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2019年4月

2019年4月30日 (火)

ベルリーニ 夢遊病の女 全曲 デ・マルキ&スキンティッラ管、バルトリ、フローレス、他

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本日は平成31年4月30日、つまり平成最後の日である。平成が終わり令和の時代に変わるのを機に、平成時代に発売された音楽ソフトで、マイ・ベスト盤は何かを考えてみた。しかし、なかなか適当な候補が挙がらなかった。好きな音源は、ほとんどが昭和の時代に録音され発売されたものだからだ。1980年代末から今までのものに限定しても、購入したソフトは数多いのだけれど、様々な同曲異盤を聴いてみると、昔のアナログ録音時代のものが良いやとなるものが多い。加えて、この頃に、カラヤン、バーンスタインなどの巨匠と言われた指揮者が没している。

私は、常々、100年以上の音楽録音パッケージを考えたとき、クラシック音楽が一番輝いていたのは、1955年を中心として±25年の50年間、すなわち1930年から1980年くらいまでで、1930年以前と1980年以後は、「たいやき」で言えば頭と尻尾、一番おいしいあんこがいっぱい詰まったところが1955年を中心として±25年の50年間だと思っている。丸々、昭和時代じゃないか。

そんな中で、こんな音源を平成30年間のマイ・ベストに挙げるなんてと、自分でもおかしいんじゃないか、と思うが、漸くこれだと思ったCDがこれ。

ベルリーニの「夢遊病の女」というオペラは、イタリア・ベルカント・オペラの中でも重要な作品なのにもかかわらず、古今を見渡してもそれほど多くの録音がない。古い録音ではあるが、マリア・カラス/ヴォットー盤が未だに捨てられないのではあるが、いかんせん録音が古すぎるし、演奏スタイルも古い。2007年(平成19年)録音のこの盤は、チェチーリア・バルトリとファン・ディエゴ・フローレス、実力者2人の共演で、普通ならソプラノが歌うはずのアミーナをメゾ・ソプラノが歌い、非常に良い演奏であり歌唱で、とても楽しめる盤である。この二人が歌う二重唱は本当に美しく素晴らしい。オーケストラが古楽器の団体であるということで、ベルリーニの活躍していた19世紀前半は、たぶんこうだったのではないかという、楽しい想像も出来る。アミーナという役は、当時はバルトリのようなメゾ・ソプラノのような声の歌手が歌っていたのではないだろうかと想像できる。ベカントオペラまでの時代は、歌劇場も小さくて、ことさら大きな声を張り上げなくても良く、歌手の声の美しさを際立足せることが出来る。19世紀後半以降のグランド・オペラのように規模が大きくなった状況では、逆に良さが消されてしまった部分もあったのではないかと思うし、そのあたりをこの盤は上手く残して復刻してくれた、そんな感じがするものだ。

このソフトはCDだけれども、音質も良くオーディオ的にも満足できる。愛聴盤の一つである。


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2019年4月26日 (金)

ポール・モーリア グレイテスト・ヒッツ24(2枚組LPレコード)

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知人より、CD化を依頼された1970年代後半に発売された2枚組のLPレコード。映画音楽やポップスなどをピアノとオーケストラで演奏するように編曲して演奏されたものが多い。軽く口当たりの良いメロディーライン、品の良い美しさがあるので、多くの人に愛されたのだろう。

CDRのケースのジャケットは、レコードのジャケットを帯付きのままスキャンして表面にし、裏面は下の曲目を印刷してみた。こちらは、レコードジャケットに有った曲目の部分を編集して作ったもの。

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CDRには、レコードのレーベルを印刷した。LP2枚全部で70分台で収まったのでCDR1枚にこの24曲が全て収まった。こういった音楽は、本格的に音楽と対峙して聴くのではなく、気楽にながら聴きするのにも適した音楽だから、CDなどで気軽に聴けた方が良いと思う。


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2019年4月23日 (火)

モーツァルト 歌劇「ドンジョヴァンニ」/クレンペラー、ニュー・フィルハーモニア管(TOWER RECORDS Definition Series SACD/CDハイブリッド盤)

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2019年3月に発売され、4月5日にこのブログで書いた、モーツァルト 歌劇「ドンジョヴァンニ」/クレンペラー、ニュー・フィルハーモニア管のTOWER RECORDS Definition Series SACD/CDハイブリッド盤であるが、解説書の中に15ページ終わりの部分に欠落があり、新しい欠落の無い解説書が送られてきた。

