高音質復刻専門のレーベルであるMobile Fidelityから2023年夏に発売になったイーグルス ホテル・カリフォルニアの45回転2枚組アルバムボックスを入手し、その音質に驚愕したので、それ以外のイーグルスのアルバムも購入しようと思いたち、最近になって6タイトル全てが集まった。その一部は若干円高になったときにアメリカのレコード屋から他のレコードとまとめて取り寄せたもの。日本で買うよりはそれなりに安く入手できた。
ファースト

LP 1
[Side1]
Take It Easy
Witchy Woman
[Side2]
Chug All Night
Most of Us Are Sad
Nightingale
LP 2
[Side3]
Train Leaves Here This Morning
Take the Devil
[Side4]
Earlybird
Peaceful Easy Feeling
Tryin'
【オリジナル・リリース】1972年
グレン・フライ(g)、ドン・ヘンリー(ds)、バーニー・レドン(g)、ランディ・マイズナー(b)の4人のオリジナルメンバーで構成された初期のアルバムは、アメリカのカントリーぽい感じのするもの。それは、Earlybirdという曲でバンジョーをかき鳴らすようなバーニー・レドンのサウンドの存在が大きく、後に加入するギンギンのエレキギタリストであるドン・フェルダーやジョー・ウォルシュのようなメンバーが居なかったという事が大きいと思う。1972年というと、ニクソン政権下、ベトナム戦争終結の前年であり、激しさを増した戦争への思いや世相もこのアルバムに影響があると思う。
ならず者

LP 1
[Side1]
Doolin-Dalton
Twenty-One
Out of Control
[Side2]
Tequila Sunrise
Desperado
LP 2
[Side3]
Certain Kind of Fool
Doolin-Dalton
Outlaw Man
Saturday Night
[Side4]
Bitter Creek
Doolin-Dalton/Desperado(reprise)
【オリジナル・リリース】1973年
セカンド・アルバムは、西部劇のアウトローをテーマにしたコンセプト・アルバムである。こういうコンセプト・アルバムというのはサブスクやストリーミング配信がメインとなっている時代では成立しにくいだろう。Desperado(ならずもの)という曲は様々な歌手やミュージシャンにカバーされる名曲であるし統一感のある名アルバムだと思う。このアルバムのみ米国初出盤を持っている。米国初出盤も良い音質だがそれを上回るHi-Fiサウンドである。
オン・ザ・ボーダー

LP 1
[Side1]
Already Gone
You Never Cry Like a Lover
[Side2]
Midnight Flyer
My Man
On the Border
LP 2
[Side3]
James Dean
Ol''55
Is It True?
[Side4]
Good Day in Hell
Best of My Love
【オリジナル・リリース 】1974年
ドン・フェルダー(ギター)が加わり5人構成になった最初のアルバム。カントリー色からよりハードなロック色に変貌しつつあるのが良くわかる。
呪われた夜

LP 1
[Side1]
One Of These Nights
Too Many Hands
[Side2]
Hollywood Waltz
Journey Of The Sorcerer
LP 2
[Side3]
Lyin' Eyes
Take It To The Limit
[Side4]
Visions
After The Thrill Is Gone
I Wish You Peace
【オリジナル・リリース】1975年
バーニー・レドンが参加した最後のアルバム。風格のあるロックバンドとして揺るぎないサウンドである。
ホテル・カリフォルニア

LP 1
[Side1]
Hotel Carifornia
New Kid in Town
[Side2]
Life in the Fast Lane
Wasted Time
LP 2
[Side3]
Wasted Time(reprise)
Victim of Love
Pretty Mades All in a Row
[Side4]
Try and Love Again
The Last Resort
【オリジナル・リリース】1976年
ロック史上に燦然と輝く名盤。バーニー・レドンの代わりに入ったジョー・ウォルシュ(ギター)の存在も大きく、カントリー色が無くなって都会的な乾いた西海岸のサウンドとなった。
ロング・ラン

LP 1
[Side1]
1. Long Run
2. I Can't Tell You Why
3. In the City
[Side2]
4. Disco Strangler
5. King of Hollywood
LP 2
[Side3]
6. Heartache Tonight
7. Those Shoes
[Side4]
8. Teenage Jail
9. Greeks Don't Want No Freaks
10. Sad Cafe
【オリジナル・リリース】1979年
ベース担当のランディ・マイズナーが抜けティモシー・ B・シュミットが入った。統一感はあまりなく陽気な感じもない暗い曲が多い。ホテル・カリフォルニアとこのアルバムはリアルタイムで聴いた世代だが、当時はホテル・カルフォルニアが凄すぎたためにあまり評価は高くなかったが、改めてMobile Fidelity One Step 45RPMで聴いてみると、サウンド作りの巧さ、老獪な感じをも受ける。最後のアルバムだということもあり、6タイトルの中で一番音質が良い。
6タイトルの総括した音質は、鮮明で解像度が高くワイドレンジでありHi-Fiと呼べるにふさわしい音質である。ヴォーカルは小さくまとまり、ギターの音の鮮度が物凄く、シンバルの音の倍音が綺麗に再現される上、ドラムも実在感がある。再生装置のグレードが高くなればなるほどその良さがわかるであろう。
数年前にmobile fidelityはマスタリング時にDSDマスターを使っていてピュア・アナログでないというのを一部のアナログ・マニアから批判されたりもしたが、DSDマスターの使用はオリジナル・マスターの損傷を防ぐことやハイスペックのDSDマスターはとてもアナログっぽい音質であること、そもそもマスタリング時にダビングは不可避だが、アナログからアナログへのコピーは明らかに劣化するがデジタルからデジタルへのコピーは理論的に劣化しないので、マスタリングにデジタル技術を使っていても、出来上がった製品の質が良ければ全く問題ない。
これだけ完成度が高まったデジタル時代に、LPレコードが存在する意義は、デジタルでは出せない音がLPレコードにあるからで、それをこのOne Step 45RPMシリーズは具現化している。限定発売であるOne Step 45RPMの中古盤の実勢価格はすでに少しずつ上昇している。元の値段が高いのだけれど、その音質を知ってしまったら欲しくなる人が出てくるのは良くわかる。
手持ちにある1990年代に新品で購入したBOSTONのファースト・アルバムのMobile Fidelity200g重量盤LPレコードが実勢価格で5万円を超えているし、同時期に出たNirvana NevermindのMobile Fidelity200g重量盤LPレコードは状態が良ければ10万から15万円するのを知ってびっくりしている。狂気の沙汰だ。

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