音楽

2017年4月28日 (金)

マーラー 交響曲第8番、10番アダージョ/バーンスタイン、ウィーンフィル(180g重量盤LP)

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バーンスタイン/ウィーンフィルによるマーラー 交響曲第8番、10番アダージョのLPレコード。180gの重量盤で3枚組。1面に10番のアダージョが、2面~5面までに交響曲第8番が収載されていて、6面には溝が切られておらず、音楽は入っていない。

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オリジナル盤が発売されたのは1990年台はじめ頃だが、ご存知のようにバーンスタインは、1980年代半ばから始めたマーラーの交響曲チクルスを完成せずに亡くなった。交響曲第8番、10番アダージョは、1970年代半ばのザルツブルグ音楽祭でのライヴ録音を充てている。その当時の事だからアナログ録音だと思うが、何故かLPレコードのレーベルや下の解説書にはデジタルレコーディングの表記がある。

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演奏は、これ以外の1980年代半ば以降に録音されたものとは大きく違う。ライブさながらの熱演であることが良く判るが、これ以外の録音ではスタジオ録音であるかのように上手く編集されているのであるが、この交響曲第8番ではドシンバタンという指揮している時の足を踏み鳴らす音や唸り声なども入ってしまっている。交響曲第8番だけは1966年代にロンドン交響楽団と録音したCBSコロムビア音源のものの方が完成度が高いように思う。

手持ちの同一音源のCDとこのLPを比べると、CDの方がいささか音がこもりがちに聴こえ、このLPレコードは音の抜けや高域の清々しさが感じられ、音質的にかなり改善しているのが判る。

これ以外に「子供の不思議な角笛」もLPで復刻され、手に入れているので、こちらもそのうちに書こうと思う。晩年のドイチェグラモフォンから発売されたバーンスタインのマーラーは交響曲「大地の歌」だけが無いのが残念ではある。


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2017年4月25日 (火)

ドビュッシー 前奏曲集第1巻、子供の領分/ミケランジェリ(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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これは、先月発売になったEsotericSACD/CDハイブリッド盤で、1970年代のアナログ録音の名盤である。最近のEsotericSACD/CDハイブリッド盤は、どれもリマスターが良くて音質的に良いものが多いが、これもとても良い音質で聴ける。

アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの完璧主義を貫いたピアノは、ドビュッシーの美しさや透明感を鏡のように映し出すが、このディスクは、音質の良さから演奏の緊張感や微妙なニュアンスまで聴き取ることが出来る。前奏曲集はそれがとても良くわかる。また、子供の領分では、ピアノ音楽に込めた愛娘への愛情を感じるようなピアノの音色の優しさ明るさが完璧なテクニックと共に聴ける。

Fレンジは広い上にアナログらしい肉厚感のあるやや温かみのある音質で、オリジナルの音質を妙に捻じ曲げる事無く上手くリマスターされている。他のレコード会社もこのようなクオリティのリマスター盤が出せるように頑張って欲しい。


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2017年4月21日 (金)

モーツァルト 「フィガロの結婚」全曲/クライバー、ウィーンフィル

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タワーレコードから、エーリッヒ・クライバーの「フィガロの結婚」のSACD/CDハイブリッド盤が発売になった。この音源は、長年の愛聴盤なので速攻手に入れてみた。録音は1955年、モーツァルトの生誕200年の1956年にオリジナル盤がモノラルLPで発売され、1958年にはステレオLP盤が発売された。

歌手はほとんどが当時のウィーン国立歌劇場の団員で固められていて、躍動感と間合いの良さがある、ウィーン的でしなやかな演奏であった。1960年代以降のオペラのレコードは、良い歌手が世界中を飛行機で飛び回っている中をかき集めて録音されたものが多くなるが、この時代はまだそういった事があまり無く、古き良き時代のウィーン的な音楽が聴ける最後の時代だった。また、エーリッヒ・クライバーはこの録音の半年後に亡くなる。エーリッヒ・クライバーが残した唯一のステレオ録音である。

