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2015年8月

2015年8月28日 (金)

レハール メリー・ウィドウ/ガーディナー、ウィーン・フィル他

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これは、1994年録音のもので、ウィーンフィルが初めて「メリー・ウィドウ」を録音したもの。そもそも、ウィーンフィルはウィーン国立歌劇場のオーケストラでもあるわけだが、オペラとオペレッタを厳格に区別し、ウィーン国立歌劇場で上演するオペレッタは、ワルツ王ヨハン・シュトラウスの「こうもり」だけで、上演の仕方によっては物凄く下品になってしまう「メリー・ウィドウ」はレパートリーではなかった。

上品な「メリー・ウィドウ」を聴きたかったなら、まずはこれを聴くと良い。このCDについては、以前にもこのブログで書いた。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2010/01/post-e24c.html

今回は、CDコレクター的で、オーディオマニア的な裏話を書いてみる。

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これは、ドイツ初出盤(上)と日本初出盤(下)を重ねてみた写真。ドイツ盤の方が厚く、日本盤は薄い。この理由は、付属のリブレットの厚さにある。ドイツ初出盤は原語(フランス語)とドイツ語、英語の対訳が余裕を持たせた140ページの冊子なのに対し、日本初出盤は原語、日本語の70ページ。何か日本初出盤の方が、損している感じがする。当時の値段はというと、ドイツ初出盤が¥2600位、日本初出盤は¥3000。今のCDもそうなのだが、日本盤の方が高かった。

CDの盤のプレスの質は日本盤の方が良い。流石、Made In Japan。しかし、聴き比べると輸入盤の方が音質が良い。日本盤は高域がやや丸まった感じで音に若干にじみがある感じがする。もちろん、これは聴き比べた結果であって、日本盤でも1990年代半ばの録音としては高音質なCDである事に疑いは無い。

当時のCDは、現在よりも輸入盤の方が音が良いものが多かったのであるが、雑誌などでは、国内のCD発売元が広告スポンサーになっている関係上、評論家などは、そのような事は一切書くことは無かった。

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2015年8月25日 (火)

ヴェルディ 椿姫 /クライバー、バイエルン国立歌劇場(SACD/CDハイブリッド盤)

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ネットサーフィンしていたら、アマゾンのマーケットプレイスでカルロス・クライバーの「椿姫」のSACD/CDハイブリッド盤(ドイツプレス)が格安で出ていたので買ってみた。Esotericがセットで発売したものの中にも同じ音源のSACD/CDハイブリッド盤があるが、それは下のもの。

音楽そのものは、映像無しで聴くものとしては、非常に定評あるものだから、この2枚の音質比較をしてみた。

まずは自宅でCD層同士を聴く。CD層に関しては、この2枚にはかなり音質差がある。Esoteric盤は、ハイブリッド盤のCD層という事も考慮して入念にSACD層とは別にCD層も丁寧にリマスターしているのに、ユニバーサルの輸入盤は、通常CDのOIBP(オリジナル・イメージ・ビット・プロセッシング)のものをそのまま入れてあるだけで、ハイブリッド盤のレーザー光の乱反射の不利を考えると、ドイツプレス輸入盤OIBPによる通常CDよりも音質は劣る。しかし、Esoteric盤の方は、通常CDよりもずっと解像度も高く音色も自然である。

SACD層に関しては、知人のところで比較的廉価なSACDプレーヤーで聴かせてもらった。両者の差はCD層ほどではないけれども、やはりEsoreric盤の方が音に厚みがあり違和感なく聴けた。この経験で、なぜEsotericのSACD/CDハイブリッド盤が発売完了後にプレミアムが付くほど中古盤の価格が高くなるのか判ったような気がする。

SACDとCDは規格の差でデータ的にはSACDの方が大きいけれど、一番重要なのはリマスターがきちんとされているかだというのが、今回はっきり自覚できた。日本に比べて、ヨーロッパではSACDプレーヤーは充分に普及しているとは言い難い。そのような中で、CD層が通常CDと同じあるいは劣るような状態では売れないのは当然である。だからアマゾンのマーケットプレイスで安売りされているのだと改めて理解した。また、限定発売の手持ちのEsoteric盤は大事にしないといけない。

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2015年8月21日 (金)

バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ/クレーメル(180g復刻重量盤LP)

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これは、発売されたばかりの180g復刻重量盤LP3枚組のボックスセットである。フィリップス・レーベルの1980年録音で、アナログ録音最末期のもの。ギドン・クレーメルには21世紀になってからECMレーベルにバッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータを再録音したが、この旧録音の評価や人気は不変である。

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フィリップス・レーベルは消滅し、DECCAに吸収統合されてしまったので、この復刻盤はDECCAレーベルで、レーベルのデザインも普通のDECCAのものだ。

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オリジナル盤のセットには、バッハの直筆譜のレプリカが付属していたが、この復刻盤にもきちんと付属している。また、当時と同じライナー・ノーツも付いていた。

明晰で現代的なクレーメルらしい無伴奏であり、バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータの名盤のうちの1つである事には疑いが無いし、音質も鮮明で素晴らしいものだ。

プレスはドイツで行われていて、TELDECが1980年代前半に実用化したダイレクト・メタル・マスタリング(DMM)でカットされている。この技術は、カッティングにラッカー盤を使わず、アモルファス銅板にカッティングし、それを通常の銅板に戻して、そのままメタルマザーとして使うものだ。ラッカー板にメッキをかけ、マザースタンパーを作り、メタル原盤を製造する工程が省かれる上、プリエコーが激減する、S/Nが極めて良く、高域のトランジェント特性が良いという特徴がある。最近の180g重量盤によるDMMカッティング盤は1980年代当時のものよりも低域がしっかりし、中域が厚く解像度が高い。このセットも輸入盤にありがちなノイズはほとんど無く、通常のCDでは決して得られる事の無い高音質なLPレコードであると感じた。

国内大手通販店では、このセットは1万円を超える価格であるが、値段に見合っただけの内容はあると思う。興味のある人は買っておいた方が良い。

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2015年8月18日 (火)

モーツァルト フルートソナタ KV10~KV15/ランパル、ヴェイロン=ラクロワ

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これは、ジャン・ピエール・ランパル(フルート)、ロベール・ヴェイロン=ラクロワ(チェンバロ)による演奏で、1963年にフランスのエラート・レーベルが録音したもので、1970年代前半に西ドイツで発売された再発のLPレコード。

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1970年代前半には、エラート・レーベルの音源は西ドイツではEMI系のドイツ・エレクトローラから発売されていた。質の良いマスターが供給されていたのと、プレスが良いのでかなり音質が良く、初めて聴くととても1963年録音とは思えないほど鮮明である。このLPレコードでは音質の良さもあり、この作品がより素晴らしく聴ける。

収録曲

Side1
チェンバロとフルートのためのソナタ ヘ長調 KV13
チェンバロとフルートのためのソナタ 変ロ長調 KV15
チェンバロとフルートのためのソナタ イ長調  KV12

Side2
チェンバロとフルートのためのソナタ ハ長調 KV14
チェンバロとフルートのためのソナタ 変ロ長調 KV10
チェンバロとフルートのためのソナタ ト長調 KV11

モーツァルトのKV.10~KV.15は、8歳の時に滞在中のロンドンで作曲された。数日前のブログにも書いたとおり、英国シャーロット王妃の希望により王妃に献呈されたものだ。原曲は、ヴァイオリンあるいはフルートの伴奏つきのクラヴィーア・ソナタ(場合によってチェロも加わる)だったが、20世紀になってフルートの大家であったマルセル・モイーズが、フルートとピアノのためのソナタとして演奏できるように編曲してから、伴奏だったフルートが際立つようになったことで著名なフルート奏者もしばしばとりあげて演奏するようになった。

このLPレコードは、ランパルという名手がヴェイロン=ラクロワの素晴らしいチェンバロの演奏を得て、風格を感じさせるほどの名演奏を繰り広げている。相方がピアノではなくチェンバロというのは、チェンバロの繊細さが、本来、大きな音を出せないフルートをより際立たせ、主役となる効果を発揮しているように感じる。わずか8歳の子供の作った曲を、大家が真剣に演奏している。これらのソナタは、それだけの内容のある良い作品なのだと思う。

10年くらい前に中古レコードで求めた時、確か¥1000まではしなかった記憶があるが、私の大切なコレクションの1枚となっている。

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2015年8月14日 (金)

