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2016年12月

2016年12月30日 (金)

チャイコフスキー 交響曲 第6番「悲愴」/フルトヴェングラー、ベルリンフィル(6枚組SP盤)

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フルトヴェングラー/ベルリンフィルによる1938年の録音のSP盤。6枚12面に記録されている。フルトヴェングラーには、1951年のカイロにおけるライヴ録音もあるが、録音の古い1938年盤はスタジオ録音なので、古い割に聴きやすい。私は、こちらの方が好きだ。

実は、19歳の時、この音源の東芝音楽工業製の復刻LPを中古で見つけて聴いたのが、「悲愴」を初めて全曲通して聴けた最初の経験だった。少し傷みのあるペラジャケの古いLPレコードで、確か¥500以下だった記憶がある。録音は古いしSPの復刻なので継ぎ目も判るようなものだったが、非常に印象深い経験だった。それ以後、沢山の「悲愴」を聴いてきたが、特に第4楽章の奈落の底へ落ちるような泣き叫んでいるような悲惨な響きのする演奏には出会っていない。最初に刷り込まれた演奏というのは、今でも影響力を持っている。それ以前にもカラヤンの1960年代録音の悲愴を聴いてはみたものの、若気の至りで最後まで通して聴く事が出来ないでいた。

SPレコードを電気再生して聴くようになってから、シンフォニーなどの大編成のものが蓄音機で聴くより楽しめるものになった。電気再生の方が低音が出やすくてスケールの大きい再生が出来るからだ。おまけに針圧が軽いので、盤に優しい。但し、蓄音機再生の時よりも盤質の良いものでないと、きちんとした再生は難しい。

そのようなわけで最近手に入れた6枚セットのSP盤は、やはり良かった。復刻盤を聴くよりその当時のものをそのまま聴くほうが良い。全曲通して聴くためには、12面を取替ながら聴かなければいけないので、デジタル化して自前でCDを作ってみた。今、手に入る復刻CDよりもノイズは多いが楽器の音色や鮮度やエネルギー感がSP盤をそのまま聴くのに近い状態で聴けるようになった。現在では、EMIのSP録音の金属原盤は廃棄されてデジタルデータしか残っていないようなので、尚更、SPレコードを再生して聴けるというのは貴重だと思う。

電気再生の装置

レコード・プレーヤー:Technics SL-1200GAE

カートリッジ:audiotechnica AT-MONO3/SP(40ΩMC型)

フォノイコライザー:Softone Model #4(MC-Hiポジションで受ける)

audiotechnica AT-MONO3/SPは、フォノイコライザーが通常LPのRIAAフォノイコライザーを通すと丁度SP盤がバランス良く聴けるように作られているという事で、このままで普通のアンプとスピーカーに繋ぐと、バランスの良い再生が出来る。


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2016年12月27日 (火)

チャイコフスキー バレエ「くるみ割り人形」全曲/プレヴィン、ロンドン交響楽団(2LP WARNER CLASSICS)

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これは、旧EMIのクラシック音楽音源を引き継いだWARNER CLASSICSから発売された2枚組のLPで、録音は1972年である。昔、2枚を1枚に抜粋して発売されていた国内盤を持っていた。当時からの「くるみ割り人形」の名盤である。

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英EMIのオリジナル盤は、少し厚めのボックスに入ってボックスにはツヤがあって凸凹の加工のしてある印刷だった。この盤は当時のLPよりもFレンジがスッキリと伸びて、彫塑を磨き上げながら劇的な感じを出すような音楽作りには、よりマッチした音質だと思う。恐らく、ハイレゾのデジタルマスターから起こされているものだろう。同じく旧EMIの音源からのHi-QRECORDSの180gアナログLPはアナログマスターから起こされていて、もっと厚みや豊潤な音質がするのだが、こちらはクッキリスッキリで細身なもっと現代的な音質である。