息子のカルロス・クライバーは得意なレパートリーが父と重なる。共に「薔薇の騎士」などは得意にしていたが、父の残したこの名録音があるためなのか、終生「フィガロの結婚」は録音しなかった。

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こちらは、1999年に発売された通常輸入CD。新しく発売されたSACD/CDハイブリッド盤とこのCDのCD層同士を比べてみると、やはり新しくリマスターし直されたSACD/CDハイブリッド盤の方が音質が良い。歌手の声や弦楽器の粒立ちが良くなっている。しかし、その差は大きくない。

私は、LPレコードでもこの録音のものは持っていて、米国ロンドンの初期盤(4枚組)と日本のキングレコードが1967年に発売した4枚組のセットである。

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米国ロンドン盤 中身の盤は英DECCAプレスでステレオ初期盤

英国DECCA SXL2087/90のオリジナル盤はまともなコンディションのものは20万円位するので、高価過ぎて買えない。私の持っているこの米ロンドン盤はレコード盤そのものはオリジナル盤と同じ時代に同じ工場でプレスされたもので、ボックスやリブレットは米国で作られたもの。非常にコンディションが良く、ノイズがほとんど出ない。なので、これを自前でデジタル化している。3枚のCD-Rに焼き同じCDプレーヤーで比べて聴いてみると、若干ノイズは乗るがそれを除けば今回発売になったSACD/CDハイブリッド盤のCD層よりも音が濃くより生々しい感じで、音質的に良いのだ。

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1967年発売の4枚組キング盤。

以前、中古屋でたった千円で売られていたので拾ってみたものだが、コンディションは良くなかなか音質が良い。実はこの盤の方が、英DECCA3枚組の再発LP GOS585-7よりも音質が良い。ただし、上の米ロンドン盤には劣る。日本語対訳の付いた豪華なリブレットが付いている。マトリックスは国内でカットされたもので、輸入メタル原盤を使用したものではない。プレス国の違いよりも本来4枚組だったものが3枚に詰め込まれる方が、このLPレコードの場合には音質的に不利なのだという事なのだろう。

ちなみに、最初に買ったこの録音のLPレコードは、学生時代に昼飯を抜いてまでして手に入れたもので、このジャケットと同じデザインの3枚組のキング後発盤だった。しかし、その後入手した米国ロンドン盤とのあまりの音質の違いによって処分した。後にGOS585-7も買ってみたが、音質的には4枚組のものに比べて良くないのでこれも今は無い。

タワーレコードは、レコード会社と協力して様々な名盤を復刻してくれているが、CD層を聴く限り今回の復刻盤はリマスターの効果が少なく、リマスターが本当に成功しているとは言い難い様に思う。さらに、通常のプラケースに入っていて装填などが貧弱なのが気になる。それなのに価格はDefinition Seriesとほぼ同じだ。これはタワーレコードの責任というよりも、レコード会社のユニバーサルの問題の方が大きいだろうと思う。リマスターや販売戦略がいまいちなのが原因だ。リマスターが下手なら自前でやらず上手いところにマスターを貸し出せ、貧弱な装填のままで高い値段を付けざるを得ないような仕事をするな、と言いたい。

EsotericのSACD/CDハイブリッド盤の三千枚ほどの限定盤がすぐに売り切れてしまい、その後に高価なプレミアムが付くほど中古盤が値上がりしてしまうのは何故なのか?理由は、SACD層もCD層も本当に音質が良くて装填も良いものが多いから。クラシックリスナーが本当に持っていたい、聴きたいと思わせるような内容になっているからだと思う。私からみて、今回購入したSACD/CDハイブリッド盤は残念ながらそこまで魅力のあるものになっていない。

