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2016年11月25日 (金)

LPかCDか その再生の自分史

CDが登場したのは1982年の事、1982年9月にSonyの一号機をオーディオショップの視聴会で初めて聴いた。クラシックのジャンルにおいてCDが普及しだしたのは、1984年頃、ブルーノ・ワルター/コロムビア交響楽団のステレオ盤がCD化され、その音質がかなり良かったのが大きかったと思う。ハード機器の値段も、各社の一号機が20万円前後だったのが、1985~6年位になると5万円位に下がってきて普通の人にも手が届く値段になってきた。

クラシックのメジャーレーベルのLPレコードは1980年前後位からデジタル録音のものが大半になった。しかし、当時、デジタル録音のものであっても、LPとCDを比べるとLPの方が音の良いものがあったので、取扱いが便利でノイズも出ない、LPよりも音が良いと言われたCDよりも、みんなが見向きもしなくなって値段が安くなったLPレコードをせっせと集めた。レコード・プレーヤーはかなり良いものを使っていた。Exclusive P-10(当時、定価35万円)からExclusive P-3(定価60万円)に買い替えたりして、その両者の音質差に驚いたりもした。1987年以降になると、街のレコード屋さんのLPレコード売り場は急速に無くなって、CDが大半になってきた。しかし、東京に出ればまだLPレコードの新譜は買えたし、キングレコードなどはスーパー・アナログ・ディスクなどの高音質な復刻LP盤を定期的に発売していた。また、その人気はかなり高かった。

1992年頃に、ついにヨーロッパでもCD化の波によって一般のクラシックのLPレコードは製造されなくなり、これからは特殊な高音質のオーディオ向けLPレコードしかプレスされなくなると、秋葉原の輸入レコード屋さんで聞いた。仕方なくCDをそれなりに良い音質で聴くために買ったCDプレーヤーがLuxman D-500Xs'2という当時38万円のもの。新譜はほとんどCDしか出ないのでCDを聴くしか無かったが、LPで出ていて欲しいなと思った旧譜は中古でかき集めることにした。この当時、クラシックの輸入盤の中古の値段がかなり高かったのを覚えている。欲しい人がある一定数居ないと中古価格が高くなるなんて事はありえない。みんな考える事は一緒なんだなと思った。そのうちに、アメリカでRCA Living Stereo、Mercury Living Presenceの高音質復刻重量盤やヨーロッパでEMIやDECCAの復刻重量盤LPが発売されだした。良い物もあればイマイチなものもあったが、良い物はCDなんて聴いていられるかと思うほど音質は良かった。

沢山のLPレコードを持つと、同じLPレコードでも製造年代やプレス国によって音の傾向が違うのが判ってくるし、音質の良いものから良くないものまで玉石混淆だというのが判る。良いものはCDよりずっと良い音質だし、悪いものはCDよりずっと良くない。そんな状況で、1台のレコードプレーヤー、1個のフォノ・カートリッジで全部まかないきれるはずもなく、音の良い新しめのLPレコードを聴くためのレコードプレーヤーと、古めのLPレコードを粗を出さずに楽しめるレコードプレーヤーを用意した。それが1990年代半ば頃だった。

1990年代終わり頃になるとCDの音質がかなり良くなってきていた。そこで、2002年にCDプレーヤーをグレードアップする事にしてEsoteric P-0sとStellavoxST-2 96/24を導入した。これによってCDもかなり良い音質で聴けるようになったが、SPレコードを蓄音機で聴く魅力にも取り憑かれ、HMV157という蓄音機を導入、アコースティック録音時代のオペラ歌手の片面盤を集めるようになった。

SACDプレーヤーについてはまだ導入していない。SACDは、1999年頃に開発されたCDを上回る規格の音楽ソフトだが、パソコンで再生が出来ない、リッピングが出来ないという不便な点もある。(SACD/CDハイブリッド盤であればそのCD層をパソコンで再生、リッピングが出来るが、音質や規格はCDそのものである)SACDシングルレイヤーでSACDでしか聴けないというソフトがほとんど無いからという事もある。安価で手軽に買えるSACDプレーヤーを試聴しても、まともなCDプレーヤーシステムで聴くCDの方が良い事も多かったし、SACDというメディアが将来どうなるか判らなかったからだ。SACDはユニバーサルなど大手のメジャーレーベルが生産に乗り気でなかったりと、メジャーな音楽ソフトになる事は無かったが、2007年頃からEsorericが自前でクラシックのSACDを発売しはじめて風向きが少し変わった。SACDは墜落しそうだったものだったが、Esorericの復刻盤が順調に売上を伸ばしたので、またメジャーレーベルが自前で発売するSACDのソフトの数が多くなってきた。しかし、墜落を免れているというだけであって、急上昇するまでには至っていない。

2007~8年ごろから、特に欧米でアナログLPの生産額が多くなってきた。CDなどの生産額からすればまだ微々たるものだが、確実に年々増加してきて、クラシック音楽においても復刻盤が出たり、新録音でもCDやSACD、ハイレゾの配信の他にアナログLPでも発売されたりと、活況を見せてきている。

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このLPやCDのように、アナログLPだけしか無かった時代には国内盤で発売されなかったものが、今はCDでもLPでも売られている。凄い時代になったものだ。ネット配信を含め、音楽ソフトが多様化しているというのは、聴き手の音楽の聴き方も多様化して、ニーズが多様化しているという事だと思う。私のように、部屋にこもって専用のリスニングルームで音楽を楽しむ事も出来るし、スマホにイヤホンを繋いで通勤途中に歩きながら音楽を楽しむ事も出来るわけだ。ただし、クラシック音楽やジャズなどは、意識を集中させられる音楽であって、気軽にながら聴きしてその良さを享受できるものは、実は少ないと思う。

今年は、SPレコードの電気再生の目的で、Technics SL-1200GAEというアナログ・プレーヤーも導入した。SPレコードも蓄音機だけで聴いていた時よりも新たな発見があって楽しい。レコード・リスニングは楽しいので、まだまだ続くと思う。


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