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2019年9月

2019年9月27日 (金)

グリーグ ペール・ギュント、ホルベルグ組曲(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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グリーグ:《ペール・ギュント》の劇音楽(抜粋)
エド・デ・ワールト(指揮)サンフランシスコ交響楽団・合唱団 独唱 エリー・アメリンク(ソプラノ)

ホルベルク組曲
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)アカデミー室内管弦楽団

いずれも、1980年代前半のデジタル録音初期のものである。演奏は、どちらも定評あるもので、均整の取れた美しいものだと思う。

このハイブリッド盤では、当時のPhilips録音の良さが良く分かる。この当時、クラシックのメジャーレーベルの中で音質面で一番優れていたのがPhilipsで、美しいしなやかさとともに自然な残響のある音場が形成される。SACD層は非常にしなやか、滑らかな音質で音場が広い。CD層はやや厚みがあって力強さが感じられるが音場はやや狭くなる。2つの異なるLPレコードを合体させたようなハイブリッド盤であるが、全く違和感がない。


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2019年9月24日 (火)

R・シュトラウス 「薔薇の騎士」/ カラヤン、ウィーン・フィル(Esoteric SACD/CDハイブリッド盤)

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配役
アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ:元帥夫人)
クルト・モル(バス:オックス男爵)
アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ:オクタヴィアン)
ゴットフリート・ホーニク(バリトン:ファーニナル)
ジャネット・ペリー(ソプラノ:ゾフィー)
ハイツ・ツェドニク(テノール:ヴァルツァッキ)
ヘルガ・ミュラー=モリナーリ(アルト:アンニーナ)
ヴィルマ・リップ(ソプラノ:マリアンネ)
ヴィルソン・コール(テノール:歌手)、他

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

録音:1982~84年

今月は、EsotericからSACD/CDハイブリッド盤が3種類発売されたが、これはその1組。指揮者のカラヤンがキャストから音楽作りまで自分の思い通りにやったオペラのセッション録音は数多いが、その中でも出色の演奏である。ただし、私個人は、1956年のフィルハーモニア管盤が、当時の歌手の素晴らしさに加えて録音の状態も1956年のEMI録音とは思えない素晴らしいものなので、そちらの方をより好む。

このSACD/CDハイブリッド盤は今まで聴いてきたこの音源のLPレコードやCDとは音質が一皮もふた皮も剥けた感じで、鮮明で混濁感が無い。ドイチェ・グラモフォンのデジタル録音最初期のものは、それ以前のアナログ録音のものに及ばない音質のものが多かったが、従来のLPレコードやCDではこれも例外ではなく、若干のデジタル臭さやザラつき感があった。しかし、この盤はSACD層でもCD層でも透明感と滑らかさがあってとても素晴らしい音質になっている。特に第一幕のドタバタする場面は、カラヤンがいかに細部の描写にまでこだわる音楽をつくっていたかがよくわかり、まさしくカラヤンの「薔薇の騎士」である。絢爛豪華で歌手の歌い方までウィーン的で、歌劇場の極上席に居るような臨場感がある。また、そんな中で、個々の歌手の歌がはっきり聴こえるような録音となっている。

一つの説として、デジタル初期の録音のものはハイレゾやSACDで発売しても高音質化はあまり望めず、アナログ時代のものよりもメリットが少ないという声もあるけれど、この盤に関しては相当な音質的な向上があったと思うし、高音質にならなければ、オーディオ・メーカーがデジタル初期の音源をSACD化しないであろう。


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2019年9月20日 (金)

プッチーニ 蝶々夫人/ファブリティス、ローマ歌劇場、ダルモンテ、ジーリ他(ALP1659/60)

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配役
トティ・ダル・モンテ(ソプラノ)
ベニャミーノ・ジーリ(テノール)
ヴィットリア・パロンビーニ(アルト)
マリオ・バシオラ(バリトン)
アデリオ・ザゴナーラ(テノール)
ジーノ・コンティ(バス)
エルネスト・ドミニーチ(バス・バリトン)