チェルシーのモーツァルト/マリナー、アカデミー室内管

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ジャケットはご覧のように、少年モーツァルトがテムズ川で釣りをしている絵だ。

この盤がオリジナル盤である。オリジナル盤とは言っても、それほど有名で人気のあるLPレコードではないのでわずか¥1000で手に入れた。このLPレコードは音が良いのが一部のオーディオマニアには知られていて、1990年代には菅野沖彦氏の監修による180gの復刻重量盤も発売された事がある。

これは、1972年録音のネヴィル・マリナー指揮、アカデミー室内管弦楽団によるもので、家族で足かけ3年ほどのヨーロッパ演奏旅行で行きついたロンドンで、1764年にモーツァルトがわずか8歳の時に作曲した、いわゆる《ロンドンのスケッチブック》K.15をもとに、フィリップスのレコーディング・ディレクターであったエリック・スミス(ドイツの名指揮者 ハンス・シュミット=イッセルシュテットの息子さんである)が編曲したものを1枚のLPレコードにしたもの。

なぜ、タイトルが「チェルシーのモーツァルト」なのかというと、ロンドン滞在中、父親のレオポルトが大病をし、ロンドン郊外のチェルシーで数か月間療養生活を余儀なくされ、その時には演奏活動が出来なかったので、モーツァルト少年は作曲をしたのだ。また、この少し前に作曲された《ロンドン・ソナタ》と呼ばれるヴァイオリンソナタ(フルートソナタ)KV.10~KV.15も天才を思わせる素晴らしい作品で、英国シャーロット王妃の希望により王妃に献呈され、現在でもしばしば演奏される。イギリス滞在中に作曲された曲は、8歳にして天才の片鱗はすでにあちこちで見られる。

収録曲

Side1
3つのコントルダンス
ディヴェルティメント ハ長調
ディヴェルティメント ト短調
ディヴェルティメント ニ長調
2つのコントルダンス

Side2
ディヴェルティメント ヘ長調
ディヴェルティメント 変ロ長調
ディヴェルティメント 変ホ長調

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安価で入手できたが、40年前のLPレコードとしては極めて状態が良く、ノイズはほとんど出ない優良盤であった。

この演奏は8歳の子供が作曲したものとは思えない充実ぶりで、編曲や演奏の良さが作品本来以上の魅力を引き出しているように思う。音質もドイツでプレスされた180g復刻重量盤よりもしなやかで美しい響きがして好ましい。大当たりの1枚であった。

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2015年8月11日 (火)

スペイン、イタリア歌曲集/ベルガンサ、ラヴィーリャ

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これは、1962年、テレサ・ベルガンサがまだ20歳代半ばだった頃に録音されたもので、DECCAの再発廉価レーベルであるAce Of Diamondsから1969年に発売されたもの。この廉価盤Ace Of Diamonds SDD206は¥500でネットオークションで落札したものだが、オリジナル盤DECCA SXL6005は、おそらく中古市場で現在でも1万円以上すると思う。

再発のジャケットの写真は、オリジナル盤よりも色気があり良いと思う。

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オリジナル盤はジャケットは以下のもの。ピアノ伴奏のフェリックス・ラヴィーリャは、テレサ・ベルガンサの夫だ。

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収録曲

Side1
6つのカスティーリャの歌~第5曲わたしの気持ちを知りたいのか (グリーディ)
6つのカスティーリャの歌~第6曲サン・ファン祭の朝 (グリーディ)
4つのバスクの歌 (ラビーリャ)
希望の聖母への祈りによるサエタ (トゥリーナ)
トナディーリャス~トラ・ラ・ラとギターのつまびき (グラナドス)
トナディーリャス~内気なマホ (グラナドス)
トナディーリャス~嘆きにくれるマハ~その3 (グラナドス)
ファルーカ第1番 (トゥリーナ)

Side2
歌劇「デモフォンテ」~わたしの生涯にも (ケルビーニ)
歌劇「オロンテア」~わたしの偶像について (チェスティ)
途方にくれ、うろたえて (ペルゴレージ)
あなたを愛するのが罪ならば (A.スカルラッティ)
歌劇「フラヴィオ」~恋をしたい人は (A.スカルラッティ)
歌劇「ロザウラ」~あなたに傷つけられた心は(A.スカルラッティ)
恋のひまわり(A.スカルラッティ)