TOWER RECORDSが発売してくれている限定盤の中では、音質的にもコレクターズ・アイテムとしても、持つものにとって素晴らしいものとして最も成功しているのは、TOWER RECORDS Definition Seriesのものだろうと思う。 Definition Seriesは、実質的にEsoteric SACD/CDハイブリッド盤とほぼ同じ人が同じJVCのラボでリマスターしていて音質の良いものが多いし、ハードカバー装填で外装にもEsoteric同様にお金がかかっている。今回のこの盤もDefinition Seriesとして出してもらっていたなら、リマスターももっと上手く、装填も良かっただろうに、と思い残念でならない。


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2017年4月18日 (火)

ベートーヴェン ピアノ三重奏曲 「大公」/ズーカーマン、デュ・プレ、バレンボイム

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4月16日(日)に、久しぶりに地元の街のオールジャンルを扱う中古レコード屋さんを覗いてみた。そこでゲットしたのが、ズーカーマン、デュ・プレ、バレンボイムによるベートーヴェンの「大公」ソナタのオリジナル盤。2400円+税という初期盤専門店やネットオークションでは到底考えられない格安価格だった。久しぶりに普通の中古屋さんでときめくレコードに巡り会えた。

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このLPレコードのオリジナル盤は英国EMIプレスで、ジャケット表はコーティングされていて裏は3方向折り返しになっている。2版以降のジャケットは折り返しになっていない。

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レーベルは、外周部に白線の無いもので、犬と蓄音機の四角のロゴがカラーのもの。ちなみに、家に帰って直ぐに一通り聴いてみたが、ノイズがほとんど出ないピカ盤であった。音質もとても良い。たとえオリジナル盤であろうとノイズが出て楽しんで聴くのに不都合な盤は、私的には価値が無いし持っている意味はないと思う。

以下にネットから拾ってきた英国2~4版のレーベルを載せてみる。

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2版(1972年頃から1970年代後半頃) 外周に白線があり犬と蓄音機の四角のロゴが白黒のもの

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3版(1970年代後半から1980年前後頃) 外周に白線があり犬と蓄音機の四角のロゴがカラーのもの

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4版(1980年代) 犬と蓄音機の四角のロゴが大きな半円で、1970年代のレコードよりも盤は薄くて軽い。

ネットでこのLPレコードの番号 ASD2572 で検索すると中古レコード店で実際にいくら位で売られているかわかるが、2版以降のものでも7~8千円位の値段を付けているお店もあり、オリジナル盤ならもっと高い値段である。海外の中古店でもオリジナル盤なら80ユーロ位はするし、送料を加えたなら間違いなく1万円以上を支払わねばならない。

この「大公」トリオの演奏では、デュ・プレは、夫のバレンボイムから贈られた新作のチェロを使って録音に臨んだという事だ。しかし、その後のデュ・プレは多発性硬化症という難病によって演奏が出来ない状態になり夭折する。この録音の数年後からが悲惨なのだが、この演奏には緊張感と力強さがあり、暗い影は微塵もない。若さに満ちあふれている。3人共20歳代で、しかもバレンボイムとデュ・プレは夫婦であり結婚して3年位しか経っていない幸せな時期だった。


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2017年4月14日 (金)

メンデルスゾーン 交響曲第3番、シューマン 交響曲第3番/クレンペラー、フィルハーモニア管(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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これは、先月発売になったEsotericSACD/CDハイブリッド盤。

フェーリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ(1809-1847)
交響曲 第3番 イ短調 作品56 《スコットランド》

ロベルト・シューマン(1810-1856)
交響曲 第3番 変ホ長調 作品97 《ライン》

ロマン派の交響曲の名作が2曲入ったもの。このうちのメンデルスゾーンのスコットランド交響曲は、特に気になる演奏であるし、こちらはTestamentの180g復刻重量盤LPでも持っている。フィンガルの洞窟序曲が入っていて、この序曲も名演なのだが、今回のSACD/CDハイブリッド盤では割愛されてしまって些か残念ではある。しかし、交響曲2曲で80分を超えているので仕方がない。