元の録音がかなり良いのだと思う。クリストファー・ビショップというプロデューサーとクリストファー・パーカーという録音エンジニアのコンビによるEMIのクラシック音源には優れたものが多いが、この録音も代表的な名録音だと思う。LPレコードの片面に収まってしまう組曲版と違い、このバレエ全曲版は、舞台芸術の劇性みたいなものがよくわかる。

21世紀の時代に敢えてアナログLPを聴く意味があるだろうかと問われて、その標準的回答がこのLPレコードだろう。180g重量盤の2枚組にしては値段は高くない。それでいて、音質的には十分満足出来るし、何より持つ者に対して存在感も十分にある物である。このジャケットのアートワークもユニークで、オリジナルそのままである。このLPレコードの音の良さを引き出す為には、なるべく解像度が高くFレンジの広いレコードプレーヤーで再生したい。


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2016年12月23日 (金)

スメタナ モルダウ、リスト 前奏曲/フリッチャイ(VINYL PASSION180g重量盤)

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VINYL PASSIONから発売されている180g重量盤LP。ここから発売される音源は、元がドイチェ・グラモフォンだったりDECCAだったり旧EMIだったりと様々だが、発売から50年以上経過した古いもので、恐らく版権などのロイヤリティーも安いのだと思う。そうでなければ、180g重量盤LPを実売で¥1500以下で販売出来るようにはならないだろう。

さて、この音源はスメタナのモルダウがベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1960年)、リストの前奏曲がベルリン放送交響楽団(1959年)とオーケストラが異なり、若干音質にも違いがあるが、1960年前後のドイチェ・グラモフォンの復刻盤としては、かなり音質が良い。CDだと、ドヴォルザークの新世界よりと一緒に1枚になって販売されていたものと同じ音源である。

モルダウの方は、テンポは遅くないのに重厚なややドイツ的な感じ。前奏曲はより素晴らしい。ある意味、ワーグナー的で、オーケストラを緻密にフル稼働させたような名演。プレスもなかなか良く、あえてアナログ・レコードで聴く意味のあるものだと思う。


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2016年12月20日 (火)

クリスマス・ソング集/レオンタイン・プライス(VINYL PASSION 180g重量盤)

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クリスマスが近づいているので、VINYL PASSION 180gLPの黒人ソプラノであるレオンタイン・プライスが歌うクリスマス・ソング集を取り上げてみる。この音源は1961年のDECCA録音で、発売当時からクリスマス・ソング集の名盤として評判が高かった。レオンタイン・プライスのDECCA初録音であり、バックはカラヤン/ウィーンフィルが務めていたりと、超豪華なクリスマス・アルバムで、今年復刻された現行発売されているLPレコードである。

レオンタイン・プライスは、黒人女性としてオペラに挑み、さまざまな不平等と差別 の中で、 実力で「自分の表現」を貫き通したすばらしい歌手であり、「黒いプリマ」と呼ばれた。レコードとしては、カラヤン/ウィーンフィルとの「トスカ」、「カルメン」全曲盤などがあり、その何れもが今も色あせない名盤である。また、このようなクリスマス・ソング集を聴いても全く同様に素晴らしい。このクリスマス・ソング集では、特にB面のシューベルトのアヴェ・マリア、きよしこの夜(アダン)、バッハのアヴェ・マリアと続く3曲は圧巻であるし、最後の3曲のボーナストラックも秀逸である。

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曲目はジャケット裏に載っているが、オリジナルに加え3曲多くなっている。オリジナルのSIDE B冒頭のSweet Li'l Jesusが、このLPではSIDE Aの最後に収まり、B面にボーナス・トラックとして3曲余分に入っている。DMM カッティングである事もあって、収録時間が増加した事による音質劣化はほとんど感じられない。

このアルバムは、以下の様に何枚か所有している。CDも持っているが割愛する。

1960年代 英DECCA初期盤(ただしオリジナル盤ではない)

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1978年発売の英DECCA再発盤

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国内初出盤

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これらの古いLPレコードのような濃厚な音ではないが、VINYL PASSION 180gLPはFレンジが広く澄んだ音質で、今聴いても全く古さを感じさせない良い音質で聴かせてくれる。キリスト教国の欧米では、このLPレコードをプレゼントする人も多いかも知れない。このLPレコードは安価であるが、内容も音質も満足できるものだと思う。強力にお勧めする。


