのハイティンク、アムステルダム・コンセルトヘボウ盤を聴いて、シュミット=イッセルシュテット、ロンドン響盤はPhilipsレーベルの輸入LPで聴くのが良いと思う。

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2014年9月26日 (金)

モーツァルト フルート四重奏曲 / クイケン兄弟ら (EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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これも、今月発売になったばかりのEsotericSACD/CDハイブリッド盤。

録音は1982年、初出が1984年のACCENTというマイナー・レーベルから出た音源だ。ACCENT(アクサン)というレーベルは、確か夫婦2人でやっていた小さなレーベルで、クラシックのメジャーレーベルが1980年頃からデジタル録音に移行していたが、この録音はまだアナログ録音。しかもミキサーも使わないマイク2本のワンポイント録音ではないだろうか。

音楽は、快活なモーツアルトの音楽が繊細で上品なフラウトトラベルソや古楽器の弦楽器によって奏でられ、素朴でありながら含蓄の深い演奏だと思う。普通のモダンフルートなら、ビブラートを付けて吹くのが当たり前だが、弦楽器も含めビブラートなしというのがモーツァルトの時代の普通の演奏スタイルだった。今でこそ、古楽器演奏のCDは珍しくないが、当時はとても珍しく新鮮であった。しかし、今聴いてもその魅力は揺るぎ無いと思う。

この盤の音質はすこぶる良い。加工を最小限にシンプルに録音されたものが、そのまま聴こえてくる感じがする。

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2014年9月23日 (火)

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 /シェリング、ハイティンク、ロイヤル コンセルトヘボウ(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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これは、今月発売されたばかりのEsotericSACD/CDハイブリッド盤。1973年録音のヘンリック・シェリング/ベルナルト・ハイティンク アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるもの。

私は、シェリングのベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲は、ハンス・シュミット=イッセルシュテット ウィーンフィルの1965年のものの方を評価していて普段はそちらの方を多く聴く。ハンス・シュミット=イッセルシュテット ウィーンフィルでは、ドイツ的に厳格でありながらウィーンフィルらしいしなやかな管弦楽の上に、楷書的にそれでいて音楽の本質を突いたようなシェリングの独奏が際立つ名演奏という感じであるが、この演奏は、もっとまろやかで円熟味を感じる。非常に音質が良く、美しい独奏ヴァイオリンが、それを支えるオーケストラに溶け合って、絶妙な音楽を作っている。落ち着いていて決して派手ではないが、ベートーヴェンの音楽はこんなに美しくて甘さもある音楽だ、というのをわからせてくれる名演奏である。これからは両方の演奏を聴くようになるだろう。

CD層を聴いても、音に厚みがあり力強く、質感がしなやかで上質のアナログテープを聴いているような優れた音質に仕上がっている。Esoteric SACD/CDハイブリッド盤は限定発売ということもあり、売り切れた後、プレミアムがついて中古盤に非常に高価な値段が付いているものもあるが、この盤も数年後にはそうなるように思えてならない。

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2014年9月19日 (金)

チャイコフスキー 交響曲第4番 / マゼール、クリーヴランド管弦楽団(ロリン・マゼールの芸術30CDより)

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これは、1980年代初めに、ロリン・マゼールがクリーヴランド管弦楽団と録音したチャイコフスキー後期交響曲シリーズのうちの1枚。4番、5番、6番ともに「ロリン・マゼールの芸術30CDセット」に収められているが、チャイコフスキー後期交響曲の中で一番良いなと思ったのが、この4番。1楽章、4楽章は、クリーヴランド管弦楽団の実力を引き出して色彩感豊かに演奏している。第3楽章はスイスイと早いテンポであり、全体的にメランコリックな感じは控え目だ。

今になってデジタル初期の録音を振り返ると、アナログ末期の1970年代後半の録音のものに比べてしなやかさや音場の厚みで劣るものが多く、暗黒時代だったという感じが若干しないでもない。このCDもそういった感じが若干あるけれど、全体的にこの時代のものとしては音質が良く楽しめる。

余白には、フランス国立管弦楽団と録音したプロコフィエフ 組曲「キージェ中尉」が収められているが、これの演奏もなかなか良い。

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2014年9月16日 (火)

シベリウス 交響曲2番、6番 /マゼール、ピッツバーグ響(ロリン・マゼールの芸術30CDから)

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ロリン・マゼールは、若いころからシベリウスの交響曲を得意にしていて、1960年代初め頃には、DECCAにウィーンフィルと録音した全集があって、全部ではないけれど、オリジナルに近い英国初期LPも持っている。その録音と比べると、この2番と6番は、円熟したとか少しおっとりと余裕のあるような表現をしているように思う。ピッツバーグ交響楽団は、現代の優秀なオーケストラらしい少し分析的に聴くようなことをしても、アンサンブルや各パートの表現は素晴らしいもので、説得力ある音楽を聴かせる。

録音は1990年代初め頃だが、このCDは1枚あたり200円足らずという廉価盤なのに、かなり優秀な音質である。ロリン・マゼールの芸術30CDを1枚1枚聴くに従って、マゼールが生きている間に、生演奏を聴いておくべきだった、との後悔の念が湧き出てくる。

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2014年9月12日 (金)

ベルリオーズ 幻想交響曲/マゼール、クリーヴランド管弦楽団

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これは、先日ご紹介したロリン・マゼールの芸術(30CD)の中の1枚。1977年のCBSコロムビア・レーベルのアナログ録音。

