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2020年1月

2020年1月31日 (金)

バッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全曲、ミルシテイン(180g重量盤LP3枚組)

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analogphonicが復刻発売している重量盤LPレコードである。analogphonicは、最初は1980年代のデジタル録音初期の音源を復刻LPレコードにしていた。バーンスタインのマーラー交響曲全集などである。それらがかなり評判が良く、ステレオ初期の音源やこのバッハ 無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全曲のように1950年代のモノラル音源のものも復刻するようになった。CDではボックスセットになってかなり安く買える音源だが、当時のコンディションの良い中古盤は目の玉が飛び出るほど高価な値段が付いている。

CDの音質で充分に満足できるのならずっと安いので、LPレコードに手を出す必要はないが、私の手元にあるIconシリーズの8枚組CDセット、ナタン・ミルシテインEMI録音集の同一音源と、この復刻LPレコードではかなり音質が異なり、受ける演奏の感銘度合いまで違ってしまう。一番異なるのはCDでは、マスターに記録されているノイズを極力少なくしてリマスターされている事だろう。ノイズは僅かになったが、肝心なヴァイオリンの倍音成分やエネルギー感なども削ぎ取られて、本来の魅力ある演奏とは遠いものになってしまっている。

そういうことも有ってか、ナタン・ミルシテインの2種類の無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ全曲の評価は1970年代のステレオ録音のドイチェグラモフォン盤の方に軍配を挙げる人が多いと思う。ところが、LPレコードで聴くと両者は別々の魅力を持って拮抗するくらいの名演奏で、甲乙つけ難いのである。ドイチェグラモフォン盤は即興性やしなやかな美しさを持った演奏だが、こちらのCapitol/EMI盤は、より実直でバリバリ弾く壮年期のミルシテインの魅力に富んだものである。

ただし、マスターに起因する特に低域ノイズ、マイクアンプあるいはテープレコーダーのアンプに起因するハムノイズが乗っていて、CDでは極力それをカットするようにしているのに対し、この復刻LPレコードでは、マスターに入っている音はたとえノイズであろうとも漏らさず入れようとしているので、マスタリングに対する考え方が全く違うのだと思う。特に、パルティータ第3番のハムノイズはかなり大きくて、曲間になるととたんに消えるのだが、ヴァイオリンの瑞々しい音色やエネルギーみたいなものがちゃんと記録されている。

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参考までに、こちらはフランスEMIの古いLPレコードである。溝のカットの仕方が違っており、復刻盤は内周部まで溝のカットはないが、この古いLPレコードは内周近くまで溝が切られている。音質的には、古い初期盤は中域が厚くてFレンジの狭いモノラル用のカートリッジの方が聴きやすくなるのに対し、復刻盤では新しいFレンジの広いステレオカートリッジでもバランスの良い再生ができる。高域の伸びは復刻盤の方が良く、鮮度感も初期盤と比べても劣らない。


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2020年1月28日 (火)

ブラームス 交響曲第2番/ワルター、コロンビア交響楽団

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SACD/CDハイブリッド盤で発売されたブルーノ・ワルター、コロンビア交響楽団のブラームス交響曲全集、管弦楽曲集はかなり良い音質で、特にSACD層の音質は素晴らしい。順次手持ちのLPレコードと聴き比べているがLPレコードを上回る音質のものもある。そんな中で互いに拮抗し、甲乙つけ難くどちらも捨てがたいものもある。

このブラームス第2番がそうで、オーケストラの低域の充実度や各楽器の配置や分離などはSACDが良いが、楽器の音色や質感はLPレコードが上回る。温かい雰囲気で鳴るのはLPレコードだが、解像度をより高く聴けるのはSACDである。

LPレコードもAnalogue Productionsあたりがオリジナル・マスターテープから一切デジタルを介さずにリマスターして高音質で発売してくれたなら、LPレコードの方が良い可能性が高くなるが、現在、SACDを確実に上回って聴こえるのは、ベートーヴェン 田園交響曲(Analogue Productions)、エロイカ交響曲(Classic Records)、ブラームス 交響曲第4番(Classic Records)が発売した3種の復刻重量盤だけで、いずれもリマスター、カッティングはバーニー・グランドマンが行ったものだ。これから先もこの交響曲第2番に関しては高音質の復刻重量盤が出てくる可能性は低いので、今回発売されたSACDは大切にしようと思う。


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2020年1月24日 (金)

ブラームス 二重協奏曲、シューマン、ピアノ協奏曲/ワルター、コロンビア交響楽団他(SACD/CDハイブリッド盤)

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曲目
ブラームス ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
ピエール・フルニエ(チェロ)
録音:1959年

