音楽

2019年10月18日 (金)

オペラの夜 シルヴィア・ゲスティ

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1970年1月に発売された、東ドイツETERNAレーベルのLPレコード。

収録内容

Side 1
モーツァルト 後宮からの誘拐から コンスタンツェのアリア
「ああ私は恋し、本当に幸せでした」

モーツァルト 魔笛から 夜の女王のアリア
「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」

オッフェンバック ホフマン物語から オランピアのアリア
「生け垣に小鳥たちが」

R・シュトラウス ナクソス島のアリアドネから ツェルビネッタのアリア
「偉大なる王女様」

Side 2
ロッシーニ セビリアの理髪師から ロジーナのアリア
「今の歌声は」

ベルリーニ 清教徒から エルヴィーラのアリア
「あなたの優しい声が」

ヴェルディ リゴレットから ジルダのアリア
「慕わしい御名」

ヴェルディ 仮面舞踏会から オスカルのアリア
「何をお召しなのか」

シルヴィア・ゲスティ(ソプラノ) ベルリン放送交響楽団 クルト・マズア(指揮)

シルヴィア・ゲスティというソプラノ歌手について、クラシック音楽をよく聴く方にとっても知らない人は多いのではないだろうか?1934年ハンガリーのブタペスト生まれで2018年に亡くなったコロラチューラ・ソプラノだ。デビューから1970年くらいまでは東ドイツなどの東欧圏で活躍していたので、東独ETERNAなどに多くの録音が残されているが、一番有名なのは、ルドルフ・ケンペ指揮、ドレスデン国立歌劇場でのR・シュトラウス「ナクソス島のアリアドネ」のツェルビネッタだと思う。

このLPレコードにもツェルビネッタの超絶技巧が必要なコロラチューラのアリアが収められている。このレコードでは、イタリアオペラよりもモーツァルトとかR・シュトラウスなどドイツオペラの方が良いと思う。この人のイタリア語は聴き取りにくい。しかし、コロラチューラの高音の声の転がし方が今の歌手と違っていてスタイルの古さは感じるけれど、それでもその当時随一のコロラチューラ・ソプラノだった声の魅力は充分に伝わるLPレコードである。

東ドイツETERNAのLPレコードは、東欧のレーベルの中でも最も音質が良いと思う。どっしりと中低域が分厚く響きも素直で、このLPレコードも優秀な音質である。


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2019年10月15日 (火)

ベートーヴェン チェロ・ソナタ全集 変奏曲集 /フルニエ、グルダ(180g重量盤LP3枚組)

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2019年9月に発売された、ピエール・フルニエ(チェロ)、フリードリッヒ・グルダ(ピアノ)によるベートーヴェン チェロ・ソナタ5曲と変奏曲3曲の3枚組LPレコード。全世界1700セット限定で、ボックス裏には1700セット中の何番目かの番号が手書きで書いてある。また、ピエール・フルニエの息子のジャン・フォンダとラインハルト・ボイトによるライナーノーツ入り解説のリブレットと、オリジナル・マスター・シートのレプリカ16枚も付属している。

オリジナル・マスター・シートのレプリカ

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演奏は、LPレコードの時代から極めつけの名盤なので、今回の復刻盤の音質とかプレスの状態について書いてみる。音質はオリジナル盤よりもっとワイドレンジである。鮮明な音で聴けてマスターの劣化が目立たない。サーフェスノイズがほとんど無いし、バランスも良くて、復刻盤としてかなり良いものだと思う。CDでなくLPレコードで聴く価値は間違いなくある。CDだとピアノやチェロが薄く感じるが、LPだと実在感がある。今後、LPレコードで聴くときは、オリジナル盤、初期盤ではなく、このセットで聴く事が多くなるだろう。

オリジナル盤ないし初期盤も3枚バラで持っていて、それはこちらに書いている。
http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-3edc09.html

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オリジナル盤、初期盤はとても高価なので、この復刻盤の価値は高い。ジャケット写真はバラのオリジナル盤ではグルダはピアノを弾いている横顔であるが、こちらはカメラ目線で正面を向いている。


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2019年10月11日 (金)