写真には、解説書が2部写っているが、1つは欠落のあるものと、もう1つは欠落のない新たに送られてきたものである。


欠落部分は

「ングン回転させて努力も惜しまずあの手この手で口説」

という僅かこれだけの文章だけだ。場合によっては、シールとかそのページのみの差し替え用の紙を用意しても良かったんじゃないかと思われるが、TOWER RECORDSの対応は違った。丸々作り直した新しい解説書を送ってきて、欠落のある解説書は処分してください、送り返す必要はありません。という事らしい。

安いオペラのCDセットの場合、多くは対訳は付かない。それは、SACDやCDをプレスするよりも、対訳の付いたリブレットを制作する方がよっぽどコストがかかるからだ。だから、新しい解説書を印刷し直して送ってきたりしたら、おそらく、この800部限定のSACD/CDセットのTOWER RECORDS の利益はほとんど吹っ飛んでしまったんじゃないかと心配する。それでも、新しい解説書を印刷し直したのは、ハイレゾなどのダウンロードやストリーミング配信に比べて、SACDやCDのセットの利点が解説書や装丁などを含め、物としての価値であることをTOWER RECORDSの担当者たちが良く理解しているからだと思う。

この対応に対して賛辞を送りたい。TOWER RECORDSさん、ありがとう。そして、私は、欠落のある解説書も大事にしようと思う。こちらの解説書は、英国盤のLPレコードのボックスの中に入れて保存しようと思う。英国盤のLPレコードには、日本語対訳は付いていないから。


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2019年4月19日 (金)

バッハ チェロ(ガンバ)・ソナタ集/フルニエ、ルージチコヴァ(LPレコード)

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1973年発売の 西ドイツ エレクトローラプレスのLPレコード

SIDE 1
チェロ(ガンバ)・ソナタ第1番 ト長調 BWV.1027
チェロ(ガンバ)・ソナタ第2番 ニ長調 BWV.1028 アダージョ、アレグロ

SIDE 2
チェロ(ガンバ)・ソナタ第2番 ニ長調 BWV.1028 アンダンテ、アレグロ
チェロ(ガンバ)・ソナタ第3番 ト短調 BWV.1029

ピエール・フルニエ(チェロ) スザナ・ルージチコヴァ(チェンバロ)


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フランス・エラート原盤なので、フランス・エラート盤がオリジナルであるが、この西ドイツ盤もかなり音質が良い。

この曲は、元々はヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのために書かれたもので、今日では、ヴィオラ・ダ・ガンバや古楽器のチェロ・ピッコロなどで演奏されたCDもある。このLPレコードではヴィオラ・ダ・ガンバのパートを普通のチェロで弾いている。ピエール・フルニエのチェロは美しく、それにスザナ・ルージチコヴァのチェンバロが絶妙に付けている。

ハイレゾで買った横坂源のチェロ、藤井一興のピアノによるハイレゾも良いけれど、半世紀近く前の演奏を当時発売されたLPレコードで聴くのも良い。


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2019年4月16日 (火)

マーラー 交響曲第5番 5つのリュッケルトの詩/バルビローリ ニュー・フィルハーモニア管他(英国盤アナログLP)

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SIDE:1に第一、第二楽章が、SIDE:2に第三楽章が、SIDE:3に第四、第五楽章が収められ、SIDE:4には、ジャネット・ベイカー(メゾ・ソプラノ)が歌う5つのリュッケルトの歌が収録されている。交響曲第5番はいくぶん遅めのテンポで、アダージョは叙情的に、激しいところは感情をぶつけて心温まる演奏である。

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外周に白線の無いカラー切手犬レーベル(オリジナル初版盤)

1970英国第2版のLPレコードはずっと以前から持っていた。それはこちら。

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ジャケットのボックスは、初版は厚紙で艶のあるフィルムコーティングされたものだが、2版はざらつきのあるフィルムコーティングの無い印刷で、ボックスの紙が薄くなって若干貧弱な箱になっている。そして見るとわかるように左上のEMIと犬のロゴが初版は分離していたが一つになっている。

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外周に白線付きの白黒切手犬レーベル。(2版)

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リブレットも違う。左は初版のリブレットで紙質はツヤのあるもの。右のは2版のもので、A4サイズで艶の無い紙。