ローマ歌劇場合唱団 ローマ歌劇場管弦楽団 オリヴィエロ・デ・ファブリティス(指揮)
録音:1939年

これも戦前のSP時代の復刻LPレコードである。ファブリティスの「トスカ」は、英HMVが最初にLPレコードを発売した1950年代初めにすぐに復刻され発売されたが、この盤はステレオ初期の時代になってようやく復刻されLPレコードになって発売された。通常は3枚組で発売される「蝶々夫人」であるが、このセットは2枚にまとめられていて片面あたりの収録時間がやや長い事もあってか、「トスカ」ほど音質は良くない。それでも、復刻CDを聴くよりはずっと鮮明な音質である。

タイトルロールの蝶々さんを歌うトティ・ダル・モンテが可憐で可愛らしい歌声で素晴らしい。この人はもともと、アメリータ・ガリ・クリチの後に出現した大コロラチューラ・ソプラノであるが、蝶々さんというリリコな役を歌ってもとても素晴らしいのがわかる。しかも、彼女が引退したのは1944年であるから、オペラ歌手のキャリアの終わりに近い年齢で歌われたものとしては、声が若々しくて驚く。役柄上、15歳の蝶々さんとして全く申し分ないのである。さらに、ピンカートン役のベニャミーノ・ジーリが素晴らしい。この二人の録音の「蝶々夫人」としてこの録音は長く後世まで残したいと思う。

このLPレコードのジャケットの絵柄はとても良いと思う。トティ・ダル・モンテの歌のイメージにぴったりである。


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2019年9月17日 (火)

プッチーニ トスカ/ファブリティス、ローマ歌劇場 カリーニア、ジーリ(ALP1020/21)

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配役
マリア・カニーリア (ソプラノ)
ベニャミーノ・ジーリ (テノール)
アルマンド・ボルジョーリ (バリトン)
エルネスト・ドミニーチ (バス・バリトン)

ローマ王室歌劇場合唱団 ローマ王室歌劇場管弦楽団
オリヴィエロ・デ・ファブリティス (指揮)
録音:1938年

ここのところ、古いモノラル時代のオペラのLPレコードを聴くのがマイ・ブームとなっている。そこで、この「トスカ」のレコードも聴いてみた。この録音はSPレコードの時代で古いが、実際にこのLPレコードをモノラル用のカートリッジでかけてみると、1950年代前半に録音された他のオペラ全曲盤と比べてもさほど遜色はない音質で、これが戦前の録音だと思うと驚愕する。

もう何年も前に、拙宅に訪れたオペラが好きなオーディオマニアに、これが私の一番好きな「トスカ」だから、ちょっとさわりだけ聴いてみてください、と言ってこのモノラルのレコードを取り出し聴いてもらった。指揮者はファブリティス、トスカのタイトルロールを歌うのはカニーリアと言っても、いずれのアーチストも知らないという。古いモノラル時代の「トスカ」ならマリア・カラスが歌ったデ・サバータ盤ならCDで聴いたことがあるというのだが。

始まってしばらくして、カヴァラドッシ役が歌う「妙なる調和」が聴こえだしたら、「えっ、えっ、このカヴァラドッシは誰が歌っているの?」と尋ねるので、ベニャミーノ・ジーリだと答えると、「えっ、じゃあ、これ、戦前のSPの復刻盤ですか?すごく良い音ですね、わかりませんでした。」と呆然とお応えになったのは今も覚えている。

この録音はナクソスが復刻CDでも発売している。しかし、このLPレコードのような感銘はない。このレコードは先日ご紹介したアルフテルの「はかない人生」と比べても音質的に遜色はない。

古いモノラル盤ならデ・サバータ盤の引き締まったオーケストラや、何ものにも代え難いマリア・カラスのタイトルロールの良さもわかるし、それに比べてベニャミーノ・ジーリだけが脚光を浴びる録音なのかも知れないが、「トスカ」の録音史上、初めて出現した後世に残したい録音で、トスカ役のマリア・カニーリアも、当時、ローマ歌劇場の芸術監督だったオリヴィエロ・デ・ファブリティス の統率も悪くなく、個人的に大好きなレコードである。


