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2019年12月

2019年12月31日 (火)

ショパン ポロネーズ集/ポリーニ(Esoteric SACD/CDハイブリッド盤)

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ショパン:
ポロネーズ 第1番、第2番、第3番《軍隊》、第4番、第5番、第6番《英雄》、第7番《幻想ポロネーズ》
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

録音:1975年 アナログ

2019年12月に発売されたEsoteric SACD/CDハイブリッド盤の1枚

マウリツィオ・ポリーニは1942年生まれだから、この録音は彼が30歳代の時のもの。非常に充実した演奏であり、現在でも名盤たらしめる演奏だが、それがEsotericのSACD/CDハイブリッド盤として発売された。SACD層はピアノの切れ込みやピアノのタッチの強弱や微妙なニュアンス、音場の広さで上回り、CD層は若干音が丸まるように感じるが肉厚感や力感はCD層の方がより感じることができる。

デジタル的というよりも良質のアナログオープンテープを聴いているような感じのリマスターで、ピアノの艶のある音や肉厚感のある響きを大事にしたのだと思う。非常に好感の持てる音質である。


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2019年12月27日 (金)

ビゼー 歌劇「カルメン」全曲/カラヤン、ベルリンフィル他(EsotericSACD/CDハイブリッド盤 3枚組)

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カルメン:アグネス・バルツァ(メッゾ・ソプラノ)
ドン・ホセ:ホセ・カレーラス(テノール)
エスカミーリョ:ヨセ・ヴァン・ダム(バス)
ミカエラ:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)
フラスキータ:クリスティーヌ・バルボー(ソプラノ)、他

パリ・オペラ座合唱団 シェーネベルク少年合唱団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
録音:1982年(デジタル録音)

2019年12月に発売されたEsotericSACD/CDハイブリッド盤の1組。私的には、ドイチェ・グラモフォンの1980年代初頭のデジタル録音の音の悪さが刷り込まれてしまっていて、当時発売された古いLPレコードや1980年代に発売されたCD、そして21世紀になって発売されたカラヤン’80ボックスやオペラボックスを聴いてもそれは変わらない。しかし、このEsotericSACD/CDハイブリッド盤では、音が痩せた感じが無く、また1980年代のCDのようなFレンジ、ダイナミックレンジの狭さも感じない。弦の質感や声の肉厚感もしっかり出てきて、リマスターしてSACDで出しただけの意義はある。1980年代のデジタル録音はハイレゾではないから言わば偽レゾであることは間違いないが、従来のCDと本盤のSACD層を聴き比べれば、その差は歴然としているように感じた。Esotericは、前回も1980年代録音の「薔薇の騎士」を手掛けたが、そちらもかなり良いリマスターSACD化であったが、この「カルメン」も素晴らしい。


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2019年12月24日 (火)

ブルックナー 交響曲集、ワーグナー 管弦楽集/ワルター、コロンビア管弦楽団(4SACD/CD+1CD)

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DISC 1 (SACD/CD)
ブルックナー
1-4交響曲 第4番 変ホ長調 WAB104 「ロマンティック」[1878/80年第2稿、ハース版] [録音:1960年2月13日、15日、17日&25日]

DISC2 (SACD/CD)
ブルックナー
1-4交響曲 第7番 ホ長調 WAB107[原典版] [録音:1961年3月11日、13日、19日、22日&27日]

DISC3 (SACD/CD)
ブルックナー
1-3交響曲 第9番 ニ短調 WAB109[原典版] [録音:1959年11月16日(第1楽章)&18日(第2・3楽章)]
ワーグナー
4ジークフリート牧歌 [録音:1959年2月27日]

DISC4 (SACD/CD)
ワーグナー
1楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 第1幕への前奏曲 [録音:1959年12月4日]
2歌劇「さまよえるオランダ人」 序曲 [録音:1959年2月20日]
3舞台神聖祭典劇「パルジファル」 第1幕への前奏曲と聖金曜日の奇跡 [録音:1959年2月25日]
4歌劇「タンホイザー」 序曲とヴェーヌスベルクの音楽 [録音:1961年3月24日&27日]
5歌劇「ローエングリン」 第1幕への前奏曲 [録音:1959年2月27日]

