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2016年8月

2016年8月30日 (火)

ショスタコーヴィッチ 交響曲第5番/ストコフスキー、ニューヨーク・スタジアム交響楽団(DCC180g重量盤LP)

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これは、1958年録音のEVERESTレーベル音源のもので、1996年にスティーブ・ホフマンがリマスターし、DCC Compact Classicsから発売された180gの高音質LPレコードである。当時、DCC Compact ClassicsはPOPSやJAZZの古い音源をリマスターし、高音質のCDやLPを発売していたが、EVERESTレーベルのクラシック音源を数枚、180gの重量盤で発売した。当時も、その音質に驚いたが、それを今聴いても印象は変わらない。3チャンネルのオリジナル・マスターからプレイバックには全て特別製の真空管システムを使い、直にカッティングされていて、鮮度は抜群であり、同時期のRCA リビング・ステレオ音源やマーキューリー・リヴィング・プレゼンス音源の高音質盤と比べても、遜色ないクオリティに仕上がっている。

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レオポルト・ストコフスキーという指揮者は、戦前にフィラデルフィア管弦楽団の音楽監督を20年以上務め、SP盤での録音も多かった。ディズニー・アニメの「ファンタジア」の音楽も彼が指揮していた。ニューヨーク・スタジアム交響楽団というのはニューヨーク・フィルそのもので、レコード会社の契約の関係で当時は、ニューヨーク・フィルと表記出来なかったための仮称である。

ストコフスキーは、同時代の現代音楽を沢山指揮している。このショスタコーヴィッチ 交響曲第5番は1930年代に旧ソ連で作曲されたものだが、ストコフスキーはすぐに取り上げて録音しSP盤で発売している。だから、この録音は2度目のものという事になる。

このEVERESTレーベルの録音では、手練れが揃ったニューヨーク・フィルを充分にドライブし、濃厚でやや派手目に音楽を造っている。私は、意外にこの演奏は名演ではないか、と思っている。久しぶりに聴いてみて、その感想は変わらなかった。


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2016年8月26日 (金)

ホワッツ・ニュー/リンダ・ロンシュタット(Analogue Productions 200g重量盤LP)

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これは、現行発売されているホワッツ・ニュー/リンダ・ロンシュタットのAnalogue Productionsの 200g重量盤LPである。ジャケット・デザインはオリジナル盤と同じだが、見開きの厚紙製ジャケットになっていて、オリジナル盤のジャケットよりも豪華である。オリジナル盤の紙製の内袋に印刷されていたものが、見開きジャケットの内側に印刷されている。

このLPレコードは、オリジナル盤が1983年に発売された。その当時、カセットテープを手軽にヘッドフォンで聴ける爆発的に売れたウォークマンが右端に写っている。

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シールド・ビニールには、このようなステッカーが貼ってあった。

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レーベルは、オリジナル盤に類似しているが、Analogue Productionsロゴなどが入り、レコード番号も異なる。

音楽的には、それまでロックやカントリーミュージックを歌っていたリンダ・ロンシュタットが、ネルソン・リドルらのバックアップで、ジャズのスタンダードを歌ったもので、当時、かなりヒットした。そして、このLPレコードは当時から音質が良くオーディオ・マニアにも良く知られていた。特に、アメリカプレスのオリジナル盤は国内盤よりも音質が良かった。その理由の1つがマスタリング・ラボを主宰していたダグ・サックスという音の良いマスタリングをするエンジニアが手掛けたものだからだ。

そして、このAnalogue Productions 200g重量盤LPもダグ・サックスが行っている。また、このリマスタリングの仕事が彼の最後のものとなった。見開きジャケットの内側下には敬意を込めて、以下のクレジットがある。

THE FINAL PROJECT BY MASTERING LEGEND DOUG SAX(1936-2015)

ONE LAST TRESURE TO BE HOLD

さて、肝腎な音質であるが、アメリカのオリジナル盤と比べると、ストリングスのきめが細かく、中域が分厚い感じで、よりジャズを聴くのに良いバランスになっている。低域もオリジナル盤より伸びている。全体的にオリジナル盤は音が細身だ。ただ、音像がシャープになってヴォーカルが浮かび上がる感じはオリジナル盤の方が良いように思う。

私の持っているオリジナル盤は、B面の終わりの方で、若干スクラッチノイズが出るようになってしまっているので、音質の良さそうなリマスターLPを買ってみたが、両方とも持っていたい。国内プレスのLPは、これらいずれの盤にも及ばないと思う。


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2016年8月23日 (火)

ショパン:舟歌 リスト:ハンガリー狂詩曲 他 /福原彰美

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これは、福原彰美が17歳の時に録音されたCDである。中学を卒業して米国に留学し始めて少し経った頃のもの。3枚のCDのうち、このCDだけがスタジオ録音であり、音質も含め総合的に一番すぐれたものだと思う。どの曲も立派な演奏である。このCDを聴く場合、出来ればそれなりに良い装置で、聴き手も耳を澄まして集中して聴きたい。

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このCDの発売以後、ソロのCDは出ていないわけだが、それはある種の理由があるような気がしてならない。