メンデルスゾーン、シューマン何れも晩年のクレンペラーらしい遅いテンポで重厚な音楽を造っている。冷たいが情熱的な演奏である。しかし、80歳代半ばになって録音されたシューマンの方は若干集中力が足りない感じがする。

音質的にはどちらも1960年代のものとして、非常に良いと言わざるを得ない。音に厚みがあり、さらには低域方向への深みのある低音の響きは従来のLPレコードでの再生では難しい。高域はしなやかな弦セクションと金管楽器の輝きのある響きが素晴らしい。

EsotericSACD/CDは良い音質のものが多いが、これは特に音の良さで驚かされた1枚であった。


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2017年4月11日 (火)

チュニジアの夜/アート・ブレーキー&ジャズ・メッセンジャーズ(180g重量盤LP)

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これは、昨年発売され、現在販売されている180g重量盤によるLPレコード。プレスはEU域内で行われているようである。アマゾンのマーケットプレイスで購入し、クレジットカード決済の後、ドイツから2週間位で送られてきた。本体価格が2100円位、送料が350円。

チュニジアの夜/アート・ブレーキー&ジャズ・メッセンジャーズは、20年以上前、モービルフィデリティが発売した金蒸着CDで購入し、聴いたのが初めてだった。この音楽の魅力は、アフリカの血が流れている人達による独特のリズム感だろうと思う。SIDE2のYAMAは、リー・モーガンの当時の奥さんの名字が由来で、KOZO'S WALTZは、飼っていたプードルの名前で、KOZOは日本語の「小僧」らしい。

それ以後、LPレコードでも欲しいと思っていたが、音が良くて状態が良く尚且つ価格がリーズナブルなLPレコードに出会う事が無かった。Blue Noteの名盤はオリジナルは勿論、再発盤や国内盤も高価だったからだ。たまに安いものも見かけたが状態は良くなかった。このLPレコードがあまり良い音質でなかったなら、少し高価ではあるが米国で発売されている高音質で評判なXRCDを買おうと思っていたが、その必要は無い。2500円程度でそれなりに納得出来る音質のLPレコードだと思う。やっぱり、JAZZはLPレコードで聴いた方が良い。

気になる点もある。これのパッケージを見たところ、Blue Noteのロゴがどこにも無い。レコード本体は紙の内袋に無造作に入っているだけなのでナガオカの導電性スリーヴに入れた。私は、新品で買ったLPレコードも聴く前にバキューム式クリーナーで洗浄することにしている。特に輸入盤はゴミが付着している事もあり油断は出来ないし、一見綺麗だと思っても洗浄することで音の鮮度が上がる事は何度も経験している。


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2017年4月 7日 (金)

R・シュトラウス ナクソス島のアリアドネ/ケンペ、シュターツカペレ・ドレスデン

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1968年録音のリヒャルト・シュトラウスのオペラ、 「ナクソス島のアリアドネ」の全曲盤。

この盤は西ドイツELECTORORA2版でありオリジナル盤ではない。この録音は、東ドイツのETERNAと西ドイツELECTORORAが共同制作したもので、東西の名歌手を揃えたこのオペラの名盤である。このLPレコードや英国EMISAN246/8の金切手レーベルで聴く限り、 非常に音質も良くてオーディオ的にも満足出来る。

歌手が揃っているというだけでなく、私は、ルドルフ・ケンペのオペラ指揮者としての実力が遺憾無く発揮されたもので、ウィーンフィルを振ったワーグナーの「ローエングリン」に匹敵する名演だと思っている。

また、「ナクソス島のアリアドネ」では、モーツァルトの「魔笛」の夜の女王のアリア以上に超絶技巧が必要なコロラトゥーラ・ソプラノによるツェルビネッタの長大なアリア、『偉大なる王女さま』が大きな聴きどころであるが、ツェルビネッタ役のシルビア・ゲスティは、繊細にして華麗、そして少し茶目っ気があるような余裕まで感じる名唱で聴き手を唸らせる。録音で聴けるツェルビネッタ役としては、リタ・シュトライヒ、シルビア・ゲスティ、そしてエディタ・グルベローヴァの3人が特に素晴らしいと思う。

