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2015年6月 2日 (火)

ベートーヴェン 序曲集/クリュイタンス、ベルリンフィル(TOWER RECORDS Definition Series SACD/CD)

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これは、TOWER RECORDSが独自で企画発売したSACD/CDハイブリッド盤のシリーズ第一弾のクリュイタンス/ベルリンフィルのベートーヴェン「序曲集」。これ以外にベートーヴェンの交響曲全集(5枚組)、シューベルト 未完成他、など3タイトルが発売されたが、とりあえず全て入手した。

http://tower.jp/article/feature_item/2015/04/30/1101

私はSACDプレーヤーを持っていない。それなのに何故このSACD/CDハイブリッド盤を手に入れたかという理由は、このシリーズが音質にこだわったマスターから、SACD層とは別にCD層も丁寧にきちんとリマスターし手間隙かけてあるということを聞いたからである。

マスタリングは、JVCマスタリングセンターで杉本一家氏によって行われている事など、プロセスはEsotericのSACD/CDハイブリッド盤と全く同じコンセプトでTOWER RECORDSがやっているのである。ハードカバー・デジパック・ジャケットや解説書の仕様もほぼEsotericと同等で豪華。解説は満津岡信育氏が詳しく書いている。

それでいて、単売1枚ものは¥2700(税抜き¥2500)、5枚組のは¥10800(税抜き¥10000)とリーズナブルな価格であり、オーディオ・メーカーではなくレコード屋が発売したディスクらしく演奏や資料的価値により重きを置いている感じはあるが、CD層を聴いても通常のCDとは全く次元の異なる音質の良さがあり、製作に手抜きがないディスクのようで、とても感心した。

収録曲は以下のとおり。

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まず、今回の3セットのうちで試しに1つだけ買うなら当盤だ。音楽監督がフルトヴェングラーからカラヤンに変わってまだ数年しか経っていないベルリンフィルを振るクリュイタンスは、当時のベルリンフィルの圧倒的能力を充分に活かし、生命力あふれる音楽を構築していて、素晴らしいベートーヴェンの序曲集である。この人が得意なのはフランス物だけではないことがはっきりわかる。しかも、ステレオ初期ながら当時の録音がとても優秀だった事がよくわかる。

CD層を聴いた感想であるが、通常のCDのように音が薄っぺらくない。きちんと奥行きがあり前後の音の厚さがあって立体的である。一連のEsoteric盤より無理に低音端や高音端を伸ばしていないようで、その分、立体的な音場が保たれているのか、むしろ音場の前後感ではTOWER RECORDS Defiinition Seriesの方が優れていると感じた。同じマスタリングセンターで同じ人がやっているのだが、Esoteric盤とはマスタリングが異なる様で、当盤は音質的には骨太でぎっしり情報が詰まった感じがして、力強く躍動する。また、テープヒスの音が優しく耳につかない。残響が自然で、楽器のある場所の高さや距離感までわかるようなそんな感じであり、極めて音質の良い復刻盤であると言える。昔、クリュイタンス/ベルリンフィルの田園交響曲その他数枚、国内セラフィム盤LPを買って聴いた事があるが、音質は比較にならない。このハイブリッド盤の方がずっと良い。おそらく、LPレコードならば状態の良いフランス初出盤か英国初出盤あたりでないと太刀打ち出来ないだろう。

SACDが聴ける環境にある人は勿論、CDしか聴けない方も買って損はない。これだけ音質が良くて限定盤なのでEsotericSACD/CDハイブリッド盤のように将来、プレミアムが付いてしまう可能性もある。気になる方はあるうちに買っておいた方が良い。私個人としては、オーディオマニアは勿論、クラシック音楽を良い音質で聴きたいと思われる音楽ファンに強力にお薦めする。

TOWER RECORDSさん、ありがとう。素晴らしい企画であり、このシリーズが長く続く事を願って止まない。次の発売分を楽しみに首を長くして待つことする。

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コメント

クリュイタンスのSACD、貴殿のご紹介で全て購入しました。私もエソテリックのSACDより好ましいリマスターに感じました。「未完成」のリスト/前奏曲のディンパニやスネアの音色はただ事ではありませんでした。あとエグモント序曲の弦楽アンサンブルの凄さと音質、久々の大ヒットリマスタリングでした。

投稿: 高橋和幸 | 2015年6月15日 (月) 21時28分

クリュイタンスのベートーヴェンは、フルトヴェングラーのように重厚な演奏ではありませんが、ベルリンフィルの抜群な上手さをよく引き出して、楽器の音色を際立たせ、良く歌うような演奏です。それが、今回のリマスター盤ではよく判るような気がします。本当に良い演奏だというのがよくわかります。

TOWER RECORDS Definition Seriesに比べて、Esotericの一連のリマスター盤はFレンジが広い感じですが、逆にそれが音楽の勢いや凄みを奪ってしまっている感じがします。同じエンジニアがJVCのマスタリングセンターでやっているのですが、機械やマスタリング方法が微妙に異なるのでしょうね。

今回のTOWER RECORDS Definition Seriesのリマスターは、本当に素晴らしいと思います。

投稿: 黄金のアンコール | 2015年6月16日 (火) 09時12分

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