福原彰美は、テクニックを前面に出し派手な音楽造りをするようなタイプではない。むしろ地味に音楽の内面性を大事にして弾くようなスタイルであるから、彼女の音楽が一番良く判るのはライブコンサートであって、CDを普通の再生装置で聴いても、その良さが聴き手に伝わり難いような気もする。

そうは言っても、このCDの発売から15年近くが経過し、現在の彼女は音楽的にも人間的にも、充分に成長している。この当時とはかなり違う演奏を聴かせてくれると思うので、ここらで1つ、新しいピアノソロのCDを出して欲しいなと思う。


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2016年8月19日 (金)

デビューリサイタル/福原彰美

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これは、1998年の浜離宮朝日ホールでのライヴ録音。福原彰美のデビューコンサートのもの。

若干14歳にして、もうすでに音楽の核心をついたような演奏をしている。一聴、飾り気のない素顔のままの演奏という感じで、恣意的なものは感じない。それでいて、曲の本質的な所を良く汲み取った演奏であると思う。バッハはバッハらしく、モーツァルトはモーツァルトらしく、それぞれの作曲家や曲の特徴を良く掴んで誠実に表現している感じの演奏である。通して聴くと、驚くべき中学生だと感嘆せざるを得ない。

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前回ご紹介したプレコンサートという12歳の時のCDは、シプリアン・カツァリスのコンサートの前座で弾いたもので、わずか24分に満たないものだったが、これはCD1枚として充分な曲目、演奏時間分が収録されている。このCDは、まだ大手量販CD店の通販などでも入手が可能である。


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2016年8月16日 (火)

福原彰美 プレコンサート(1996年 サントリーホール ライヴ録音)

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このCDは、福原彰美が12歳の時の録音のCDで、サントリーホールでのライヴ。12歳だから小学6年生か中学1年生の時の演奏の記録だ。

福原彰美は、数年前にクリスティーヌ・ワレフスカというチェロ奏者のコンサートで伴奏ピアニストとして聴いたのが初めてだった。普通は伴奏者には興味は行かないものだが、彼女は違った。クリスティーヌ・ワレフスカのチェロは非常に個性的で、テンポは大きく変化するし、何しろ表現が自由闊達である。そんなだからクリスティーヌ・ワレフスカの伴奏は誰にでも出来るものではない。その演奏に柔軟について行き、しかも自己の主張もするようなピアノだった。

気になる演奏家のCDというのは、その演奏家の若い時や子供の時のものも気になってしまうものだ。そして、その後、プラッツ・レーベルから出ている福原彰美の2枚のピアノソロのCDを手に入れたのだが、最近になって中古で見つけたCDがこれである。

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バッハがバッハらしく、ショパンがショパンらしく音楽の内面性をかもし出しながら鳴っている。テクニック的には、とても上手い子供であれば、もっと上手な子は居るかも知れない。しかし、音楽の内面性の引き出し方は、大人のピアニストでもなかなか出来るものではない表現力を持っている。

このCDを聴いて、福原彰美というピアニストの本質というのは当時から備わっていたと思えた。もちろん、彼女はもう30歳代で充分に大人だし、表現力もテクニックも、格段に進歩しているだろうけれども。試しに、ピアノを少し弾く私の娘に黙ってこのCDを聴かせた後、12歳の子供が弾いていると言ったら、絶句していた。

福原彰美のピアノソロのCDは現状、10歳代に録音されたものしか知らない。手元にあるプラッツから出た2枚のCD(14歳と17歳の時のもの)も録音された順番に書いてみたいと思う。


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2016年8月12日 (金)

グレーテスト・ヒッツ/リンダ・ロンシュタット(DCC Comact Classics CD&LP)

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これは、リンダ・ロンシュタットの1970年代前半のヒット曲を集めたベスト盤で、オリジナルは1976年に発売された。その後もグレーテスト・ヒッツVol.2が1980年に出ていて、現在は、この2枚をセットにしたCDも発売されている。

このCDは普通のアルミ蒸着ではなく金蒸着仕様で、1993年にスティーヴ・ホフマンがリマスターしたもの。久しぶりに聴いてみたが、いささか音が丸まりすぎていてあまり良い音質ではないと感じた。おかしいなと思い、そういえば同じくスティーヴ・ホフマンがリマスターした180g復刻重量盤LPも持っているので、そちらも聴いてみた。これらは1990年代の半ば頃、ほとんど並行して発売された限定盤なのだが、今聴いてみて、LPの方が圧倒的に音が良い。残念ながら、CDの方は新たにリマスターし直してもらった方が良いくらい。

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このアルバムの中で一番好きな曲は、CDなら9曲目でLPだと2面の3曲目のLOVE HAS NO PRIDE(愛は惜しみなく)で、久しぶりにしんみりと聴いてしまった。

大学生の頃、国内盤LPを買って聴いていた事もあったが、それは、このLPと比べたら分解能も悪くあまり良い音ではなかった記憶がある。それにひきかえ、手に入れて20年経過した後に聴いてもDCC Comact Classics の180g重量盤は音が良いと感じ、強烈に聴いていて楽しい思いさえする。スティーヴ・ホフマンはとても腕の良いリマスター・エンジニアだなと思う。