シューマン ピアノ協奏曲
ユージン・イストミン(ピアノ)
録音:1960年

ブルーノ・ワルター(指揮)
コロンビア交響楽団

ブルーノ・ワルターのブラームスSACDボックス・セットからの1枚。二重協奏曲の方は、情熱的な演奏をするフランチェスカッティとあくまで理性的に美しく演奏するフルニエの芸術性の違いが際立つが、ワルターの指揮がそれらを上手くまとめてとても良い演奏になっている。LPでも聴いてみたが、交響曲第4番のような高音質盤ではないので、このSACDほど音質は良くなかった。

シューマン ピアノ協奏曲も情熱的な佳演である。こちらはLPレコードでは、オーマンディ/フィラデルフィア管とのショパン ピアノ協奏曲第2番とカップリングされていたが、CDになってブラームスの二重協奏曲とカップリングされるようになった。こちらも普通のLPレコードで聴くよりはこのSACDの方が良い。


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2020年1月21日 (火)

ブラームス 交響曲 第4番/ワルター、コロンビア交響楽団(Classic Records 180g重量盤LP)

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1995年に発売された今はもう無いClassic Recordsという高音質復刻専門のレーベルから出た180g重量盤。ジャケットとレーベルはオリジナル盤に近いが、音質はワイドレンジでぶ厚い感じでかつ鮮明、名盤がとても良い音質で蘇り、当時、CDなんて聴いていられないじゃないかと狂喜した。オリジナル盤は特に両端のレンジが狭く、オーケストラがよりこぢんまり聴こえるが、この復刻盤はそんな事はないし、ワイドレンジになると細身で何となく力がないような音質になる事もなく、これが1959年の録音とは信じられないほどの鮮度を保っている。

発売されたばかりのSACDハイブリッド盤のSACD層と比べても、低域端の伸びは一歩譲るとしても、楽器の質感の瑞々しさや全体の音の厚みとエネルギー感は、このLPレコードの方が、私の環境では上回る。特に、弦楽器の質感は、このLPレコードを聴いてからSACD層を聴き直すとがっかりする。


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2020年1月17日 (金)

ブラームス 交響曲全集他/ワルター、コロンビア管弦楽団(SACD/CDハイブリッド盤)

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DISC 1 (SACD/CD)
交響曲第1番 録音:1959年
アルト・ラプソディ 運命の歌 録音:1961年
ミルドレッド・ミラー(メッゾ・ソプラノ)
オクシデンタル大学コンサート合唱団 合唱指揮:ハワード・ショウ

DISC 2 (SACD/CD)
交響曲第2番 録音:1960年
大学祝典序曲 録音:1960年

DISC 3 (SACD/CD)
交響曲第3番 録音:1960年
ハイドンの主題による変奏曲 録音:1960年

DISC 4 (SACD/CD)
交響曲第4番 録音:1959年
悲劇的序曲 録音:1960年

DISC 5 (SACD/CD)
ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 録音:1959年
ジノ・フランチェスカッティ(ヴァイオリン)
ピエール・フルニエ(チェロ)
シューマン ピアノ協奏曲 録音:1960年
ユージン・イストミン(ピアノ)

DISC 6(通常CD)
ブルーノ・ワルター・イン・リハーサル
ブラームス
交響曲第2番 ~第1楽章 録音:1953年
交響曲第3番 ~第3楽章 録音:1953年
ブルーノ・ワルター、指揮について語る 録音:1956年
ワーグナー:ジークフリート牧歌 録音:1959年 ブラームス:アルト・ラプソディ録音の抜粋を含む:1961年
ブルーノ・ワルター・ポートレイト(ドイツ語、日本未発売) 録音:1960年 ウィーン芸術週間

コロンビア交響楽団
指揮:ブルーノ・ワルター

真っ先に聴いたのは、交響曲第4番だが、SACD層は非常に鮮明で通常CDとは次元が異なるクオリティで、中低域の厚みは1995年にClassic Recordsが復刻した高音質LPレコードに劣らない。ローエンドの伸びは音の広がりはLPレコードを上回る。唯一、弦楽器の質感が明らかにLPレコードからは劣る感じがする。マスターテープの劣化がそのまま出てしまっている感じがして、それだけが残念である。

引き続き週末には、このセットを聴こうと思う。


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2020年1月14日 (火)

シェリング・プレイズ・クライスラー/シェリング、ライナー

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クライスラー名曲集、トレジャーズ・オブ・ヴァイオリン

クライスラー
ウィーン奇想曲
美しきロスマリン
愛の悲しみ
愛の喜び
レチタティーヴォとスケルツォ(ヴァイオリン独奏)
テンポ・ディ・メヌエット
プレリュードとアレグロ
ルイ13世のシャンソンとパヴァーヌ
中国の太鼓
メヌエット
懐かしき歌(オールド・リフレイン)
ロンディーノ(ベートーヴェンの主題による)
アレグレット(ボッケリーニのスタイルによる)

ルクレール
ヴァイオリン・ソナタ第3番

グルック
メロディ(クライスラー編曲)

ロカテッリ
ラビリンス

演奏 
ヘンリック・シェリング(ヴァイオリン)
チャールズ・ライナー(ピアノ)

