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2023年9月

2023年9月29日 (金)

チャイコフスキー 交響曲第4番他/小沢、パリ管(Esoteric SACD/CD)

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Disc 1
チャイコフスキー 交響曲第4番
【録音】1970年

Disc 2
ストラヴィンスキー バレエ音楽《火の鳥》(1910年原典版)
【録音】1972年

小澤征爾(指揮)パリ管弦楽団

2023年9月発売のEsoteric SACD/CDの1組。旧EMIの1970年代のアナログ録音だが、すこぶる音質は良く、今回発売された中で一番気に入ったのがこのセットである。いずれの曲もフランスのオーケストラらしい色彩感と小沢らしい精妙な感じと情熱がミックスされた名演奏である。

SACDは、昔のクラシック音楽のアナログ録音と相性がいい。通常CDではなかなかここまで高音質で復刻できないと思う。アナログ録音は経年により劣化していく。だから1950年代のモノラル録音の音源だとSACD化しても充分な恩恵にあずかれないものも多いが1970年代のものはマスターが状態良く残されているものが多いので、びっくりするほど高音質のものがある。この音源もその1つだと思う。


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2023年9月26日 (火)

ショパン バラード、舟歌、幻想曲/ツィンマーマン(Esoteric SACD/CD)

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フレデリック・ショパン

バラード全4曲
舟歌
幻想曲

クリスチャン・ツィマーマン(ピアノ)

【録音】1987年

 2023年9月発売のEsoteric SACD/CDの1枚。

クリスチャン・ツィマーマンはポーランド出身のピアニストで、ショパンコンクール優勝者であるがためにショパンが得意なイメージがあるが、このCDはそのイメージ通りの名演奏である。美しく透明感があり巧みであり、模範的。

クリスチャン・ツィマーマンが30歳の時の録音。デジタル初期の録音であるが、SACD化されて肉厚感が感じられ、きめが細かい音質で、ピアノのタッチや音楽の表情がよりわかり易い音質になった。リマスターは成功している。EsotericのSACDは、デジタル初期の時代の音源が多い。そして、44.1K/16bitの録音のものであっても、最新の技術を用いてリマスターすればより良い音質になるのを実感出来るものが多い。


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2023年9月22日 (金)

マーラー 交響曲 第4番/ショルティ、コンセルトヘボウo.(Esoteric SACD/CD)

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マーラー 交響曲 第4番

シルヴィア・スタールマン(ソプラノ)
ゲオルグ・ショルティ(指揮)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
スティーヴン・スターリク(ヴァイオリン独奏)

【録音】1961年

2023年9月発売のEsoteric SACD/CDの1枚。ショルティが指揮したマーラーの第4番には、ソカゴ交響楽団 テ・カナワ(ソプラノ)との1983年デジタル録音のものもあるが、こちらは60年以上前のステレオ初期の録音。DECCAの黄金期であるということもあって、音質はかなり良い。弦楽器のしなやかさやふくよかさ等はアナログ録音らしい良さが十分に感じられ、なかなか良いリマスターである。

ショルティ/コンセルトヘボウ交響楽団は、大げさすぎず、マーラーの交響曲の中で一番短く美しい交響曲をしなやかに奏でている。スタールマンの歌い方も清楚で良い。後年のシカゴ響との録音も音質はかなり良いが、スケールが大きすぎな感じがある。このコンセルトヘボウ盤の方はそういった感じがなく、ワーグナーのような大編成の音楽をスケール大きく鳴らすというショルティのイメージとはかなり異なっている。むしろ、ショルティが振ったモーツァルトのオペラと同質のしなやかさやハーモニーが感じられ、ショルティという指揮者の別の一面を感じ取れるディスクである。


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2023年9月19日 (火)

メンデルスゾーン 交響曲第4番 /サヴァール、ル・コンセール・デ・ナシオン(SACD/CD)

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メンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op.90 ≪イタリア≫
1-4 最終稿(1834年)
5-8 初稿(1833年)

ジョルディ・サヴァール(指揮)
ル・コンセール・デ・ナシオン〈リナ・トゥール・ボネ(コンサートミストレス)〉

【録音】2022年

ジョルディ・サヴァールの専用レーベルといえるALIA VOXは、今から25年前、ホアン、カバニリェス(1644-1712)バターリャ、ティエントとパサカーリェ ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXX CD番号:AV9801の発売から始まった。

17~18世紀の音楽を古楽器で演奏するスタイルで、オーケストラ物としてはエスペリオンXXやル・コンセール・デ・ナシオンを指揮したもの、室内楽ではサヴァール自らがヴィオールを演奏したものが中心で、サヴァール夫人で2011年に亡くなったモンセラート・フィゲラス(ソプラノ)の歌う声楽曲などもある。

