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2023年8月

2023年8月29日 (火)

スカラ座のマリア・カラス/カラス、セラフィン、スカラ座

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ヴィンチェンゾ・ベルリーニ 歌劇≪夢遊病の女≫ より
1.親しいお友達の皆さん…何と平和で静かな日でしょう 第1幕
2.おお!若し私がただ一度でも…ああ、私はお前がそのように早く萎れるのを見ようとは思わなかった… ああ!今私を満たしている歓びは 第2幕

ルイージ・ケルビーニ 歌劇≪メデア≫ より
3.あなたの子供たちの母親は~第1幕

ガスパーレ・スポンティーニ 歌劇≪ヴェスタの巫女≫ より
4.無慈悲な女神よ 第2幕
5.ああ、不幸な人々を守護する女神 第2幕より
6.いとしいお方 第3幕より

マリア・カラス (ソプラノ)
トゥリオ・セラフィン (指揮) ミラノ・スカラ座管弦楽団

【録音】1955年(モノラル)

これまで、長く埋もれて上演されることが殆どなかった19世紀前半のオペラばかりであるが、マリア・カラスが再び脚光を浴びるように復活させたものもある。マリア・カラスの声は決して美声ではない。ではなぜ凄いのか。それは、コロラチューラ・ソプラノと言われる俊敏で繊細さが要求される声質と、ドラマティコ・ソプラノと言われる重量感があって力強い声質を併せ持っていた類稀な歌手で、なおかつ感情移入が素晴らしかったから。これはそれがよくわかるCDである。そして、イタリア随一の歌劇場であるスカラ座で、当時マリア・カラスがいかに絶賛されていたかを示すような彼女の全盛期のアルバムである。トゥリオ・セラフィン (指揮) ミラノ・スカラ座管弦楽団のバックも良い。

音質は、EMIの1950年代半ばのモノラル録音の復刻CDとして標準的。オーケストラの質感や音質には不満が残るが、声は聴きやすい。


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2023年8月25日 (金)

プッチーニ オペラアリア集/カラス、セラフィン、フィルハーモニア管

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歌劇『マノン・レスコー』第2幕~ この柔らかなレースの中で
歌劇『マノン・レスコー』第4幕~ ひとり寂しくすてられて
歌劇『蝶々夫人』第2幕~ ある晴れた日に
歌劇『蝶々夫人』第3幕~ かわいい坊や(蝶々さんの死)
歌劇『ボエーム』第1幕~ わたしの名はミミ
歌劇『ボエーム』第3幕~ さようなら、あなたの愛の呼ぶ声に(ミミの別れ)
歌劇『修道女アンジェリカ』~ 母もなしに
歌劇『ジャンニ・スキッキ』~ お父さまにお願い
歌劇『トゥーランドット』第1幕~ おきき下さい、王子様
歌劇『トゥーランドット』第2幕~ この宮殿の中で
歌劇『トゥーランドット』第3幕~ 氷のような姫君の心も

マリア・カラス(ソプラノ)
トゥリオ・セラフィン(指揮) フィルハーモニア管弦楽団
 
【録音】1954年(モノラル)
マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

これは、マリア・カラス全盛期のリサイタル・セッション録音のもの。マリア・カラスの凄さは『ジャンニ・スキッキ』~ お父さまにお願い(私のお父さん)のようなリリック・ソプラノが歌うものから『トゥーランドット』第2幕~ この宮殿の中で のようなドラマチック・ソプラノが歌うものまで全く過不足無く素晴らしい歌唱を披露している事だ。しかも感情移入が素晴らしい。

1954年8月~9月は、『運命の力』、『イタリアのトルコ人』、『プッチーニアリア集』、『リリック&コロラトゥーラ・アリア集』と録音が立て続けに行われていたが、イタリアで録音された『運命の力』、『イタリアのトルコ人』よりも、イギリス録音の『プッチーニアリア集』、『リリック&コロラトゥーラ・アリア集』の方が音質が良い。この音源は、Testament Classicsが発売した180g復刻重量盤LPも持っているが、我が家ではこのLPレコードの方が聴きやすく好ましく感じる。


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2023年8月22日 (火)

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 エーベルレ、ラトル、ロンドン交響楽団(SACD/CD)

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 ベートーヴェン
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61(カデンツァ:イェルク・ヴィトマン)
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 WoO 5~アレグロ・コン・ブリオ(断片)

ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「ドラゴネッティ」(1700年製))

サー・サイモン・ラトル(指揮)ロンドン交響楽団

【録音】2022年

ヴェロニカ・エーベルレという女流ヴァイオリニストによるベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲であるが、テクニックは素晴らしいし、ラトル/LSOの素晴らしいバックにも支えられ、良い演奏である。日本音楽財団から貸与されているストラッドの響きも鮮明で美しい。