マゼール、クリーヴランド管弦楽団の幻想交響曲というと、1980年頃のテラークのデジタル録音のものがあるが、同じオーケストラで、録音が3年ほどしか違わないのに、印象はかなり異なる。テラークのデジタル録音のLPレコードは、演奏がドライに聴こえて好みでないので、とっくの昔に中古屋へ行ってしまった。

ところが、この1977年のCBSコロムビア盤は全く違う。ドロドロしたデモーニッシュな感じなどは全く無いが、オーケストラの楽器の折り重なりや楽器の表情の付け方まできめ細かく統率している感じがする。各楽器の混ざり具合がとても良く、ベルリオーズの管弦楽の良さが表れているような演奏でとても好感が持てた。全体的に、ロリン・マゼールの芸術(30CD)の中のフランス物はそんな感じがして、良い演奏のものが多い気がする。この演奏でびっくりしたのは、終楽章の速さである。スイスイと、それでいてダイナミックに音楽が奏でられる。

音質も1977年のアナログ録音としては十分に良く、このCD1枚が200円足らずだということを考えると、超お買い得だった。こんな安い値段でこういう良い演奏が聴けて、天国のロリン・マゼール氏に申し訳ない気もする。ありがとう、マゼール!

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2014年9月 9日 (火)

ロリン・マゼールの芸術(30CD)

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ロリン・マゼールの急逝によって、数年前に発売されたが品切れしていて入手困難だったボックスが再生産され、静岡のCD屋さんに並んでいたので買ってみた。

まだ全部聴いてはいないのだが、ボックスはこの写真のように蓋がとれるタイプ。30枚のCDは、厚紙のしっかりしたオリジナルデザインのジャケットに入っていて、造りは立派である。解説書は、曲目とカラー写真をちりばめた60数ページのもので、手抜きがない。このボックスは、1枚あたり200円を切る値段でとても安いのであるが、音質もかなり良いようである。

活発でスリリングなベートーヴェンの交響曲全集は1970年代後半のアナログ録音でややデッドで響きが少ない感じがするが、当時の音質をそのまま保っている感じがするし、デジタル録音になってからのものも、単売されたオリジナルCDと比べて音質が良くなっているものさえある。1990年代の録音であるシベリウス交響曲全集(ピッツバーグ交響楽団)もこのボックスで全て聴けるのも嬉しい。

ベルリンフィルとのコンビで録音した巷での評価が分かれるワーグナーの管弦楽集も聴いたが、特に、「ジークフリート牧歌」の美しさには参ってしまった。

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2014年9月 5日 (金)

ドニゼッティ 「シャモニーのリンダ」から 《この心の光 》/トティ・ダルモンテ(78RPM盤)

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「ランメルモールのルチア」の狂乱の場が素晴らしかった事が記憶にあったので、「シャモニーのリンダ」から《この心の光 》のSP盤がオークションに比較的格安で出ていたのでゲット。

恋人カルロとの待ち合わせに遅れてしまったリンダが、「ああ、遅すぎたわ。私の心の光であるカルロ、私はあなたのためだけに生きているの~。」と歌う、第一幕の有名なアリアで、この部分だけでもしばしば歌われる。

歌詞の内容からみたら、アイドル歌手が歌う流行歌と何ら変わりないし、オペラなんて敷居の高いものでも何でもない。ただ、オペラ歌手は、大きな歌劇場のホールで拡声器無しで1000人以上の観客を満足させるように歌わなければならないし、それなりの修業をしなければ歌いこなせない難しい技術を要する歌ではある。

「シャモニーのリンダ」は、エディタ・グルヴェローヴァ主演のウィーン国立歌劇場の日本公演で観たことがあるが、スタイルは古いけれどテクニックがしっかりしていて、イタリア・オペラ的なテイストがある歌い方をするトティ・ダルモンテの歌唱は、21世紀の現在聴いても、説得力があるものだ。この78回転SP盤は状態も良く音質が良いので買って良かった。やっぱり、LPレコードと同様、国内盤と本国盤では音質がかなり違うように思う。

尚、ユーチューブを検索したら、再発LPレコード盤から起こしたものがアップされていたので張り付けてみる。これでも、歌の良さは十分に堪能できる。

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2014年9月 2日 (火)

ドニゼッティ 「ランメルモールのルチア」から狂乱の場/トティ・ダルモンテ(12吋SP盤)

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トティ・ダルモンテは、1893年イタリアのヴェネト州モタリアナ生まれのソプラノで、戦前のイタリアで、ベルカントオペラのコロラチューラのレパートリーを得意にしていた。この盤は国内盤で、タダで頂いたもの。初出盤ではないと思うが、78回転のSPレコードである。

私は、アメリータ・ガリ=クルチという1882年生まれのコロラチューラ・ソプラノのSP盤も持っているが、ダルモンテの方が録音が新しく音質が良く、しかも、歌唱のテクニックや声の美しさが際立っていて、この「ランメルモールのルチア」から狂乱の場の歌唱を聴き比べた時、トティ・ダルモンテの方が間違いなく良い。ただ、後に出現するマリア・カラスのような感情表現を得意とはしていない。

それにしてもこの長く難しいアリアを見事に歌いこなしているので、当時、生で聴いた人はどのように感じただろうか。

私のものではないけれど、ユーチューブにこの録音の米国盤SPを蓄音機でかけている動画があったので、張り付けます。雰囲気は伝わってくるので、是非観てください。

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