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2023年5月 5日 (金)

ドニゼッティ 歌劇『ランメルモールのルチア』/セラフィン、カラス(モノラルとステレオの2つのセッション録音を聴き比べて)

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マリア・カラス(ソプラノ)
ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)
ティト・ゴッビ(バリトン)、他

フィレンツェ五月祭管弦楽団&合唱団
トゥリオ・セラフィン(指揮)

【録音】1953年(モノラル)
1953年の録音。マリア・カラス、ジュゼッペ・ディ・ステーファノ、ティート・ゴッビの3人が歌っている1950年代のイタリアオペラのEMI録音には、優れたものが多いが、これもその1つ。

このLPレコードは1950年代にプレスされた英国発売の初期盤だが、フラット盤ではないので初版ではない。
このフィレンツェ5月祝祭o.とのモノラル盤は、1953年から1957年頃のマリア・カラスの声が一番充実していた時に録音されたものである上に、ジュゼッペ・ディ・ステーファノやティート・ゴッビなどの他の配役の歌も6年後に録音されたステレオ盤でのタリアヴィーニやカップッチルリよりも勝っている。歌声の競演みたいな感じで聴きたい人はこちら一択で、音質以外の演奏内容ではこちらが優れる。

ステレオ盤よりも録音は古くてオーケストラの再現性は悪いのだが、初期盤のLPの音質は、Fレンジが狭いものの非常に鮮明で歌声を聴くのに何ら問題はない。

 

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マリア・カラス(ソプラノ)
フェルッチョ・タリアヴィーニ(テノール)
ピエロ・カプッチッリ(バリトン)、他

フィルハーモニア管弦楽団&合唱団
トゥリオ・セラフィン(指揮)

【録音】1959年(ステレオ)
このマリア・カラスのジャケットの顔写真は妖しい魅力があるが、音楽も同様だと思う。

このステレオ録音で聴けるカラスのルチアは大人の妖しい魅力に満ちたもので、これを聴くと1953年のモノラル録音のルチアはやや若い感じがする。ルチアの設定は少女なのでモノラル録音の方が正しいように思えるのではあるが、最大の聴きどころである第三幕の狂乱の場は、このステレオ盤では熟成された大人のルチアであり、これはこれで見事だ。

カラスの声は1957年以後は重くなってしまい、1953年のモノラル録音の全曲盤を聴くと若さと声の輝きが素晴らしく、この録音は若干劣化した感じが聴こえないわけではない。エドガルド役のタリアヴィーニも、モノラル録音のステファノと比べると分が悪いし、カップッチルリのエンリーコは若すぎて、モノラル録音のゴッビの方がどう聴いても貫禄がある。そんなわけで、総合的にはモノラル録音の方が出来が良い。ただ、この6年間の録音の進歩はかなり大きく、できる限り良い音質で聴きたいという人にはこちらの方が良いのは言うまでもない。


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