DISC5(通常CD)
1ワルター・イン・リハーサル〜ワーグナー:ジークフリート牧歌 [録音:1959年2月27日]

「ブルーノ・ワルターの名盤へのお誘い」
(米コロンビアのプロモーション用レコード SDG3、1966年秋) ナレーション部分:日本初発売音源
2ナレーション「ブルーノ・ワルターのレコードのコレクターには嬉しいお知らせです」
3ワーグナー:ジークフリート牧歌(リハーサル風景)[抜粋][録音:1959年2月27日]
4ワルターの語り「マーラーとブルックナーなしの人生はあり得ませんでした」[録音:1956年2月23日]
5ナレーション「レコーディング・プロデューサーのジョン・マックルーアが」
6ベートーヴェン:交響曲第9番〜第2楽章[抜粋][録音:1959年1月26日&29日]
7ナレーション「ブルックナーの交響曲第4番『ロマンティック』のスケルツォは」
8ブルックナー:交響曲第4番「ロマンティック」〜第3楽章[抜粋][録音:1960年2月13日、15日、17日&25日]
9ワルターの語り「私にはブラームスを理解するためのたくさんの道がありました」[録音:1956年2月23日]
10ナレーション「次の作品はブラームスです」
11ブラームス:大学祝典序曲[抜粋][録音:1960年1月16日]
12ナレーション「モーツァルトの交響曲第40番をお聴きしましょう」
13モーツァルト:交響曲第40番〜第4楽章[抜粋][録音:1959年1月13日&16日]

[DISC4]
4.オクシデンタル・カレッジ・コンサート合唱団
[合唱指揮:ハワード・スワン]

コロンビア交響楽団
指揮:ブルーノ・ワルター

SACD層を聴くと、ブルックナーの第4番、第7番の交響曲はとても良い音で、安心して聴ける。第9番とワーグナーの管弦楽集は若干それより劣るけれども、こちらもとても60年前の録音とは思えない。特に、低音のぶ厚い響きの伸びが今までのCDやLPレコードと大きく違っていて、小編成のオーケストラで小ぢんまりしているという今までのイメージとはだいぶ異なって聴こえる。ジークフリート牧歌は、ワルターの高貴で洗練された芸風が出ていて、今までのLPレコードやCDで聴いていたのより好きになった。このSACDを聴いてからNEW REMIXED MASTERのLPレコードを聴くと、ちょっとボケたように感じた。LPレコードはお役御免だ。


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2019年12月20日 (金)

ベスト・オブ・ブルーノ・ワルター(SACD/CDハイブリッド盤)

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【収録曲】
1.ベートーヴェン:交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』~第1楽章:田舎に着いた時の楽しい感情の目覚め
録音:1958年1月13日、15日&17日
2.ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調 Op.88~第2楽章
録音:1961年2月8日&12日
3.ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 Op.102~第2楽章
録音:1959年11月20日
4.ブラームス:交響曲第4番ホ短調 Op.98~第1楽章
録音:1959年2月2日、4日、6日、9日、12日&14日
5.シューベルト:交響曲第5番変ロ長調 D.485~第1楽章
録音:1960年2月25日、29日&3月3日
6.ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 WAB104『ロマンティック』~第3楽章
録音:1960年2月13日、15日、17日&25日
7.モーツァルト:歌劇『劇場支配人』 K.486~序曲
録音:1961年3月29日&31日
8.マーラー:交響曲第1番ニ長調『巨人』~第2楽章
録音:1961年1月14日、21日、2月4日、6日
9.マーラー:大地の歌~第3楽章
録音:1960年4月18日&25日
10.ハイドン:交響曲第100番ト長調 Hob.I-100『軍隊』~第1楽章
録音:1961年3月2日、4日、6日&8日

ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン:3)
ピエール・フルニエ(チェロ:3)
エルンスト・ヘフリガー(テノール:9)
コロンビア交響楽団(1-8,10)
ニューヨーク・フィルハーモニック(9)
ブルーノ・ワルター(指揮)

これは、現在進行中のブルーノ・ワルター指揮によるステレオ録音のSACD/CDハイブリッド盤のサンプル盤のような性格を持った1枚のハイブリッド盤で、全集に先立って2019年10月に発売された。まずこれを買ってその音質を体験し、全集を買うことにした人も居るのではないかと思う。私は、サンプル盤はお金の無駄と思ったので買わずにいたが、田園交響曲の第1楽章が、このサンプル盤とベートーヴェン全集で発売されたものとで音質に違いがあるという情報を知ったので、それがどの程度違うのかというのと、これから発売されるブラームスやマーラーなどの音質がどんな具合なのか興味があって買ってしまった。