録音
1963年

このCDは1995年に発売されたもので、入手してから四半世紀が経つ。シェリングのヴァイオリンは、本家クライスラーのような甘い音ではなく、明晰で現代的である。その芸風はオーソドックスで、現代でも見本たる演奏で古さを感じさせない。しかし、音質に関しては、ヴァイオリンの音が硬い感じで、今のリマスターと比較してしまうとかなり劣る感じがする。オリジナルのLPレコードは Mercury SR90348 SR90367であるが、状態のいいものは高価だし入手困難である。Analogue Productionsが、高音質で復刻してくれたなら欲しい盤である。


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2020年1月10日 (金)

モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第3番、プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲 第2番/オイストラフ、ガリエラ、フィルハーモニア管

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SIDE 1
モーツァルト ヴァイオリン協奏曲 第3番

SIDE 2
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲 第2番

ダビッド・オイストラフ(ヴァイオリン)
アルチェオ・ガリエラ(指揮)フィルハーモニア管弦楽団
録音:1958年

TESTAMENT CLASSICS 180g重量盤LP

この復刻盤が発売されたのは1990年代後半なので、もう20年以上が経つ。

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TESTAMENT CLASSICSがEMI音源の復刻盤LPを出し始めた最初のカタログがこれ。どれも、状態のいいオリジナル盤であれば高価なプレミアムが付くような盤ばかりである。当時は、古いオリジナルに近い盤と比べて若干音ににじみを感じたりしていたが、それでも当時のCDよりは音質がずっと良かったから、このカタログにあるものだとグイド・カンテッリのベートーヴェン第7番以外は購入して、今では、コーガンのブラームスなど、愛聴盤になっている。

このレコードのオイストラフのモーツァルト3番とプロコフィエフ2番は、どちらかというとプロコフィエフの方をよく聴く。現代のヴァイオリニストと比べれば、ねちっこい演奏で時代を感じさせるが、それでもミルシテインの演奏と共に私にとって無くてはならない演奏である。


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2020年1月 7日 (火)

ブルッフ、プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲 第1番/オイストラフ、マタチッチ、ロンドン交響楽団

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SIDE 1
ブルッフ ヴァイオリン協奏曲 第1番
SIDE 2
プロコフィエフ ヴァイオリン協奏曲 第1番
ダビッド・オイストラフ(ヴァイオリン)
ロヴロ・フォン・マタチッチ(指揮)ロンドン交響楽団
録音:1954年

1950年代半ばから後半にプレスされた英国初期盤。ジャケットの印刷が薄れや剥げがあるし、ラミネート加工されたセロファンも剥がれていて、ジャケットの状態は良くない。しかし、肝心なレコードのコンディションは良好に保たれていて、楽しんで聴ける。

17枚組のCDセット、DAVID OISTRAKH THE COMPLETE RECORDINGSの同一音源と聴き比べると、音質はこのモノラルLPレコードの方がずっと良い。ヴァイオリンの音色や実在感、鮮度が際立っている。スタジオ録音では、ダビッド・オイストラフはどちらの曲もこのモノラル録音しかない。モノラル録音だし、復刻CDを聴いてもそれほど感銘はなかったが、これは素晴らしいレコードだと思う。昨年入手した中古盤の中で特に素晴らしいと思ったもの。

プロコフィエフは、第1番、第2番がカップリングされた復刻LPレコードが出ている。

https://tower.jp/article/feature_item/2017/05/08/1105

しかし、第2番は、モーツァルトの第3番とカップリングされた180g重量盤LPがTESTAMENT CLASSICSから出ていて、これの音質がかなり良いので、買わないでいた。


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2020年1月 3日 (金)

ドビュッシー、ラヴェル 管弦楽曲集/デュトワ、モントリオール交響楽団(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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収録曲

ドビュッシー
海-管弦楽のための3つの交響的スケッチ 録音:1989年
牧神の午後への前奏曲 録音:1989年

ラヴェル
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲 録音:1980年
亡き王女のためのパヴァーヌ 録音:1983年
ボレロ 録音:1981年

モントリオール交響楽団 シャルル・デュイトワ(指揮)
モントリオール交響合唱団(ダフニスとクロエ)

すべて1980年代の初期デジタル録音であるから、偽レゾと言えるものであるが、SACD層は色彩感、肉厚感、Fレンジの広さが際立っており、従来のCDとはかなり印象が異なる。1980年録音の「ダフニスとクロエ」とドビュッシーの2曲はおよそ10年違うのだが、音質的にはよく揃っているように思う。ただし、やはりドビュッシーの2曲の方が音質は良い。

フランスのオーケストラ以上にフランス的な色彩感を持つと言われたデュトワとモントリオール交響楽団の芸術をとても良い状態でSACD/CDハイブリッド盤にしてくれたと思う。SACD層とCD層の音質差はそれほど大きくはないが、それでもSACD層の方がしなやかさや細やかさで勝る。


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