良く、オーディオ・マニアの中には、リヒャルト・シュトラウスの曲では、「ツァラトゥストラはかく語りき」の冒頭の部分とか、「アルプス交響曲」の派手な部分をつまみ食いするだけの人が居る。リヒャルト・シュトラウスはオペラを沢山書いた。だから、管弦楽曲を聴くだけでオペラを聴かないのでは、この作曲家の作品の半分も聴いていないのだと思う。

リヒャルト・シュトラウスのオペラは、「サロメ」、「エレクトラ」、「薔薇の騎士」、そしてこの「ナクソス島のアリアドネ」が代表作だと思うが、個人的に、「サロメ」、「エレクトラ」は苦手であり、「薔薇の騎士」、「ナクソス島のアリアドネ」、「アラベラ」などが好きだ。

リヒャルト・シュトラウスとモーツァルトのオペラは相互に似た部分を持っているものがある。「フィガロの結婚」と「薔薇の騎士」、「魔笛」と「影のない女」、「コシ・ファン・トゥッテ」と「アラベラ」、そして「劇場支配人」と「ナクソス島のアリアドネ」など、ストーリーを意識しながら音楽を聴いているとそんな感じがする。


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2017年4月 4日 (火)

モーツァルト ドンジョヴァンニ/ジュリーニ、フィルハーモニア管

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カルロ・マリア・ジュリーニとフィルハーモニア管弦楽団が1959年に録音したドンジョバンニのLPレコードで、ちなみに録音はロンドン・アビーロード・第一スタジオで行われている。

1950年代終わり頃から1960年代の録音のドンジョバンニでは、クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管との録音のものを良く聴く。比較すると同じ英国のオーケストラ(フィルハーモニア管は1960年代後半にニュー・フィルハーモニア管になった)なのに、クレンペラー盤はどっしりとドイツ的で、ジュリーニが指揮したこの録音ではカンタービレが美しく、歌手のレチタティーヴォが自然で終始イタリア的に響く。アリアが上手く歌えていてもレチタティーヴォが下手だとドンジョバンニやフィガロのようなオペラは楽しめないし興冷めする。そのような事がこの録音では全く無い。

シュワルツコップのドンナ・エルヴィラの歌の巧さは言うまでもなく、若きサザーランドのドンナ・アンナがとても美しい声で上手いのにびっくりし、ヴェヒターのタイトルロール、タデイのレポレロも良い。やはりこの録音は、50年以上経っても未だによく聴かれる優れた演奏なのだというのを改めて感じる。

このLPレコードの音質はとても良い。1970年代のプレスだが第一次オイルショック前のものという事もあり、1枚の重量は160g程度あり、その後にプレスされたLPレコードよりも厚くて重い。Fレンジも充分に広く尚且つ音が細身になり過ぎない。プレス自体がとても良く、プレスが原因のノイズなどは皆無である。

この4枚組中古レコードが二千円だった。1970年頃にプレスされた西ドイツ盤で、オリジナル盤ではない。この音源の英国のオリジナル盤はとても高価なので買えない。今、輸入盤の同じ音源のCDの3枚組セットが同じ位の値段で買えるとして、どっちを選ぶかと言われれば、私個人としては間違いなくこのLPレコードの方だ。


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2017年3月31日 (金)

ドニゼッティ ランメルモールのルチア/セラフィン、フィレンツェ5月祝祭o.他

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1953年の録音。マリア・カラス(S)、ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(T)、ティート・ゴッビ(Br)の3人が歌っている1950年代のイタリアオペラのEMI録音には、優れたものが多いが、これもその1つ。