結論を言うと、田園交響曲の第1楽章は、はっきりとこのベスト・オブ・ブルーノ・ワルターの方が音質が良い。全体的により鮮明だし、中低域から下がより伸びてぶ厚い感じがする。ソニーミュージックに問い合わせた方によると、ベスト・オブ・ブルーノ・ワルターの方は他のトラックと音量を揃えるために1dB音圧レベルを上げてあるという事だが、音の違いはそれだけでは無いようだ。私が使っているプリアンプはかなり正確に1dBごとに音量を変えられるアッテネーターが付いているので、音圧が揃うようにベスト・オブ・ブルーノ・ワルターの方を1dB音を小さくして聴いてみたが音の違いの傾向は同じである。1dBのレベルの違いはわずかだが、全く同じものでも細かい音がよく聴こえる音圧の高い方を良い音と判断してしまう事はあり得るが、差はそんな感じではなく両者の違いはもっと違うところにあるように思う。

考えてみて欲しい。今回のこのケースは、スーパーマーケットの食品売り場で、お惣菜を試食して美味しかったのでそのお惣菜を買ったら試食したのとは異なる若干劣る味のものだったのと一緒だ。本盤は音質も含めてサンプル盤という性格が強かったのだから、全集盤と全く同じ音質(データも含めバイナリ一致)で発売すべきだったと思うし、音圧の違いに関してはサンプル盤だから各曲で音圧の大小が生じていますと注意書きをすれば良かっただけの話。SACDを買う人は通常CDを買う人以上に音質にこだわるマニア度の高い人達が対象だという事は判っていただろうに。

おそらく、音質を含め全部アメリカ側に丸投げで、日本国内でそのようなチェックをすることすらせずに発売している可能性が高い。私は、ベートーヴェン全集を買ってからこの盤を買ったからクレームを付けるような立場には無いが、先にサンプルとしてこの盤を買って全集を買った方の中には音の違いにがっかりした人は多かろう。ソニークラシカルには猛省を求めたい。


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2019年12月17日 (火)

ワーグナー ワルキューレ第1幕/クナッパーツブッシュ、ウィーンフィル(flac 192kHz/24bit)

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楽劇「ワルキューレ」第1幕全曲
録音:1957年

楽劇「神々の黄昏」から
夜明けとジークフリートのラインへの旅
ジークフリートの葬送行進曲
録音:1956年

ジークリンデ:キルステン・フラグスタート(ソプラノ)
ジークムント:セット・スヴァンホルム(テノール)
フンディング:アルノルト・ヴァン・ミル(バス)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

60年以上前のステレオ録音で、24bit/192KHzハイレゾ。通常CDと比べるとオーケストラの厚みや声の質感が大きく違っていて、かなり良好な音質である。ただし、一部、チェロなどの弦楽器がささくれたように歪む部分が散見されるので、マスターが傷んでいるのだろうというのは、容易に想像できる。このハイレゾ音源ならば、CDに対して感じていた音質的不満がかなり無くなっている。

オーケストラの帯域は若干狭いが、その代わり中域が厚く、実在感がある歌声が素晴らしい。特にフラグスタートとスヴァンホルムの声、雄大に響くオーケストラは、オリジナルに近いLPレコードを聴いている人間にも説得力のあるもの。弦楽器はCDだともっと痩せて聴こえてささくれた感じがより目立つ。この差は大きい。LPレコードでは2枚組で、楽劇「ワルキューレ」第1幕全曲が3面1枚半に、残りの第4面に夜明けとジークフリートのラインへの旅、ジークフリートの葬送行進曲が収録されていた。なので、このハイレゾは、オリジナルカップリングである。ジャケット写真もおなじみのオリジナルと同じで、トネリコの巨木に突き刺さった神剣ノートゥングである。


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2019年12月13日 (金)

