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2017年2月

2017年2月21日 (火)

ベートーヴェン ピアノ協奏曲 5番/ギーゼキング、ガリエラ、フィルハーモニア管(西独初期LP盤)

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これは、1955年録音のステレオ盤。EMIの最初期のステレオ録音であり、疑似ステレオではない。しかしながら、何故かイギリス本国では1960年代初め頃にステレオ盤では発売されておらず、古いLPレコードでは、ドイツ盤、フランス盤などでしか入手できない。これが、¥700だったので拾ってみた。

演奏は、巷で言われるより悪くない。ワルター・ギーゼキングのピアノは弱音部分の繊細さ、明解なタッチで美しく、アルチェオ・ガリエラに統率されたフィルハーモニア管もなかなか盛り上げる。

CDでも入手出来るが、このLPレコードで聴くと、音にどっしりと厚みがあり、ピアノの音色もより美しい感じがする。しかし、若干ぼやけた感じがする。1955年というとEMIは試験的にステレオ録音を開始したばかりで、充分なノウハウが蓄積出来ていなかった可能性がある。1951年のモノラルでカラヤンとの録音もあるが、そちらのほうがバランスが良いかも?1956年になると、カラヤン/フィルハーモニア管のR・シュトラウス「薔薇の騎士」などの名録音があり、これは初期盤で聴いても勿論のこと、今の復刻CDで聴いても素晴らしい音質である。

ギーゼキングは、ベートーヴェンに関して、ピアノ協奏曲もピアノソナタも全集を完成せずに逝った。そのためか、話題に昇ることは少ない。だから、初期盤が¥700という破格だったのかも知れない。


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2017年2月17日 (金)

ベートーヴェン 交響曲第5番/フルトヴェングラー、ウィーンフィル(ワーナー180g重量盤LP)

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これは、今月発売された重量盤LPレコードで、1954年のウィーン・ムジークフェライン・ザールでの録音。旧EMIのフルトヴェングラーのベートーヴェン交響曲全集に収められたものと同一録音で、カッティングに使われたマスターは2010年にリマスターされ、SACDに使用されたものと同一。

SACDは持っていないが、手持ちの21枚組CDのフルトヴェングラー・ボックスのベートーヴェンもこれと同じマスターなので、この中のベートーヴェン 交響曲第5番と聴き比べたが、音のバランスやディティールはとても似ている。しかし、造形の深さや音が薄っぺらにならないところが、アナログレコードならではなので、自分としてはこのLPの方が音楽を聴いていて楽しい気分になる。SACDを聴ける環境に無いので、SACDとこのLPと比べて聴いてどうなのかは興味のある所であるが、まだ比較して聴いていない。また、1950年代の古いLPレコードの音質とは異なるので、持っていないので推測ではあるがオリジナル盤の音質とはだいぶ違うのではないかと思う。

フルトヴェングラーのベートーヴェン 交響曲第5番は、戦前のSP盤やライブ録音から全て含めると確か12種類位あったはず。その全部を聴いているわけではないけれど、この録音は、最晩年にレコード様にセッション録音されたもので、音質的には一番良いもの。しかも、比較的ゆっくりとしたテンポなのに遅い感じがなく、晩年の録音にありがちな集中力の不足みたいなものが一切無い。ライヴ録音の白熱した魅力とは異なる世界がここにはある。

私は、フルトヴェングラーの熱心な信奉者ではないけれど、フルトヴェングラーのベートーヴェンは好きな演奏が多い。交響曲第5番では、1947年5月25日のライヴ録音をLPで聴きたくて、AUDITEの14枚組LPセットも手に入れて持っている。こちらは国内盤仕様だと5万円の代物だったが、今回ワーナーから発売された1枚のLPは2500円位までで購入出来るので、LPレコードでフルトヴェングラーを聴きたいのであれば、買っても良いのではと思う。盤質はかなり良く、傷んだ初期盤を聴くよりはずっと音楽を楽しめるのでは?


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2017年2月14日 (火)

スタディ・イン・ブラウン(ディアゴスティーニ180g重量盤LP)

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先月発売されたDeagostini JAZZ LPシリーズの第9号。このLPレコードは国内盤で持っていたが、最近の復刻重量盤は持っていなかったので買ってみた。

尚、2007年6月2日のこのブログで、スタディ・イン・ブラウンについては少し書いている。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/post_8291.html

説明不要の名盤なので、ここでは国内盤(1980年頃買ったもの)とDeagostini盤との音質の違いについて書いてみる。

Deagostini盤の方が、ドラムのアタックが明快で切れ込みが良く、よりジャズを聴いている感じがする。高域もDeagostini盤の方が伸びている。S/Nは国内盤の方が良い。しかし、第1弾の「カインド・オブ・ブルー」のように大量にプレスしない分、丁寧なプレスで、輸入盤にしてはノイズは無い方である。音の鮮明さも、総じてDeagostini盤の方が良い印象で、これからはDeagostini盤を引っ張り出す事のほうが多くなると思う。


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2017年2月10日 (金)

モーツァルト バスティアンとバスティエンヌ/ステップ、ミュンヘン室内o.、シュトライヒ他(独DG初期LP盤)

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モーツァルトが12歳の時に作曲したオペラ「バスティアンとバスティエンヌ」の西ドイツDeutsche Grammophon の初期盤を入手した。演奏時間が40分ちょっとで1枚のLPに収まる長さで、歌手が3人と小編成のオーケストラから成る、1幕ものの短いオペラだ。

クリストフ・ステップ(指揮) ミュンヘン室内管弦楽団

バスティエンヌ(羊飼い) ソプラノ:リタ・シュトライヒ

バスティアン(牧童) テノール:リヒャルト・ホルム

コラ(占い師) バス:トニ・ブランケンハイム

録音:1955年12月(モノラル) 

