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2023年7月

2023年7月28日 (金)

マスカーニ 歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』全曲/セラフィン、スカラ座、カラス他

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サントゥッツァ:マリア・カラス(ソプラノ)
トゥリッドゥ:ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)
アルフィオ:ローランド・パネライ(バリトン)
ルチア:エベ・ティコッツィ(アルト)
ローラ:アンナ・マリア・カナリ(ソプラノ)、他

ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
トゥリオ・セラフィン(指揮)

【録音】1953年(モノラル)


マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」の全曲盤は古今に数多くの名盤がある。70年前の古い録音であるが、それでもなお、生きながらえているのは、ひとえに、マリア・カラスのサントゥッツァの素晴らしさであろう。感情移入が素晴らしい上に、随所で凄みのある歌を披露している。マリア・カラスの歌声は決して美声ではないのだが、この録音を聴いてしまうとサントゥッツァという役柄は美声でなくても良いのではないかとも思う。美しいかどうかよりも、技巧や凄み、感情移入の素晴らしさに聴きては参ってしまう。カラスだけではなく、ディ・ステーファノの歌もいいし、セラフィン/スカラ座のオーケストラも良い。

音質は、EMIの1953年のモノラル録音としてまずまず。歌手の声は全く問題がない。古いリマスターのものよりも音質は相当に改善していてアナログ録音らしい肉厚感のある音質になっているが、弦楽器の音が若干ささくれる。


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2023年7月25日 (火)

イザイ 6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ/ヒラリー・ハーン(180gアナログLP2枚組)

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イザイ:6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ

LP :1
Side A
第1番 ト短調 Op.27-1『ヨーゼフ・シゲティに献呈』

Side B
第2番 イ短調 Op.27-2『ジャック・ティボーに献呈』

LP :2
Side C
第3番 ニ短調 Op.27-3『ジョルジェ・エネスクに献呈』
第4番 ホ短調 Op.27-4『フリッツ・クライスラーに献呈』

Side D
第5番 ト長調 Op.27-5『マチュー・クリックボームに献呈』
第6番 ホ長調 Op.27-6『マヌエル・キロガに献呈』

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)

【録音】2022年

2023年7月にCDと同時発売された2枚組のLPレコード。45RPMなので通常の33RPMのLPレコードよりも線速度が速く、音質的に有利である。全ての面が17分程度までに収まっており、詰め込みすぎによる音質劣化も無い。プレスの質も良く、サーフェスノイズはほとんど無い。

ヨーロッパプレスの輸入盤CDと比べてみると、ヴァイオリンの倍音成分がLPレコードの方がリッチで、より生のヴァイオリンらしい音質で鳴ってくれる。CDそのものも優秀な音質であるので、CDだけ聴いていれば特別不満は無い。しかし、LPレコードを聴くとその思いが打ち砕かれる。

クラシック音楽は1990年代から2000年代前半頃までほとんどアナログLPレコードは発売されなかった時代が続いた。今は、メジャー・レーベルもLPレコードを併売するようになってきたが、そのクオリティは玉石混交である。盤質が良くなくてノイズが多かったり、CDと比べて音質的優位を全く感じられないものもある。そんな中で、このLPレコードはきちんとその良さがわかる。

ハード機器の方もレコードプレーヤーは新品で売られている。安いものは1万円未満のものから、高いものは1000万円を超えるものまである。私見ではあるが、安いレコードプレーヤーはとりあえずアナログ・レコードが聴けるというだけのものであって、CDをそれなりのCDプレーヤーで再生した音質には遠く及ばない。レコードプレーヤーは電子機器ではなく精密機械であるので、その性能や音質は物量や加工精度に大きく依存する。高音質なものはそれなりに高くなるのは仕方が無い。

2017年録音のユリア・フィッシャーが演奏するものとLPレコード同士で聴き比べてみた。
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こちらも2枚組で各面の曲の割り振りは同じだが、33RPMである。音質はヒラリー・ハーンのものに比べ若干劣る感じはあるが、これだけ聴いておれば充分優秀録音である。ユリア・フィッシャーの演奏のほうが暖かくよりヒューマンな感じを受ける。対してヒラリー・ハーンのはより技巧的でありやや冷たく感じる。現代の違ったタイプの女流ヴァイオリニストの演奏でイザイの無伴奏を聴き比べ出来るのは、なんと贅沢であろうか。


