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2023年8月22日 (火)

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 エーベルレ、ラトル、ロンドン交響楽団(SACD/CD)

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 ベートーヴェン
ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61(カデンツァ:イェルク・ヴィトマン)
ヴァイオリン協奏曲 ハ長調 WoO 5~アレグロ・コン・ブリオ(断片)

ヴェロニカ・エーベルレ(ヴァイオリン/ストラディヴァリウス「ドラゴネッティ」(1700年製))

サー・サイモン・ラトル(指揮)ロンドン交響楽団

【録音】2022年

ヴェロニカ・エーベルレという女流ヴァイオリニストによるベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲であるが、テクニックは素晴らしいし、ラトル/LSOの素晴らしいバックにも支えられ、良い演奏である。日本音楽財団から貸与されているストラッドの響きも鮮明で美しい。

この演奏は、カデンツァが個性的である。どのようなカデンツァを採用するかは独奏者の専権事項である。このイェルク・ヴィトマンの作曲したカデンツァは、超絶技巧の独奏ヴァイオリンにティンパニやコントラバスが加わったもので、非常に聴きごたえがある。カデンツァのモチーフはヴァイオリン協奏曲からとられているので違和感は無いが、現代音楽とベートーヴェンの音楽が上手く融合していると感じた。ヨアヒムやクライスラーの聴き慣れた優美なカデンツァも良いけれど、カデンツァは自由であるべきだ。そして、この演奏は新作のカデンツァによって魅力が倍加しているように思えるのである。これは、普通とは違うカデンツァを採用した名演奏である。

この演奏が気に入るかどうかはカデンツァを気に入るかどうかにかかっている。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲のカデンツァは、多くはヨーゼフ・ヨアヒム、フリッツ・クライスラー、レオポルト・アウアーのものが用いられ演奏されている。それ以外のものだとミルシテインは自作、クレーメルはシュニトケが作曲したものを採用した録音があるし、ピアノ版にベートーヴェンが作曲したものを編曲したものを採用したものもある。そういう演奏を聴いてきた方こそ、是非ともこの演奏を聴いて欲しい。

音質はとても良い。SACD層はDSD256録音の良さが発揮され滑らかでスムーズに高域が伸び、音場も広い。SACDというフォーマットが最大限活かせるのはDSD録音であるというのがわかる。


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