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2016年8月 9日 (火)

ミンガス・プレイズ・ピアノ/チャールズ・ミンガス(モービルフィデリティCD)

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これは、1990年代前半に発売されたモービルフィデリティのリマスターによるCD。当時、モービル・フィデリティはポピュラーやジャズを中心に高音質リマスターの金蒸着CDを発売していたが、この盤は金蒸着ではない。そして、リマスターもアナログで行われていて、アナログ音源、アナログリマスターである事を表記している。

このCDを聴いて演奏が気に入り、1997年にインパルス・レーベルから復刻された180g重量盤のLPも入手している。

チャールズ・ミンガスは、ベーシストで、作曲家でもありバンドリーダーでもあったが、このアルバムではソロでピアノを弾いている。11曲のうち7曲がミンガスの自作であり、残りの4曲は広く知られたスタンダード曲である。

このアルバムを聴く時、聴き手は音楽に対峙するように聴かないと、とても聴いていられない。BGM的にながら聴きは出来ない音楽である。集中力、情念、内に秘めた猛烈な感情を感じるもので、ベースを弾いてもピアノを弾いてもミンガスはミンガスなんだ、と納得する音楽である。

20年以上前のリマスターだとはいえ、ピアノの重厚感やタッチの表情までわかる音質は、今聴いてもかなり良く聴こえる。今のリマスター盤はもっと音が冴えわたりFレンジは広く、若干その点は不満が残るが、現時点でも1963年のアナログ録音のリマスター盤としてはかなり良いCDであると思う。


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2016年8月 5日 (金)

グラズノフ 交響曲第2番/フェドセーエフ、ソビエト国営放送o.(モービルフィデリティCD)

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この時期はとても暑いので、アナログLP再生も良い音にはなりにくい。なので、棚の肥やしになっていたCDを聴いている。これもその1枚で、1980年代初め頃にアナログ録音された旧ソ連のメロディア音源のマスターから1990年代前半にモービル・フィデリティがリマスターして発売したCDだ。この当時、モービル・フィデリティはポピュラーやジャズを中心に高音質リマスターの金蒸着CDを発売していたが、この盤は金蒸着ではない。金蒸着のCDが1枚¥3800位で、この通常アルミ蒸着盤は¥3500位したような記憶があるが、20年以上前の値段なので正確に覚えてはいない。

The USSR TV And Radio Large Symphony Orchestraは、今のモスクワ放送交響楽団だろうか。なかなか統率のとれた良い演奏で、ロシアのブラームスと言われたグラズノフの交響曲の良さがわかる1枚である。

音質は、ことさらアナログっぽいしなやかできつさが無く音色は濃い感じだが、今のリマスターの水準から言うといささか音がボケ気味で、古いリマスターだと言わざるを得ない。しかし、この音源を再びモービル・フィデリティがリマスターした音源が無く、交響曲全集の通常盤の音質がそれなりだという事を考えると、捨て去るわけにはいかないようだ。


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2016年8月 2日 (火)

ドニゼッティ ランメルモールのルチアから~『狂乱の場』/トーティ・ダル=モンテ

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トーティ・ダル=モンテ( 1893.6.27 - 1975.1.26 )は、 1916年ミラノスカラ座でデビューし、1943年に引退したイタリアの著名なソプラノである。今では、その名を「トーティ・ダル=モンテ国際音楽コンクール」にとどめている。

この録音は1926年で、電気録音の初期である。このSP盤はその国内発売のSPレコード、再発盤だと思うが、今まで蓄音機で聴いていたが、78回転で回せるレコードプレーヤーにSP用のカートリッジを付けて聴いてみると、蓄音機で聴くよりも、よりダイナミズムや声の美しさが際立って聴こえる。滝の落ちる音のようなスクラッチ・ノイズは常時聴こえるが、とても90年前の録音とは思えないほど生々しい。

歌は、昭和十年代前半に刊行された、あらえびす(野村長一)著「名曲決定盤」にあるように、『すばらしい出来だ。生命のある楽器のように確かで美しい。』この一言で全てを言い表している。

蓄音機で聴くSP盤は、それはそれで魅力的なものだが、蓄音機を持っているのに電気再生をする理由は、蓄音機のサウンドボックスの針圧は200g位あり、片面かけて針を拭くと黒い粉が付くので、間違いなく蓄音機でかける度にSPレコードの溝は削られている。

所有するSP盤の中には古いものだと100年以上前に製造されたものもある。そういったSP盤は特に希少ではなく実勢の価格が安いものであっても、もはや貴重な文化財なのだと思うのである。だから、これからは盤に優しい軽針圧での電気再生でかける機会を多くしたい。そして、大切に聴いたSP盤は次の世代に受け継いでもらえるようにしたいのだ。

普通のレコードプレーヤーで電気再生したSP盤は、特に電気録音以後のものは蓄音機で聴くより良いものが多い。聴き慣れた蓄音機再生よりも電気再生の方が良いじゃないか、と思わせるものが多々ある。これも、その1枚。


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