この演奏は、カデンツァが個性的である。どのようなカデンツァを採用するかは独奏者の専権事項である。このイェルク・ヴィトマンの作曲したカデンツァは、超絶技巧の独奏ヴァイオリンにティンパニやコントラバスが加わったもので、非常に聴きごたえがある。カデンツァのモチーフはヴァイオリン協奏曲からとられているので違和感は無いが、現代音楽とベートーヴェンの音楽が上手く融合していると感じた。ヨアヒムやクライスラーの聴き慣れた優美なカデンツァも良いけれど、カデンツァは自由であるべきだ。そして、この演奏は新作のカデンツァによって魅力が倍加しているように思えるのである。これは、普通とは違うカデンツァを採用した名演奏である。

この演奏が気に入るかどうかはカデンツァを気に入るかどうかにかかっている。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァは、多くはヨーゼフ・ヨアヒム、フリッツ・クライスラー、レオポルト・アウアーのものが用いられ演奏されている。それ以外のものだとミルシテインは自作、クレーメルはシュニトケが作曲したものを採用した録音があるし、ピアノ版にベートーヴェンが作曲したものを編曲したものを採用したものもある。そういう演奏を聴いてきた方こそ、是非ともこの演奏を聴いて欲しい。

音質はとても良い。SACD層はDSD256録音の良さが発揮され滑らかでスムーズに高域が伸び、音場も広い。SACDというフォーマットが最大限活かせるのはDSD録音であるというのがわかる。


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2023年8月18日 (金)

ロッシーニ 歌劇『イタリアのトルコ人』全曲/ガヴァッツェーニ、スカラ座、カラス他

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フィオリッラ : マリア・カラス(ソプラノ)
セリム : ニコラ・ロッシ=レメーニ(バス)
ドン・ナルチーゾ : ニコライ・ゲッダ(テノール)
ドン・ジェローニオ : フランコ・カラブレーゼ(バス)
ザイーダ : ヨランダ・ガルディーノ(メゾ・ソプラノ)
アルバザール : ピエロ・デ・パルマ(テノール)
詩人 : マリアーノ・スタービレ(バリトン)

ミラノ・スカラ座合唱団&管弦楽団
指揮:ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ

【録音】1954年(モノラル)

マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。 これが録音された頃は、先に紹介した『運命の力』、『イタリアのトルコ人』(本盤)、『プッチーニアリア集』、『リリック&コロラトゥーラ・アリア集』と録音が立て続けに行われていて、まさにマリア・カラス絶頂期の記録の1つである。

『イタリアのトルコ人』は、現代ではロッシーニの主要なオペラ作品という位置づけであり、『セビリャの理髪師』や『アルジェのイタリア女』と共に聴いていて楽しいものであるが、初演当時からずっとこのオペラは評価が低かった。このオペラが見直された理由の1つがこの録音であり、当時マリア・カラスが実演でも歌った事が大きい。

この録音では、歌を聴くという側面で言えば、音質の貧しさはあまり気にならない。マリア・カラスのフィオリッラだけではなく、他の歌手も良くロッシ=レメーニやニコライ・ゲッダなどの男声陣も良い。

ただし、目下のところ『イタリアのトルコ人』の愛聴盤は、シャイー/スカラ座の、フィオリッラをチェチーリア・バルトリが歌っている1997年録音のDECCA盤である。


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2023年8月15日 (火)

ヴェルディ 歌劇『運命の力』/セラフィン、スカラ座、カラス

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レオノーラ マリア・カラス (ソプラノ)
ドン・アルヴァーロ リチャード・タッカー (テノール)
ドン・カルロ カルロ・タリアブーエ (バリトン)
プレツィオジッラ エレーナ・ニコライ (メゾ・ソプラノ)
グァルディアーノ神父 ニコラ・ロッシ=レメーニ (バス)
メリトーネ レナート・カペッキ (バリトン) 他

ミラノ・スカラ座合唱団 ミラノ・スカラ座管弦楽団
トゥリオ・セラフィン (指揮)

【録音】 1954年(モノラル)

マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。今年はマリア・カラス生誕100周年であるので、誕生日までには何とかこの全集を一通り聴いてみるつもりだ。

マリア・カラスはコロラチューラからドラマティコまで幅広い役を歌えたが、このオペラのレオノーラはリリコ・スピントの声質のソプラノが適当である。若干劇性に富みすぎている感じはするが、歌唱は流石。セラフィン/スカラ座も引き締まった表現で、最後まで盛り上げる。タッカーをはじめ、カラス以外の歌手も好演している。

ただし、同時代に録音されたDECCAのモリナーリ=プラデッリ盤の方が明らかに音質がよく、テバルディ、デル=モナコらの歌も良く、カラス/セラフィン盤はモリナーリ=プラデッリ盤ほど頻繁に聴くことは無い。


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2023年8月11日 (金)

モーツァルト クラリネット協奏曲他/フレスト、ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団 他(SACD/CD)

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モーツァルト:
(1)クラリネット協奏曲イ長調 
(2)ピアノ、クラリネットとヴィオラのための三重奏曲 変ホ長調 K.498『ケーゲルシュタット・トリオ』
(3)クラリネットと弦楽四重奏のためのアレグロ 変ロ長調K.Anh.91(516c)