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2023年7月21日 (金)

イザイ:6つの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ/ヒラリー・ハーン

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第1番 ト短調 Op.27-1『ヨーゼフ・シゲティに献呈』
第2番 イ短調 Op.27-2『ジャック・ティボーに献呈』
第3番 ニ短調 Op.27-3『ジョルジェ・エネスクに献呈』
第4番 ホ短調 Op.27-4『フリッツ・クライスラーに献呈』
第5番 ト長調 Op.27-5『マチュー・クリックボームに献呈』
第6番 ホ長調 Op.27-6『マヌエル・キロガに献呈』

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)

【録音】2022年

2023年7月に発売になったヒラリー・ハーンの新譜のCD。ヒラリー・ハーンは、ウジェーヌ・イザイ最後の門下生ヤッシャ・ブロツキーに師事していたので、イザイの孫弟子という事になる。

技巧が素晴らしく切れ味がある凄みが感じられながら、情熱的な演奏である。一方でやや冷たい感じもある。現代的で21世紀の指標となるような演奏だと感じた。2017年に録音されたユリア・フィッシャーの演奏よりもテンポが早く若干演奏時間も短い。ユリア・フィッシャーの演奏は、より人肌の温かみがあり噛んで含んだような演奏である。

音質は、最新録音らしく鮮明で申し分ない。この音源はアナログLPレコードでも発売され、そちらも同時購入したので、アナログLPの音質レビューもしたいと思う。


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2023年7月18日 (火)

ベルリーニ 歌劇「清教徒」全曲/セラフィン、スカラ座 他(2CD)

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 マリア・カラス(ソプラノ)
 ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(テノール)
 ローランド・パネライ(バリトン)
 ニコラ・ロッシ=レメーニ(バス)
 アンジェロ・メルクリアーリ(テノール)
 カルロ・フォルティ(バス)
 アウローラ・カッテラーニ(ソプラノ)

 ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
 トゥリオ・セラフィン(指揮)

【録音】1953年(モノラル)

マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

この録音は、難しい役柄を素晴らしい声で歌うマリア・カラスやジュゼッペ・ディ・ステーファノの美しいテノールなど、声の魅力満載である。また、1950年代になって19世紀前半のベルカント・オペラが再び注目されるようになったのが、このセラフィン/マリア・カラスらによる録音の影響も大いに有ったのではないか、と考えている。その結果、美しい声でこのオペラの主役を歌えるソプラノ歌手は、20世紀中頃よりも今の方が多い。そんな状況でも、70年前のこの録音は現在でも輝いている。

音質は、以前のリマスターのものよりも格段に改善している。肉厚感がありカサカサ、シャキシャキしたような感じが無い。1950年代前半のモノラル録音のものとして良い復刻である。以前は状態の良いオリジナル盤が欲しいと思っていたが、このCDがあれば音質的にも充分かと納得出来るので購入に至っていない。


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2023年7月14日 (金)

ワーグナー:楽劇「神々の黄昏」/ショルティ、ウィーンフィル他(2022年リマスターSACD)

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ビルギット・ニルソン(ソプラノ:ブリュンヒルデ)
ヴォルフガング・ヴィントガッセン(テノール:ジークフリート)
グスタフ・ナイトリンガー(バス・バリトン:アルベリヒ)
ゴートローブ・フリック(バス:ハーゲン)
クレア・ワトソン(ソプラノ:グートルーネ)
ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン:グンター)
クリスタ・ルートヴィッヒ(メッゾ・ソプラノ:ヴァルトラウテ)
ルチア・ポップ(ソプラノ:ヴォークリンデ)
ギネス・ジョーンズ(ソプラノ:ウェルグンテ)
モーリーン・ガイ(メッゾ・ソプラノフロースヒルデ)
ヘレン・ワッツ(アルト:第1のノルン)
グレース・ホフマン(メッゾ・ソプラノ:第2のノルン)
アニタ・ヴェルキ(ソプラノ:第3のノルン)