これらのCDやSACDは例外なく鮮明で高音質であり、同じ時代のメジャーレーベルのCDやSACDの音質を凌ぐものがほとんどである。さらに、サヴァールは自らが演奏した旧Astreeレーベルから発売されていた古い音源の出版権利を買い取ってリマスターし直し、「heritage」シリーズとしてSACD/CDを発売している。

また、ALIA VOXのCD、SACDは装丁も良い。紙製のデジパックでぶ厚いカラー刷りのリブレットが付属し、まるでダウンロードやストリーミングサービスに対してディスクの利点を強調し、時代の流れに逆らっているようにも感じる。今回購入したこのメンデルスゾーンのSACD/CDハイブリッド盤にはALIA VOX25周年のステッカーが貼られていた。

このメンデルスゾーン:交響曲第4番 イ長調 op.90 ≪イタリア≫であるが、最終稿と初稿が続けて聴くことができ、その違いが良く分かるようになっている。19世紀の半ば頃まではオーケストラは古楽器で演奏されていて、今とほぼ同じモダン楽器のオーケストラとなったのは19世紀末になってからである。つまり、作曲者が想定し作曲者が生きていた時のオーケストラの響きは本盤の古楽器のオーケストラの方が近いはず。そういう意識を持ってこのディスクを聴いた。

最終稿と初稿はどちらかが決定稿になるとは思われない。どちらもその良さがある。軽快なリズム感、明るい音色、打楽器の活躍などはサヴァール、ル・コンセール・デ・ナシオンらしい演奏だと思うし、私はこの演奏には好意的に感じた。

また、SACD層を聴いた限りでは音質の良さに関しても全く裏切られることは無かった。ベートーヴェンの交響曲全集やシューベルトと同質のハイクオリティな音質である。


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2023年9月15日 (金)

プッチーニ 歌劇『ラ・ボエーム』全曲/ヴォットー、スカラ座、カラス他

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マリア・カラス(ミミ)
ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(ロドルフォ)
ローランド・パネライ(マルチェッロ)
マヌエル・スパタフォーラ(シュナウド)
ニコラ・ザッカーリア(コッリーネ)
アンナ・モッフォ(ムゼッタ)
カルロ・バディオーリ(ベノワ&アルチンドーロ)
フランコ・リッチャルディ(パルピニョール) 他

ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
アントニノ・ヴォットー(指揮)

【録音】1956年(モノラル)

マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

マリア・カラスのミミは、綺麗な声というわけではないが、最期のロドルフォとの二重唱などは感動する。身につまされるほどの迫真の感情移入で迫ってくる。『イル・トロヴァトーレ』とは異なり、ジュゼッペ・ディ・ステーファノの声質はロドルフォには適していて不満は無い。他の配役の歌唱も良く、若きアンナ・モッフォのムゼッタは美しい声で良いし、マリア・カラスとは全く異なる声なので音声だけで聴くオペラには都合が良い。

音質は、ステレオ録音のように左右に広がらないだけで、歌声を聴くにはほとんど不満は無い。モノラル録音の末期でありモノラル録音としては良い。

ビーチャム/RCAビクター響の『ラ・ボエーム』も1956年に録音されている。ロドルフォ役のビョールリンクはディ・ステーファノよりも知的で素晴らしく、ロス・アンヘルスのミミは可憐で哀切を伴っている。1950年代は良い歌手が数多く存在した黄金時代だった。


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2023年9月12日 (火)

ヴェルディ:歌劇『イル・トロヴァトーレ』全曲/カラヤン、スカラ座、カラス他

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マリア・カラス(レオノーラ)
ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(マンリーコ)
ロランド・パネライ(ルーナ伯爵)
フェードラ・バルビエリ(アズチェーナ)
ニコラ・ザッカリア(フェランド) 他

ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

【録音】1956年(モノラル)

マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

カラヤンの1回目の録音である『イル・トロヴァトーレ』であり、マリア・カラスがレオノーラを歌っている事で、これからも聴き続けられる録音だと思う。この時代までのオペラ指揮者というのは、歌手の伴奏に徹していて、若干手綱が緩めの場合が多いが、カラヤンはそうではなく全体を引き締め、隅々まで気を配った推進力のある指揮でなかなか良い。

主役級の歌手も素晴らしい歌を披露しているが、マリア・カラスは、レオノーラの苦悩を歌唱に込めて歌っていて、聴いていて感動する。だからこそ、ディ・ステーファノのマンリーコが能天気な感じで歌われるのに違和感を感じる。だから、私的には、1950年代のスタジオ録音における『イル・トロヴァトーレ』の最良の盤になれない。マンリーコがビョールリンクだったなら、デル=モナコだったならまた違っただろう。

音質は、1955年までのスカラ座のEMI録音よりは明らかに改善されている。モノラル録音の末期になって明らかに音が良くなっており聴きやすい。


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2023年9月 8日 (金)

