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2020年11月 3日 (火)

レオンカヴァッロ「道化師」~衣装をつけろ フロトウ「マルタ」~夢のように/カルーソー(電気合成吹き込みSP盤)

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エンリコ・カルーソー(Enrico Caruso, 1873年2月25日 - 1921年8月2日)は、オペラ史上では伝説的なテノールである。没年が1921年なので、来年で没後100年となる。レコード史上に於いて1904年に録音した レオンカヴァッロ「道化師」~衣装をつけろ は、史上初のミリオンセラーとなった。当時のSP盤1枚の値段はとても高価で、それでいて100万枚以上を売り上げたのだから、今の歌手が1000万枚売ったところで、実勢価格を考慮したならとてもかなうとは思えない。

1904年録音の レオンカヴァッロ「道化師」~衣装をつけろ は、ピアノ伴奏で歌われていたが、1916年録音のものは管弦楽をバックに歌われた。しかし、当時のアコースティック録音(らっぱ吹き込み)では、まともに聴こえるのは人の歌声とヴァイオリンくらいで、管弦楽はとてもみすぼらしい音質でしか記録されていないはずだ。ところが、このSP盤のバックの管弦楽はかなり豊潤な音質で1930年頃の電気録音のSP盤と比べて遜色ない。それだけではなくカルーソーの歌もかなり鮮明である。

昭和14年に発刊された「名曲決定盤」あらえびす著には、「カルーソーのレコードのうち、電気再生して、日本ビクターで売り出したのは、九枚十八面に及んでいる。これは完全にプレスされた旧吹込盤を蓄音機にかけ、伴奏だけを実演でダブらせて、電気に吹込み直しをしたものらしく、伴奏をダブらせる手加減と、その楽員の配置、マイクの距離などが、非常にむずかしいものだろうと思う。」とある。

つまり、このSP盤はカルーソーの死後1930年代になってから、カルーソーの声を再生しつつそれに合わせて管弦楽を演奏し電気録音しなおされた電気合成吹き込み盤なのだ。私は、この盤を最初に聴いた時、こんなに音質の良いカルーソーの録音が残っていたんだと半ば狂喜した。

古い時代の音源も聴くクラシック愛好家である知人は、ジーリやスキーパはわかるがカルーソーは音が古すぎてその良さが理解できないという。復刻CDだけで聴いたならさもありなんと思う。電気吹き込みの時代になればかなり音質も良くなるので復刻CDで楽しむことは出来ても、もっと古いアコースティック録音時代のものの復刻CDで上手く復刻できているものはあまりない。しかし、このSP盤を直接聴いたなら事情はかなり違ってくると思う。

なお、10年くらい前には、カルーソーの声と管弦楽をあわせてデジタル録音されたCDが発売されている。100年経つのに、このような復刻盤が出るなんて、やはりカルーソーは伝説の歌手だ。SP盤時代には、カルーソーは売れて盤が沢山残っているのでカルーソーに珍しいもの無しと言われていて特にプレミアムが付くような盤は無かったが、古いものが貴重になるこれからの時代はそういう盤も大切にしたいものだ。


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