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2023年4月21日 (金)

狂乱の場/カラス、レッシーニョ、フィルハーモニア管(Testament Classics 180gLP)

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Side 1
ドニゼッティ:歌劇『アンナ・ボレーナ』第2幕より~
あの方は泣いているの?
私の生まれたあのお城

Side 2
トーマ:歌劇『ハムレット』第4幕より~
皆様のお楽しみに
さあ、私の花を分けて差し上げましょう
それでは、私の歌をお聴きくださいまし

ベルリーニ:歌劇『海賊』第2幕より~
ああ、目の前にかかる雲を
その無心の微笑みで

マリア・カラス(ソプラノ)、ニコラ・レッシーニョ(指揮)、フィルハーモニア管弦楽団&合唱団、他

【録音】1958年

これは、1990年代末にTestament Classicsが旧EMIの音源を借り、アビーロードスタジオでマスタリングとカッティングを行い180gのアナログLPとして発売したもの。当時はアナログLPレコードの氷河期と言える時代で、クラシックの音源で発売されるものはCDばかりでLPレコードはほとんど無い状態だった。

初期盤はFレンジが狭く音がパリっとして鮮明だが、今日、このレコードを聴くと1970~80年代のLPレコードのようにワイドレンジだが音が細い感じが無く肉厚感があってしなやかな音質で、初期盤とも通常CDとも一味違う。1950年代~1960年代の初期盤を聴くのには、再生レンジが狭くても重厚な音質の丸針で重針圧のカートリッジが良く、最近の復刻盤を聴くのには高分解能な特殊楕円針が適合する。このTestament Classicsの復刻盤も昔の丸針のSPU-Gで聴いてもあまり良さはわからない。是非とも新しい設計のカートリッジで聴きたい。

マリア・カラスが特別なオペラ歌手だというのは、ソプラノ・ドラマティコ・ダジリタという特別な声質を持っていたのと、感情移入が素晴らしいからだ。しかし、もうこの録音が行われた1958年には若干声に衰えがみられる。喉に負担のかかる歌い方だったのと、痩せたり、ストレスが多かったりなど理由は様々だ。彼女が現役だったのは1949年頃から1965年頃までで、残された録音を聴いて本当に素晴らしかったのは1957年頃位まで。だからステレオ録音のものだけを聴いてマリア・カラスを語るのは止めた方がいい。

現代ではこれらベルカント・オペラの狂乱の場をもっと美しい声で歌い上げる歌手が沢山居るので、そういう歌手の歌に慣れてしまうとマリア・カラスの声質は美しくないという感想で終わってしまいそうではある。人間の声には個性があり、普通の楽器以上に違いがわかりやすい。有名なオペラアリアを様々な歌手で聴いてその個性の違いを堪能するのも、オペラを聴く楽しみである。今年はマリア・カラス生誕100年となる。あらためてマリア・カラスを聴き込んでみたい。


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