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2022年4月 1日 (金)

ヴェルディ 歌劇「リゴレット」全曲/ショルティ、 RCAイタリア・オペラ管他 (英国RCA初出LP)

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英国初版盤のレーベル 1964年発売

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左:英国初版盤 右:米国 2版盤  下:2015年リマスターCD

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米国 第2版のレーベル 1970年代前半のプレス

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 ロバート・メリル(バリトン/リゴレット)
 アルフレード・クラウス(テノール/マントヴァ公)
 アンナ・モッフォ(ソプラノ/ジルダ)
 エツィオ・フラジェッロ(バス/スパラフチーレ)
 ロザリンド・エリアス(メゾ・ソプラノ/マッダレーナ)他
 
 RCAイタリア・オペラ管弦楽団&合唱団
 サー・ゲオルグ・ショルティ(指揮)

【録音】1963年

録音は1963年、RCAのステレオ録音の水準がとても高かった頃のもので、状態の良い米国プレスLPレコードでは、最新録音に負けないクオリティの高音質で聴けるし2015年に出たリマスターCDもかなり音質が良く、オーディオマニアにも納得して聴けるだけの音質を保っている。臨場感がとてもリアルな上、LPレコードよりも細かい音が聴けてワイドレンジである。しかし、音色が美しく厚みがあり実在感で勝る声が聴けるLPレコードを捨て去ることは無い。今までは、米国2版のLPと2015年リマスターCDを聴いていたが、英国初出のLPレコードのセットも入手してみた。好きな音源のレコードやCDをダブって持つことは何ら躊躇しない。

米RCAレーベルは、1956年まではEMIと提携していて英国ではEMIが発売していたのだが、1956年以降、新たに英DECCAと提携し英国では英DECCAから発売されるようになった。また、EMIは米国Capitolレコードを完全子会社としEMIの米国発売はCapitolレコードからになり、米国RCAとは縁を切る形となった。当時のEMIは世界的なオペラ歌手を専属契約していて、ライバルであった英DECCAや米国RCAは単独でEMIにかなわないので、相互に専属指揮者や歌手を貸し出し合ったり、一部のRCAのヨーロッパ録音をDECCAが請け負うようなバーター契約がなされていた。

この「リゴレット」において、ショルティは1950年代から英DECCAと専属契約していたのにRCAの録音に指揮しているのは以上のような理由による。DECCA専属契約アーチストのレナータ・テバルディやヘルベルト・フォン・カラヤンがRCAの音源に登場したり、RCA専属のユッシ・ビヨルリンクやフリッツ・ライナーなどがDECCAの音源に登場するのも同じ理由である。

演奏は、申し分ない。ショルティの指揮は勢いがあり、ヴェルディの音楽を過不足なく響かせとても情熱的である。ジルダ役のアンナ・モッフォは美しい声が印象的で、タイトルロールのロバート・メリルはリゴレットの苦悩をこれぞとばかりに歌いきり聴き手は感動せざるを得ない。三幕での四重唱から終幕までは、非常に感動的で聴き手の胸が締め付けられる。また、私のお気に入りのテノールの一人であるアルフレード・クラウスがマントヴァ公を歌っているが、彼の声は輝かしく格調高い。彼の残したスタジオ録音の最良のものの一つがこの録音のマントヴァ公であると思う。彼の声は「女心の歌」を聴いただけで虜になってしまう。

2015年リマスターCDはかなり良いリマスターが施されていて音質には不満はなく50年以上前の録音が素晴らしい音で残されている。しかし、古いLPレコードはFレンジが狭く音場も狭いのだが、その代わりに歌手の声が素晴らしい音色と実在感のある音質で聴けてそれがCDには無い魅力。歌声を楽しむというのであれば、初期盤のLPレコードはとても魅力的である。また、英国盤は米国盤よりも弦楽器の音が乾かずにしなやかに鳴る。米国盤の方は、1970年代のプレスのためかFレンジが広くCDの音に近い。

個人的に、この音源のSACD化あるいはハイレゾ音源の発売を願っているが、まず無理だろう。状態の良い米国初版盤をリーズナブルな値段で見つけたら、入手して聴いてみたい。


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