音質は少し異なる。より厚みがあって濃い音がするのは初版の方で、2版はよりワイドレンジになっているし、初版よりは減退するが音の厚みも充分だと感じる。どちらがより高音質なのかは、聴かれる機器や好みで変わってくると思う。中古盤の実勢価格は、2版の方は初版の半額以下だから、音質本位でコストパフォーマンスを考慮すれば2版の方が良いと感じる。初版盤が高価なのは初版だからという事と、物そのものがより豪華だからだと思う。なお、EMIから発売されたバルビローリのマーラーのスタジオ録音盤は、ベルリンフィルとの第9番、ニュー・フィルハーモニア管との第6番と、この5番だが、全て英国初版盤で揃った。第5番は、エソテリックのSACD/CDハイブリッド盤も持っていて、手軽に聴くときはそちら。アナログで聴く時は2版のLPレコードでガンガン聴いて、ここぞという時にオリジナル盤をかける。


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2019年4月12日 (金)

レハール メリー・ウィドウ/松尾葉子、東京交響楽団 二期会合唱団他

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ハンナ・グラヴァリ:鮫島有美子
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵:小栗純一
マルコ・ツェータ男爵:佐藤征一郎
ヴァランシエンヌ:塩田美奈子
カミーユ・ド・ロジョン:錦織健  他

指揮:松尾葉子
演奏:東京交響楽団 二期会合唱団
1989年7月26日、28日 東京文化会館におけるライヴ録音

間もなく、平成が終わり令和の時代となる。このCDは平成元年に録音されたレハールのオペレッタ「メリー・ウィドウ」の全曲ライブ録音である。このCDを買ったお店も覚えている。地元の楽器屋さんに家族連れで行き、アップライトピアノを購入した時にその楽器屋さんのCD売り場で、見つけて購入したものだ。この2枚組CDは初出盤ではなく1992年10月に再発されたもの。初出盤は¥4600だったのが¥4000と少し安くなっていた。売り場では、初出盤と安くなった再発盤が一緒に置いてあった。

この「メリー・ウィドウ」は、日本語で歌われ、また主要なキャストは当時の二期会のトップの歌手が勢揃いしていて熱演している上に、この曲の演奏を得意にしていた松尾葉子さんが指揮をして、かなり良い演奏になっている。松尾葉子さんは、確かこのCDがCDデビュー盤だと思う。今聴くと、消費税の導入とか総裁選挙など当時の時事問題をネタにしたギャグもセリフの中にあって、時代を感じさせつつも、楽しく聴ける。個人的に、平成という時代を振り返るのに思い出深いセットである。

演奏は良いが、今日の水準でいうと、このCDの音質はいまいち。当時の欧米のメジャーレーベルのライヴ録音のクラシックCDと比べても劣っている。この演奏は、確かレーザーディスクで映像も発売されたはずで、映像付きであれば音質の悪さはそれほど気にはならないだろう。


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2019年4月 9日 (火)

モーツァルト 歌劇「ドンジョヴァンニ」/クレンペラー、ニュー・フィルハーモニア管(英国EMI アナログレコード4枚組)

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入手したばかりのSACD/CDハイブリッド盤と、このアナログレコードを聴き比べてみた。

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このレーベルは、1968年ごろの金切手レーベルといわれるものなので、オリジナルではなく第2版である。それでも録音から約2年ほどしか経っていないもの。オリジナルの方がもっと太くてぶ厚い音質であるが、この2版はオリジナルよりはワイドレンジになりつつも、細くて痩せたような音質ではなく、鮮明でなおかつ声の質感がとても良い。声のメリハリなどはSACD/CDハイブリッド盤よりも好ましい。このようなオペラ全曲盤でSACD/CDハイブリッド盤が良いのは、聴きたいアリアを一発で呼び出せるところ。アナログレコードはそれができないので、最初から通して聴くとか、一幕を全部聴いてしまうような時には良いが、特定のアリアだけを聴きたい時の利便性はCDやSACD/CDハイブリッド盤が圧倒的に良い。総合的にみてSACD/CDハイブリッド盤の音質もかなり良いので、このアナログレコードが音質的に圧倒的に有利というわけでもない。

 

では、SACD/CDハイブリッド盤とこのアナログレコードを両方持つ意味はあるのか、と言われると、資料的な部分モノとしての存在価値で、やはり差があると思う。
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これら2枚の写真は、アナログレコードのリブレットだけに有って、SACD/CDハイブリッド盤には無い。SACD/CDハイブリッド盤のリブレットは、対訳が付いていたりクレンペラーの年表が付いていたりするが、アナログレコードには録音の時の写真がついていたりして、録音のときの様子が想像できたりする。アナログレコードのリブレットを見ながらアナログレコードを聴くと、その時代にまで遡れるような気がするが、SACD/CDハイブリッド盤だとあくまで、現代で昔の録音を聴いているというような感覚でしかない。