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2016年12月16日 (金)

ヴィヴァルディ 四季 / アーヨ、イ・ムジチ合奏団(VINYL PASSION 180g重量盤)

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VINYL PASSIONというレーベルが発売している180g重量盤LPで、2015年にリリースされたが、新品で現行入手できる。しかもかなり安価である。この音源はPHILIPSの1959年録音のもので、数ある「イ・ムジチの四季」の録音の中でも最も有名で人気の高いものだ。

イタリア的な明るい音色で、勢いがあるアンサンブルで、今聴いても全く古めかしさは無い。音質的には、細かい音までキチンと入っていて、しなやかさ、滑らかさがあり瑞々しい。

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こちらは1980年代後半に入手したオランダPHILIPSプレスの同一音源のLPレコードである。このオランダプレスのLPを入手する前には、国内盤のLPで聴いていたが、音質が鮮明で、高域がしなやかで伸び切る感じがあり、国内盤はややもっさりした音質で、国内盤とオランダ盤はこうも違うものかと驚いたのを今も覚えている。そして、その音質は1959年の古い録音とは思えない良いものだった。

今回購入したVINYL PASSION 180g重量盤は、このオランダ盤よりもさらに高域が伸びて、解像度が高い上に中低域の音楽のファンダメンタルな部分がよりしっかり出てくる。やわらかさ、しなやかさはオランダPHILIPSプレスの方があるが、細部の鮮明さはVINYL PASSION 180g重量盤の方が勝る。オランダ盤は若干音がぼやけている感じがするほど。

この音源は、E-ONKYO MUSICから192KHz/24BITのハイレゾ音源が販売されている。

http://www.e-onkyo.com/music/album/uml00028948271467/

実際にこのハイレゾ音源を聴く機会があったが、実に品位の高いものだった。そして、このVINYL PASSION 180g重量盤は、そのハイレゾの音質に近い上に、弦楽器の質感はアナログLPならではのものである。価格はハイレゾが¥4830なのに対し、VINYL PASSION 180g重量盤は¥1500しない値段であった。これならば、アナログLPの方が現実的であるし、ヨーロッパで急速にアナログLPが復権しているのを見ても、それが何故なのかは、音質的なクオリティにおいて、今のアナログLPは優れているものが多く販売されているからだというのが、このLPレコードを聴くだけで判るだろう。

VINYL PASSION 180g重量盤は、10枚ほど買ってみたが、何れもプレスが良く、音質も満足出来る上に価格も安い。この「イ・ムジチの四季」をはじめ、強力にお薦めする。


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2016年12月13日 (火)

シューマン&リスト ピアノ協奏曲/フィッシャー、クレンペラー、フルハーモニア管弦楽団(Hi-Q180gLP)

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1960年、1962年の録音のシューマン ピアノ協奏曲とリスト ピアノ協奏曲1番のカップリング。

クレンペラーとフルハーモニア管弦楽団は濃密で重厚な演奏をしていて、それにアニー・フィッシャーが一歩も引けを取らないピアノで盛り上げている演奏だと感じる。過剰にロマンチックにならず、情熱的であるが実直な演奏である。素晴らしい演奏、アニー・フィッシャーというピアニストを見直した。クレンペラーという大指揮者に互角に渡り合うスケールの大きな演奏をしているからだ。技巧的にも何も問題が無いどころか、巧い。

肝心な音質であるが、クレンペラーとフルハーモニア管弦楽団の演奏のEMIのLPレコードと同質の音質で、とても良い。プレスの質も良くアナログ・マスターからカッティングされデジタルを一切介していない良さがある。CDでも発売されているのだが、このような濃厚な音質は、なかなか出せないのではないか。今の時代に新しいLPが発売され、それを手に入れて聴く意義があるLPレコードだと思う。


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2016年12月 9日 (金)