スペインのセレナーデ/グザヴィエ・ドゥ・メストレ 、ルセロ・テナ

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収録曲
01. グラナドス: 『スペイン舞曲』より第5番「アンダルーサ」
02. I.アルベニス: 『スペイン組曲第1集』op.47より第5番「アストゥリアス」
03. I.アルベニス: 『12の性格的な小品集』op.92より第12番「朱色の塔」
04. I.アルベニス: 『スペイン組曲第1集』op.47より第1番「グラナダ」
05. I.アルベニス: 『スペイン組曲第2集』op.97より「サラゴーサ」
06. I.アルベニス: マヨルカ(舟歌)op.202
07. ソレール: ソナタ ニ長調
08. マラツ: 『スペインの印象』より第2曲「スペインのセレナータ」
09. グリーディ: 古いソルツィーコ
10. M.P.deアルベニス: ソナタ ニ長調
11. チャバーリ: モーロ城の伝説
12. ファリャ: 歌劇『はかなき人生』より「スペイン舞曲第1番」
13. タレガ: アルハンブラ宮殿の思い出
14. ヒメネス: サルスエラ『ルイス・アロンソの結婚』より第4番 間奏曲

グザヴィエ・ドゥ・メストレ(hp) / ルセロ・テナ(カスタネット)
録音:2017年

カスタネットの女王、ルセロ・テナが来日したので、コンサートに行ってきた。このCDは、そのコンサート会場で購入したもの。

今回の来日は、ハープ奏者のグザヴィエ・ドゥ・メストレとのデュオの公演で、公演会場は10月8日 紀尾井ホール(東京)と10月9日 豊田市コンサートホール(愛知県豊田市)のみでどちらに行くか迷ったが、私がチケットを買おうとした時には紀尾井ホールには残席わずかで良い席が無く、豊田市コンサートホールはまだ余裕で良い席があったので豊田の方に決めた。

名古屋には時々出かけるが豊田には行ったことがなく、鉄道で行くのには静岡からどのようなルートで行けばいいかハイパーダイヤで調べてみたら、静岡→豊橋(新幹線)→岡崎(JR在来線)→新豊田(愛知環状鉄道)という乗り換えが一番良いようで、名古屋に行ってから豊田に戻るよりも時間的にも早いらしい。豊田市コンサートホールは、豊田市中心部の駅近くのビルの10階にある中規模のホールで、静岡で言えばAOIホールのような感じであった。

当日のコンサートはこのCDにある曲を中心で、ルセロ・テナが参加する曲とハープのグザヴィエ・ドゥ・メストレ の独奏のものが交代で演奏された。ハープの独奏のときにはルセロ・テナは居なくなるのだが、デュオで演奏するたびにメストレが呼びに行きルセロ・テナの手をとってステージ中央までエスコートしていた。メストレのハープはただ単にテクニックに優れているだけではなく美しく、あるときは優しくあるときは力強く響き、非常に高貴な演奏で素晴らしかった。ルセロ・テナは80歳を超えてもリズム感やテクニックに衰えは見られず、その健在を示してくれた。

とても良いコンサートだった。アンコールは2曲で、最後はお客さんの中にスタンディングオベーションの方が多く居た。しかしながら、残念だったのはお客さんの入りで、紀尾井ホールでは早々にソールドアウトだったのが、豊田ではホール全体の1/3くらいしか客席が埋まっていなかったことで、その点がとても惜しい感じがあった。

終演後にはCD購入者に対してサイン会が開かれ、私もこのCDにお二人のサインを貰ってきた。ルセロ・テナのサインはLPレコードにもあるものがあるので、2枚になった。

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このCDはこのコンサートの感動を彷彿させるもので今後、愛聴盤になる可能性が高い。音質も良く残響も自然で、コンサートの客席からは聴こえない擦れ音なども聴こえるし、ハープの音は実演よりも鮮明な感じに響く。尚、ルセロ・テナ(カスタネット)が参加しているのは14曲中7曲である。

なお、こちらに手持ちのルセロ・テナのLPレコードやCDを載せたホームページを作っていて、今回このCDも加えて補筆してみた。20種以上のジャケットを載せていて、ユーチューブ動画も貼り付けている。

ルセロ・テナ

http://encoregold.gozaru.jp/lucerotena.htm

また、ユーチューブに、このCDのプロモーションであろう動画があったので貼り付けた。


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2019年10月 8日 (火)

奇妙な果実 ビリー・ホリデイ/コモドア・レコーディングス

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収録曲
Side 1
1.奇妙な果実 Strange Fruit
2.イエスタデイズ Yesterdays
3.ファイン・アンド・メロウ Fine and Mellow
4.ブルースを歌おう I Gotta Right to Sing the Blues
5.ハウ・アム・アイ・トゥ・ノウ How Am I to Know?
6.マイ・オールド・フレーム My Old Flame
7.アイル・ゲット・バイ I'll Get By
8.水辺にたたずみ I Cover the Waterfront