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2019年4月 5日 (金)

モーツァルト 歌劇「ドンジョヴァンニ」/クレンペラー、ニュー・フィルハーモニア管(TOWER RECORDS Definition Series SACD/CDハイブリッド盤)

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ドン・ジョヴァンニ:ニコライ・ギャウロフ(バス)
ドンナ・アンナ:クレア・ワトソン(ソプラノ)
レポレッロ:ワルター・ベリー(バリトン)
騎士長:フランツ・クラス(バス)
ドンナ・エルヴィーラ:クリスタ・ルートヴィヒ(ソプラノ)
ドン・オッターヴィオ:ニコライ・ゲッダ(テノール)
マゼット:パオロ・モンタルソロ(バリトン)
ツェルリーナ:ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
ニュー・フィルハーモニア合唱団(合唱指揮:ウィルヘルム・ピッツ)、 ヘンリー・スミス(ハープシコード)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団 オットー・クレンペラー(指揮)

2019年3月にタワーレコードが800部限定で発売した3枚組のSACD/CDハイブリッド盤。TOWER RECORDS Definition Seriesとして発売。クレンペラーのモーツァルト交響曲集も同時発売されたが、そちらはまだ入手していない。

イギリス本国から取り寄せた96K/24bitのマスター音源からリマスター。マスタリングエンジニアは藤田厚生氏で、SACD層とCD層をそれぞれ別のマスタリングしてハイブリッド化している。CD層を聴いてもとても良い音質で、1990年代に発売されていた通常CDよりも音質はずっと良い。3枚のディスクは1枚ずつ色合いの異なるハードカバーのジャケットに入れられ、対訳付きのリブレットがついていて、これらを透明な樹脂製のカバーで包んでいるような装丁となっている。なかなか凝った豪華なもの。クレンペラーの年表も付属し解説もなかなか良いので資料的価値も高いだろうと思う。

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クレンペラーの「ドン・ジョヴァンニ」は、私の一番お気に入りの「ドンジョヴァンニ」である。ドイツ的で少し重たい音楽でデモーニッシュな感じもある。それが、好みを分けるところかも知れないが、私はとても好きだ。歌手が揃っていて歌が素晴らしいのも特筆すべきことで、また、当時のEMIのオペラ録音が歌手の歌声が気持ちよく聴けるような録音であることも良いし、1966年の録音としては非常に水準の高い優秀録音であったことも、気に入っている理由である。このSACD/CDハイブリッド盤はオリジナルに近い英国盤のLPレコードを愛聴してきた私にも満足できる音質に仕上がっていた。


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2019年4月 2日 (火)

バッハ フーガの技法/ポッジャー、ブレコン・バロック

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2015年に録音された、レイチェル・ポッジャー、ブレコン・バロックによるSACD/CDハイブリッド盤。ポッジャーのバッハ 「無伴奏ソナタとパルティータ」全曲のCDは、古楽器演奏の同曲のCDの中でも抜きん出た演奏であると思うし、通常CDであってもかなり音質は良かった。ところが、それ以外の彼女のバッハを聴いても、「無伴奏ソナタとパルティータ」全曲のような感激があまり無い。

このハイブリッド盤の演奏は聴きやすいが、この曲独特の深みみたいなものがあまり感じられない。フーガの技法は、大バッハが最期に作曲し到達した境地であるので、フーガや対位法の様子をエキセントリックなまでに表現した演奏もある。また、使用楽器が指定されていないので、様々な楽器で演奏されるので、同曲異盤を聴いて様々に楽しめる曲でもある。しかし、あまりにも古楽器のヴァイオリンで普通に演奏されているので、いわゆるはみ出したような個性や、キラリと光る独自性が無いように思われる。BGM的にゆったりと聴きたい人にはお薦めするのだが、私には若干生ぬるく感じてしまう。

音質は2010年代の新しい録音のものとしては普通で、良いとも悪いとも言えない。CD層を聴く場合には、CDプレーヤーで聴くよりも、一旦リッピングして44.1K/16bit wavファイルとして聴いた方が聴きやすいかも知れない。


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