ベートーヴェン 交響曲全集/シュミット=イッセルシュテット、ウィーンフィル(英DECCAプレスLPセット)
ハンス・シュミット=イッセルシュテット/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のベートーヴェン交響曲全集は、1960年代後半に録音され、単売されたラージ・デッカと呼ばれるレーベルのものがオリジナル盤で、これらはかなり高価になっている。私の持っているものは、1970年に発売された6枚組のボックスセットで、SXLB6470-5の番号が付いているもの。
第九がいささか詰め込みすぎ気味に丸々1枚のLPに入ってしまっているとか、様々な問題はあるものの、先日写真を載せた8枚組の廉価BOXのCDよりは圧倒的に音質は良い。
ハンス・シュミット=イッセルシュッテットは、1900年に生まれ1973年に亡くなったドイツの名指揮者。息子さんのエリック・スミスは、DECCAとPHILIPSで音楽プロデューサーとして録音にも携わっていて、このベートーヴェン交響曲全集も全てエリック・スミスがプロデュースした。
全体的に、正統的なドイツ・オーストリア系の彫が深く、それでいてしなやかで風格を感じさせる、これぞベートーヴェンという演奏で、このLPを聴く限り、音質もきわめて良い。特に、第8番は、しなやかな中にドイツ的なリズム感覚が際立ったもので、私が持っている数あるベートーヴェン交響曲全集の中で、8番は全く他の演奏を寄せ付けない。
このLPのセットを上回る音質でこの演奏が新しいデジタルメディアになって出てくれば、このLPセットはお役御免になるが、それまでは大切にしなくてはならない。
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