エラ・アンド・ルイ(DeAGOSTINI180g重量盤LP)

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今週火曜日に発売されたDeAGOSTNIのジャズ名盤シリーズの第6弾。このシリーズのチャーリー・パーカーのLPが国内盤よりもずっと良かったし、このLPは持っていなかったので買ってみた。1956年のモノラル録音のLP復刻盤としては満足できるものだと思う。

聴いていて、何より、音楽的内容が良い。男女のデュオによるジャズ・ヴォーカルのレコードとして、歴史的に最右翼に挙げられるような素晴らしいものだと思った。全ての曲がスタンダードであり他の歌手と比べられるだろうが、録音が古い事以外、歌いまわし、アレンジなどでこのアルバムより良いものは個別の曲ごとに見てもそうは無いだろう。

エラ・フィッツジェラルドの声は明るく張りがあり、ビリー・ホリデイの様に暗くない。両者の「アラバマに星落ちて」を比べて聴けば、明白である。どちらが良いかではなくてどちらが好みかだが、エラ・フィッツジェラルドの方が気楽に聴ける。

もし、LPレコードが聴ける環境があって、良いジャズ・ボーカルのLPが欲しいのであれば、まずこれを聴いたら良いと思う。万年JAZZ初心者の正直な感想である。


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2016年12月 6日 (火)

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番/オグドン、プリッチャード、フィルハーモニア管(Hi-Q180gLP)

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ジョン・オグドンが1962年のチャイコフスキー・コンクールでアシュケナージと1位を分け合った直ぐ後の録音。バルビローリと録音したチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番のHi-Q180gLPが思いの外良かったので、このラフマニノフも買ってみた。

Hi-Q Records Supercuts 180g Vinyl Cut from the Original Analogue EMI Master Tapes at Abbey Road Studios

というクレジットがあり、Hi-QのLPレコードは、デジタル・マスターからではなくアナログマスターからカットされたLPレコードであり、音質的にもデジタルを経由しない音質的良さがわかるものである。しかも、現在、まとめ買いすると1枚¥2000しない。

音質は期待を裏切らないもので、ピアノやオーケストラの音の艶や厚い響きはアナログLPならではのものである。この当時のEMIの録音は素晴らしい。ジョン・オグドンは素晴らしいテクニシャンであり、この曲の隠れた名盤なのではないかと思う。プリッチャード、フィルハーモニア管の伴奏も見事である。

LPの時代、国内盤のEMIの音質は、このHi-QLPレコードとは全く異なるクオリティの劣ったものが多かった。それ故に、演奏の良さもぼやけてしまっていたような気がしてならない。


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2016年12月 2日 (金)

管弦楽名曲集~禿山の一夜、スペイン奇想曲、ラ・ヴァルス、中央アジアの草原にて/クリュイタンス、フィルハーモニア管弦楽団(Hi-Q180グラム重量盤)

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これは、アンドレ・クリュイタンスがフィルハーモニア管を振った、ロシア管弦楽曲+ラヴェルのラ・ヴァルスの組み合わせのLPレコード。1960年発売のEMIコロムビア盤がオリジナルだ。

この音源は、タワーレコードが、SACD/CDハイブリッド盤としても発売しており、その音質も良かったが、このLPもアナログレコードらしい音質で、今、アナログLPレコードを聴く意味があるような良い音質に仕上がっている。少なくとも、同じ音源の昔の国内盤のLPレコードよりもずっと良い。

ラヴェルのラ・ヴァルスは、パリ音楽院管弦楽団との録音が有名で、微妙なニュアンスがフランスのオーケストラらしい色彩感に富むものだが、こちらはより実直に凄腕のオーケストラが演奏した整った造形美を見せる。ロシアの管弦楽曲もクリュイタンスが得意にしていたもので、その良さはこのレコードでもとても良くわかり、このレコードの価値は高いと思う。

クリュイタンスやフリッチャイなどの昔の音源が良い音質で復刻され、現在は当時よりもその評価が高まっているような気がしてならない。


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