ショスタコーヴィッチ ヴァイオリン協奏曲/ツィンマーマン、ギルバート、NDRエルプ響(SACD/CD)

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ショスタコーヴィチ:
(1)ヴァイオリン協奏曲第1 番 イ短調 Op.77
(2)ヴァイオリン協奏曲第2 番 嬰ハ短調 Op.129

フランク・ペーター・ツィンマーマン
(ヴァイオリン:ストラディヴァリウス製作 (1) 1711年製“Lady Inchiquin"、(2)1713年製“ex Rodewalt"使用)


北ドイツ放送エルプフィルハーモニー交響楽団、アラン・ギルバート(指揮)

【録音】第1番 2012年  第2番 2015年 (ライヴ録音)

第1番のソロ部分は、通常演奏されるオイストラフ版ではなく、初稿の際に作曲者によって記載された、速度標示及びボーイング指示を基にツィンマーマンが演奏している。これによって、オイストラフの演奏にある切迫した恐怖感があまり感じられないのだと思う。第1番は1947年から1948年にかけて作曲され、紆余曲折あって1955年に発表されたもの。第2番は1967年の作品。

第1番、第2番ともに流麗な技巧が駆使された演奏で、現代の模範となる録音だろう。使用ヴァイオリンは第1番と第2番で異なっているが、いずれもストラディヴァリウス。その音色が映えて美しい。オイストラフの粘っこさを標準にするとスッキリしすぎと感じるかもしれないが、ツィンマーマンの演奏は21世紀の演奏として王道を行くものだと思う。

SACD層の音質はとても良い。ライヴ録音の不利を感じさせない。爽快な空気感を感じさせるような録音である。


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2023年9月 5日 (火)

ヴェルディ 歌劇『アイーダ』/セラフィン、スカラ座、カラス他

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マリア・カラス(アイーダ)
リチャード・タッカー(ラダメス)
フェドーラ・バルビエリ(アムネリス)
ティート・ゴッビ(アモナズロ)
ジュゼッペ・モデスティ(ランフィス)
ニコラ・ザッカリア(エジプト王)
エルヴィラ・ガラッシ(巫女の長)
フランコ・リッチャルディ(使者)

トゥリオ・セラフィン(指揮)ミラノ・スカラ座合唱団&管弦楽団

【録音】1955年(モノラル)

マリア・カラスの『アイーダ』には、ライブ録音も残されているが、これは1955年のスタジオ録音。RCAやDECCAは1954年からステレオ録音を開始していたが、EMIはステレオ録音の開始が遅く、マリア・カラスの全盛期のものはモノラル録音しか無い。

この『アイーダ』のタイトルロールを歌うマリア・カラスは素晴らしい。感情移入、素晴らしいテクニック、表現力、申し分ない。ただし、美声ではないから、清楚なアイーダを求めるなら別のものを聴いた方がいい。相方のタッカーが歌うラダメスは歌い方が好きではない。ゴッビのアモナズロは、狡猾で悪役的な歌い方が良い。バルビエリのアムネリスも良い。セラフィンの統率するスカラ座の管弦楽はとても良いけれど、録音でかなり損をしている。

『アイーダ』全曲盤の愛聴盤はムーティ/ニュー・フィルハーモニア管のEMI盤。これは録音が物凄く良くて、キャストに穴が無く、ムーティの統率も素晴らしい。


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2023年9月 1日 (金)

プッチーニ:歌劇『蝶々夫人』全曲/カラヤン、スカラ座、カラス他

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マリア・カラス(蝶々さん)
ニコライ・ゲッダ(ピンカートン)
マリオ・ボリエルロ(シャープレス)
ルチア・ダニエリ(スズキ)他

ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

【録音】1955年(モノラル)

 マリア・カラス/スタジオ録音リマスター・エディション全集(69CD)からの1組。紙ジャケ仕様で、外国語ではあるが写真入りの解説書も付属する。

この蝶々さんを歌うマリア・カラスは感情移入が素晴らしいし、相方のピンカートン役のニコライ・ゲッダら他の歌手も良い。カラヤンはスカラ座を引き締めながら流麗にドライブしていて気持ちが良い演奏。

ただ、私的には15歳の蝶々さんはもうちょっと可愛くて可憐であって欲しい。なので、モノラル以前の録音であれば、トティ・ダル=モンテの方が可愛らしくて好ましく感じるし、カラヤンならば1970年代にDECCAに録音されたミレッラ・フレーニ/ルチアーノ・パヴァロッティのコンビの方が良いと思う。そして、一番良く聴く『蝶々夫人』全曲は、レナータ・スコットが蝶々さんを歌ったバルビローリ/ローマ歌劇場の1960年代後半の録音のものが叙情的で大好きだ。

音質は、1950年代中頃のEMIモノラル録音としては標準的。声は不満は少ないがオーケストラの再現には不満が残る。


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