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ

【録音】1964年

アナログ・マスター・テープを可能な限り修復し、一部の状態の悪いテープは55℃で10時間ベーキングするなどして数年かけ2022年に新しく24bit/192kHzのデジタル・マスターを制作した上でリマスターされ制作されたもの。2023年1月に「ラインの黄金」「ワルキューレ」が、3月に「ジークフリート」が発売され、最後に6月になって「神々の黄昏」が発売され、新リマスターの「ニーベルングの指環」4部作が完結した。

これらの録音は音質が良いだけでなく、歌手が極め付きで揃っていて歌のクオリティが高い事で、今後、再びこのような録音は現れないだろうと考えられる。そして、現代の最新録音と比べて全く遜色がない状態で復刻された事を喜びたい。

「神々の黄昏」はSACD/CD4枚組。LPレコードでは6枚に及ぶ長大な作品だが、随所に聴きどころがあり、物語や音楽は起伏に富んでいて聴きやすい。私にとっては「ジークフリート」よりも聴きやすく感じる。当時の素晴らしいワーグナー歌手を選りすぐって起用した事もあって、歌手の良さがショルティ/ウィーンフィルのニーベルングの指輪を魅力的なものにしているのは間違いない。ブリュンヒルデを歌っているビルギット・ニルソンとジークフリートを歌っているヴォルフガング・ヴィントガッッセンは特に素晴らしいと感じる。特にビルギット・ニルソンのブリュンヒルデは凄いというほか無い。録音の良さも相まって、間違いなく彼女の芸術の最高の記録の一つである。

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4部作共に発売日前に予約したので、オマケでクリアファイルを貰った。


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2023年7月11日 (火)

モーツァルト 後宮からの逃走/クリップス、ウィーン国立歌劇場(TOWER RECORDS DEFINITION SERIES SACD/CD)

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コンスタンツェ : アンネリーゼ・ローテンベルガー(ソプラノ)
ブロンデ : ルチア・ポップ(ソプラノ)
ベルモンテ : ニコライ・ゲッダ(テノール)
ペドリロ : ゲルハルト・ウンガー(テノール)
オスミン : ゴットロープ・フリック(バス)
セリム : レオポルド・ルドルフ(語り役)

ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ヨーゼフ・クリップス(指揮)

【録音】 1966年

2023年6月発売のTOWER RECORDS DEFINITION SERIES SACD/CDハイブリッド盤の1組。限定800セットで800セット中の何番かのシリアルナンバー付き。Esoteric SACD/CDハイブリッド盤と同様のハード・カバーの装丁。対訳、歌手などの写真つきの解説が付く。

この音源は、西ドイツ・エレクトローラ(西ドイツEMI)の企画で録音されたもので、英国初版盤LPレコードはSAN167/8という番号はあるのだが発売される事は無かったので、英国盤の初期盤LPレコードは存在しない。

演奏は、ウィーン子のヨゼフ・クリップスとウィーンフィルの創る音楽は軽い感じで深みに欠ける感じも若干あるが、優美でかつウィーン的な繊細な音楽に仕上がっていて、歌手もそのような魅力的な部分を醸し出している。こんな魅力的な録音が英国で発売されなかったのが不思議。「後宮からの逃走」は、「魔笛」と同じ様にドイツ語で歌われる歌芝居なので台詞が入る。何しろ、聴いていて気持ちのよい演奏である。アンネリーゼ・ローテンベルガーのコンスタンツェ、ルチア・ポップのブロンデが良いし、ニコライ・ゲッダのベルモンテも気品がある良い声だ。

音質は1966年のものとしてはかなり良く、鮮明で美しい。西ドイツプレスのLPレコードも持っているが、このSACD/CDハイブリッド盤は、音場の広さや低域の再現性で勝り、とても良い復刻である。


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2023年7月 7日 (金)

モーツァルト アリア集/モーザー、サヴァリッシュ、ハーガー、バイエルン国立歌劇場(西ドイツEMI LPレコード)