ハイドン 交響曲第82番「熊」、第83番「雌鶏」/マリナー、アカデミー室内管

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ハイドンのパリ交響曲集のうちの2曲。マリナー、アカデミー室内管弦楽団は、精緻で切れ込み良い音楽を聴かせてくれる。そして、しなやかで美しくさわやかで魅力的。私にこれら2つの交響曲の魅力を教えてくれたのはこの演奏である。なお、「熊」、「雌鶏」という名はハイドンが名付けたわけではない。「熊」は第4楽章に熊の唸り声のような低音楽器が聴け、「雌鶏」は第2楽章に鶏の鳴き声みたいなフレーズがあるからだと言われている。

この演奏も、LPレコードで聴くとより魅力が増し、CDだとそこまでの感銘がない。

また、マリナー、アカデミー室内管弦楽団によるハイドンの交響曲のLPではBab Siljeeという人のイラストがジャケットに使われていて、このイラストがまた楽しい。


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2019年12月10日 (火)

メンデルスゾーン、ブルッフ ヴァイオリン協奏曲/ミルシテイン、スタインバーグ、ピッツバーグ交響楽団

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このような中古レコードを手に入れた。録音は1953年ごろなので65年以上前のもの。Capitolレコードはアメリカのレーベルだが、1950年代に英EMIの傘下となりEMIの米国支社のような役割をしていた。このレコードは英国で発売されたもの。ジャケットは上下折返しのペラジャケで、ALPや33CX番号のEMIのモノラル盤と同等のプレスである。CTL7059 中古レコード屋さんによっては、本盤を優秀録音盤として紹介しているところもある。実際、この盤の音質はとても良く、復刻CDと比べると天と地ほどの違いがある。

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こちらは、すでに手持ちに有った米国盤。ジャケットは厚いボール紙 P8243

本来ならばこちらがオリジナル盤に近いと言えるだろうが、気品があってしなやかな音質なのは英国盤の方で、断然英国盤の方を気に入った。なので、こちらの米国盤は手放そうと思う。米国盤も鮮明でメリハリがあるが何となくドライで英国盤よりも派手目な音質である。バイオリンの貴公子と呼ばれた品性の良い音色や気品は英国盤からのほうが聴き取りやすい。

メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲は、スタジオ録音のものだけでも、ワルター、ニューヨーク・フィル(1945年MONO)、スタインバーグ ピッツバーグ響(1953年MONO)、バージン、フィルハーモニア管(1959年STEREO)、アバド、ウィーンフィル(1972年)がある。録音の良さと円熟した芸風で1972年のものが普通にCDで聴くなら一番良い。しかし、他の録音も捨てがたい良さがあるが、普通にCDで聴いた時には、聴き手にその良さが伝わるかというと疑問が残る。古い録音のものほど、LPレコードとCDとの音質差が出やすい。改めて英国盤を聴いてみて、壮年期のミルシテインによりこの録音の凄さ、良さが判ったような気がする。

ユーチューブにもこのメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲があった。

しかしながら、LPレコードほど音は良くないしそれほど素晴らしい感銘も受けない。

ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番に関しては、バルビローリ/ニューヨークpo(1942年MONO)、スタインバーグ ピッツバーグ響(1953年MONO)、バージン、フィルハーモニア管(1959年STEREO)がスタジオ録音で残されている。1960年代以降にスタジオ録音が無いため、この盤の録音はより貴重で、オーケストラが徹底的にサポートに回り、独奏ヴァイオリンがクローズアップされるような録音がなされていて、ミルシテインの芸術がよりわかるようなLPレコードである。


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2019年12月 6日 (金)

ベートーヴェン 交響曲第3番 ワルター、コロムビア交響楽団(7SACD+2CD ベートーヴェン:交響曲全集から)

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2019年11月に発売されたステレオ録音のワルター/コロムビア交響楽団のベートーヴェン全集のSACDは、あちこちで物議を起こしているようである。一つは、田園交響曲の事前に発売されたサンプル盤と音質が違っていてサンプル盤の方が音が良いらしいこと。私はサンプル盤は買わなかったので、実際の所は良くわからない。

そしてもう一つは、解説書に落丁があり、正しい追加訂正部分がネット上で発表された。

不良内容:別冊解説書内 P.83 DISC9[3]の交響曲第4番第2楽章リハーサルのスクリプトと日本語訳の後半部分(music: m. 73)[演奏=第73小節]の後の英文25行とその対訳

https://www.sonymusic.co.jp/Music/International/files/SICC10286~94_TeiseiPera5.pdf