Side 2
1.アイル・ビー・シーイング・ユー I'll Be Seeing You
2.アイム・ユアーズ I'm Yours
3.エンブレイサブル・ユー Embraceable You
4.時のすぎゆくまま As Time Goes By
5.ヒーズ・ファニー・ザット・ウェイ He's Funny That Way
6.恋人よ我に帰れ Lover, Come Back To Me
7.アイ・ラヴ・マイ・マン I Love My Man (Billie's Blues)
8.明るい表通りで On the Sunny Side of the Street

これは、ビリー・ホリデイがSPレコード時代の1939年から1944年頃コモドア・レーベルに録音した16曲を集めた復刻LPレコードで、1972年にキングレコードから発売されたもの。ジャケットは見開き、レコード盤はオイルショック直前でまだ薄くはない。

SP時代のオペラのLPレコードを聴くのがマイブームになったので、ジャズならどうなのだろう?とレコード棚の肥やしになっていた本盤を久しぶりに聴いてみた。人種差別を告発した、奇妙な果実 Strange Fruit が特に有名だが、普段お気軽には聴けない曲である。それ以外のスタンダードは、全盛期のビリー・ホリデイの良さが出ているのとかなり録音が良くなった1940年代のSPの復刻ということもあり、音質的にも不満は少ない。


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2019年10月 4日 (金)

マーラー 交響曲集 クレンペラー(Tower Records Definition Series SACD/CDハイブリッド盤)

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【曲目】
グスタフ・マーラー:オットー・クレンペラー(指揮)
DISC 1
交響曲 第2番 ハ短調 「復活」
エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ) ヒルデ・レッスル=マイダン(メゾ・ソプラノ)
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1961年、1962年

DISC 2
交響曲 第4番 ト長調
エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ) フィルハーモニア管弦楽団
録音:1961年

5つの歌曲
私はこの世に捨てられて ~「リュッケルトの詩による5つの歌曲」より
真夜中に ~「リュッケルトの詩による5つの歌曲」より
この世の生 ~「子供の不思議な角笛」より
私は仄かな香りを吸い込んだ ~「リュッケルトの詩による5つの歌曲」より
美しいラッパが鳴りひびくところ ~「子供の不思議な角笛」より
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ) フィルハーモニア管弦楽団
録音:1964年

DISC 3
交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」 第1-4楽章
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

DISC 4
交響曲 第7番 ホ短調 「夜の歌」 第5楽章
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音:1968年

交響曲 第9番 ニ長調 第1楽章

DISC 5
交響曲 第9番 ニ長調 第2-4楽章
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音:1967年

DISC 6
大地の歌
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ) フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
フィルハーモニア管弦楽団 ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音:1964年、1966年

マーラーの直弟子の一人であるオットー・クレンペラーのEMI録音のものがセットになってタワー・レコードから1500セット限定発売となった。全体的に非常に音質が良く、満足できる出来である。

交響曲第2番「復活」は英国LPレコードの音質も良くて、アメリカのオーディオ誌、The Absolute Sound が発表している高音質LPレコードのリスト、TAS super LP Listに掲載されいる。しかしながら、従来のCDでは充分にその恩恵を受けることはできなかった。このSACD/ハイブリッド盤では、現在の最新録音の水準と比べても決して聴き劣りしない音質で、やっとデジタルでまともな音質になったと感じた。

大地の歌は、EsotericSACD/CDハイブリッド盤も持っていて聴き比べたが、Tower Records Definition Series盤の方が音に厚みがあり音像もしっかりしていてより好ましく感じた。Esoteric盤は発売されたのが9年前なので、リマスターの技術の進化などで音質差が出ている可能性がある。EsorericSACD/CDハイブリッド盤は、こちらに書いている。
http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/sacdcd-4a35.html

交響曲第7番が第5楽章のみ、第9番が第1楽章のみが切離され別々のディスクに収録されている事が気になる部分ではある。しかし、これだけの曲を6枚のディスクに収めたのだから仕方が無いのだろう。

Tower Records Definition Series SACD/CDハイブリッド盤は、オペラだと800セット限定だが、このマーラーの交響曲集は1500セット限定である。オペラがいかに売れないのかわかる。カイルベルトの「魔弾の射手」とバルビローリの「蝶々夫人」が発売されるが、いずれも購入しようと思う。


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2019年10月 1日 (火)

オルフ カルミナ・ブラーナ/ヨッフム、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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2019年9月に発売されたEsoteric SACD/CDハイブリッド盤の1枚。

演奏
グンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)
ゲルハルト・シュトルツェ(テノール)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)

ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団・合唱団、シェーネベルク少年合唱団
指揮:オイゲン・ヨッフム