本LPレコード・ジャケット裏表記の発売年月は1958年6月なので完全初出盤ではないと思うが、録音から2年半しか経っていない初期のLPレコードであり、すでに60年近く経過しているもの。LPのジャケットは内側にリブレットが見開きで見れて絵本の様になっていて、LPレコードを収納する部分は糸で縫われている非常に凝ったものだ。LPレコードは分厚いフラット盤。

あらすじ:羊飼いのバスティエンヌは、恋人のバスティアンが冷たくなったので村の占い師コラに相談する。 コラの云うように彼女は芝居を打つが、二人の恋人は激しくケンカをするが、別れようとする直前に仲直りして終る。

尚、序曲がベートーヴェンの交響曲3番「エロイカ」の第一楽章の冒頭の旋律に酷似していて、このオペラからベートーヴェンが引用したものと思われる。

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これは、2003年頃発売された「ウィーンのナイチンゲール」というリタ・シュトライヒの歌唱を集めた8枚組のセットで、このCDの中に、初めてCD化された「バスティアンとバスティエンヌ」全曲が収められていた。現在、全曲はCDで単独では発売されておらず、CDではこのセットでないと聴くことが出来ない音源だと思う。このセットは輸入盤のみで発売されたので、国内盤ではこの音源はCDで発売されていない。間違っていたならどなたか情報を下さい。

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このLPの中のリタ・シュトライヒの歌唱があまりにも魅力的で、この音源だけのCDが発売されていない事もあり、デジタル化してCDプレーヤーで聴けるようにCD-Rに焼いてみた。29個のチャプターを付け、ジャケットを縮小コピーして印刷したものの裏には、以下のようなアリアや台詞がきちんと判るようにしたものを印刷して貼り付けて、市販のCDの様に途中のアリアを選択して聴けるようにしてみた。また、CD-RはLPのレーベルをそのまま印刷している。

 

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こんな手の込んだ事をやったのも、特に、終幕近くのバスティアンとバスティエンヌの二重唱などははっとさせられるような、12歳の子供が書いたとは信じられないくらい魅力的であるから。モーツァルトはやっぱり天才だった。

8枚組のCDセットの音質もかなり良いが、このオペラは歌声が充実し中域の厚いしなやかな初期盤LPの音質に近い自前のCD-Rで聴きたい。


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2017年2月 7日 (火)

マイルス・スマイルズ/マイルス・デイビス(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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昨年12月に発売された、EsorericSACD/CDの5枚組ボッックスセット、MILES DAVIS GREAT5の中の1枚。

セットの中で、一番新しい1966年の録音。メンバーも入れ替わって、後にV.S.O.Pなどで活躍するウェイン・ショーター、やハービー・ハンコックが参加している。6曲のうち3曲がウェイン・ショーターが作ったもの。もうこの時代になると、1950年代半ばのマイルスとはだいぶ違う。ビートが細かく刻まれ、モード奏法というハーモニーから脱却したインプロヴィゼーションを基本にしたものになってきている。

音質はとても良い。楽器の音色がしっかり出て、濃厚さもあり楽器から音が開放されるような感じがよくわかる。恐らく、元の録音がとても優れているのだと思う。

総合的に見てMILES DAVIS GREAT5は、とても良い復刻であり持っている価値のあるセットだ。


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2017年2月 3日 (金)

レハール メリー・ウィドウ/シュトルツ、ウィーン国立歌劇場、ギューデン他

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メリー・ウィドウ/シュトルツ、ウィーン国立歌劇場、ギューデン他の、米国LONDON初版とおぼしき2枚組セットを入手した。モノラル盤に多いレコードのレーベル外周部に溝があるもので、ステレオ盤だと極初期にプレスされたものだと判る。¥2500だった。英国DECCAのSXL番号の初版なら、その10倍以上のプレミアム価格かも知れないが、米国LONDON盤なら、初版でもごく普通の値段で見つける事が出来る。プレスは同じ英国の工場で行われているのにもかかわらず、だ。

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これが添付のリブレットの表紙。30センチ四方なのでこれ自体も存在感がある。

調べてみると、現在、この全曲盤のCDは現行販売されておらず、抜粋盤のみのようである。レハールの「メリー・ウィドウ」は、ワルツ王ヨハン・シュトラウスの「こうもり」と並んで、世界中で最も有名なオペレッタである。モノラル~ステレオ初期の時代のものだとマタチッチやアッカーマンの指揮した、エリザベート・シュワルツコップがハンナ・グラヴァリ夫人を歌っているEMIのものが好きだが、この盤はキャストの全てが当時のウィーン国立歌劇場のメンバーで固められたもの。だから、アンサンブルや二重唱などにも当時のウィーン国立歌劇場らしいテイストが満載で、ウィーンのオペレッタを聴いているという気分にさせてくれるものだ。指揮のロベルト・シュトルツは、これまたオペレッタの専門家でかつ「ウィンナ・ワルツの伝統を保持する最後の 指揮者」と呼ばれた人である。なので、古き良き時代のウィーン的な感じの演奏でまとまっている。ギューデンのハンナ・グラヴァリ夫人もなかなか良い。名演だと思う。

音質は、初期DECCA/LONDONらしいFレンジは若干狭いが濃厚な音質である。拙宅では、SME 3012R+オルトフォンSPUで聴いている。60年近く前に製造されたものなので、多少ノイズは乗るが、鑑賞を邪魔するほどではなく、むしろこの当時のLPレコードの音質の良さに改めて気付かされる。逆に、新しめのLPレコードに適合するIKEDAや光悦では、なかなかその魅力がわからない。


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