マルティン・フレスト((1)バセット・クラリネット&指揮、(2)(3)クラリネット)
(1)ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団
(2)レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ)、アントワーヌ・タムスティ(ヴィオラ)
(3)ジャニーヌ・ヤンセン、(ヴァイオリン)、ボリス・ブロフツィン(ヴァイオリン)
マクシム・リサノフ[ マキシム・リザノフ](ヴィオラ)、トルレイフ・テデーン(チェロ)

【録音】
(1)2010年 (2)2012年 (3)2013年

快活でふくよかなバセット・クラリネットが特徴的なクラリネット協奏曲は、吹き振りであるがオーケストラのアンサンブルも良い。『ケーゲルシュタット・トリオ』とクラリネットと弦楽四重奏のためのアレグロ は、他の奏者の演奏も良く、やはり快活で精緻に富んだ現代的ないい演奏。

SACD層は、北欧のレーベルらしい透明感ある鮮明な音質である。録音は10年以上前のもので発売からも10年が経つものだが、いささかも色褪せていない。


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2023年8月 8日 (火)

レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』全曲/セラフィン、スカラ座、カラス他

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カニオ:ジュゼッペ・ディ・ステーファノ
ネッダ:マリア・カラス
トニオ:ティト・ゴッビ
ベッペ:ニコラ・モンティ
シルヴィオ:ロランド・パネライ

トゥリオ・セラフィン(指揮)ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団

【録音】1954年(モノラル)

 マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

マスカーニ『カヴァレリア・ルスティカーナ』とほぼ同時期に録音されたマリア・カラスの録音。『カヴァレリア・ルスティカーナ』はキャストがハマって、サントゥッツァ役のマリア・カラスも良く全体的にとても良い記録だと思うが、こちらはジュゼッペ・ディ・ステーファノのカニオが、マリオ・デル=モナコの録音を聴いてしまうと不満が残る。マリア・カラスのネッダは感情移入は良いのだが、もう少し美しい声であったらとも感じる。セラフィンの統率は見事でスカラ座のオーケストラは良い。

音質は、声の肉厚感がアナログ・レコードに近い雰囲気で鳴ってくれるので以前のCDと比べてかなり不満が解消されている。


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2023年8月 4日 (金)

エクリプス/ヒラリー・ハーン(180g重量盤LP2枚組)

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ヒラリー・ハーンの「6つのイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」のLPレコードの音質が思いの外良かったので、まだ市場在庫のある「エクリプス」のLPレコードも入手してみた。CDとは収録曲は同じだが、曲順が異なる。33RPMである。レコードのラベルがSIDE Aがシルエットの写真で、SIDE Bが曲目表記というように、洒落ている。

LP1 SIDE A
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章 第2楽章

LP1 SIDE B
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 第3楽章
3. サラサーテ:カルメン幻想曲

LP2 SIDE A
ヒナステラ:ヴァイオリン協奏曲 第1楽章

LP2 SIDE B
ヒナステラ:ヴァイオリン協奏曲 第2楽章 第3楽章

ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
フランクフルト放送交響楽団
指揮:アンドレス・オロスコ=エストラーダ

【録音】2021年

CDと曲順が異なるのは片面に入れられる曲の長さによるものだろう。LP2 SIDE Bが一番長く収録されていて25分ほどであるが、それ以外の面は20分以内に収まっている。我が家では音質はCDよりもLPレコードの方が良い。ヴァイオリンがよりヴァイオリンらしく鳴る。CDだと素っ気ない感じがしてしまうのだが、LPレコードだとそうではない。また、プレスも良くノイズは少ない。

ヒナステラの協奏曲の良さがCDで聴くよりもよりわかり易いようにも聴こえた。

付属のリブレットが大きく、以下の写真のように見開き内側の写真とともに、大きいがゆえに見栄えのするものになっている。

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2023年8月 1日 (火)

ヴェルディ:歌劇『椿姫』全曲/サンティーニ、トリノRAI交響楽団、カラス他

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マリア・カラス(ヴィオレッタ)
フランチェスコ・アルバネーゼ(アルフレード)
ウーゴ・サヴァレーゼ(ジェルモン)
エーデ・マリエッティ・ガンドルフォ(フローラ)
アルベルト・アルベルティーニ(ドゥフォール男爵)
イネス・マリエッティ(アンニーナ)
マリアーノ・カルーゾ(ガストーネ子爵)、他

チェトラ合唱団
トリノRAI交響楽団
ガブリエーレ・サンティーニ(指揮)

【録音】1953年(モノラル)

マリア・カラスの残したスタジオ・セッション録音による『椿姫』の全曲盤。声の実在感や肉厚感があってリマスター前の音源と比較すると格段に音質が良くなっている。若干オーケストラの弦楽器にみすぼらしい部分はあるが、70年前の録音だというのを考えると充分に及第点であるし、他の歌手たちの歌も水準以上であり、マリア・カラスの遺産として充分に価値がある。今まで不当に扱われた音源だと思う。

マリア・カラスの『椿姫』は、ライヴ音源は何種類かあり、その中でジュリーニの指揮での1955年のスカラ座ライブは有名で、そちらの方が歌唱は良い。演奏にライヴの良さを感じる。ただし、音質はみすぼらしい。演奏をとるか音質をとるかでこの両者の評価は変わる。


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