録音 1967年

この録音は、カルミナ・ブラーナの決定的名盤と呼べるもので、ダイナミックでスケールの大きな演奏で、音質も良い。1968年発売の西ドイツプレスのLPレコードも持っていて、だいぶ前にこのブログにも書いた。

http://musickp.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-e80e.html 

オリジナル盤のLPレコードはとても高音質だが、今回のSACD/CDハイブリッド盤もとても音質が良い。おそらく録音がとても良く元のマスターの音質が良いからだろう。発売から50年以上経過しているが、そんな古い録音とは思えない。SACD層はしなやかで音場がより広いが、より力感あふれる感じなのはCD層の方で、CD層も従来のオリジナル・ビット・マッピングによる通常CDよりも相当に音質が向上している。


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2019年9月27日 (金)

グリーグ ペール・ギュント、ホルベルグ組曲(EsotericSACD/CDハイブリッド盤)

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グリーグ:《ペール・ギュント》の劇音楽(抜粋)
エド・デ・ワールト(指揮)サンフランシスコ交響楽団・合唱団 独唱 エリー・アメリンク(ソプラノ)

ホルベルク組曲
サー・ネヴィル・マリナー(指揮)アカデミー室内管弦楽団

いずれも、1980年代前半のデジタル録音初期のものである。演奏は、どちらも定評あるもので、均整の取れた美しいものだと思う。

このハイブリッド盤では、当時のPhilips録音の良さが良く分かる。この当時、クラシックのメジャーレーベルの中で音質面で一番優れていたのがPhilipsで、美しいしなやかさとともに自然な残響のある音場が形成される。SACD層は非常にしなやか、滑らかな音質で音場が広い。CD層はやや厚みがあって力強さが感じられるが音場はやや狭くなる。2つの異なるLPレコードを合体させたようなハイブリッド盤であるが、全く違和感がない。


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2019年9月24日 (火)

R・シュトラウス 「薔薇の騎士」/ カラヤン、ウィーン・フィル(Esoteric SACD/CDハイブリッド盤)

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配役
アンナ・トモワ=シントウ(ソプラノ:元帥夫人)
クルト・モル(バス:オックス男爵)
アグネス・バルツァ(メゾ・ソプラノ:オクタヴィアン)
ゴットフリート・ホーニク(バリトン:ファーニナル)
ジャネット・ペリー(ソプラノ:ゾフィー)
ハイツ・ツェドニク(テノール:ヴァルツァッキ)
ヘルガ・ミュラー=モリナーリ(アルト:アンニーナ)
ヴィルマ・リップ(ソプラノ:マリアンネ)
ヴィルソン・コール(テノール:歌手)、他

ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ウィーン国立歌劇場合唱団
ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)

録音:1982~84年

今月は、EsotericからSACD/CDハイブリッド盤が3種類発売されたが、これはその1組。指揮者のカラヤンがキャストから音楽作りまで自分の思い通りにやったオペラのセッション録音は数多いが、その中でも出色の演奏である。ただし、私個人は、1956年のフィルハーモニア管盤が、当時の歌手の素晴らしさに加えて録音の状態も1956年のEMI録音とは思えない素晴らしいものなので、そちらの方をより好む。

このSACD/CDハイブリッド盤は今まで聴いてきたこの音源のLPレコードやCDとは音質が一皮もふた皮も剥けた感じで、鮮明で混濁感が無い。ドイチェ・グラモフォンのデジタル録音最初期のものは、それ以前のアナログ録音のものに及ばない音質のものが多かったが、従来のLPレコードやCDではこれも例外ではなく、若干のデジタル臭さやザラつき感があった。しかし、この盤はSACD層でもCD層でも透明感と滑らかさがあってとても素晴らしい音質になっている。特に第一幕のドタバタする場面は、カラヤンがいかに細部の描写にまでこだわる音楽をつくっていたかがよくわかり、まさしくカラヤンの「薔薇の騎士」である。絢爛豪華で歌手の歌い方までウィーン的で、歌劇場の極上席に居るような臨場感がある。また、そんな中で、個々の歌手の歌がはっきり聴こえるような録音となっている。

一つの説として、デジタル初期の録音のものはハイレゾやSACDで発売しても高音質化はあまり望めず、アナログ時代のものよりもメリットが少ないという声もあるけれど、この盤に関しては相当な音質的な向上があったと思うし、高音質にならなければ、オーディオ・メーカーがデジタル初期の音源をSACD化しないであろう。


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2019年9月20日 (金)