若い頃の録音なので、70年代以降のものと比べるとあくが少なすぎる感じもするが、すでに歌手として完成された立派な歌唱であり、偉大な歌手の記録として後の世まで残したいレコードである。

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2015年8月 7日 (金)

シューマン 女の愛と生涯 ムソルグスキー 子供部屋/ベルガンサ、レケホ

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これも、5枚で千円で入手したLPのうちの1枚。Clavesはスイスのレーベルなので、これだけがフランス盤ではないが、表記はフランス語であるし、他のフランス盤と同じように見開きのダブルジャケットであり、開いたジャケットの中央に対訳付きの歌詞が付属しているのも同様。

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録音は1981年で1982年の発売。盤は西ドイツのTELDEC DMMプレスであり音質は良い。

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シューマン:歌曲集『女の愛と生涯』
彼に会って以来
彼は誰よりも素晴らしい人
分からない、信じられない
わたしの指の指輪よ
手伝って、妹たち
やさしい人、あなたは見つめる
わたしの心に、わたしの胸に
今、あなたは初めてわたしを悲しませる

ムソルグスキー:歌曲集『子供部屋』

ばあやと一緒
部屋の隅
かぶと虫
お人形と一緒に
夕べの祈り
木馬に乗って
いたずら猫

テレサ・ベルガンサ(Ms)リカルド・レケホ(p)

Swscan00736

あと、白黒ではあるが、30cm四方のこのようなサイン付きの写真が付属していた。

スペイン人であるベルガンサにとって、ドイツ語やロシア語は外国語なのだが、ドイツ語で歌われているシューマンはそんなに違和感はない。しかし、ムソルグスキーの「子供部屋」のロシア語は、いささか心もとない。母国語であるロシア人が聴いたらどのように感じるであろうか。

でも、私自身は、むしろ、子供の歌だから、多少変なロシア語でも良いのではないかとも思えた。クラシックではないが、昔、グラシエナ・スサーナというアルゼンチン出身の歌手がわずか17歳ぐらいで、日本の演歌、それも非常に大人っぽい歌を歌っていたのがとても新鮮だった記憶があるが、それの真逆のような感じで、非常に新鮮だった。

結局は、このような歌を歌っても、テレサ・ベルガンサは上手いし偉大な歌手である事がわかる、そんな1枚だと思う。

このLPレコードはわずか¥200で入手したのであるが、ネット検索すると¥6000以上で販売している中古レコード屋がある。しかし、その中古レコード屋はおそらく世界で一番高い値段を付けるクラシックの中古レコード屋なので参考にはならない。通常の中古屋さんならこんなに高くないはずだ。

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2015年8月 4日 (火)

スペインの歌 第2集/ベルガンサ、ラヴィーリャ

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これも5枚で千円で入手したうちの1枚。前回ご紹介した、ナルシソ・イエペスとのスペインの歌の続編のような録音である。

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収録曲

アンチエータ :母様、私は恋を抱いて
トーレ     :ぶどうの葉は緑
エステーベ  :心よ、共に悲しもう
グラナドス   :嘆きにくれるマハ 第1幕~第3幕
             :かしこいマホ
             :トラ・ラ・ラとギターのつまびき
             :内気なマホ
トゥリーナ   :エスペランサの聖母に捧げる
         :幽霊
            :唄
グリーディ   :スカーフで誘え、牡牛を
             :あんたのくれるはすばみの実
             :当ててごらんと言ったって
サルバーチェ :ピアノのなかのキューバ
              :バナナの小唄
              :ドスが自慢の伊達者
              :黒人の子守歌
              :黒人の歌

アンチエータ(15世紀)、トーレ(17世紀)、エステーベ(18世紀)などの古い時代の歌の後に、グラナドス、トゥリーナ、グリーディ、サルバーチェのような19世紀から20世紀の作曲家の歌が多く、第一集のものより技巧的にも歌うのが大変なものが多いのだが、テレサ・ベルガンサの夫君であるフェリックス・ラヴィーリャ(ピアノ)が伴奏を受け持ち、夫唱婦随ならぬ婦唱夫随の名演となっている。

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