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2019年9月13日 (金)

ファリャ 歌劇「はかない人生」/アルフテル、バルセロナ交響楽団 ALP1150/51

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ファリャ 歌劇「はかない人生」

演奏:
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
ロザリオ・ゴメス(メゾ・ソプラノ)
ジョセフィーナ・ピュチセク(メゾ・ソプラノ)
パブロ・シビル(テノール) 他

エルネスト・アルフテル(指揮) バルセロナ交響楽団
録音:1954年

Side 1
ファリャ 歌劇「はかない人生」
Act I (Part 1)

Side 2
Band 1 - Act I (Conclusion)
Band 2 - Act II (Part 1)

Side 3
Act II (Conclusion)

Side 4
A SONG RECITAL
Band 1 El Retrato De Isabela (Vives)
Band 2 El Amor Y Los Ojos (Vives)
Band 3 El Vito (trad. arr. Nin)
Band 4   Pano Murciano (trad. arr. Nin)
Band 5   Farruca (Turina) (All in Spanish)
Band 6   Stornellatrica (Zangarini-Respighi)(Sung in Italan)
Band 7   Hablame De Amores (Rioja-Fuste) (in Spanish)

ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ), ジェラルド・ムーア(ピアノ)

1950年代のグルーヴ・ガードされた英国プレスのLPレコード。録音・初出が1954年なので、おそらくオリジナル盤では無いと思う。英HMVは1955年頃からフラット盤からグルーヴ・ガード盤に切り替わった。

この「はかない人生」の全曲盤は史上初の全曲盤であった。また、指揮者のエルネスト・アルフテルはファリャの直弟子であるし、オーケストラもキャストも全てスペイン人で固められていて、極めて民族色の強い演奏である。素晴らしいのは、サルー役のビクトリア・デ・ロス・アンヘレスで、このLPレコードは彼女の歌を聴くために存在価値がある。それは余白のSide 4に入っている歌曲集にも言えることで、ジェラルド・ムーアのサポートを得て、素晴らしい歌を披露している。このSide 4の歌曲集だけでも価値があると思っている。1965年のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス盤は演奏自体さらに引き締まり、ステレオ録音で音質はもっと良いのだが、こちらの録音も忘れ去られるのには惜しいと思う。

音質としては、1950年代半ばの英HMVのLPレコードとしては標準的。この盤は60年以上の歳月を経ているがノイズは少なく気持ちよく聴ける。


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2019年9月10日 (火)

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲 第3番、第4番/フランチェスカッティ、ワルター、コロムビア交響楽団

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ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)、ブルーノ・ワルター(指揮)、コロムビア交響楽団による1958年録音の演奏である。こちらのLPレコードは、米国盤で目のようなマークが左右にある俗に言う2つ目レーベルで第2版、1960年代半ば頃のプレスである。初版であれば中古価格が高く価値があるが、これはごく普通の値段でプレミアムが付かない。

フランチェスカッティのヴァイオリンやコロムビア交響楽団のヴァイオリンに関しては、以下のニュー・リミックス・マスターの日本盤よりも美しく、ジャック・ティボーとアルテュール・グリュミオーとの間の世代のフランコ・ベルギー派らしいヴァイオリンの美音がより楽しめる。しかし、特に超低域はカットしているようで、オーケストラの響きが小ぢんまりとしている。

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1980年代になって日本で発売されたニュー・リミックス・マスター盤は、米国コロムビア・レコードに残されたオリジナル・4チャンネル・テープを録音当時のプロデューサーであるジョン・マックルーアが新たに2チャンネルにリミックスし直した新しいマスターをデジタルコピーし日本に送られてきたものからプレスされ、それ以前の日本発売の同一音源よりも鮮度が増してより良い音質で蘇ったもの。こちらは、低域がたっぷりとしていて小ぢんまりとした感じは希薄で、Fレンジが広くなっている。しかしながら、初期デジタルっぽいザラッとした高域の質感が微妙にヴァイオリンの音を荒くしてしまっていて、ヴァイオリンの美音を楽しむのには若干不満が残る。