プッチーニ 蝶々夫人/ファブリティス、ローマ歌劇場、ダルモンテ、ジーリ他(ALP1659/60)

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配役
トティ・ダル・モンテ(ソプラノ)
ベニャミーノ・ジーリ(テノール)
ヴィットリア・パロンビーニ(アルト)
マリオ・バシオラ(バリトン)
アデリオ・ザゴナーラ(テノール)
ジーノ・コンティ(バス)
エルネスト・ドミニーチ(バス・バリトン)

ローマ歌劇場合唱団 ローマ歌劇場管弦楽団 オリヴィエロ・デ・ファブリティス(指揮)
録音:1939年

これも戦前のSP時代の復刻LPレコードである。ファブリティスの「トスカ」は、英HMVが最初にLPレコードを発売した1950年代初めにすぐに復刻され発売されたが、この盤はステレオ初期の時代になってようやく復刻されLPレコードになって発売された。通常は3枚組で発売される「蝶々夫人」であるが、このセットは2枚にまとめられていて片面あたりの収録時間がやや長い事もあってか、「トスカ」ほど音質は良くない。それでも、復刻CDを聴くよりはずっと鮮明な音質である。

タイトルロールの蝶々さんを歌うトティ・ダル・モンテが可憐で可愛らしい歌声で素晴らしい。この人はもともと、アメリータ・ガリ・クリチの後に出現した大コロラチューラ・ソプラノであるが、蝶々さんというリリコな役を歌ってもとても素晴らしいのがわかる。しかも、彼女が引退したのは1944年であるから、オペラ歌手のキャリアの終わりに近い年齢で歌われたものとしては、声が若々しくて驚く。役柄上、15歳の蝶々さんとして全く申し分ないのである。さらに、ピンカートン役のベニャミーノ・ジーリが素晴らしい。この二人の録音の「蝶々夫人」としてこの録音は長く後世まで残したいと思う。

このLPレコードのジャケットの絵柄はとても良いと思う。トティ・ダル・モンテの歌のイメージにぴったりである。


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2019年9月17日 (火)

プッチーニ トスカ/ファブリティス、ローマ歌劇場 カリーニア、ジーリ(ALP1020/21)

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配役
マリア・カニーリア (ソプラノ)
ベニャミーノ・ジーリ (テノール)
アルマンド・ボルジョーリ (バリトン)
エルネスト・ドミニーチ (バス・バリトン)

ローマ王室歌劇場合唱団 ローマ王室歌劇場管弦楽団
オリヴィエロ・デ・ファブリティス (指揮)
録音:1938年

ここのところ、古いモノラル時代のオペラのLPレコードを聴くのがマイ・ブームとなっている。そこで、この「トスカ」のレコードも聴いてみた。この録音はSPレコードの時代で古いが、実際にこのLPレコードをモノラル用のカートリッジでかけてみると、1950年代前半に録音された他のオペラ全曲盤と比べてもさほど遜色はない音質で、これが戦前の録音だと思うと驚愕する。

もう何年も前に、拙宅に訪れたオペラが好きなオーディオマニアに、これが私の一番好きな「トスカ」だから、ちょっとさわりだけ聴いてみてください、と言ってこのモノラルのレコードを取り出し聴いてもらった。指揮者はファブリティス、トスカのタイトルロールを歌うのはカニーリアと言っても、いずれのアーチストも知らないという。古いモノラル時代の「トスカ」ならマリア・カラスが歌ったデ・サバータ盤ならCDで聴いたことがあるというのだが。

始まってしばらくして、カヴァラドッシ役が歌う「妙なる調和」が聴こえだしたら、「えっ、えっ、このカヴァラドッシは誰が歌っているの?」と尋ねるので、ベニャミーノ・ジーリだと答えると、「えっ、じゃあ、これ、戦前のSPの復刻盤ですか?すごく良い音ですね、わかりませんでした。」と呆然とお応えになったのは今も覚えている。

この録音はナクソスが復刻CDでも発売している。しかし、このLPレコードのような感銘はない。このレコードは先日ご紹介したアルフテルの「はかない人生」と比べても音質的に遜色はない。

古いモノラル盤ならデ・サバータ盤の引き締まったオーケストラや、何ものにも代え難いマリア・カラスのタイトルロールの良さもわかるし、それに比べてベニャミーノ・ジーリだけが脚光を浴びる録音なのかも知れないが、「トスカ」の録音史上、初めて出現した後世に残したい録音で、トスカ役のマリア・カニーリアも、当時、ローマ歌劇場の芸術監督だったオリヴィエロ・デ・ファブリティス の統率も悪くなく、個人的に大好きなレコードである。


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