これをダウンロードして印刷するか、印刷ができない場合にはSony Musicに連絡すると欠落部分の印刷物を送ってくれる。これがごく普通の対応だと思うが、Tower Records Definition Series SACDで、クレンペラー指揮のモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の解説書に欠落があった時には、驚くべきことに解説書全部をそっくり印刷し直して送ってきた。改めてこの時のTower Recordsの対応が素晴らしかったと思った。

さて、この第3番「エロイカ」交響曲であるが、1990年代」後半にClassic Recordsという高音質復刻盤レーベルから出た180g重量盤LPと比べてみると、このSACD層の音質はやはり劣る。録音の古さが露わになってしまうのだ。Classic RecordsのLPレコードのマスタリングとカッティングを担当したのは、バーニー・グランドマンという腕利きのマスタリングラボで、レコード盤をプレスしたのは、現在でもトップクラスの高音質LPレコードをプレス出来るR.T.I.社である。SACDを買って聴き比べて、改めてこのLPレコードは宝物であるという思いを新たにした。

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だが、田園交響曲におけるAnaloge Productionsの高音質LPとこのセットのSACD層の音質差よりは少ない。田園交響曲はSACDだと1958年1月録音の古いマスターなのでより粗がわかってしまう感じだが、第3番「エロイカ」交響曲は1年以上後の録音であり、マスターはすっと良い状態で録音も良いのだと思う。ワルターのベートーヴェンの交響曲は第6番を代表とする偶数番号の交響曲の評価が高いが、私はClassic RecordsのLPレコードを聴いてからは、この第3番「エロイカ」交響曲も大変な名演奏であると思っている。ただ単に、優しさ慈しみのある均整のとれた都会的な演奏というのではない情熱や起伏の激しい情動をも、手にとるように感じることができるからだ。従来のLPレコードやCDを聴いてもそれを感じられ無かった。今回のSACDはその部分がある程度わかるので、このSACDを聴いてこの演奏の評価が変わったような人も居るのではないだろうか?それほどに、音質とかリマスターというのは演奏の評価まで変えてしまう。恐ろしいものだ。

また、今回のSACDの音質的優位性としては非常にワイドレンジで低域の伸びとその厚みのある音質はLPレコードでは出せないと思う。高域もよく伸びていて、田園交響曲やモーツァルトの交響曲の一部のような弦の音が固くて不自然に聴こえるような感じが少ない。


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2019年12月 3日 (火)

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲/フランチェスカッティ、ワルター、コロムビア交響楽団(7SACD+2CD ベートーヴェン:交響曲全集から)

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ブルーノ・ワルターのベートーヴェンSACDセットで真っ先に聴いたのは田園交響曲だが、それ以外のも順次聴いていって気がついたことは、ワルターがコロムビア交響楽団とステレオ録音をした1958年から1961年というのは、わずか3年という短い期間だが、この間に実は録音技術が相当に進歩していたのではないかということだ。タワーレコードが出したクリュイタンスのベートーヴェン交響曲全集でも、1958年に最初に録音された第九は音質が一番冴えずしかもテープヒスなどもより目立ったが、そのわずか数年後の録音のものはびっくりするほど音質が良い。

それで、このヴァイオリン協奏曲だが、録音年は1961年。田園交響曲と違って音の固さも感じられず、弦楽器の質感もずっと良い。モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3,4番の録音は1958年で、やっぱりこのベートーヴェンの協奏曲とは音質がかなり劣るように感じられる。ワイドレンジだが低音の分厚さとエネルギーが感じられ、低音を膨らめたという感じではなく、元の録音されたマスターにこのように記録されていたのだと思う。こういう音質はLPレコードでは望めない。

ハイレゾデータからプレスされた180gの新しいLPレコードに関しては、以前にこのブログで書いた。1枚¥2000しない安価なLPレコードであるが、音質もプレスも良く音質的に概ね満足できるものだが、ヴァイオリンの音色が濃く提示されて魅力的だという事を除けば、今回発売されたSACDが勝るように感じた。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/180glp-9798.html 

これが、LPレコードのジャケット写真。オリジナル盤のデザインとは全く異なる。

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