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Side1
歌劇『魔笛』より 地獄の復讐がこの胸にたぎる*
歌劇『魔笛』より 慄えないで、私のかわいい息子よ*
コンサート・アリア  テッサリアの人々よ…永遠なる神よ、われは求めず K.316**

Side2
歌劇『ドン・ジョヴァンニ』より 酷いですって?…おっしゃらないで、あたくしの素晴らしい憧れのお方**
コンサート・アリア  岸辺近く願いぬ K.368**
歌劇『後宮からの誘拐』より どんな拷問が待っていようと**

エッダ・モーザー(ソプラノ)
バイエルン国立歌劇場
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)*
レオポルト・ハーガー(指揮)**

【録音】1972年頃

このLPレコードに収録されている「魔笛」の2つの夜の女王のアリアは、先に紹介したサヴァリッシュの「魔笛」全曲盤と同じである。また、CDの時代になってからは曲が増え、エバハルト・シェーナーが指揮した「劇場支配人」からの2曲を含んでいる。

このLPレコードは1970年代半ばまでに発売された西ドイツ盤で、おそらく初出盤。非常に音質が良い。エッダ・モーザーの素晴らしい声が聴ける。


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2023年7月 4日 (火)

モーツァルト 歌劇「魔笛」全曲/サヴァリッシュ、バイエルン国立歌劇場(TOWER RECORDS DEFINITION SERIES SACD/CD)

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ザラストロ : クルト・モル(バス)
タミーノ : ペーター・シュライアー(テノール)
夜の女王 : エッダ・モーザー(ソプラノ)
パミーナ : アンネリーゼ・ローテンベルガー(ソプラノ)
パパゲーノ : ヴァルター・ベリー(バリトン)
パパゲーナ : オリヴェラ・ミリャコヴィッチ(ソプラノ)
弁者 : テオ・アダム(バス)
第1の侍女 : レオノーレ・キルシュシュタイン(ソプラノ)
第2の侍女 : イルゼ・グラマツキ(メゾ・ソプラノ)
第3の侍女 : ブリギッテ・ファスベンダー(コントラルト)
モノスタトス : ヴィリー・ブロクマイアー(テノール)
第1の武者 : ヴィルフリート・バドレク(テノール)
第2の武者 : ギュンター・ヴェヴェル(バス)
第1の童子 : ヴァルター・ガンペルト(テルツ少年合唱団員)
第2の童子 : ペーター・ヒンターライター(テルツ少年合唱団員)
第3の童子 : アンドレアス・シュタイン(テルツ少年合唱団員)

バイエルン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:ヴォルフガング・バウムガルトュ)
バイエルン国立歌劇場管弦楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)

【録音】1972年

2023年6月発売のTOWER RECORDS DEFINITION SERIES SACD/CDハイブリッド盤の1組。限定800セットで800セット中の何番かのシリアルナンバー付き。Esoteric SACD/CDハイブリッド盤と同様のハード・カバーの装丁。対訳、歌手などの写真つきの解説が付く。

TOWER RECORDS DEFINITION SERIESは、オペラは欠かさず購入している。 この魔笛は当時の西ドイツ・エレクトローラ(ドイツEMI)が企画して録音され、発売されたものなので、LPレコードは西ドイツ盤がオリジナルである。当時のドイツで活躍する最高峰の歌手を集めて録音されたものに相応しい名録音、名演奏だと思う。個人的には、夜の女王のエッダ・モーザーは、ダイナミックで怖くなるくらいの歌唱で特筆すべきだと感じている。彼女の全盛期は短かったが、一番声の状態が良かった頃の素晴らしい記録である。また。クレンペラー盤でもパパゲーノを歌っていたワルター・ベリーの歌唱をこの録音とクレンペラー盤とで聴き比べるのも楽しい。タミーノ役のペーター・シュライヤー、パミーナ役のアンネリーゼ・ローテンベルガーも良い。ヴォルフガング・サヴアリッシュ/バイエルン国立歌劇場はドイツ的で厳格でありながら整然とした表現で聴かせる。

音質はとても良い。英国チームが録音したものよりも細部が聴こえやすく、音楽のファンダメンタル部分がしっかりしている。数ある「魔笛」の録音の中でも歌手が揃った名録音だと思う。


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