このLPレコードは1950年代にプレスされた英国発売の初期盤だが、フラット盤ではないので初版ではないと思う。マリア・カラス、セラフィンのコンビはスカラ座で録音したステレオ盤もあるが、それはこちらですでに書いている。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-7992.html

このフィレンツェ5月祝祭o.とのモノラル盤は、1953年から1957年頃のマリア・カラスの声が一番充実していた時に録音されたものである上に、ジュゼッペ・ディ・ステーファノやティート・ゴッビなどの他の配役の歌もステレオ盤でのタリアヴィーニやカップッチルリよりも勝っている。歌声の競演みたいな感じで聴きたい人はこちら一択である。

ステレオ盤よりも録音は古くて悪いのだが、初期盤のLPの音質は、Fレンジが狭いものの非常に鮮明で歌声を聴くのに何ら問題はない。


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2017年3月28日 (火)

イエロー・サブマリン/ビートルズ

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イエロー・サブマリンというビートルズのLPレコードについて、本当はビートルズのサウンド・プロデューサーだったジョージ・マーティンが亡くなった直後などのタイミングで、もっと前に書くべきだった。

このLPレコードは、SIDE1には普通にビートルズのメンバーが作曲し演奏し歌っているものが収められている。そちらについては多くのビートルズ好きなマニアに任せるとして、そうではなく今回は、ビートルズのメンバーの歌も演奏も無いSIDE2に収められているジョージ・マーティンが作曲・指揮をした映画の挿入曲として使われたオーケストラ曲について書いてみる。

このLPレコードを手に入れたのは18歳の頃。その当時はビートルズのメンバーの歌も演奏も無いSIDE2はおまけでしかなく、ほとんど聴くこともなくスルーだった。しかし、聴く音楽がクラシック音楽が大半になった頃から、ふとした時に聴いたこのイエロー・サブマリンのSIDE2は全く無視できないものになっていった。

SIDE2収録曲

1.ペパーランド(Pepperland)
 作曲・編曲:     Martin

2.シー・オブ・タイム(Sea Of Time)
 作曲・編曲:     Martin

3.シー・オブ・ホールズ(Sea Of Holes)
 作曲・編曲:     Martin

4.シー・オブ・モンスターズ(Sea Of Monsters)
 作曲・編曲:     Martin

5.マーチ・オブ・ミーニーズ(March Of The Meanies)
 作曲・編曲:     Martin

6.ペパーランド・レイド・ウエイスト(Pepperland laid waste)
 作曲・編曲:     Martin

単に映画のサウンド・トラックとしてではなく、曲自体が面白いし、オーケストレーションも様々な工夫がなされている。ペパーランド(Pepperland)ではピアノが効果的に使われ、シー・オブ・タイム(Sea Of Time)ではシタールがエキゾチックな効果を出している。シー・オブ・モンスターズ(Sea Of Monsters)では、バッハのG線上のアリアのフレーズが引用されたりする。マーチ・オブ・ミーニーズ(March Of The Meanies)では、さながら20世紀の現代音楽っぽい感じもある。ペパーランド・レイド・ウエイスト(Pepperland laid waste)では、イエローサブマリンのフレーズがオーボエで奏でられ、なかなか良い。全体的にはうきうき楽しい感じで近代のクラシック音楽のような感じがする。

音質的にもこの当時の普通のクラシック音楽のLPレコードに近いクオリティがあって、普通の電子楽器を使い何回もダビングして作られるポピュラー音楽とは違う。若い頃はビートルズを聴いたけれど、今はクラシック音楽を聴く方が圧倒的に多いような方、改めて一度、イエロー・サブマリンのSIDE2を聴いてみることをお薦めする。

エリナー・リグビーやザ・ロング・アンド・ワインディングロードが何故素晴らしいのか、その理由の一つがジョージ・マーティンのオーケストラ・アレンジの良さによるもので、この人の実力がイエロー・サブマリンのSIDE2で良く判る。


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