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2019年9月 6日 (金)

ヘンデル 王宮の花火の音楽、合奏協奏曲「アレクサンダーの饗宴」他/マリナー、アカデミー室内管弦楽団

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収録曲

SIDE 1
王宮の花火の音楽

SIDE 2
合奏協奏曲「アレクサンダーの饗宴」
序曲 ニ長調

ネヴィル・マリナー(指揮) アカデミー室内管弦楽団 録音:1979年

ネヴィル・マリナーは、非常に録音が多かった指揮者だった。LPレコードやCDの録音の数は、ヘルベルト・フォン・カラヤンより多い。王宮の花火の音楽だけでも1971年、1979年、1993年と3回録音している。いずれもアカデミー室内管弦楽団とだ。この盤は2回目の録音で1980年に発売されたオランダPHILIPS盤。

一言で言って、マリナー/アカデミー管のアプローチは、しなやかに切れ込むもので、アンサンブルはピシッと揃って混濁感が全くない。それでいて英国的な優雅さ品の良さを忘れないスタイルである。指揮者のマリナーもアカデミー管のコンサートマスターだったアイオナ・ブラウンも故人となったが、残されたレコードから流れる音楽は今聴いても素晴らしい。

アナログ録音末期のPHILIPS録音という事もあって、このLPレコードの音質はすこぶる良い。クラシック音楽のメジャーレーベルにもそれぞれ黄金期があって、1950年代から1960年代初頭はDECCAやRCA、が良く、1960年代中盤になるとEMIやDGが追い付いてきて、1970年代中盤以降になるとPHILIPSが一つ頭を抜けた音質な気がする。The Absolute Sound が発表している高音質LPレコードのリスト、TAS super LP ListにはPHILIPS音源が少ないけれど、私個人としてはもっと沢山あっても良いのではないかと思う。


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2019年9月 3日 (火)

ホルスト 組曲「惑星」/メータ、ロスアンゼルス・フィル

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ズービン・メータ指揮、ロスアンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団による、ホルスト組曲「惑星」はアナログ録音時代からの名盤で、演奏も音質も良い事で知られている。

2014年まで、アメリカのオーディオ誌、The Absolute Sound が発表している高音質LPレコードのリスト、TAS super LP Listに掲載されていたのは英国プレス、アメリカ発売のCS6734だった。英国DECCAのオリジナル盤の番号はSXL6529だが、TAS super LP Listでは、同一音源でも個別に聴き比べをして、DECCA/LONDONであっても、音の良いと思われる方の番号を掲載していた。実際、米国LONDONと英国DECCA盤は、同じ英国のプレス工場でプレスしているのだが、実際に聴き比べると音調が異なっているものが多い。米国LONDONの方が派手目に聴こえるのだ。

現在は、Analogue Productionsから発売された2枚組45RPM盤が掲載されている。復刻盤の方が音が良いという評価であれば、復刻盤の番号が掲載され、復刻盤のメーカーも掲載される。また、英国DECCA SXLの方が米国LONDON CSより音質が良ければSXL番号の方が掲載されている。だから、真剣にTAS Super LP ListのLPレコードを入手したいならそこまでこだわるべきで、同じ音源の日本盤のLPレコードを入手したり、CDで集めてもあまり意味はないと思う。

日本プレスのLPレコードがみんな音が悪いというわけではない。例えば、ドヴォルザーク 交響曲第8番 ブルーノ・ワルター指揮 コロムビア交響楽団のステレオ盤は、1980年代になって日本で発売されたCBS/SONY 20AC1822が掲載されており、TAS super LP Listの選者は、米国オリジナル盤よりもこの日本盤の方を評価しているという事だと思われる。


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